35 / 176
第六章【エルフの隠れ里】
6-1 ウィッチエルフという女
しおりを挟む
…
……
…………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【 エルフの隠れ里 里内 】
ザッザッザッ……
魔剣士「ここがエルフの里なのか…」キョロキョロ
白姫「木で出来ている家が多いね。でも、エルフさんたちはいないみたい」
猛竜騎士「あまりキョロキョロするな…。この時間は、若いエルフ族は外に出ているんだ」
魔剣士「どうしてだ?」
猛竜騎士「狩りや、俺らのような人間が近づいていないかの見張りだな」
魔剣士「意外と原始的なんだな」
猛竜騎士「原始的言うな…。魔術に関しちゃ、エルフ族ほど長けた者たちはいないんだぞ」
魔剣士「ふーん…」
トコトコ…ピタッ
猛竜騎士「…さてと、ココだ」
魔剣士「お」
猛竜騎士「ここが、俺の元パーティのウィッチエルフがいる家なんだが……」
魔剣士「ほ~…。木造で良い感じじゃん」
猛竜騎士「いればいいんだが」スッ
……コンコンッ
魔剣士「…」
猛竜騎士「…」
白姫「…」
…シーン…
魔剣士「…返事がないぜ」
白姫「留守なのかな?」
猛竜騎士「いや、あいつはこの時間いるはずなんだが……」スッ
…コンコンッ!
魔剣士「…」
猛竜騎士「…」
白姫「…」
…シーン…
魔剣士「…やっぱりいないじゃねえか」
猛竜騎士「おかしいな…」
魔剣士「…開いてたりするんじゃねえの?」スッ
…ガチャッ!
魔剣士「開いたぞ!」
猛竜騎士「おい、ちょい待て勝手に」
魔剣士「とりあえず入ってみようぜ。どうせ顔見知りだし、中にいても文句は言われないだろ?」
猛竜騎士「…その神経はどこからくるのか」
魔剣士「まぁまぁ」ハハハ
トコトコッ…ギシッ……!
魔剣士「……おっ、中は意外と綺麗でー……」
…ビュオッ!!…
白姫「…あっ、魔剣士!前っ!!」
魔剣士「ん…」チラッ
………
…
…ゴチィィイインッ!!!…
…
………
魔剣士「あがっ!!?」
…ドサッ!
魔剣士「」ピクピク
白姫「ま、魔剣士っ!?」
猛竜騎士「あー……」
???「…人のうえに無言で上がり込むとは、相変わらずじゃな猛竜騎士!」ビシッ!
白姫「…えっ」
猛竜騎士「…そいつは俺じゃねえ。俺はこっちだ」
???「……な、何?」
魔剣士「……ってぇなコラ」ムクッ
魔剣士「何しやがんだ、テメェオラァ!!」バッ!
…グイッ!!
???「ぬおぉっ!?」
魔剣士「……んっ、なんか妙に軽い…」
???「は、離さぬか!」ジタバタ…!!
魔剣士「…軽いっていうか」
白姫「ち、ちっちゃい子ども……!?」
???「子どもとは失礼なやつじゃ……」
猛竜騎士「そりゃ今の俺のパーティだ。今の弟子たちみたいなもんさ」
???「何、今のパーティだと…?」
魔剣士「…へっ」
魔剣士「お、おい。オッサン、まさかこのガキ……」
ウィッチ「えぇい、離せといっているだろう!!」
魔剣士「…ウィッチエルフ?」
白姫「えぇぇええっ!?」
猛竜騎士「うむ…」
ウィッチ「…ふんっ!」パァッ!
…バチィッ!!
魔剣士「あいだっ!?」パッ…
ウィッチ「……全く!」
ウィッチ「レイディーの胸元をつかむとは、しつけがなっておらんぞ」コホンッ
そこには、美しい黄金色をした髪の毛の女の子が立っていた。
白姫のような透き通る肌を持ち、ドールのような可愛らしさを持つエルフ族の女、ウィッチ。
だが、乱暴に扱われたことにあってか、ジトっとした目つきで魔剣士を睨みつけていた。
魔剣士「む、無詠唱の魔法か…!つーか、れ…レディーって…!」
白姫「ちっちゃい幼女さんだよねー…?」
ウィッチ「なぁにが幼女じゃ。ワシは齢180じゃぞ?」
魔剣士「…は?」
白姫「ひゃ、180歳!?」
猛竜騎士「エルフ族は長寿命なんだよ…」
ウィッチ「そーいうことじゃ!」ムフー!
