95 / 176
第八章【東方大地】
8-26 ずっと見守っていたから(2)
しおりを挟む
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
辿り着く真実。近づいているであろう真なる答えに、魔剣士は混乱した。
まず間違いなく、この考えは正しいだろう。だが、余りにも現実味がない。
魔剣士「……アサシンが二人なんて」
アサシン「……何?」
魔剣士「あ、アンタはアサシンなんだよな?」
アサシン「何度言えば分かる」
魔剣士「アンタの記憶は、どっからどう出来ている?どこが最後の記憶なんだ?」
アサシン「何度言わせるつもりだ」
魔剣士「頼む、もう一度だけ…聞かせてくれ……!」
真実の為に。此方側のアサシンならば、現実よりも答えてくれるはず。そんな気がする。
魔剣士「頼む……!」
アサシン「…」
懇願する魔剣士の姿を見たアサシンは、ため息をついた後、口を開いた。
アサシン「俺の記憶は十字軍の魔法部隊に追われ、若い団員の一人に見守られたところで消えている。あとは、この世界に来た迄だ」
魔剣士「ぜ、全部…本当なんだよな……?」
アサシン「嘘をつく理由はない」
魔剣士(……落ち着け俺。十字軍って確か…)
十字軍とアサシン盗賊団の決戦は数十年前に遡る。
だとすれば、このアサシンはそこで命を落としたのか、逃げて現実世界へと繋がっているはず。
魔剣士「……アンタは死んだんだよな」
アサシン「死んだのかは定かではないが、お前の精神世界に迷い込んだという話だろう?」
魔剣士(現実世界のアサシンの魔力に眠っていた記憶の意識……)
アサシン「…」
魔剣士(こいつの存在と、二人のアサシンの存在がどのようなものなのかを突き止めるには……)
酷たる一言を告げることになるが、相手が残虐たるアサシンであるのには相違なく、それはすんなりと口に出すことができた。
魔剣士「十字軍と盗賊団の戦いは、数十年前の話だ。俺が生きている世界の、ずっとずっと昔の話なんだよ」
アサシン「……何?」
魔剣士「お前は恐らく、現実世界で俺が戦っていた"もう一人のアサシン"の魔力に眠る意識の記憶。そうなんだと思う」
アサシン「……意識と記憶だと?現実世界のアサシンとはどういうことだ。お前の知っている全てを話せ」
魔剣士「え、あ…あぁ……」
話に食いついてきた彼に、魔剣士は知っていることを全て話した。過去の戦い、現実で相手にしたアサシン全てを。
無論、闇魔法の存在も―――。
魔剣士(……闇魔法?)
ここで、疎い部分があった魔剣士に、一つ、ある考えが走る。
人に教えることは、自分が改めて知ることになると、心底そう思った。
魔剣士(今のアサシンが闇魔法を会得した理由を考えていなかった……!)
魔剣士(……だけど、待てよ!?)
此方側のアサシンはさっき、確かにこう言った。
"若い団員の一人に見守られたところで記憶が消えている"と。
魔剣士(もし、そうだとしたら……)
魔剣士(本物のアサシンは、看取ったという若い団員に"生命の幹"を宿し、闇魔法を与えた…ということに……)
アサシン「…」
アサシンは自らの存在や、過ぎた時間。その話を聞いて沈黙を保っていることが逆に不気味だった。
魔剣士(今のアサシンは二代目で、だけど口調は似ている。…そういえば、さっき、ウィッチが変なことを言ってたような…?)
"それを知ったら、貴方を乗っ取りにくるはずだから"
魔剣士(―――…まさかッ!!!)
次の瞬間、自身の真ん前に、鋭い刃の気配を感じた。
魔剣士「うぉあああっ!!?」
"ヒュオンッ!!"
