魔剣士「お姫様の家出に付き合うことになった」【現在完結】

Naminagare-波流-

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第八章【東方大地】

8-25 ずっと見守っていたから(1)

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魔剣士は、自身の消滅とともに闇に消えた意識。全てが終わる。
深く、暗闇の中、二度と目覚めることのない眠りにつく。
……ハズだった。
しかし、混沌とした意識の中、ふと、誰かが呼ぶ声が聞こえた。

――――けん…し…。

「…」

――――ま…けんし……。

「…」

――――まけんし…!

「…っ」

――――魔剣士ッ!!

「……うおっ!?」

「目が、覚めた?」

「……へっ?」

「だらしないわねぇ、魔剣士」

「な、何……?」

魔剣士は、誰かの声に呼び起こされ、混沌たる世界の中で目を覚ました。霞んだ目が酷く、自分を呼んだであろう相手の姿を確認することはできない。
しかし、その声は忘れもしない、忘れることもできない。姿は見えなくとも、"彼女"であることはしっかりと認識する――。

魔剣士「……ウィッチ?」

……そう、魔剣士を生かすため、自らを犠牲にし、闇魔法の力を与えた猛竜騎士の元仲間であるウィッチだった。

ウィッチ「正解♪」
魔剣士「……目がよく見えねぇんだが、その声はウィッチだってよく分かるぞ……」
ウィッチ「アサシンの攻撃を受けたなら、それくらいの代償にはなるかもしれないわねぇ」
魔剣士「何!?」
ウィッチ「暫くは霞んだままかもしれないわよ。それに……」
魔剣士「……ち、ちょっと待て。待て待て、色々突っ込みたいところがあるんだが」
ウィッチ「なぁに?」
魔剣士「お前がいるってことは、ここはあの世か?俺は死んだのか?」
ウィッチ「さぁ?」
魔剣士「さ、さぁって……」

彼女の姿は見えずとも、口調や声はウィッチには違いない。
そういえば、前にもこんなことがあった気がする。

魔剣士「じゃあどうしてアサシンのことだって知ってんだよ……」
ウィッチ「見てたから」
魔剣士「はい?」
ウィッチ「見てたのよ。ずーっとね」
魔剣士「……は?」
ウィッチ「紡がれる記憶って知ってる?」
魔剣士「知るか」
ウィッチ「相変わらずねぇ。貴方が聞いた、"アサシンのことを知ってる"っていう話にもつながることよ?」
魔剣士「……どういうことだよ。分かり易く言ってくれ」
ウィッチ「んー、だから……」

―――生物には、DNAが刻まれている。
髪の毛一本にすら、生きてきた証が残されている。それは生物の生きてきた記憶、人格。細胞一つに"全て"が刻まれていると言われている。
だから、ウィッチの魔力を受けた魔剣士の中には、ウィッチの"意識"が存在していても不思議なことではないというわけである。

ウィッチ「……分かった?私は貴方の中に生きているだけなのよ」
魔剣士「ウィッチだけど、ウィッチじゃないってことか?」
ウィッチ「私は、私の魔力に刻まれた記憶であるってこと」
魔剣士「……ま、ウィッチはウィッチでいいよ」
ウィッチ「軽い反応ねぇ。普通、もっと驚かない?」
魔剣士「そうなっちまってんだから、そうなんだろ」
ウィッチ「……魔力の胎動や貴方の動きを感じて来たから、どんなことをしてきたか知っているのよ」
魔剣士「ほう」
ウィッチ「例えば、白姫ちゃんの裸を見た時とか、その夜とか――…」
魔剣士「ぬぉぉおあああっ!!そんなこと言わなくていいわっ!!」
ウィッチ「いい反応ね♪」

魔剣士「っていうか、そういう話はいらん!そういうことじゃねーーっ!!」
魔剣士「つーか、俺は死んだのか!?死んだってことでいいのか!?」

ウィッチ「それは……」
魔剣士「お前がウィッチなら、俺がどんな状態か分かってるんだろ!?俺の気持ちだって分かるんだろ!?」

まだ生きているのなら、諦めたくはないとは思う。

ウィッチ「……知りたいの?」
魔剣士「だったら教えてくれよ!」
ウィッチ「闇魔法のダメージは計り知れない。貴方の身体に宿る魔力が、弱々しくなっているのは分かる」
魔剣士「俺は死ぬってことなのか!?」
ウィッチ「どういう賭けに出たのかまでは読めないけど、よろしくない状態ね」
魔剣士「お、おい…。マジに俺は死ぬんじゃ……」
ウィッチ「…」
魔剣士「……冗談じゃない、生きているのなら諦めねぇよ…!諦められるわけがねぇよ!!」
ウィッチ「闇魔法による魔法化。さすがに全身を吹き飛ばされては、復活できる兆しも見られない。…もう、ここにいる貴方の意識も、現実世界でいう"残り香"の一つに過ぎないのよ」
魔剣士「は……?」
ウィッチ「もう、あとは消えるまで時間の問題なのよ」
魔剣士「嘘だろ?」