魔剣士「い、いやいやいや!180ってウソもいいところだっての!」
魔剣士「18歳…じゃない、8歳程度にしかみえねーぞ!」
ウィッチ「これは姿を変えてるだけだ」
ウィッチ「幼い身体のほうが、食べ物も少なくて済むからな」
魔剣士「じゃあ、本当の姿はクッソババァなのか?」
ウィッチ「…見たいのか?」
魔剣士「180だろ……」
モワモワ……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・
ウィッチ「うっふーん…」シワシワ…
・・・・・・・・・・・・・・・・
…
モワモワ……
魔剣士「……お゛ぇ゛っ」
ウィッチ「おい貴様、変な想像をしたな」
魔剣士「…いや、見なくていい。気持ち悪い」キッパリ
ウィッチ「し、失礼な小僧じゃな……」
猛竜騎士「……まぁちょっと落ち着いてくれ。ウィッチ、とりあえずなんだ…久しぶりだ」
ウィッチ「ん……」
猛竜騎士「まだこの里にいてくれて良かったよ」
ウィッチ「ワシはもう、この里にいることを決めたというただろう」
猛竜騎士「何年ぶりだろうな」
ウィッチ「17年…、約20年ぶりだろう」
猛竜騎士「もうそんなに経つのか」
ウィッチ「ワシにとっては、お前たち人間にとっての1年程度じゃがな」
猛竜騎士「そうか…」
白姫「…猛竜騎士さん、やっぱりこの方がウィッチさんなんですか」
猛竜騎士「そうだな、改めて紹介させてもらおうか。」
猛竜騎士「元、俺のパーティにして魔術師のウィッチ・エルフだ」
ウィッチ「…ふふ、よきにはからえ」
白姫「よろしくお願いします!」
魔剣士「若作りクソババァ……」ボソッ
ウィッチ「聞こえておるぞ、無礼者」
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コポコポッ……
ウィッチ「お主は、この茶が好きじゃったのう」
猛竜騎士「覚えていてくれたのか」
ウィッチ「久々の味だろう。当時を思い出して飲むがいい」
猛竜騎士「うむ、いただく」ゴクッ…
魔剣士「…」
魔剣士「……」ジー、ジロジロ
猛竜騎士「…なんだ、ジロジロと人のことを」
魔剣士「いや、そういえばオッサンの現役時代ってあまり聞いたことないなと思って」
猛竜騎士「ん…」
魔剣士「いきなりパーティと紹介されたが、よく分からん…」
猛竜騎士「あー、説明してなかったもんな」
ウィッチ「はっはっは、お主が"オッサン"と呼ばれる歳になったか!」
猛竜騎士「そりゃな…」
ウィッチ「まだ16の頃から知っているワシの身としては、なんだか不思議でたまらないのう」
猛竜騎士「そりゃそうでしょーね。人間は年を取るのが早いんだよ」
ウィッチ「お前もあの頃は可愛かったものだが」
猛竜騎士「放っとけ」
ウィッチ「そうそう、ワシのテントに入り込んで夜這いをしてきたこととかあったのう」
猛竜騎士「!?」ブフッ!
魔剣士「!?」
白姫「よばい…?」
猛竜騎士「ちょっ、ウィッチ!その話はやめてくれ!」
ウィッチ「あ、禁句だったか?」
魔剣士「お、オッサンがアンタに夜這い!?」
魔剣士「なんだよ、オッサンってロリコンだったのか!!?」
猛竜騎士「ばっ、ちげぇよ!」
魔剣士「だってそうだろうが!」
猛竜騎士「これは変化の術で変化してるっつっただろ!」
魔剣士「じゃあ、ババアが好きなのか!?」
猛竜騎士「ち、ちげぇっつーの!」
魔剣士「じゃあなんだよ!なんでこんなウィッチに夜這いなんか!」
ウィッチ「ば、ババァババァと…。さっきからお前は口が悪いのう……」ハァ
魔剣士「180っつったらシワシワだろうが!」
ウィッチ「あのな、人間と同じに考えてもらっては困るんじゃがな」
魔剣士「はぁ?」
ウィッチ「……仕方ないのう」パァァッ
魔剣士「うおっ、眩し……!?」
ウィッチ「…っ」パァァッ…
……バシュンッ!!……
ウィッチ「これで…どう……?」ファサッ…
魔剣士「へ…」
…………まさか!?
魔剣士は声を荒げた。
ウィッチが光り輝いた次の瞬間、
そこにいたのは幼き少女ではなく男なら垂涎するほどの美女であった。
魔法か何かの残りなのか、
輝き落ちる黄金色の魔法の煌きが美しさをより一層際立たせていた。
白姫「…わあっ!」
魔剣士「……うっそだろ」
猛竜騎士「……ッ」
ウィッチ「これが私の今の姿。これでもお婆さんなんて呼べるかしら?」キラキラ…
白姫「綺麗…です……!凄く綺麗です、ウィッチさんっ!」
ウィッチ「…ふふっ、ありがとう。あなたも綺麗よ」ニコッ
白姫「そ、そんなっ…!」
魔剣士「……ウソだ。また変化の術でやってんだろ!?」
ウィッチ「…」ハァ
魔剣士「冗談だろ……」
ウィッチ「ま、信じても信じなくてもいいけどね……」
猛竜騎士「……相変わらず、美しいようで」
ウィッチ「また惚れてくるかしら?」
猛竜騎士「あぁ、惚れてるよ」ククク
ウィッチ「嬉しい言葉…。だけど、あなたはまだ、私にはちょっと役不足かな…」クスッ
猛竜騎士「あの時と同じ言葉か。そこも変わっていなくて安心するよ」
ウィッチ「…ふふっ」
猛竜騎士「くくく……」
魔剣士(……な、なんだ)
白姫(なんか、大人ーって感じがする~……!)