身体を反らし、短剣が空を切る音が響く。どうやらアサシンも"そのこと"に気づいたらしい。
アサシン「……全て理解をした。悔しい話だが、現実の俺は数十年前に死んでしまったようだ」
魔剣士「…ッ!」
アサシン「だが、お前の話を聞いてよく分かった」
魔剣士「アサシン……!」
アサシン「……俺を最期に看取った男は、到底殺し等も出来ない軟弱な男だった。それが今の俺と同じ"気"を持つのならば、要はそういうことなのだろう」
自分が自分であり続けるために。
"精神を乗っ取れば良い"ということ―――…!
魔剣士「……ッ!!」
アサシン「すまないとは思うが、この世界に意識として生まれた以上、俺のために身体をくれないか?」
魔剣士「お、俺は死ぬかもしれない男だぜ……?」
アサシン「生きる可能性があるのなら、俺は僅かな望みにでも賭けさせてもらう」
魔剣士「……なるほどね」
まさか、精神の世界でもアサシンと戦うことになるとはだれが予想しただろうか。
また、それを近くで見守る影が一つ。それはウィッチ、彼女は消えたわけではなく、アサシンの存在に気づいていち早く"気配"を消しているだけで、実際には近くでそのやり取りを全て見ていたのだ。そして、頭が良い彼女だったからこそ、気づけた点もあった。
ウィッチ(……おかしい)
ウィッチ(私が考える限り、現実に生きる記憶と魔力の意識はリンクするはず。だけど彼が何も知らないということは、魔剣士の精神に入り込んだ時に何らかのダメージを受けているということ……)
ウィッチ(本当は現実とリンクする強さを持つはずのアサシンが、昔の記憶しか持っていないというのなら……)
"ガキィンッ!!"
魔剣士「……あれっ?」
アサシン「む……」
ウィッチが考えている間にいつの間にか始まった戦い。だが意外にも、あっという間にその決着はついたのだった。
魔剣士の縮地や攻撃に精神のアサシンは追うことは出来ず、簡単に短剣を弾かれてしまったのだ。
魔剣士「……マジで?」
アサシン「目に追えない動きをするのか……」
魔剣士「い、いやちょっと待て。遊んでるだけだよな?」
アサシン「俺の完敗だ」
魔剣士「いやいやいやいやっ、あの天下のアサシンがこんな簡単に!?」
アサシン「仕方ないことだ」
魔剣士「いや、でも……」
違う人間とはいえ、あれほどの死闘を繰り返した相手と同じ名と精神を持つ相手がこれほど弱いと拍子抜けしてしまう。
そこへ、急にウィッチの気配が戻る。
魔剣士「……お?」
ウィッチ「魔剣士、ご苦労様」
魔剣士「ウィッチ…!てめぇ、どこに行ってやがった!?」
ウィッチ「しょうがないでしょう。私がアサシンに殺されたら、生命の幹は完全に枯れて死んじゃうじゃないの」
魔剣士「そうかもしんねぇけどよ!それより、アサシンがすげー弱いんだけど!?」
ウィッチ「魔剣士の精神に入り込む際に、不具合が生じたのね。私もこればかりは予想できなかった」
魔剣士「あん?」
ウィッチは、敗北したアサシンのもとへ近づく。
ウィッチ「……アサシン」
アサシン「また、知らぬ人間が一人。そこの男の精神世界に、何人もいるのか?」
ウィッチ「私はエルフ族。人間じゃないわ」
アサシン「…ほう」
ウィッチ「貴方は既に死んだ存在。ここは魔剣士の精神の中…、本体とは違う人間に入るには少々窮屈だったみたいね」
アサシン「だから俺がこんな子どもに負けたというのか」
ウィッチ「貴方の記憶は、現実とリンクをしていなかった。縮地という技術も、進化した魔法も、昔のままで止まっている貴方が着いていけるものじゃなかったのよ」
