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アジテーション
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ディナータイムの食堂は、ひっそりとして、如何にも準備中と言った感じだった。南欧調の暖炉には、ピラミッド型に雑木が組まれ、熾きが作ってある。その手前のオーバルウッドストッカーに、クヌギやカシなどの火持ちする薪が、革手袋と共に置かれていた。それが、外出先から遅れて帰宅した岸本の慌て振りを象徴していた。
ディナータイムなのに、無人。それは、次の次第である。羽田、大島のカップルは、ネットカフェの小火騒ぎで煙を吸って体調を崩し総合病院で安静にしている、久慈親子の父は、『樹氷』の店員の倉石留美と密会中、娘のりおは、透視によってやばい奴に追われどこかへ身を隠している、美咲は言わずもがな行方不明、アルバイトの米元あずさは、祖母と晦冥会の理事長と連れ立ってどこかへ行ってしまった。つまり、どういった運命の悪戯か、現在このペンションに残っているのは、わたくしと岸本の二人きりだ。
こね板に生地を打ち付ける音のする厨房から、熱したフライパンの上で鶏肉の皮目が油の中で弾ける香ばしい匂いが漂って来た。
『岸本の所へ行って、『例の場所』へ案内するよう頼むんだ』
わたくしは意気込んで、厨房の中に顔を入れた。すると、コックコート姿の岸本が、コールドテーブルと石窯を行き来しながら、打ち粉をまぶしたピザの生地を、生地の重みだけで下に伸ばしながら、ふちを回転させている。
「岸本!」
予告なしのわたくしの呼び掛けに、岸本はびくりと体を揺すった。振り返ったその大きな瞳に、余所行きのわたくしの姿が映ると、彼は、メタボリックシンドロームの腹囲測定が終わった後のように、ゆるゆると体の強張りを解いて、薄目を作った。
「何だ、宗村か」
再び熊のような大きな背中を見せて、生地の上にオリーブオイルを延ばした。
「驚かせやがって、お客様のお叱りかと思ったじゃないか。まったく、心臓に悪い。
おうどうした、腹でも減ったか? 夕食だったら、悪いがもう少し待ってくれ。とんでもないトラブルの発生だ。俺とした事が、鮮魚センターの大将と話が出来ていなかった。耳が遠い古株の店員に、俺は発注を入れてしまったのさ。嫌になっちまうよ。お目当ての金目鯛はスッカラカン。迷った挙句が、日本海の市場まで足を運んで、ムツやカサゴを搔き集めたってわけだ。そして、こんな時間だ」
わたくしは岸本の背後まで歩いて行った。
「とにかくお客様に対しては、冷凍庫の前菜で場を繋いでもらおうと、米元君に電話を入れたら、彼女、こんな時に限って急用が出来たって言い出して、俺はもう、きりきり舞いだ」
わたくしは岸本の左肩に手を置いて、その肩を力いっぱい真横へ払った。
「岸本、夕食なんてどうでもいい。俺を例の場所へ案内しろ」
眼前に迫った凄みの表情を見て、岸本はコック帽を左手で押さえた。
「な、なんだ急に」
「君は初めから分かっていたんだろう? 今回の一連の騒動が一体何であるのか。それを分かっていながら、何食わぬ顔をして俺たちに相談を持ち掛けて来た」
火に掛けたフライパンから、油の弾ける激しい音がして、岸本は手を叩いて打ち粉を払いながら、鶏肉を熱したフライパンの焦げをこそげ取って、バターとグラニュー糖を入れた。
「何を一人で興奮しているんだ、俺は忙しいんだ、例の事件の話なら、後回しにしてくれ」
「ダメだ、一刻を争う事態だ。夕飯なんてそれこそ後回しだ」
岸本は鶏肉にラム酒を注ぎ、フライパンを傾けて、コンロの火を着火させると、鶏肉をフランベにした。
「勝手な事を言うな、お客様にディナーを出さないなんて、大クレームものだ。万が一でも、この失態がSNSに拡散されでもしたら、ペンションの評判はガタ落ちだ」
「岸本、君が心配している宿泊客は、もう来ない」
どばどばと白ワインを注ぎ、玉ねぎとしめじを入れて、フライパンに蓋がされた。
「なんだと?」
「今回の一連の騒動で、羽田さんは体調を崩して病院にいる。久慈さんは他へ行っていて遅くなるだろうし、美咲も戻らない。みんなペンションに戻れない状態だ。岸本、頼む、俺を例の場所に案内してくれ」
岸本はポルト酒ルビーの瓶の蓋を開封し、前回作った赤ワインソースに注ぎ足した。
「何の話だ、俺にはお前の言っている意味がさっぱり分からん」
『例の場所について聞かれて、それでも奴が白を切るような事があれば、その時はりおの透視画を突き付けて、こう言ってやるんだ』
わたくしはコックコートの胸倉を掴んで、拳をこちらへひっくり返すと、そのままぐいっと岸本の喉元まで突き上げた。
「白を切るんじゃない! 君の悪事は分かっている、その事を警察にバラされたくなかったら、今すぐ俺を例の場所へ案内しろ!」
「悪事だあ⁉」
金剛力士の阿形像のように、濃い太い眉毛が顔の中央へ寄った。
「ああそうだ、君は晦冥会と裏で繋がっているのだろう! 晦冥会の秘密の祠へ行って、君は人知れず悪事を働いているのだろう!」
わたくしの口から、『晦冥会』と言う言葉が発せられた途端、岸本の顔に一滴の墨汁を垂らしたような、一種の憂いの色が浮かんだ。岸本は相手に胸倉を掴まれた状態から、手のひらでわたくしの口を覆った。
「馬鹿、声が大きい」
岸本はわたくしに顔を押し付けて、驚くほど小さな声を出した。狭い厨房の中を見回して、のみならず、わたくしの口を覆ったまま、食堂が無人である事を確かめに行った。
「放せ、この野郎」
わたくしは太い腕を払い除け、厨房の中へ戻る形で、岸本と距離を取った。岸本はじろりと大きな目を剥いた。
「宗村、どうしてそんな出鱈目な事を言うんだ」
自ら出鱈目と言っておきながら、その声は細心の注意が払われた。
「出鱈目ではない、これを見ろ」
ポケットに用意してあった、りおの構築的な透視画を、岸本の眼前へ突き付けた。それは、笹畝坑道のような遺構の先に、鉄筋コンクリート造の四角い一室が見える、謎の祠の素描だ。透視画を引ったくって、岸本はぷるぷると頬を震わせた。
「なんだこれは、え⁉ なんなんだこれは、どうしてこんなものが、おい宗村、なんでこんなものをお前が持っているんだ!」
岸本はわたくしの肩を突き飛ばすように力いっぱい掴んだ。
「君がこの祠に出入りしている事はもう既に分かっているんだ。だから、白を切っても無駄だ。そして、そこには今、美咲と犯人が一緒にいる。俺は、恋人である美咲を助けたい、その一心で、君にそこへ案内しろと言っている」
岸本は、外敵を威嚇するマウンテンゴリラのように、両腕を振り回して、どうにか気を落ち着けようと、歯を食いしばって厨房を一周した。
「岸本、時間が無いんだ」
トップバーナーの火を落として、岸本はガスレンジに両手を突いた。俯いた横顔に、大粒の汗が流れた。
「お前、あそこが何なのか、それを知っているのか?」
仄暗い井戸の底から響いてくるような不気味な声だった。
「知らない」
「知らないで、お前はあそこへ案内しろと俺に言っているのか」
「そうだ」
岸本はコック帽を脱いで、坊主頭を一つ撫でた。すぐに手の平の汗を確かめる。
「案内をしなければ、お前は俺を警察に突き出すのか」
「そうだ」
岸本は首を折って、気でも違ったように笑い出した。
「何が可笑しい」
こちらへ透視画を返しながら、岸本はコックコートの胸のボタンを外し始めた。
「俺が警察に捕まる事を恐れているとでも思うか? 俺が警察に? 笑わせるな。いいか宗村、俺が警察に捕まって全てが収まるくらいなら、もうとっくに俺は自首をしているさ。そんなものでは済まされない。お前は晦冥会の本当の恐ろしさと言うものを全く分かっていない」
「なに」
「宗村、分かったぜ。そんなにあそこへ行きたいのなら、よし、今から案内してやる。だけどな、これだけは肝に銘じておけ。あの祠の中へ一歩でも足を踏み入れたら、お前はもう、晦冥会からは逃れられないぜ」
ディナータイムなのに、無人。それは、次の次第である。羽田、大島のカップルは、ネットカフェの小火騒ぎで煙を吸って体調を崩し総合病院で安静にしている、久慈親子の父は、『樹氷』の店員の倉石留美と密会中、娘のりおは、透視によってやばい奴に追われどこかへ身を隠している、美咲は言わずもがな行方不明、アルバイトの米元あずさは、祖母と晦冥会の理事長と連れ立ってどこかへ行ってしまった。つまり、どういった運命の悪戯か、現在このペンションに残っているのは、わたくしと岸本の二人きりだ。
こね板に生地を打ち付ける音のする厨房から、熱したフライパンの上で鶏肉の皮目が油の中で弾ける香ばしい匂いが漂って来た。
『岸本の所へ行って、『例の場所』へ案内するよう頼むんだ』
わたくしは意気込んで、厨房の中に顔を入れた。すると、コックコート姿の岸本が、コールドテーブルと石窯を行き来しながら、打ち粉をまぶしたピザの生地を、生地の重みだけで下に伸ばしながら、ふちを回転させている。
「岸本!」
予告なしのわたくしの呼び掛けに、岸本はびくりと体を揺すった。振り返ったその大きな瞳に、余所行きのわたくしの姿が映ると、彼は、メタボリックシンドロームの腹囲測定が終わった後のように、ゆるゆると体の強張りを解いて、薄目を作った。
「何だ、宗村か」
再び熊のような大きな背中を見せて、生地の上にオリーブオイルを延ばした。
「驚かせやがって、お客様のお叱りかと思ったじゃないか。まったく、心臓に悪い。
おうどうした、腹でも減ったか? 夕食だったら、悪いがもう少し待ってくれ。とんでもないトラブルの発生だ。俺とした事が、鮮魚センターの大将と話が出来ていなかった。耳が遠い古株の店員に、俺は発注を入れてしまったのさ。嫌になっちまうよ。お目当ての金目鯛はスッカラカン。迷った挙句が、日本海の市場まで足を運んで、ムツやカサゴを搔き集めたってわけだ。そして、こんな時間だ」
わたくしは岸本の背後まで歩いて行った。
「とにかくお客様に対しては、冷凍庫の前菜で場を繋いでもらおうと、米元君に電話を入れたら、彼女、こんな時に限って急用が出来たって言い出して、俺はもう、きりきり舞いだ」
わたくしは岸本の左肩に手を置いて、その肩を力いっぱい真横へ払った。
「岸本、夕食なんてどうでもいい。俺を例の場所へ案内しろ」
眼前に迫った凄みの表情を見て、岸本はコック帽を左手で押さえた。
「な、なんだ急に」
「君は初めから分かっていたんだろう? 今回の一連の騒動が一体何であるのか。それを分かっていながら、何食わぬ顔をして俺たちに相談を持ち掛けて来た」
火に掛けたフライパンから、油の弾ける激しい音がして、岸本は手を叩いて打ち粉を払いながら、鶏肉を熱したフライパンの焦げをこそげ取って、バターとグラニュー糖を入れた。
「何を一人で興奮しているんだ、俺は忙しいんだ、例の事件の話なら、後回しにしてくれ」
「ダメだ、一刻を争う事態だ。夕飯なんてそれこそ後回しだ」
岸本は鶏肉にラム酒を注ぎ、フライパンを傾けて、コンロの火を着火させると、鶏肉をフランベにした。
「勝手な事を言うな、お客様にディナーを出さないなんて、大クレームものだ。万が一でも、この失態がSNSに拡散されでもしたら、ペンションの評判はガタ落ちだ」
「岸本、君が心配している宿泊客は、もう来ない」
どばどばと白ワインを注ぎ、玉ねぎとしめじを入れて、フライパンに蓋がされた。
「なんだと?」
「今回の一連の騒動で、羽田さんは体調を崩して病院にいる。久慈さんは他へ行っていて遅くなるだろうし、美咲も戻らない。みんなペンションに戻れない状態だ。岸本、頼む、俺を例の場所に案内してくれ」
岸本はポルト酒ルビーの瓶の蓋を開封し、前回作った赤ワインソースに注ぎ足した。
「何の話だ、俺にはお前の言っている意味がさっぱり分からん」
『例の場所について聞かれて、それでも奴が白を切るような事があれば、その時はりおの透視画を突き付けて、こう言ってやるんだ』
わたくしはコックコートの胸倉を掴んで、拳をこちらへひっくり返すと、そのままぐいっと岸本の喉元まで突き上げた。
「白を切るんじゃない! 君の悪事は分かっている、その事を警察にバラされたくなかったら、今すぐ俺を例の場所へ案内しろ!」
「悪事だあ⁉」
金剛力士の阿形像のように、濃い太い眉毛が顔の中央へ寄った。
「ああそうだ、君は晦冥会と裏で繋がっているのだろう! 晦冥会の秘密の祠へ行って、君は人知れず悪事を働いているのだろう!」
わたくしの口から、『晦冥会』と言う言葉が発せられた途端、岸本の顔に一滴の墨汁を垂らしたような、一種の憂いの色が浮かんだ。岸本は相手に胸倉を掴まれた状態から、手のひらでわたくしの口を覆った。
「馬鹿、声が大きい」
岸本はわたくしに顔を押し付けて、驚くほど小さな声を出した。狭い厨房の中を見回して、のみならず、わたくしの口を覆ったまま、食堂が無人である事を確かめに行った。
「放せ、この野郎」
わたくしは太い腕を払い除け、厨房の中へ戻る形で、岸本と距離を取った。岸本はじろりと大きな目を剥いた。
「宗村、どうしてそんな出鱈目な事を言うんだ」
自ら出鱈目と言っておきながら、その声は細心の注意が払われた。
「出鱈目ではない、これを見ろ」
ポケットに用意してあった、りおの構築的な透視画を、岸本の眼前へ突き付けた。それは、笹畝坑道のような遺構の先に、鉄筋コンクリート造の四角い一室が見える、謎の祠の素描だ。透視画を引ったくって、岸本はぷるぷると頬を震わせた。
「なんだこれは、え⁉ なんなんだこれは、どうしてこんなものが、おい宗村、なんでこんなものをお前が持っているんだ!」
岸本はわたくしの肩を突き飛ばすように力いっぱい掴んだ。
「君がこの祠に出入りしている事はもう既に分かっているんだ。だから、白を切っても無駄だ。そして、そこには今、美咲と犯人が一緒にいる。俺は、恋人である美咲を助けたい、その一心で、君にそこへ案内しろと言っている」
岸本は、外敵を威嚇するマウンテンゴリラのように、両腕を振り回して、どうにか気を落ち着けようと、歯を食いしばって厨房を一周した。
「岸本、時間が無いんだ」
トップバーナーの火を落として、岸本はガスレンジに両手を突いた。俯いた横顔に、大粒の汗が流れた。
「お前、あそこが何なのか、それを知っているのか?」
仄暗い井戸の底から響いてくるような不気味な声だった。
「知らない」
「知らないで、お前はあそこへ案内しろと俺に言っているのか」
「そうだ」
岸本はコック帽を脱いで、坊主頭を一つ撫でた。すぐに手の平の汗を確かめる。
「案内をしなければ、お前は俺を警察に突き出すのか」
「そうだ」
岸本は首を折って、気でも違ったように笑い出した。
「何が可笑しい」
こちらへ透視画を返しながら、岸本はコックコートの胸のボタンを外し始めた。
「俺が警察に捕まる事を恐れているとでも思うか? 俺が警察に? 笑わせるな。いいか宗村、俺が警察に捕まって全てが収まるくらいなら、もうとっくに俺は自首をしているさ。そんなものでは済まされない。お前は晦冥会の本当の恐ろしさと言うものを全く分かっていない」
「なに」
「宗村、分かったぜ。そんなにあそこへ行きたいのなら、よし、今から案内してやる。だけどな、これだけは肝に銘じておけ。あの祠の中へ一歩でも足を踏み入れたら、お前はもう、晦冥会からは逃れられないぜ」
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