ウィッチ「あ…。そうそう、それより本題に入りたいんだけど……あなたたちはどうしてここに?」
ウィッチ「私を訪ねてくるってことは、それなりの理由があるということなんでしょうけど……」
猛竜騎士「あ~…、そのことなんだけどな……」
ウィッチ「…」
猛竜騎士「そのー……」ポリポリ
ウィッチ「…」
猛竜騎士「そこにいる、女の子」
ウィッチ「この子?」チラッ
白姫「…」ペコッ
猛竜騎士「……セントラル王国の、お姫様だ」
ウィッチ「へぇ、そうなの?」
猛竜騎士「うむ…」
ウィッチ「…」
猛竜騎士「…」
ウィッチ「……えっ?」
猛竜騎士「セントラル王国のお姫様。誘拐した」
ウィッチ「……何ですって?」
猛竜騎士「その言葉通り。誘拐っつーか、家出というか」
ウィッチ「…どうしてかしら」ピクピク
猛竜騎士「んーと、ちょーいとややこしい話なんだが……」
ウィッチ「全部話して。最初から、嘘偽りなく」
猛竜騎士「元々、そのつもりだから安心せい」
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウィッチ「……そういうこと」
魔剣士「…」
白姫「…」
猛竜騎士「…」
ウィッチ「色々突っ込みたいところはあるけど、猛竜騎士…あなたも本当に変わってないわね」ハァ
猛竜騎士「そうか?」
ウィッチ「面白そうだから首を突っ込んだ。昔と何ら変わってない」
猛竜騎士「冒険時代は俺の財産そのものだからな。面白いことにゃ、クビは突っ込むさ」ククク
ウィッチ「全く…。ま、変わってなくて安心はしたけどね」
猛竜騎士「人間、そうそう変われるもんじゃないさ」
ウィッチ「……それで、ここでしばらくかくまってほしいのね?」
猛竜騎士「すまないが、厄介になれないだろうか」
ウィッチ「んー…」
猛竜騎士「ここならば、バウンティハンターの連中に見つかることもないだろう」
猛竜騎士「……次の目的地も含め、どういうルートか決まっていない状況でな」
猛竜騎士「魔剣士と白姫の修行をしつつ、しばらくこの里に滞在させてほしいんだ」
猛竜騎士「里長とも知り合いだし、お前の元パーティなら他のエルフ族も許してくれるだろう?」
ウィッチ「……私は構わないけど、里に迷惑がかかるのは許せないことだし」
猛竜騎士「あぁ…」
ウィッチ「だけど、猛竜騎士の頼みというのなら聞いてあげたいのが本音」
猛竜騎士「…」
ウィッチ「……どうしてもというなら、感知魔法を手伝いなさい。そしたら、しばらく私の家で世話をしてもいいわよ」
猛竜騎士「お…?」
ウィッチ「半径20kmまで感知を伸ばすから。その感覚を共有できる?」
猛竜騎士「……俺は構わないが、お前に負担を」
ウィッチ「私たちのパーティは、お互いを支えること」
ウィッチ「それは何年経とうが、今も一緒」
猛竜騎士「ウィッチ……」
魔剣士「……おい、感知魔法ってなんだ?」
ウィッチ「感知魔法は、範囲内にいる動きのある連中を捉えるための魔術のこと」
魔剣士「気配を察するってことか…?」
ウィッチ「簡単にいえば、そういうことね」
魔剣士「……あー、たまにオッサンが言ってたりしたな、気配がなんちゃらとか」
白姫「あの2日目の夜に、私が寝れないことが猛竜騎士さんにバレちゃった時の…?」
猛竜騎士「…よく覚えてるな」
猛竜騎士「まぁ…、そういうことだ」
ウィッチ「へぇ、私が教えた術をきちんと覚えていたのね」
猛竜騎士「商人をやっていたが、鍛錬はかかしたことはなかったからな」
ウィッチ「それはちょっとうれしいかも。今晩、私の部屋にでも来る?」フフッ
猛竜騎士「…そういう誘いには、乗れないな」
ウィッチ「つまんないわね……」
ウィッチ「えーっと、半径20kmまで伸ばすとなると…相当な感覚になるけど……」
ウィッチ「それを、猛竜騎士自身で続けられると思う?」
猛竜騎士「…やらねばならんだろう。文句も言わん、やらせてもらう」
ウィッチ「そう…。猛竜騎士がそういうなら、いいわよ」
猛竜騎士「恩に着る」
ウィッチ「その感知で、バウンティハンターや敵が近づいてきたら…私とあなたで対処するから」
ウィッチ「里の者たちには絶対に迷惑をかけないように、しっかりやるわよ」
猛竜騎士「…分かっている」
ウィッチ「それと、外に出たり買い物をしたりはできるようにみんなに伝えておく。三人は信用の出来る人間たちだってね」
猛竜騎士「色々とありがとう」
ウィッチ「当然のことよ」
白姫(…なるほど、感知って魔法があったから、さっき門番のエルフさんは私らに気づいたってことかぁ)
魔剣士(だとすると、このウィッチの半径20kmって相当じゃねえか……?)