アサシン「なるほど、合点がいく話だ」
ウィッチ「消えなさい。ここは魔剣士の精神世界。貴方が生きることは許されないのよ」
アサシン「俺の若さは健在だが、現実でいえば"老兵は死なずに去るのみ"ということか」
ウィッチ「……意外と物わかりがいいのね」
アサシン「負けたことは認める他はない。短剣を貸してくれるか」
ウィッチ「いいわよ」
魔剣士「お、おい…!」
ウィッチ「大丈夫」
魔剣士の制止を気にせず、ウィッチは弾かれて落ちていた短剣を拾い、手渡した。
アサシン「……そこの男、名前は」
魔剣士「魔剣士」
アサシン「そうか、変わった名だ。今の時代はそういう名が主流なのか?」
魔剣士「……悪かったな」
アサシン「バカにするつもりはない。ただ、俺を倒した男の名を聞いておきたかっただけだ」
魔剣士「……あぁそう」
アサシン「しかしまさか、二度も死ぬ思いをすることになるとは思わなかったぞ」
魔剣士「!」
アサシンは一言つぶやくと、自らの腹部へと短剣を突き刺した。
アサシン「ぐっ……」
魔剣士「アサシン……」
アサシン「俺が生きていられる場所ではないと分かった以上、潔く散るまでだ」
魔剣士「…」
アサシン「お前は現実へ戻ることが出来たとしても、お前の戦いは終わっていないのだろう」
魔剣士「あぁ、最悪なことにな」
アサシン「お前の話…。つまり、俺の時代で全てが終わる筈だったのだろう。それをいつまでも引き連ることは恥に近いこと。お前の手で、アサシンという名の全てを屠るよう、願っている……」
魔剣士「…」
アサシンは突き刺した短剣を、心臓へと切り上げる。
その姿は霞んだ目で見えることはなかったが、漏らす声で壮絶な最期を遂げているのだと、よく分かった。
やがて、弾ける音に周囲へ広がる温かい光。アサシンが精神世界から消えたのだと、理解した。
ウィッチ「……終わったわよ」
魔剣士「そうか……」
ウィッチ「現実世界よりもよっぽど分かり易い相手だったわね。どうして、現実はあんなんなっちゃったのかしら」
魔剣士「知るかよ」
ウィッチ「っていうか、途中で"アサシンが二人いる!?"とか言ってたけど、馬鹿な方に考えたわねぇ」
魔剣士「は?」
ウィッチ「結果的に正解だったけど、実際は貴方の精神世界が窮屈すぎて、魔力の記憶に残るアサシンに不具合が生じていただけよ?」
魔剣士「結果良ければ全てヨシだろうが」
ウィッチ「はぁ……」
魔剣士「ため息つくなや」
ウィッチ「あと、伝えることがあるわ。彼の魔力が体内に入ったことで、分かったことがある」
魔剣士「まだ秘密があんのか?」
ウィッチ「彼の若さのことよ」
魔剣士「!」
ウィッチ「彼の精神が過去のアサシンに乗っ取られたとして、あの若さは説明がいかない」
魔剣士「まぁ、確かに……」
ウィッチ「あれは闇魔法による呪いね」
魔剣士「へ?」
ウィッチ「闇魔力の活性化で、死ねることのない身体になった。若さも、いつ死ぬのか分からない、最悪なことよ」
魔剣士「……おい」
―――ちょっと待て。
魔剣士「それじゃ、待てよ。俺はどうなる?」
ウィッチ「…」
魔剣士「俺も死ねない身体になったとか、ずっと若いままなんじゃないのか!?」
ウィッチ「……聞きたい?」
魔剣士「あ、当たり前だ!俺はどうなる!?」
ウィッチ「……彼の言葉、三段階目の進化。魔法化のレベルに達したということは、魔剣士にもそう異変になった可能性が高い…かしら……」
魔剣士「……マジ?」
ウィッチ「だけど、彼の身体には"魔力に宿る意識"が半ば乗っ取ったという事象がある。生物って不思議なもので、意識をすることが実際に起こり得るの」