自分の命が、消えゆく残り香のような存在だなんて。

魔剣士「生きてるのなら、チャンスがあるのなら、俺は死にたくねぇよ!」
ウィッチ「…さっきは死んだと思って認めたように見えたけど、今度は生きているかもしれないって希望にすがる。我がまま過ぎない?」
魔剣士「わずかでも望みがあるのなら、賭けたいに決まってるだろうが!!」
ウィッチ「…そう?」
魔剣士「当たり前だッ!!」
ウィッチ「フフッ、やっぱり変わらないのね」
魔剣士「ん?」
ウィッチ「手は貸したい。だけど、今はまだ勝つべき相手がいる」
魔剣士「何?」
ウィッチ「私が消滅したら、貴方は闇魔法の力を無くす。だから貴方自身が勝つしかない。その見えない目で、戦うしかないの」
魔剣士「何がだ?」
ウィッチ「……来たわよ。向こう側」
魔剣士「だから一体何が!……うっ!?」

ウィッチが"来た"という声と同時に、魔剣士をある感覚が襲う。
何度も対峙し、恐怖を覚えた、あの感覚…。殺戮の気。

魔剣士「これはアサシンの気か!?」
ウィッチ「私は姿を隠す。今の私が戦って消えたら、本当に死んでしまうから」
魔剣士「は!?」
ウィッチ「気を付けなさいよ。アサシンは"それを知ったら"、貴方を乗っ取ろうと動くはずだから……」
魔剣士「ウィッチ!?」

ウィッチの声が遠くなる。目で追えず、どこへ行ったかは定かではない。
しかし、殺戮の気は確実に近づいてくる。

魔剣士「ッ!?」

そして、いつの間にか右手には使い慣れた剣が握られていた。

魔剣士(こ、ここは俺の精神世界じゃないのか!?)
魔剣士(どうしてアサシンの気が…!っていうかウィッチはどこへ!中途半端に説明しやがって、一体何があるってんだよ……!)

近づく最悪のオーラに、緊張して高鳴る鼓動。死んでるような存在に、まだ生きているのだと実感する気持ちが何とも気持ち悪い感覚だった。

魔剣士(一体どうしろっつーんだよ…、何が何だか……!)

剣を構える力は強くなり、目の見えない恐怖に身体が震える。
やがて、そのオーラが"血"をたぎらせるほどに強くなった頃、その声は聞こえた。
「……お前は、誰だ」と。

魔剣士「…っ!?」

「ここはどこだ。すまないが、道に迷ってしまったらしい」

魔剣士(…あら?)

その声は、先ほどまで戦っていたアサシンの存在とは少し違うように思えた。
だが、その気力は間違いなくアサシンである。

魔剣士(この声はアサシンじゃないのか?いや、だけどこの強すぎる殺気は……!)

「話が聞こえないか?」

魔剣士「あ、いや…!き、聞こえてるが……!」

「では答えろ。ここはどこだ?」

魔剣士「ど、どこだって…。お前、アサシンじゃないのか……?」

「……俺の呼び名を知っているのか」

魔剣士「は?」

その回答に、ますます謎は深まる。ここが精神世界であれば、アサシンがいることもおかしいし、ウィッチの説明も遥かに不足している。
相手は自分を知らず、自分は相手を知っている。わけが分からない状態に、頭が回らない。

アサシン「……どうして剣を構えている」
魔剣士「ッ!」
アサシン「先の質問に答えろ。ここはどこだ。俺は"死んだ"のではないのか」
魔剣士「し、死んだ?」
アサシン「確かに、俺は"十字軍の追手を受けて死んだ"はずだ。それとも、ここは死後の世界なのか」
魔剣士(な、何を言っているんだ……?)

十字軍、追手、死んだ。回る謎のキーワード。
自分の精神世界に現れた、声の違うアサシン。これが意味することは、何か。

魔剣士(……ダメだ、何も思い浮かばねぇ!)

とにかく今は彼の設問に従い、真実を見出すしかなかった。

アサシン「ここはどこだ。さっさと答えろ」
魔剣士「……ここは、俺の世界だ」
アサシン「何?」
魔剣士「精神世界…だよ…。俺もよく分からねぇけど、俺が創ってる世界とかなんとかだって話だ……」
アサシン「……何を馬鹿なことを言ってる?」
魔剣士「ば、馬鹿って言うんじゃねぇよ!俺だって分からないんだよ!」
アサシン「……やかましい声だ」
魔剣士「ほっとけ!っていうかだな、お前は俺を知ってるんじゃないのか!?」
アサシン「知らないな」
魔剣士「……お前はアサシンだろ?」
アサシン「そう名を改めたが、今は浸透しているようだな」
魔剣士「はァ…?」
アサシン「それより、お前も知らないのは本当らしい。その話し方でよく分かった」
魔剣士「お、おう……?」
魔剣士(……あれ?)

殺戮の気は変わらないが、どこか、彼は戦っていたアサシンと違うように感じた。

魔剣士「……な、なぁ。アンタってアサシンなんだよな?」
アサシン「そうだな」
魔剣士「でも、俺が知ってるアサシンとはちょっと違う気がするんだが……」
アサシン「俺が何人もいるというのか」
魔剣士「……偽者、とか」
アサシン「俺が偽者だと、そう言っているのか」
魔剣士「……い、いや、アンタから感じる気はアサシンそのものだし、本物なのかもしれねぇけど!」
アサシン「何を言いたいのか、ハッキリと言え」
魔剣士「……俺はアンタと戦って、死にかけてるんだよ。この世界は、俺が死にかけて造りだしてる世界だって話らしい…!」
アサシン「……本気で言っているのか?」
魔剣士「冗談を言うと思うか…!」
アサシン「…」
魔剣士「…っ」

こんな突拍子もない話、意味が分からない。自分が何を言っているのかすら、本当に理解が出来ない。
―――しかし。

アサシン「……信じたくないというのが本音なのだが、どうやらその口ぶりからすると本当らしいな」

意外にも彼は、それをすんなりと受け入れたようだった。

魔剣士「し、信じるのか!?」
アサシン「信じる他はない。実際、ここに漂ってから俺はお前以外の人間を見てはいない」
魔剣士「…」
アサシン「暗闇の中、お前は遠くから唯一の光となって俺を導いた。最初はどこかの洞窟かとも思ったが、そういう話ならば合点がいく」
魔剣士(そんな場所…なのか……。目が見えないのは逆に有り難かったかもしれん……)

周囲の状態が分かることは有りがたい話だったが、どうやら事態は最悪らしい。暗闇ということは、自分が死にかけているということだろう。

アサシン「しかし、腑に落ちない点がある」
魔剣士「な、何だ……」
アサシン「生憎、俺はお前を知らん。お前が俺と戦ったことがあるというのなら、俺の"記憶"に残っているはずだ」
魔剣士「……記憶?」
アサシン「俺の知り得る限り、お前のような人間とは相対したことはない」
魔剣士「……記憶」
アサシン「そうだ。俺の記憶にはお前は存在していない」
魔剣士「……記憶、意識の記憶…?」
アサシン「どうした」
魔剣士「魔力、意識、記憶?……あっ!?」

"ここが自分の精神世界"
"ウィッチは魔力の中に生きる存在"
"自分はアサシンの魔法の攻撃により滅されかけている"

魔剣士(……まさか!)

ここで、繋がる。

魔剣士(このアサシンは、俺が攻撃を行ったアサシンの魔力に眠っていた記憶の人格なのか!?)

……そう。ここにいるアサシンは、現実世界にいる"アサシン"の魔力に眠っていた意識そのものだった。
攻撃を受け、魔剣士は現実にいるアサシンの魔力に宿った"記憶のアサシン"が入り込んでしまったということだろう。

魔剣士(だけど、俺を知らないというのはおかしい……)
魔剣士(俺を知らないアサシンが現れるということは有り得るのか……?)

―――待てよ。違うアサシンの感覚が、あったはずだ。

魔剣士(……そうだ!さっき感じた、現実とは違うと思った感覚…!)
魔剣士(ということは、アサシンは……)

二人、いる…………?
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