白姫(それに、範囲は狭いけど…そういう魔法を猛竜騎士さんは使ってたんだよね……)
魔剣士(……オッサン、マジで色々すげぇよ)タラッ…
ウィッチ「それでは、私は……」パァァッ…!!
……ボシュンッ!
幼ウィッチ「…ちょいと、里のみんなにうちの人間は安全だと言ってくるぞ」
幼ウィッチ「猛竜騎士も挨拶をせい、里長へ会うのは久方ぶりじゃろうが」
猛竜騎士「はいよ」
白姫(戻った…)
魔剣士(戻った…)
幼ウィッチ「お主ら二人は、ここでしばらく茶と菓子を見繕って待っててくれるか?」
魔剣士「ん、あぁ…」
白姫「わかりましたっ」ペコッ
幼ウィッチ「うむ、素直な子は嫌いじゃないぞ。それじゃ猛竜騎士、背負え」バッ
猛竜騎士「歩け」
幼ウィッチ「背負え」
猛竜騎士「歩け」
幼ウィッチ「泣くぞ」
猛竜騎士「…」
…スッ
幼ウィッチ「…うむ、それでよいのじゃ」ギュッ…
猛竜騎士「お前、元の姿になっておけよ…」
猛竜騎士「姿を変えると、その年齢に応じた性格になりやすいんだか……」
幼ウィッチ「文句を言うでない!」
…コツンッ!
猛竜騎士「あいた…」
幼ウィッチ「ほれ、出発じゃ!」
猛竜騎士「分かってますよ…」
トコトコトコ…、ガチャッ!バタンッ……!
魔剣士「…」
白姫「…」
………
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 エルフの隠れ里内 】
トコトコ……
幼ウィッチ「……しかしのう、まさかお前が弟子をとるとはな」
猛竜騎士「放っておけなかったんだよ」
幼ウィッチ「全く、大きくなりおって」
猛竜騎士「いつまでたっても子供じゃないんでね」
幼ウィッチ「ふふ、そうか」
猛竜騎士「…」
幼ウィッチ「……ところで」
幼ウィッチ「あの二人、中々見どころがあるな」
幼ウィッチ「男のほう、魔剣士は剣術と魔術どちらも面白いものをもっているようだ」
猛竜騎士「まだまだ甘い部分も多いが、育て甲斐があるやつかなと思ってる」
幼ウィッチ「白の姫は、かなりの好奇心旺盛じゃな。おてんばというか」
猛竜騎士「やっぱり、感知で性格まで分かるもんなのか」
幼ウィッチ「お前はまだしも、あの二人は信用しておらんかったからの。感知を強めたんじゃ」
猛竜騎士「あぁ、そうだろうな…」
幼ウィッチ「…」
幼ウィッチ「……ん?」ピクッ
猛竜騎士「どうした?」
幼ウィッチ「魔剣士め、今…ワシの家で何か探っておるな」
猛竜騎士「…あのバカ、他人の家で何を」
幼ウィッチ「構わん構わん。そのくらいやってこその冒険者じゃ」ハハハ
猛竜騎士「他の家から道具を盗むなんざあったら、社会的に違反だろうが…」
幼ウィッチ「お主こそ、若いころは色々やったじゃろうが」
猛竜騎士「う…」
幼ウィッチ「……じゃが、今日という日に気になったことがある」
猛竜騎士「なんだ?」
幼ウィッチ「お主がまだ独り身なのは、あの時の約束をまだ守っているのか?」
猛竜騎士「……たまたま、俺がモテなかっただけだよ」
幼ウィッチ「…」
猛竜騎士「…」
幼ウィッチ「……なんじゃ、あの日の約束のままなら嬉しかったんじゃがな?」
猛竜騎士「はっはっは、俺だって女が欲しいんだ。我慢なんかするかよ」
猛竜騎士「それにな、所詮…エルフ族と人間は互いに認められない、相容れない存在なんだよ」
幼ウィッチ「…寂しいことを言うな」ソッ
…ギュウッ
猛竜騎士「!」
幼ウィッチ「…」
猛竜騎士「……っ」
幼ウィッチ(…強すぎる感知という能力は不便なものだ。)
幼ウィッチ(お前が嘘をついているのは分かってしまう……)
幼ウィッチ(……んっ)ピクッ
幼ウィッチ「……げ、げほっ!」
猛竜騎士「ん…?」
幼ウィッチ「ごほごほっ!」
猛竜騎士「お前……」
幼ウィッチ「……お前の髪の毛がチクチクしてむせたんじゃ!ばかもの!」ゴホッ!
猛竜騎士「そ、そうか…」
幼ウィッチ「全く!」
猛竜騎士「わ、悪いな……」
幼ウィッチ(…)
猛竜騎士「…」
…………
……
…
……
…………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【 エルフの隠れ里 里内 】
ザッザッザッ……
魔剣士「ここがエルフの里なのか…」キョロキョロ
白姫「木で出来ている家が多いね。でも、エルフさんたちはいないみたい」
猛竜騎士「あまりキョロキョロするな…。この時間は、若いエルフ族は外に出ているんだ」
魔剣士「どうしてだ?」
猛竜騎士「狩りや、俺らのような人間が近づいていないかの見張りだな」
魔剣士「意外と原始的なんだな」
猛竜騎士「原始的言うな…。魔術に関しちゃ、エルフ族ほど長けた者たちはいないんだぞ」
魔剣士「ふーん…」
トコトコ…ピタッ
猛竜騎士「…さてと、ココだ」
魔剣士「お」
猛竜騎士「ここが、俺の元パーティのウィッチエルフがいる家なんだが……」
魔剣士「ほ~…。木造で良い感じじゃん」
猛竜騎士「いればいいんだが」スッ
……コンコンッ
魔剣士「…」
猛竜騎士「…」
白姫「…」
…シーン…
魔剣士「…返事がないぜ」
白姫「留守なのかな?」
猛竜騎士「いや、あいつはこの時間いるはずなんだが……」スッ
…コンコンッ!
魔剣士「…」
猛竜騎士「…」
白姫「…」
…シーン…
魔剣士「…やっぱりいないじゃねえか」
猛竜騎士「おかしいな…」
魔剣士「…開いてたりするんじゃねえの?」スッ
…ガチャッ!
魔剣士「開いたぞ!」
猛竜騎士「おい、ちょい待て勝手に」
魔剣士「とりあえず入ってみようぜ。どうせ顔見知りだし、中にいても文句は言われないだろ?」
猛竜騎士「…その神経はどこからくるのか」
魔剣士「まぁまぁ」ハハハ
トコトコッ…ギシッ……!
魔剣士「……おっ、中は意外と綺麗でー……」
…ビュオッ!!…
白姫「…あっ、魔剣士!前っ!!」
魔剣士「ん…」チラッ
………
…
…ゴチィィイインッ!!!…
…
………
魔剣士「あがっ!!?」
…ドサッ!
魔剣士「」ピクピク
白姫「ま、魔剣士っ!?」
猛竜騎士「あー……」
???「…人のうえに無言で上がり込むとは、相変わらずじゃな猛竜騎士!」ビシッ!
白姫「…えっ」
猛竜騎士「…そいつは俺じゃねえ。俺はこっちだ」
???「……な、何?」
魔剣士「……ってぇなコラ」ムクッ
魔剣士「何しやがんだ、テメェオラァ!!」バッ!
…グイッ!!
???「ぬおぉっ!?」
魔剣士「……んっ、なんか妙に軽い…」
???「は、離さぬか!」ジタバタ…!!
魔剣士「…軽いっていうか」
白姫「ち、ちっちゃい子ども……!?」
???「子どもとは失礼なやつじゃ……」
猛竜騎士「そりゃ今の俺のパーティだ。今の弟子たちみたいなもんさ」
???「何、今のパーティだと…?」
魔剣士「…へっ」
魔剣士「お、おい。オッサン、まさかこのガキ……」
ウィッチ「えぇい、離せといっているだろう!!」
魔剣士「…ウィッチエルフ?」
白姫「えぇぇええっ!?」
猛竜騎士「うむ…」
ウィッチ「…ふんっ!」パァッ!
…バチィッ!!
魔剣士「あいだっ!?」パッ…
ウィッチ「……全く!」
ウィッチ「レイディーの胸元をつかむとは、しつけがなっておらんぞ」コホンッ
そこには、美しい黄金色をした髪の毛の女の子が立っていた。
白姫のような透き通る肌を持ち、ドールのような可愛らしさを持つエルフ族の女、ウィッチ。
だが、乱暴に扱われたことにあってか、ジトっとした目つきで魔剣士を睨みつけていた。
魔剣士「む、無詠唱の魔法か…!つーか、れ…レディーって…!」
白姫「ちっちゃい幼女さんだよねー…?」
ウィッチ「なぁにが幼女じゃ。ワシは齢180じゃぞ?」
魔剣士「…は?」
白姫「ひゃ、180歳!?」
猛竜騎士「エルフ族は長寿命なんだよ…」
ウィッチ「そーいうことじゃ!」ムフー!