ウィッチ「だから、精神を乗っ取ったアサシンが"セントラルへの復讐"のために、闇魔法が若さを保ち続けたっていうこともあるかもしれない」
魔剣士「……確証はねぇんだろ。お前はどっちだと思うんだ」
ウィッチ「私の気持ちを察してくれないの?」
魔剣士「本音で言ってくれ」
ウィッチ「……分かった。本音で言うわね」
魔剣士「あぁ」
ウィッチ「闇魔法の活性化だと思う。実際、身体の魔法化を覚えてから貴方の身体はずっと生命に満ち溢れ、壊れることのない生命の幹が成長しているのを感じたから」
魔剣士「……そうか。だからまた俺は微かな残り香のような命でも生きているってわけなんだな」
ウィッチ「だけど、気は落とさないで。そうなっても、きっと道はあるはずだから」
魔剣士「……分かってるよ」
ウィッチ「……それでね」
ウィッチ「本当はもっと話をしたいんだけど、これ以上は時間も持たないから無駄話も出来ないかな」
魔剣士「ん?」
ウィッチ「これ以上の時間をかけると、現実世界から本当に消えちゃうわよ。現に、私や貴方の光もどんどん弱くなってるから」
魔剣士「ちょ、ちょいちょい!?」
ウィッチ「死ぬことのない身体かもしれないから、死ぬのは幸せかもしれないわよ?」
魔剣士「アホッ!!今はみんなを助けることのほうが先決だっつーの!!」
ウィッチ「ふふっ、やっぱりそういうと思った。大丈夫、私は生命の幹の根源。私が助けてあげるから」
魔剣士「おっ!?マジか!?つーか、出来るなら最初っからやれよ!!」
怒鳴り散らし、地団太を踏んで「早くしろ!」と叫びまくるが、ウィッチはニヤニヤと笑いながら説明した。
ウィッチ「アサシンが潜り込んでいた精神世界のままで復帰させると、ノイズが混じってどうなるか分からなかったのよ。貴方が貴方であるために、どうしてもアサシンを倒してほしかったの」
魔剣士「なるほどね、そういうことか」
ウィッチ「それに、ここまで時間がかかった理由はね……」
魔剣士「うん?」
ウィッチ「……何でもないわ。じゃ、助けてあげるから精神を集中して」
魔剣士「お、おうよ。つか、俺の見えない目…大丈夫なのか?」
ウィッチ「目に回復魔法を集中するから、現実世界に戻ったら見えるはずよ。ただ、魔法の攻撃を受けた障害がいつ発症するかは予想できないから……」
魔剣士「……上等!」
ウィッチ「頑張るのよ。猛竜騎士にもよろしくって伝えてね」
魔剣士「あぁ!」
ウィッチ「……っ」
ウィッチは両手を掲げ、"生命の幹"を活性化させた。
身体が熱く、命の炎が燃え上がるのを感じる。
魔剣士(炎の熱!俺の火炎!俺はまだ、生きてる……!)
ウィッチ「魔剣士、また…会えたら……」
魔剣士「見守っててくれよ!変なのは見るなよ!?」
ウィッチ「さぁね」
魔剣士「おいこら」
ウィッチ「冗談よ。また、会いましょう」
魔剣士「おぅっ!!」
ウィッチの両手から、より強い光と煌きが放たれ、魔剣士の身体を飲みこんでいく。
ウィッチ「…っ」
そして、魔剣士は完全に姿を消した。自らの精神の檻から脱出し、現実へと帰って行ったのだった。
ウィッチ(……頑張ってね、魔剣士。だけど私も正直言ったら、こんなこと…怖かったことは分かってくれるかな……)
魔剣士は知らなかった。彼女が、彼女自身、どれほど辛いことだったのか。
ウィッチ(私は、貴方の精神世界で生まれただけ。記憶と意識は持ってるけど、貴方を助けるために生まれた存在……)
ウィッチの辺りが、急に薄暗くなる。魔剣士の身体が、助かったと同時に、彼女をいらない存在だと認識したのだ。
ウィッチ(さようなら……)
魔剣士の意識が現実に完全に戻った瞬間、ウィッチの存在は再び精神の闇へと消えて行った。
…………
……
…
辿り着く真実。近づいているであろう真なる答えに、魔剣士は混乱した。
まず間違いなく、この考えは正しいだろう。だが、余りにも現実味がない。
魔剣士「……アサシンが二人なんて」
アサシン「……何?」
魔剣士「あ、アンタはアサシンなんだよな?」
アサシン「何度言えば分かる」
魔剣士「アンタの記憶は、どっからどう出来ている?どこが最後の記憶なんだ?」
アサシン「何度言わせるつもりだ」
魔剣士「頼む、もう一度だけ…聞かせてくれ……!」
真実の為に。此方側のアサシンならば、現実よりも答えてくれるはず。そんな気がする。
魔剣士「頼む……!」
アサシン「…」
懇願する魔剣士の姿を見たアサシンは、ため息をついた後、口を開いた。
アサシン「俺の記憶は十字軍の魔法部隊に追われ、若い団員の一人に見守られたところで消えている。あとは、この世界に来た迄だ」
魔剣士「ぜ、全部…本当なんだよな……?」
アサシン「嘘をつく理由はない」
魔剣士(……落ち着け俺。十字軍って確か…)
十字軍とアサシン盗賊団の決戦は数十年前に遡る。
だとすれば、このアサシンはそこで命を落としたのか、逃げて現実世界へと繋がっているはず。
魔剣士「……アンタは死んだんだよな」
アサシン「死んだのかは定かではないが、お前の精神世界に迷い込んだという話だろう?」
魔剣士(現実世界のアサシンの魔力に眠っていた記憶の意識……)
アサシン「…」
魔剣士(こいつの存在と、二人のアサシンの存在がどのようなものなのかを突き止めるには……)
酷たる一言を告げることになるが、相手が残虐たるアサシンであるのには相違なく、それはすんなりと口に出すことができた。
魔剣士「十字軍と盗賊団の戦いは、数十年前の話だ。俺が生きている世界の、ずっとずっと昔の話なんだよ」
アサシン「……何?」
魔剣士「お前は恐らく、現実世界で俺が戦っていた"もう一人のアサシン"の魔力に眠る意識の記憶。そうなんだと思う」
アサシン「……意識と記憶だと?現実世界のアサシンとはどういうことだ。お前の知っている全てを話せ」
魔剣士「え、あ…あぁ……」
話に食いついてきた彼に、魔剣士は知っていることを全て話した。過去の戦い、現実で相手にしたアサシン全てを。
無論、闇魔法の存在も―――。
魔剣士(……闇魔法?)
ここで、疎い部分があった魔剣士に、一つ、ある考えが走る。
人に教えることは、自分が改めて知ることになると、心底そう思った。
魔剣士(今のアサシンが闇魔法を会得した理由を考えていなかった……!)
魔剣士(……だけど、待てよ!?)
此方側のアサシンはさっき、確かにこう言った。
"若い団員の一人に見守られたところで記憶が消えている"と。
魔剣士(もし、そうだとしたら……)
魔剣士(本物のアサシンは、看取ったという若い団員に"生命の幹"を宿し、闇魔法を与えた…ということに……)
アサシン「…」
アサシンは自らの存在や、過ぎた時間。その話を聞いて沈黙を保っていることが逆に不気味だった。
魔剣士(今のアサシンは二代目で、だけど口調は似ている。…そういえば、さっき、ウィッチが変なことを言ってたような…?)
"それを知ったら、貴方を乗っ取りにくるはずだから"
魔剣士(―――…まさかッ!!!)
次の瞬間、自身の真ん前に、鋭い刃の気配を感じた。
魔剣士「うぉあああっ!!?」
"ヒュオンッ!!"
身体を反らし、短剣が空を切る音が響く。どうやらアサシンも"そのこと"に気づいたらしい。
アサシン「……全て理解をした。悔しい話だが、現実の俺は数十年前に死んでしまったようだ」
魔剣士「…ッ!」
アサシン「だが、お前の話を聞いてよく分かった」
魔剣士「アサシン……!」
アサシン「……俺を最期に看取った男は、到底殺し等も出来ない軟弱な男だった。それが今の俺と同じ"気"を持つのならば、要はそういうことなのだろう」
自分が自分であり続けるために。
"精神を乗っ取れば良い"ということ―――…!
魔剣士「……ッ!!」
アサシン「すまないとは思うが、この世界に意識として生まれた以上、俺のために身体をくれないか?」
魔剣士「お、俺は死ぬかもしれない男だぜ……?」
アサシン「生きる可能性があるのなら、俺は僅かな望みにでも賭けさせてもらう」
魔剣士「……なるほどね」
まさか、精神の世界でもアサシンと戦うことになるとはだれが予想しただろうか。
また、それを近くで見守る影が一つ。それはウィッチ、彼女は消えたわけではなく、アサシンの存在に気づいていち早く"気配"を消しているだけで、実際には近くでそのやり取りを全て見ていたのだ。そして、頭が良い彼女だったからこそ、気づけた点もあった。
ウィッチ(……おかしい)
ウィッチ(私が考える限り、現実に生きる記憶と魔力の意識はリンクするはず。だけど彼が何も知らないということは、魔剣士の精神に入り込んだ時に何らかのダメージを受けているということ……)
ウィッチ(本当は現実とリンクする強さを持つはずのアサシンが、昔の記憶しか持っていないというのなら……)
"ガキィンッ!!"
魔剣士「……あれっ?」
アサシン「む……」
ウィッチが考えている間にいつの間にか始まった戦い。だが意外にも、あっという間にその決着はついたのだった。
魔剣士の縮地や攻撃に精神のアサシンは追うことは出来ず、簡単に短剣を弾かれてしまったのだ。
魔剣士「……マジで?」
アサシン「目に追えない動きをするのか……」
魔剣士「い、いやちょっと待て。遊んでるだけだよな?」
アサシン「俺の完敗だ」
魔剣士「いやいやいやいやっ、あの天下のアサシンがこんな簡単に!?」
アサシン「仕方ないことだ」
魔剣士「いや、でも……」
違う人間とはいえ、あれほどの死闘を繰り返した相手と同じ名と精神を持つ相手がこれほど弱いと拍子抜けしてしまう。
そこへ、急にウィッチの気配が戻る。
魔剣士「……お?」
ウィッチ「魔剣士、ご苦労様」
魔剣士「ウィッチ…!てめぇ、どこに行ってやがった!?」
ウィッチ「しょうがないでしょう。私がアサシンに殺されたら、生命の幹は完全に枯れて死んじゃうじゃないの」
魔剣士「そうかもしんねぇけどよ!それより、アサシンがすげー弱いんだけど!?」
ウィッチ「魔剣士の精神に入り込む際に、不具合が生じたのね。私もこればかりは予想できなかった」
魔剣士「あん?」
ウィッチは、敗北したアサシンのもとへ近づく。
ウィッチ「……アサシン」
アサシン「また、知らぬ人間が一人。そこの男の精神世界に、何人もいるのか?」
ウィッチ「私はエルフ族。人間じゃないわ」
アサシン「…ほう」
ウィッチ「貴方は既に死んだ存在。ここは魔剣士の精神の中…、本体とは違う人間に入るには少々窮屈だったみたいね」
アサシン「だから俺がこんな子どもに負けたというのか」
ウィッチ「貴方の記憶は、現実とリンクをしていなかった。縮地という技術も、進化した魔法も、昔のままで止まっている貴方が着いていけるものじゃなかったのよ」
アサシン「なるほど、合点がいく話だ」
ウィッチ「消えなさい。ここは魔剣士の精神世界。貴方が生きることは許されないのよ」
アサシン「俺の若さは健在だが、現実でいえば"老兵は死なずに去るのみ"ということか」
ウィッチ「……意外と物わかりがいいのね」
アサシン「負けたことは認める他はない。短剣を貸してくれるか」
ウィッチ「いいわよ」
魔剣士「お、おい…!」
ウィッチ「大丈夫」
魔剣士の制止を気にせず、ウィッチは弾かれて落ちていた短剣を拾い、手渡した。
アサシン「……そこの男、名前は」
魔剣士「魔剣士」
アサシン「そうか、変わった名だ。今の時代はそういう名が主流なのか?」
魔剣士「……悪かったな」
アサシン「バカにするつもりはない。ただ、俺を倒した男の名を聞いておきたかっただけだ」
魔剣士「……あぁそう」
アサシン「しかしまさか、二度も死ぬ思いをすることになるとは思わなかったぞ」
魔剣士「!」
アサシンは一言つぶやくと、自らの腹部へと短剣を突き刺した。
アサシン「ぐっ……」
魔剣士「アサシン……」
アサシン「俺が生きていられる場所ではないと分かった以上、潔く散るまでだ」
魔剣士「…」
アサシン「お前は現実へ戻ることが出来たとしても、お前の戦いは終わっていないのだろう」
魔剣士「あぁ、最悪なことにな」
アサシン「お前の話…。つまり、俺の時代で全てが終わる筈だったのだろう。それをいつまでも引き連ることは恥に近いこと。お前の手で、アサシンという名の全てを屠るよう、願っている……」
魔剣士「…」
アサシンは突き刺した短剣を、心臓へと切り上げる。
その姿は霞んだ目で見えることはなかったが、漏らす声で壮絶な最期を遂げているのだと、よく分かった。
やがて、弾ける音に周囲へ広がる温かい光。アサシンが精神世界から消えたのだと、理解した。
ウィッチ「……終わったわよ」
魔剣士「そうか……」
ウィッチ「現実世界よりもよっぽど分かり易い相手だったわね。どうして、現実はあんなんなっちゃったのかしら」
魔剣士「知るかよ」
ウィッチ「っていうか、途中で"アサシンが二人いる!?"とか言ってたけど、馬鹿な方に考えたわねぇ」
魔剣士「は?」
ウィッチ「結果的に正解だったけど、実際は貴方の精神世界が窮屈すぎて、魔力の記憶に残るアサシンに不具合が生じていただけよ?」
魔剣士「結果良ければ全てヨシだろうが」
ウィッチ「はぁ……」
魔剣士「ため息つくなや」
ウィッチ「あと、伝えることがあるわ。彼の魔力が体内に入ったことで、分かったことがある」
魔剣士「まだ秘密があんのか?」
ウィッチ「彼の若さのことよ」
魔剣士「!」
ウィッチ「彼の精神が過去のアサシンに乗っ取られたとして、あの若さは説明がいかない」
魔剣士「まぁ、確かに……」
ウィッチ「あれは闇魔法による呪いね」
魔剣士「へ?」
ウィッチ「闇魔力の活性化で、死ねることのない身体になった。若さも、いつ死ぬのか分からない、最悪なことよ」
魔剣士「……おい」
―――ちょっと待て。
魔剣士「それじゃ、待てよ。俺はどうなる?」
ウィッチ「…」
魔剣士「俺も死ねない身体になったとか、ずっと若いままなんじゃないのか!?」
ウィッチ「……聞きたい?」
魔剣士「あ、当たり前だ!俺はどうなる!?」
ウィッチ「……彼の言葉、三段階目の進化。魔法化のレベルに達したということは、魔剣士にもそう異変になった可能性が高い…かしら……」
魔剣士「……マジ?」
ウィッチ「だけど、彼の身体には"魔力に宿る意識"が半ば乗っ取ったという事象がある。生物って不思議なもので、意識をすることが実際に起こり得るの」
ウィッチ「だから、精神を乗っ取ったアサシンが"セントラルへの復讐"のために、闇魔法が若さを保ち続けたっていうこともあるかもしれない」
魔剣士「……確証はねぇんだろ。お前はどっちだと思うんだ」
ウィッチ「私の気持ちを察してくれないの?」
魔剣士「本音で言ってくれ」
ウィッチ「……分かった。本音で言うわね」
魔剣士「あぁ」
ウィッチ「闇魔法の活性化だと思う。実際、身体の魔法化を覚えてから貴方の身体はずっと生命に満ち溢れ、壊れることのない生命の幹が成長しているのを感じたから」
魔剣士「……そうか。だからまた俺は微かな残り香のような命でも生きているってわけなんだな」
ウィッチ「だけど、気は落とさないで。そうなっても、きっと道はあるはずだから」
魔剣士「……分かってるよ」
ウィッチ「……それでね」
ウィッチ「本当はもっと話をしたいんだけど、これ以上は時間も持たないから無駄話も出来ないかな」
魔剣士「ん?」
ウィッチ「これ以上の時間をかけると、現実世界から本当に消えちゃうわよ。現に、私や貴方の光もどんどん弱くなってるから」
魔剣士「ちょ、ちょいちょい!?」
ウィッチ「死ぬことのない身体かもしれないから、死ぬのは幸せかもしれないわよ?」
魔剣士「アホッ!!今はみんなを助けることのほうが先決だっつーの!!」
ウィッチ「ふふっ、やっぱりそういうと思った。大丈夫、私は生命の幹の根源。私が助けてあげるから」
魔剣士「おっ!?マジか!?つーか、出来るなら最初っからやれよ!!」
怒鳴り散らし、地団太を踏んで「早くしろ!」と叫びまくるが、ウィッチはニヤニヤと笑いながら説明した。
ウィッチ「アサシンが潜り込んでいた精神世界のままで復帰させると、ノイズが混じってどうなるか分からなかったのよ。貴方が貴方であるために、どうしてもアサシンを倒してほしかったの」
魔剣士「なるほどね、そういうことか」
ウィッチ「それに、ここまで時間がかかった理由はね……」
魔剣士「うん?」
ウィッチ「……何でもないわ。じゃ、助けてあげるから精神を集中して」
魔剣士「お、おうよ。つか、俺の見えない目…大丈夫なのか?」
ウィッチ「目に回復魔法を集中するから、現実世界に戻ったら見えるはずよ。ただ、魔法の攻撃を受けた障害がいつ発症するかは予想できないから……」
魔剣士「……上等!」
ウィッチ「頑張るのよ。猛竜騎士にもよろしくって伝えてね」
魔剣士「あぁ!」
ウィッチ「……っ」
ウィッチは両手を掲げ、"生命の幹"を活性化させた。
身体が熱く、命の炎が燃え上がるのを感じる。
魔剣士(炎の熱!俺の火炎!俺はまだ、生きてる……!)
ウィッチ「魔剣士、また…会えたら……」
魔剣士「見守っててくれよ!変なのは見るなよ!?」
ウィッチ「さぁね」
魔剣士「おいこら」
ウィッチ「冗談よ。また、会いましょう」
魔剣士「おぅっ!!」
ウィッチの両手から、より強い光と煌きが放たれ、魔剣士の身体を飲みこんでいく。
ウィッチ「…っ」
そして、魔剣士は完全に姿を消した。自らの精神の檻から脱出し、現実へと帰って行ったのだった。
ウィッチ(……頑張ってね、魔剣士。だけど私も正直言ったら、こんなこと…怖かったことは分かってくれるかな……)
魔剣士は知らなかった。彼女が、彼女自身、どれほど辛いことだったのか。
ウィッチ(私は、貴方の精神世界で生まれただけ。記憶と意識は持ってるけど、貴方を助けるために生まれた存在……)
ウィッチの辺りが、急に薄暗くなる。魔剣士の身体が、助かったと同時に、彼女をいらない存在だと認識したのだ。
ウィッチ(さようなら……)
魔剣士の意識が現実に完全に戻った瞬間、ウィッチの存在は再び精神の闇へと消えて行った。
…………
……
…
0
あなたにおすすめの小説
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる