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第四章【新たなる旅路】
4-7 優しさの傷
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…
………
……………
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
…こ、来ないで…
ブレイダー「…ほら、待ってよ」
…や、やだっ!…
ブレイダー「そういうのは知ってるのかな…?」
…なんで、そんなところ触るの!…
ブレイダー「あははっ…!」
…やだよ、怖い…!…
ブレイダー「…そのほうが、彼も燃えるよね」
…何を…するの…
ブレイダー「さぁ、一緒に行こうね…」ニコッ
…嫌だ…!そっちに連れて行かないで…
……ザッ!
???「待てっ!そいつを連れていくな…!」
…あっ…!ま、魔剣士……!?…
首狩騎士「そやつは、俺の獲物…!俺が殺す…!」
…ひっ…!?…
ブレイダー「この子は、僕の獲物なんだよ~…」ニコッ…
…ザシュッ!ドスドスッ!
首狩騎士「あ゛っ…!?」
…あっ…!…
ブレイダー「さぁ…待たせたね…。一緒に行こう……」
…グイッ!
…や、嫌だっ…!…
…離して…
…助けて、誰かっ…!…
…し…
…けんし…
…まけん…しっ…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
……………
………
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【 早朝 魔剣士らの部屋 】
白姫「…魔剣士っ!!」ハッ!
魔剣士「んおっ!?」ビクッ!
白姫「…」ゼェゼェ…
魔剣士「…す、すまん!?」
白姫「あ、あれ……?」ハァ…ハァ…
魔剣士「ち、違うんだぞ?」
魔剣士「なんかうなされてたから、起こそうと思って近づいただけで!」
魔剣士「……つ、つーかお前がうなされてるのが悪いんだろうが!」
魔剣士「どんな夢見てたんだ、バカッ!」
白姫「こ、ここ…は……」ハァ…ハァッ…
魔剣士「ココはって…」
白姫「魔剣士…が…いる……?」
魔剣士「いちゃ悪いのかよ!一緒の部屋に泊まってたんだから、当たり前だろうが!」
白姫「あ、あれ……。だって…私……」
魔剣士「んだよ!」
白姫「…あれ」
魔剣士「寝ぼけてんのか?」
白姫「全部…夢……?」
魔剣士「…あ?」
白姫「…私、ここに寝てたの?」
魔剣士「だから今いるんだろうが」
白姫「全部…夢……」
魔剣士「…何だ、怖い夢でも見て現実と混同してんのか?」
白姫「…」
白姫「……あっ」ハッ
白姫「……違う、夢じゃないよ」ボソッ
魔剣士「ん?」
白姫「夢なんかじゃ…ないよ……」
魔剣士「何がだ?」
白姫「だって…。服が……」
魔剣士「服だぁ?布団かぶってて見えないぜ。どうなってんだ?」スッ
…バッ!
魔剣士「…」
魔剣士「……!?」ビクッ!
白姫「…全部、現実だったんだね…」
魔剣士が布団をめくりあげると、
白姫の美しい肌があらわになった白姫の身体がかすかに見えた。
しかし、全身が見えているわけでもなく、どうも服が破れているようにも思える。
魔剣士「な、ななななっ!?」
魔剣士「なんで裸なんだ、オメェ!!」
魔剣士「っつーか、服が…破け……」
白姫「…」
白姫「……ッ」フラッ
…ボスンッ!
魔剣士「お、おいっ!?」
白姫「…っ」
魔剣士「おい、白姫!おいっ!」
白姫「…」
魔剣士「…っ」ハッ
…プルンッ
倒れ込む白姫を抱きかかえ、「大丈夫か」と身体を揺らす魔剣士。
しかし、魔剣士が揺らす度、白姫の胸もわずかながらに波を打った。
魔剣士「~…っ!!」カァ
魔剣士「全部見えてんだよ、アホッ!布団で隠せっ!!」バッ!
…ボフッ!
白姫「…」
魔剣士「意味わかんねぇな、なんなんだよ!!」
…ガチャッ!
猛竜騎士「…おっ、やぁやぁ起きたかい」ビシッ
魔剣士「オッサン!」
猛竜騎士「…夜這いならぬ朝這いか?」
魔剣士「ばっ…!ちげぇよ、つーか白姫はどうしたんだよ!?」
猛竜騎士「あぁ、気づいた?」
魔剣士「き、気づいたって…!?」
猛竜騎士「白姫から聞くといい。ちなみに、白姫が気絶してから運んだのは俺だから」
魔剣士「あァっ!?」
猛竜騎士「じゃあね~♪」
ガチャッ、バタンッ!
魔剣士「な、なんて無責任な……!」
魔剣士「つーか白姫、しっかりしろよ!おいっ!」
白姫「…」
白姫「……やっぱり、魔剣士の腕の中は…あったかいね……」
魔剣士「…あぁ?」
白姫「…ゴメンなさい」
魔剣士「何が……」
白姫「…」
魔剣士「…話をしてくれ。何があったんだ」
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔剣士「…」
白姫「…」
魔剣士「……それが、全てか」
白姫「…」コクン
魔剣士「…」
白姫「…」
魔剣士「……お前が気絶させられたあと、助けたのがオッサンだったってことか」
白姫「…」
魔剣士「……んだよそれ。」
魔剣士「白姫、お前はそんなに俺と旅をしたくねぇのかよ……?」
白姫「そ、それは違っ…!」
魔剣士「自分が犠牲になって、それでおしまいかよ」
白姫「……っ」
魔剣士「……なんだよ、なんなんだよ」
白姫「私は、ここまで優しい魔剣士を巻き込みたく……」
魔剣士「…優しさとかじゃねえよ。俺は、お前と一緒にいたくてそういったんだ!!」
白姫「!」
魔剣士「なのに、なんだよ……」
白姫の言葉に、魔剣士は激昂した。
自らを犠牲にしようとし、それで自分が助かっても何も残らないからである。
そして、白姫は魔剣士の態度を見て確信した。
猛竜騎士やブレイダーの言葉にあった「姫様が魔剣士の力なんだ」の言葉が真実であることを。
白姫「…ッ」
魔剣士「はぁ…。そんなに勝手にしたいなら、勝手にすりゃいいじゃねえか」
白姫「ま、魔剣士っ……」
魔剣士「何度言っても無駄なんだろ。だったらもういいっつーの…ちょっと外に出るわ」スクッ
白姫「あっ、待って…!」バッ!
…グイッ!
魔剣士「……ぬおっ!」グラッ
…ボフンッ!!
白姫「っ!」
魔剣士「…急に引っ張りやがって!」
白姫「ごめんなさい…!で、でも……話を……!」
魔剣士「…ッ」
魔剣士「……だからお前、服っ!」ドキッ!
布団へと引っ張り、魔剣士もろとも転がった白姫。
わずかに残っていた布も剥がれ、生まれたままの姿となった白姫がそこにはあった。
激昂し、混乱をしていた魔剣士。
その姿に……
白姫「…あっ」
魔剣士「…そんなに俺に裸を見せたいのか?」
白姫「そ、そういうことじゃ……」
魔剣士「…そんなに触られたいのか、やられたいのか?」
…グイッ!
白姫「あっ!」
魔剣士は白姫の背中へと腕を回し、胸へと顔を近づけた。
もう片腕を下へと潜り込ませる……。
魔剣士「やってほしいんならな、俺が…!」
白姫「…や、やだ」ボソッ
魔剣士「あ?」
白姫「い、いやぁぁあっ!!」ビュッ!
…バシィッ!
魔剣士「ッ!?」
白姫「……あっ!」ハァ…ハァ…!
その行為は、昨夜の恐怖を思い出させてしまったのだ。
白姫は魔剣士の頬を思いきり平手打ちし、わずかに涙を流した。
だが魔剣士はその涙を気づくこともなく……。
魔剣士「…」
魔剣士「……意味わかんねぇ、なんなんだっつーの!!」ダッ!
タタタタタッ、ガチャッ!バタンッ!
白姫「あっ、魔剣士っ!!」
白姫「ま、待って…!」ヨロッ
白姫「今のは…!い、今のは……っ!」
…ガチャッ!
猛竜騎士「おっと待った」
白姫「あっ…」
猛竜騎士「……その前に、その恰好をなんとかしようか」コホン
白姫「…も、猛竜騎士さん」
………
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 数分後 】
白姫「…あ、ありがとうございます」
猛竜騎士「予備のローブと冒険服を買っといて良かったよ」
白姫「そ、それじゃ私は魔剣士を追いかけ……」ダッ!
猛竜騎士「待たんか」
白姫「え…」
猛竜騎士「話がある……」
白姫「な、なんでしょうか……」
猛竜騎士「……まず、座れ」スッ
白姫「で、でも魔剣士が…」
猛竜騎士「座れ」
白姫「……はい」
…チョコン
猛竜騎士「…」
猛竜騎士「……はぁ。こういう話をするときは、タバコがほしくなっちまうな」クイクイ
猛竜騎士「そもそも、本来俺はこういうことが似合わないんだが……」
白姫「…」
猛竜騎士「…白姫。昨日のことは覚えているな」
白姫「…っ」
猛竜騎士「……どう思った?」
白姫「ど、どうって……」
猛竜騎士「殺されかけ、女として利用されそうになり、悪夢にもなったんだろう」
白姫「…ッ」ブルッ…
猛竜騎士「本能的に嫌がったようだが、少しは恐怖というものが分かったか?」
白姫「きょう…ふ……」
猛竜騎士「お前は世間知らず過ぎる。恐怖を分からせるために、悪かったが…あのような形をとらせてもらったんだ」
白姫「…っ」ドクン…
猛竜騎士「…」
猛竜騎士「……それともう1つ。優しさというものは、時に思いがけない傷をつけるということを覚えておけ」
白姫「…え?」
猛竜騎士「もし、お前が抜けたことを俺が気づかなかったら……」
猛竜騎士「突然いなくなった白姫に、どんな感情を抱くか。深い傷にもなったやもしれん」
白姫「そ、そんなこと……」
猛竜騎士「そして、昨日のことがそのまま進んでいたら。」
猛竜騎士「たとえば、姫様があのバウンティハンターに殺されていれば…魔剣士は心が壊れていたかもしれん」
白姫「え…っ!」
猛竜騎士「では、最後に女として利用されていたら?」
猛竜騎士「ブレイダーに一人で挑み、怒りのあまり己を忘れ、ブレイダーに首を跳ね飛ばされていただろうな」ハハハ
白姫「そ、そんな…!」
猛竜騎士「…結果良ければ全てヨシという言葉は、まさにその通りだよな」
猛竜騎士「今、この場で、白姫がそばにいて、生きている。」
猛竜騎士「ただの喧嘩と説教だけで済んで、本当に良かったと思っているよ」ハァ…
白姫「……なんで」
猛竜騎士「ん?」
白姫「なんで、魔剣士はそこまで私のことを……」
猛竜騎士「…」
白姫「あんなに真剣な眼差しを、どうして…私に……向けるんでしょうか……」
猛竜騎士「あ~…」
魔剣士は、白姫の力になっていることは分かった。
だが、その理由がどうしても分からなかった。
白姫「…まだわずかな時間ですけど、出会った時の嘘のない眼差しから…いつの間にか私を真剣に想う目になっていました。」
白姫「初めての感覚で、きっと、あの瞳の奥に私を想う何かがあるのかも…しれないですけど……」
白姫「もし一人で行くという決心を話せば、あの瞳でまた説得されると思い、」
白姫「私は、昨日の夜に…何も言わず出たんです……」
猛竜騎士「…」
猛竜騎士「……ハァ」
猛竜騎士「俺が言うことじゃねーけど、たぶん…あいつはアンタのことが好きなんだろ」
白姫「好き…ですか?」
猛竜騎士「そう。好き」
白姫「それは、私も好きですけど…。猛竜騎士さんも、みなさんのことも……」
猛竜騎士「いや、そっちじゃない」
白姫「…?」
猛竜騎士「女性として、恋愛の好きって意味っすよ……お姫様……」ハハ…
白姫「…」
白姫「……え、えぇぇぇっ!?」
……知ってしまった。
猛竜騎士「そこまで瞳を見てて、勘もいいのに、気づかないもんかねぇ……」
白姫「ででで、でも!?」
白姫「まだ出会って日も浅いですし、魔剣士が私を好きになる通りなんてないっていうか……!」
猛竜騎士「アンタが夢を語って、自分を引っ張ってくれたことにしろ、」
猛竜騎士「一目惚れだったんじゃないかねぇ…。」
猛竜騎士「ふとしたことで、好きになることなんてあるもんさ」
猛竜騎士「人間って、バカだなーって思くらいにな」ハハハ
白姫「そ、そうなんですか……」カァァ
猛竜騎士(……おりょ、好感触?)
白姫「だ、だけど……。」
白姫「その気持ちはうれしいですけど、私はまだ良くわかんないっていうか……」モジモジ
猛竜騎士「…見てるこっちが恥ずかしくなる反応だな」
白姫「ふぇっ…!ご、ごめんなさい……!」
猛竜騎士「いやいや、いいんだが」
猛竜騎士「ま、まぁ……お話は終わりだ…」
猛竜騎士「とにかく、姫様はアイツの気持ちを無視して、自己満足で行動したのと一緒ってことだ」
猛竜騎士「もし、姫様が逆の立場だったらどう思うか考えてみろ。」
猛竜騎士「今頃、あいつが走ってったのは屋上だったから…そこで一人で色々考え……」ハッ
…シーン…
猛竜騎士「…はやっ!縮地かよ!」
………
……………
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
…こ、来ないで…
ブレイダー「…ほら、待ってよ」
…や、やだっ!…
ブレイダー「そういうのは知ってるのかな…?」
…なんで、そんなところ触るの!…
ブレイダー「あははっ…!」
…やだよ、怖い…!…
ブレイダー「…そのほうが、彼も燃えるよね」
…何を…するの…
ブレイダー「さぁ、一緒に行こうね…」ニコッ
…嫌だ…!そっちに連れて行かないで…
……ザッ!
???「待てっ!そいつを連れていくな…!」
…あっ…!ま、魔剣士……!?…
首狩騎士「そやつは、俺の獲物…!俺が殺す…!」
…ひっ…!?…
ブレイダー「この子は、僕の獲物なんだよ~…」ニコッ…
…ザシュッ!ドスドスッ!
首狩騎士「あ゛っ…!?」
…あっ…!…
ブレイダー「さぁ…待たせたね…。一緒に行こう……」
…グイッ!
…や、嫌だっ…!…
…離して…
…助けて、誰かっ…!…
…し…
…けんし…
…まけん…しっ…
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……………
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―――【 早朝 魔剣士らの部屋 】
白姫「…魔剣士っ!!」ハッ!
魔剣士「んおっ!?」ビクッ!
白姫「…」ゼェゼェ…
魔剣士「…す、すまん!?」
白姫「あ、あれ……?」ハァ…ハァ…
魔剣士「ち、違うんだぞ?」
魔剣士「なんかうなされてたから、起こそうと思って近づいただけで!」
魔剣士「……つ、つーかお前がうなされてるのが悪いんだろうが!」
魔剣士「どんな夢見てたんだ、バカッ!」
白姫「こ、ここ…は……」ハァ…ハァッ…
魔剣士「ココはって…」
白姫「魔剣士…が…いる……?」
魔剣士「いちゃ悪いのかよ!一緒の部屋に泊まってたんだから、当たり前だろうが!」
白姫「あ、あれ……。だって…私……」
魔剣士「んだよ!」
白姫「…あれ」
魔剣士「寝ぼけてんのか?」
白姫「全部…夢……?」
魔剣士「…あ?」
白姫「…私、ここに寝てたの?」
魔剣士「だから今いるんだろうが」
白姫「全部…夢……」
魔剣士「…何だ、怖い夢でも見て現実と混同してんのか?」
白姫「…」
白姫「……あっ」ハッ
白姫「……違う、夢じゃないよ」ボソッ
魔剣士「ん?」
白姫「夢なんかじゃ…ないよ……」
魔剣士「何がだ?」
白姫「だって…。服が……」
魔剣士「服だぁ?布団かぶってて見えないぜ。どうなってんだ?」スッ
…バッ!
魔剣士「…」
魔剣士「……!?」ビクッ!
白姫「…全部、現実だったんだね…」
魔剣士が布団をめくりあげると、
白姫の美しい肌があらわになった白姫の身体がかすかに見えた。
しかし、全身が見えているわけでもなく、どうも服が破れているようにも思える。
魔剣士「な、ななななっ!?」
魔剣士「なんで裸なんだ、オメェ!!」
魔剣士「っつーか、服が…破け……」
白姫「…」
白姫「……ッ」フラッ
…ボスンッ!
魔剣士「お、おいっ!?」
白姫「…っ」
魔剣士「おい、白姫!おいっ!」
白姫「…」
魔剣士「…っ」ハッ
…プルンッ
倒れ込む白姫を抱きかかえ、「大丈夫か」と身体を揺らす魔剣士。
しかし、魔剣士が揺らす度、白姫の胸もわずかながらに波を打った。
魔剣士「~…っ!!」カァ
魔剣士「全部見えてんだよ、アホッ!布団で隠せっ!!」バッ!
…ボフッ!
白姫「…」
魔剣士「意味わかんねぇな、なんなんだよ!!」
…ガチャッ!
猛竜騎士「…おっ、やぁやぁ起きたかい」ビシッ
魔剣士「オッサン!」
猛竜騎士「…夜這いならぬ朝這いか?」
魔剣士「ばっ…!ちげぇよ、つーか白姫はどうしたんだよ!?」
猛竜騎士「あぁ、気づいた?」
魔剣士「き、気づいたって…!?」
猛竜騎士「白姫から聞くといい。ちなみに、白姫が気絶してから運んだのは俺だから」
魔剣士「あァっ!?」
猛竜騎士「じゃあね~♪」
ガチャッ、バタンッ!
魔剣士「な、なんて無責任な……!」
魔剣士「つーか白姫、しっかりしろよ!おいっ!」
白姫「…」
白姫「……やっぱり、魔剣士の腕の中は…あったかいね……」
魔剣士「…あぁ?」
白姫「…ゴメンなさい」
魔剣士「何が……」
白姫「…」
魔剣士「…話をしてくれ。何があったんだ」
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
魔剣士「…」
白姫「…」
魔剣士「……それが、全てか」
白姫「…」コクン
魔剣士「…」
白姫「…」
魔剣士「……お前が気絶させられたあと、助けたのがオッサンだったってことか」
白姫「…」
魔剣士「……んだよそれ。」
魔剣士「白姫、お前はそんなに俺と旅をしたくねぇのかよ……?」
白姫「そ、それは違っ…!」
魔剣士「自分が犠牲になって、それでおしまいかよ」
白姫「……っ」
魔剣士「……なんだよ、なんなんだよ」
白姫「私は、ここまで優しい魔剣士を巻き込みたく……」
魔剣士「…優しさとかじゃねえよ。俺は、お前と一緒にいたくてそういったんだ!!」
白姫「!」
魔剣士「なのに、なんだよ……」
白姫の言葉に、魔剣士は激昂した。
自らを犠牲にしようとし、それで自分が助かっても何も残らないからである。
そして、白姫は魔剣士の態度を見て確信した。
猛竜騎士やブレイダーの言葉にあった「姫様が魔剣士の力なんだ」の言葉が真実であることを。
白姫「…ッ」
魔剣士「はぁ…。そんなに勝手にしたいなら、勝手にすりゃいいじゃねえか」
白姫「ま、魔剣士っ……」
魔剣士「何度言っても無駄なんだろ。だったらもういいっつーの…ちょっと外に出るわ」スクッ
白姫「あっ、待って…!」バッ!
…グイッ!
魔剣士「……ぬおっ!」グラッ
…ボフンッ!!
白姫「っ!」
魔剣士「…急に引っ張りやがって!」
白姫「ごめんなさい…!で、でも……話を……!」
魔剣士「…ッ」
魔剣士「……だからお前、服っ!」ドキッ!
布団へと引っ張り、魔剣士もろとも転がった白姫。
わずかに残っていた布も剥がれ、生まれたままの姿となった白姫がそこにはあった。
激昂し、混乱をしていた魔剣士。
その姿に……
白姫「…あっ」
魔剣士「…そんなに俺に裸を見せたいのか?」
白姫「そ、そういうことじゃ……」
魔剣士「…そんなに触られたいのか、やられたいのか?」
…グイッ!
白姫「あっ!」
魔剣士は白姫の背中へと腕を回し、胸へと顔を近づけた。
もう片腕を下へと潜り込ませる……。
魔剣士「やってほしいんならな、俺が…!」
白姫「…や、やだ」ボソッ
魔剣士「あ?」
白姫「い、いやぁぁあっ!!」ビュッ!
…バシィッ!
魔剣士「ッ!?」
白姫「……あっ!」ハァ…ハァ…!
その行為は、昨夜の恐怖を思い出させてしまったのだ。
白姫は魔剣士の頬を思いきり平手打ちし、わずかに涙を流した。
だが魔剣士はその涙を気づくこともなく……。
魔剣士「…」
魔剣士「……意味わかんねぇ、なんなんだっつーの!!」ダッ!
タタタタタッ、ガチャッ!バタンッ!
白姫「あっ、魔剣士っ!!」
白姫「ま、待って…!」ヨロッ
白姫「今のは…!い、今のは……っ!」
…ガチャッ!
猛竜騎士「おっと待った」
白姫「あっ…」
猛竜騎士「……その前に、その恰好をなんとかしようか」コホン
白姫「…も、猛竜騎士さん」
………
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 数分後 】
白姫「…あ、ありがとうございます」
猛竜騎士「予備のローブと冒険服を買っといて良かったよ」
白姫「そ、それじゃ私は魔剣士を追いかけ……」ダッ!
猛竜騎士「待たんか」
白姫「え…」
猛竜騎士「話がある……」
白姫「な、なんでしょうか……」
猛竜騎士「……まず、座れ」スッ
白姫「で、でも魔剣士が…」
猛竜騎士「座れ」
白姫「……はい」
…チョコン
猛竜騎士「…」
猛竜騎士「……はぁ。こういう話をするときは、タバコがほしくなっちまうな」クイクイ
猛竜騎士「そもそも、本来俺はこういうことが似合わないんだが……」
白姫「…」
猛竜騎士「…白姫。昨日のことは覚えているな」
白姫「…っ」
猛竜騎士「……どう思った?」
白姫「ど、どうって……」
猛竜騎士「殺されかけ、女として利用されそうになり、悪夢にもなったんだろう」
白姫「…ッ」ブルッ…
猛竜騎士「本能的に嫌がったようだが、少しは恐怖というものが分かったか?」
白姫「きょう…ふ……」
猛竜騎士「お前は世間知らず過ぎる。恐怖を分からせるために、悪かったが…あのような形をとらせてもらったんだ」
白姫「…っ」ドクン…
猛竜騎士「…」
猛竜騎士「……それともう1つ。優しさというものは、時に思いがけない傷をつけるということを覚えておけ」
白姫「…え?」
猛竜騎士「もし、お前が抜けたことを俺が気づかなかったら……」
猛竜騎士「突然いなくなった白姫に、どんな感情を抱くか。深い傷にもなったやもしれん」
白姫「そ、そんなこと……」
猛竜騎士「そして、昨日のことがそのまま進んでいたら。」
猛竜騎士「たとえば、姫様があのバウンティハンターに殺されていれば…魔剣士は心が壊れていたかもしれん」
白姫「え…っ!」
猛竜騎士「では、最後に女として利用されていたら?」
猛竜騎士「ブレイダーに一人で挑み、怒りのあまり己を忘れ、ブレイダーに首を跳ね飛ばされていただろうな」ハハハ
白姫「そ、そんな…!」
猛竜騎士「…結果良ければ全てヨシという言葉は、まさにその通りだよな」
猛竜騎士「今、この場で、白姫がそばにいて、生きている。」
猛竜騎士「ただの喧嘩と説教だけで済んで、本当に良かったと思っているよ」ハァ…
白姫「……なんで」
猛竜騎士「ん?」
白姫「なんで、魔剣士はそこまで私のことを……」
猛竜騎士「…」
白姫「あんなに真剣な眼差しを、どうして…私に……向けるんでしょうか……」
猛竜騎士「あ~…」
魔剣士は、白姫の力になっていることは分かった。
だが、その理由がどうしても分からなかった。
白姫「…まだわずかな時間ですけど、出会った時の嘘のない眼差しから…いつの間にか私を真剣に想う目になっていました。」
白姫「初めての感覚で、きっと、あの瞳の奥に私を想う何かがあるのかも…しれないですけど……」
白姫「もし一人で行くという決心を話せば、あの瞳でまた説得されると思い、」
白姫「私は、昨日の夜に…何も言わず出たんです……」
猛竜騎士「…」
猛竜騎士「……ハァ」
猛竜騎士「俺が言うことじゃねーけど、たぶん…あいつはアンタのことが好きなんだろ」
白姫「好き…ですか?」
猛竜騎士「そう。好き」
白姫「それは、私も好きですけど…。猛竜騎士さんも、みなさんのことも……」
猛竜騎士「いや、そっちじゃない」
白姫「…?」
猛竜騎士「女性として、恋愛の好きって意味っすよ……お姫様……」ハハ…
白姫「…」
白姫「……え、えぇぇぇっ!?」
……知ってしまった。
猛竜騎士「そこまで瞳を見てて、勘もいいのに、気づかないもんかねぇ……」
白姫「ででで、でも!?」
白姫「まだ出会って日も浅いですし、魔剣士が私を好きになる通りなんてないっていうか……!」
猛竜騎士「アンタが夢を語って、自分を引っ張ってくれたことにしろ、」
猛竜騎士「一目惚れだったんじゃないかねぇ…。」
猛竜騎士「ふとしたことで、好きになることなんてあるもんさ」
猛竜騎士「人間って、バカだなーって思くらいにな」ハハハ
白姫「そ、そうなんですか……」カァァ
猛竜騎士(……おりょ、好感触?)
白姫「だ、だけど……。」
白姫「その気持ちはうれしいですけど、私はまだ良くわかんないっていうか……」モジモジ
猛竜騎士「…見てるこっちが恥ずかしくなる反応だな」
白姫「ふぇっ…!ご、ごめんなさい……!」
猛竜騎士「いやいや、いいんだが」
猛竜騎士「ま、まぁ……お話は終わりだ…」
猛竜騎士「とにかく、姫様はアイツの気持ちを無視して、自己満足で行動したのと一緒ってことだ」
猛竜騎士「もし、姫様が逆の立場だったらどう思うか考えてみろ。」
猛竜騎士「今頃、あいつが走ってったのは屋上だったから…そこで一人で色々考え……」ハッ
…シーン…
猛竜騎士「…はやっ!縮地かよ!」
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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