魔剣士「い、いやいやいや!180ってウソもいいところだっての!」
魔剣士「18歳…じゃない、8歳程度にしかみえねーぞ!」
ウィッチ「これは姿を変えてるだけだ」
ウィッチ「幼い身体のほうが、食べ物も少なくて済むからな」
魔剣士「じゃあ、本当の姿はクッソババァなのか?」
ウィッチ「…見たいのか?」
魔剣士「180だろ……」
モワモワ……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・
ウィッチ「うっふーん…」シワシワ…
・・・・・・・・・・・・・・・・
…
モワモワ……
魔剣士「……お゛ぇ゛っ」
ウィッチ「おい貴様、変な想像をしたな」
魔剣士「…いや、見なくていい。気持ち悪い」キッパリ
ウィッチ「し、失礼な小僧じゃな……」
猛竜騎士「……まぁちょっと落ち着いてくれ。ウィッチ、とりあえずなんだ…久しぶりだ」
ウィッチ「ん……」
猛竜騎士「まだこの里にいてくれて良かったよ」
ウィッチ「ワシはもう、この里にいることを決めたというただろう」
猛竜騎士「何年ぶりだろうな」
ウィッチ「17年…、約20年ぶりだろう」
猛竜騎士「もうそんなに経つのか」
ウィッチ「ワシにとっては、お前たち人間にとっての1年程度じゃがな」
猛竜騎士「そうか…」
白姫「…猛竜騎士さん、やっぱりこの方がウィッチさんなんですか」
猛竜騎士「そうだな、改めて紹介させてもらおうか。」
猛竜騎士「元、俺のパーティにして魔術師のウィッチ・エルフだ」
ウィッチ「…ふふ、よきにはからえ」
白姫「よろしくお願いします!」
魔剣士「若作りクソババァ……」ボソッ
ウィッチ「聞こえておるぞ、無礼者」
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コポコポッ……
ウィッチ「お主は、この茶が好きじゃったのう」
猛竜騎士「覚えていてくれたのか」
ウィッチ「久々の味だろう。当時を思い出して飲むがいい」
猛竜騎士「うむ、いただく」ゴクッ…
魔剣士「…」
魔剣士「……」ジー、ジロジロ
猛竜騎士「…なんだ、ジロジロと人のことを」
魔剣士「いや、そういえばオッサンの現役時代ってあまり聞いたことないなと思って」
猛竜騎士「ん…」
魔剣士「いきなりパーティと紹介されたが、よく分からん…」
猛竜騎士「あー、説明してなかったもんな」
ウィッチ「はっはっは、お主が"オッサン"と呼ばれる歳になったか!」
猛竜騎士「そりゃな…」
ウィッチ「まだ16の頃から知っているワシの身としては、なんだか不思議でたまらないのう」
猛竜騎士「そりゃそうでしょーね。人間は年を取るのが早いんだよ」
ウィッチ「お前もあの頃は可愛かったものだが」
猛竜騎士「放っとけ」
ウィッチ「そうそう、ワシのテントに入り込んで夜這いをしてきたこととかあったのう」
猛竜騎士「!?」ブフッ!
魔剣士「!?」
白姫「よばい…?」
猛竜騎士「ちょっ、ウィッチ!その話はやめてくれ!」
ウィッチ「あ、禁句だったか?」
魔剣士「お、オッサンがアンタに夜這い!?」
魔剣士「なんだよ、オッサンってロリコンだったのか!!?」
猛竜騎士「ばっ、ちげぇよ!」
魔剣士「だってそうだろうが!」
猛竜騎士「これは変化の術で変化してるっつっただろ!」
魔剣士「じゃあ、ババアが好きなのか!?」
猛竜騎士「ち、ちげぇっつーの!」
魔剣士「じゃあなんだよ!なんでこんなウィッチに夜這いなんか!」
ウィッチ「ば、ババァババァと…。さっきからお前は口が悪いのう……」ハァ
魔剣士「180っつったらシワシワだろうが!」
ウィッチ「あのな、人間と同じに考えてもらっては困るんじゃがな」
魔剣士「はぁ?」
ウィッチ「……仕方ないのう」パァァッ
魔剣士「うおっ、眩し……!?」
ウィッチ「…っ」パァァッ…
……バシュンッ!!……
ウィッチ「これで…どう……?」ファサッ…
魔剣士「へ…」
…………まさか!?
魔剣士は声を荒げた。
ウィッチが光り輝いた次の瞬間、
そこにいたのは幼き少女ではなく男なら垂涎するほどの美女であった。
魔法か何かの残りなのか、
輝き落ちる黄金色の魔法の煌きが美しさをより一層際立たせていた。
白姫「…わあっ!」
魔剣士「……うっそだろ」
猛竜騎士「……ッ」
ウィッチ「これが私の今の姿。これでもお婆さんなんて呼べるかしら?」キラキラ…
白姫「綺麗…です……!凄く綺麗です、ウィッチさんっ!」
ウィッチ「…ふふっ、ありがとう。あなたも綺麗よ」ニコッ
白姫「そ、そんなっ…!」
魔剣士「……ウソだ。また変化の術でやってんだろ!?」
ウィッチ「…」ハァ
魔剣士「冗談だろ……」
ウィッチ「ま、信じても信じなくてもいいけどね……」
猛竜騎士「……相変わらず、美しいようで」
ウィッチ「また惚れてくるかしら?」
猛竜騎士「あぁ、惚れてるよ」ククク
ウィッチ「嬉しい言葉…。だけど、あなたはまだ、私にはちょっと役不足かな…」クスッ
猛竜騎士「あの時と同じ言葉か。そこも変わっていなくて安心するよ」
ウィッチ「…ふふっ」
猛竜騎士「くくく……」
魔剣士(……な、なんだ)
白姫(なんか、大人ーって感じがする~……!)
ウィッチ「あ…。そうそう、それより本題に入りたいんだけど……あなたたちはどうしてここに?」
ウィッチ「私を訪ねてくるってことは、それなりの理由があるということなんでしょうけど……」
猛竜騎士「あ~…、そのことなんだけどな……」
ウィッチ「…」
猛竜騎士「そのー……」ポリポリ
ウィッチ「…」
猛竜騎士「そこにいる、女の子」
ウィッチ「この子?」チラッ
白姫「…」ペコッ
猛竜騎士「……セントラル王国の、お姫様だ」
ウィッチ「へぇ、そうなの?」
猛竜騎士「うむ…」
ウィッチ「…」
猛竜騎士「…」
ウィッチ「……えっ?」
猛竜騎士「セントラル王国のお姫様。誘拐した」
ウィッチ「……何ですって?」
猛竜騎士「その言葉通り。誘拐っつーか、家出というか」
ウィッチ「…どうしてかしら」ピクピク
猛竜騎士「んーと、ちょーいとややこしい話なんだが……」
ウィッチ「全部話して。最初から、嘘偽りなく」
猛竜騎士「元々、そのつもりだから安心せい」
…………
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウィッチ「……そういうこと」
魔剣士「…」
白姫「…」
猛竜騎士「…」
ウィッチ「色々突っ込みたいところはあるけど、猛竜騎士…あなたも本当に変わってないわね」ハァ
猛竜騎士「そうか?」
ウィッチ「面白そうだから首を突っ込んだ。昔と何ら変わってない」
猛竜騎士「冒険時代は俺の財産そのものだからな。面白いことにゃ、クビは突っ込むさ」ククク
ウィッチ「全く…。ま、変わってなくて安心はしたけどね」
猛竜騎士「人間、そうそう変われるもんじゃないさ」
ウィッチ「……それで、ここでしばらくかくまってほしいのね?」
猛竜騎士「すまないが、厄介になれないだろうか」
ウィッチ「んー…」
猛竜騎士「ここならば、バウンティハンターの連中に見つかることもないだろう」
猛竜騎士「……次の目的地も含め、どういうルートか決まっていない状況でな」
猛竜騎士「魔剣士と白姫の修行をしつつ、しばらくこの里に滞在させてほしいんだ」
猛竜騎士「里長とも知り合いだし、お前の元パーティなら他のエルフ族も許してくれるだろう?」
ウィッチ「……私は構わないけど、里に迷惑がかかるのは許せないことだし」
猛竜騎士「あぁ…」
ウィッチ「だけど、猛竜騎士の頼みというのなら聞いてあげたいのが本音」
猛竜騎士「…」
ウィッチ「……どうしてもというなら、感知魔法を手伝いなさい。そしたら、しばらく私の家で世話をしてもいいわよ」
猛竜騎士「お…?」
ウィッチ「半径20kmまで感知を伸ばすから。その感覚を共有できる?」
猛竜騎士「……俺は構わないが、お前に負担を」
ウィッチ「私たちのパーティは、お互いを支えること」
ウィッチ「それは何年経とうが、今も一緒」
猛竜騎士「ウィッチ……」
魔剣士「……おい、感知魔法ってなんだ?」
ウィッチ「感知魔法は、範囲内にいる動きのある連中を捉えるための魔術のこと」
魔剣士「気配を察するってことか…?」
ウィッチ「簡単にいえば、そういうことね」
魔剣士「……あー、たまにオッサンが言ってたりしたな、気配がなんちゃらとか」
白姫「あの2日目の夜に、私が寝れないことが猛竜騎士さんにバレちゃった時の…?」
猛竜騎士「…よく覚えてるな」
猛竜騎士「まぁ…、そういうことだ」
ウィッチ「へぇ、私が教えた術をきちんと覚えていたのね」
猛竜騎士「商人をやっていたが、鍛錬はかかしたことはなかったからな」
ウィッチ「それはちょっとうれしいかも。今晩、私の部屋にでも来る?」フフッ
猛竜騎士「…そういう誘いには、乗れないな」
ウィッチ「つまんないわね……」
ウィッチ「えーっと、半径20kmまで伸ばすとなると…相当な感覚になるけど……」
ウィッチ「それを、猛竜騎士自身で続けられると思う?」
猛竜騎士「…やらねばならんだろう。文句も言わん、やらせてもらう」
ウィッチ「そう…。猛竜騎士がそういうなら、いいわよ」
猛竜騎士「恩に着る」
ウィッチ「その感知で、バウンティハンターや敵が近づいてきたら…私とあなたで対処するから」
ウィッチ「里の者たちには絶対に迷惑をかけないように、しっかりやるわよ」
猛竜騎士「…分かっている」
ウィッチ「それと、外に出たり買い物をしたりはできるようにみんなに伝えておく。三人は信用の出来る人間たちだってね」
猛竜騎士「色々とありがとう」
ウィッチ「当然のことよ」
白姫(…なるほど、感知って魔法があったから、さっき門番のエルフさんは私らに気づいたってことかぁ)
魔剣士(だとすると、このウィッチの半径20kmって相当じゃねえか……?)
白姫(それに、範囲は狭いけど…そういう魔法を猛竜騎士さんは使ってたんだよね……)
魔剣士(……オッサン、マジで色々すげぇよ)タラッ…
ウィッチ「それでは、私は……」パァァッ…!!
……ボシュンッ!
幼ウィッチ「…ちょいと、里のみんなにうちの人間は安全だと言ってくるぞ」
幼ウィッチ「猛竜騎士も挨拶をせい、里長へ会うのは久方ぶりじゃろうが」
猛竜騎士「はいよ」
白姫(戻った…)
魔剣士(戻った…)
幼ウィッチ「お主ら二人は、ここでしばらく茶と菓子を見繕って待っててくれるか?」
魔剣士「ん、あぁ…」
白姫「わかりましたっ」ペコッ
幼ウィッチ「うむ、素直な子は嫌いじゃないぞ。それじゃ猛竜騎士、背負え」バッ
猛竜騎士「歩け」
幼ウィッチ「背負え」
猛竜騎士「歩け」
幼ウィッチ「泣くぞ」
猛竜騎士「…」
…スッ
幼ウィッチ「…うむ、それでよいのじゃ」ギュッ…
猛竜騎士「お前、元の姿になっておけよ…」
猛竜騎士「姿を変えると、その年齢に応じた性格になりやすいんだか……」
幼ウィッチ「文句を言うでない!」
…コツンッ!
猛竜騎士「あいた…」
幼ウィッチ「ほれ、出発じゃ!」
猛竜騎士「分かってますよ…」
トコトコトコ…、ガチャッ!バタンッ……!
魔剣士「…」
白姫「…」
………
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 エルフの隠れ里内 】
トコトコ……
幼ウィッチ「……しかしのう、まさかお前が弟子をとるとはな」
猛竜騎士「放っておけなかったんだよ」
幼ウィッチ「全く、大きくなりおって」
猛竜騎士「いつまでたっても子供じゃないんでね」
幼ウィッチ「ふふ、そうか」
猛竜騎士「…」
幼ウィッチ「……ところで」
幼ウィッチ「あの二人、中々見どころがあるな」
幼ウィッチ「男のほう、魔剣士は剣術と魔術どちらも面白いものをもっているようだ」
猛竜騎士「まだまだ甘い部分も多いが、育て甲斐があるやつかなと思ってる」
幼ウィッチ「白の姫は、かなりの好奇心旺盛じゃな。おてんばというか」
猛竜騎士「やっぱり、感知で性格まで分かるもんなのか」
幼ウィッチ「お前はまだしも、あの二人は信用しておらんかったからの。感知を強めたんじゃ」
猛竜騎士「あぁ、そうだろうな…」
幼ウィッチ「…」
幼ウィッチ「……ん?」ピクッ
猛竜騎士「どうした?」
幼ウィッチ「魔剣士め、今…ワシの家で何か探っておるな」
猛竜騎士「…あのバカ、他人の家で何を」
幼ウィッチ「構わん構わん。そのくらいやってこその冒険者じゃ」ハハハ
猛竜騎士「他の家から道具を盗むなんざあったら、社会的に違反だろうが…」
幼ウィッチ「お主こそ、若いころは色々やったじゃろうが」
猛竜騎士「う…」
幼ウィッチ「……じゃが、今日という日に気になったことがある」
猛竜騎士「なんだ?」
幼ウィッチ「お主がまだ独り身なのは、あの時の約束をまだ守っているのか?」
猛竜騎士「……たまたま、俺がモテなかっただけだよ」
幼ウィッチ「…」
猛竜騎士「…」
幼ウィッチ「……なんじゃ、あの日の約束のままなら嬉しかったんじゃがな?」
猛竜騎士「はっはっは、俺だって女が欲しいんだ。我慢なんかするかよ」
猛竜騎士「それにな、所詮…エルフ族と人間は互いに認められない、相容れない存在なんだよ」
幼ウィッチ「…寂しいことを言うな」ソッ
…ギュウッ
猛竜騎士「!」
幼ウィッチ「…」
猛竜騎士「……っ」
幼ウィッチ(…強すぎる感知という能力は不便なものだ。)
幼ウィッチ(お前が嘘をついているのは分かってしまう……)
幼ウィッチ(……んっ)ピクッ
幼ウィッチ「……げ、げほっ!」
猛竜騎士「ん…?」
幼ウィッチ「ごほごほっ!」
猛竜騎士「お前……」
幼ウィッチ「……お前の髪の毛がチクチクしてむせたんじゃ!ばかもの!」ゴホッ!
猛竜騎士「そ、そうか…」
幼ウィッチ「全く!」
猛竜騎士「わ、悪いな……」
幼ウィッチ(…)
猛竜騎士「…」
…………
……
…
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる