魔剣士「お姫様の家出に付き合うことになった」【現在完結】

Naminagare-波流-

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第九章【セントラル】

9-16 バンシィ

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壇上の上に座る、魔剣士とバンシィ。何故かバンシィは魔剣士に背中を合わせ、ちょこんと座っていた。

魔剣士「何で俺にくっつく」
バンシィ「お兄ちゃん面白いなーって、気に入ったから……」
魔剣士「あぁそうですか」
バンシィ「うん…。やっぱり、僕の魔法が効かなかったのは不思議だけど……」
魔剣士「俺は強いんだよ」
バンシィ「ふーん…。僕も強いんだけどなぁ……」
魔剣士「あぁ、そうですか……」

のんびりとした途切れ途切れの口調に、面倒になる。

リッター「ふはは!お前たち、いつまでここにいるつもりだ!?」
魔剣士「あぁ…、そうね。選考用紙にサインあんたに渡すんだっけ?」
リッター「そういうことだ。ペンは貸してやろう」
魔剣士「あらまぁ用意がいいのな」

どこから出したのかは分からなかったが、上着の中に手を突っ込んで取り出した羽根ペンを渡される。

魔剣士「なんてちょっと甘い良い匂いのペンなんだよ」
リッター「ナチュラルフローラルだ」
魔剣士「…」

疲労した魔剣士はツッコミを入れることはなく、選考用紙に名前を記入する。"makenshi"と記載するところ、偽名を使い"Flamme"フランメと名乗った。

リッター「ほう、フランメ…炎か。確かにお前は炎が得意そうだったな!」
魔剣士「お、おう……」
バンシィ「へぇ、お兄ちゃんなるほどね…。だから僕の氷も防いじゃったんだ……」
魔剣士「お、おう!」

実際には、闇魔法による"絶対無敵効果"がオートで発動したものだったが。口が裂けても言えない。

リッター「……よし、それでは用紙を貰おうか!」
魔剣士「いちいち声出すな、うるせぇ」

用紙をリッターに渡すと、それを上着に仕舞う。本当にどこで保管するのか……。

バンシィ「うん、じゃあよろしくね……」

バンシィも用紙を渡すと、またそれを上着の中へと突っ込んだ。

魔剣士「えーとそんじゃ、これからどうすればいい?」
リッター「今日はとりあえずこれで終了だ。明日にココで本選が行われるんでな、朝9時に再び訪れると良い」
魔剣士「へーへー、了解」
リッター「……はっはっは、しかしお前たちはラッキーだ。実力があっても、1次選考を突破できるとは限らないからな」
魔剣士「あん?」
リッター「この選考会は、時間が経つほど不利になる仕組みだ」
魔剣士「……どういうことだ」
リッター「簡単なことよ。選考用紙はあくまで普通の紙であって、何の防御もない。血で濡れた用紙は、破かれた時点で無効になる。燃えたり凍ったりすることも珍しくはないだろう」
魔剣士「あ、あぁ……」
リッター「お前は炎の竜巻の中にいて、どうにか守ったようだったが。32名の予定だが、実際に揃ったのは第一回から今日まで一度もない」
魔剣士「……何人くらいが本選、2次選考会に残るんだ?」
リッター「平均して8人だ」
魔剣士「……8人か」

300人以上集まっているというのに、本選前でかなり狭き門だということだ。

リッター「騎士団に選ばれるのは三人まで。倍率にすると100倍以上になるか」
魔剣士「ほーん……」
リッター「……興味津々だな!はっはっは!」
魔剣士「明日以降のことを知って損はないだろ。つーか笑うな、マジでお前の声うっせぇから」
リッター「ハッハッハッハッ!!」

何が面白かったのか、爆笑が止まらない様子。だが、こんな男でも今の団長という実力があることは伺える。

魔剣士(団長リッター、最初は闇魔法の使い手だと思ったが、どうにもその感覚はねぇ。恐らく、別に闇魔法の使い手はいるってことなのか……)

騎士団の象徴として君臨する"闇魔法の使い手"なのかと疑ったが、リッターに触れられた時も、バンシィの氷を防いだ時に発した魔法も、全てに闇の魔力を感じることはなかった。

魔剣士(アサシンと戦っておいて助かったぜ。共鳴っつーのか、その感覚は掴んだしな……)

そもそも、堂々と表舞台に闇魔法使いです!と現れるわけもないだろうし、この男はあくまでも団長として、兵士長として扱われているだけなのだろう。

リッター「……それで、お前の面白さに免じてちょっとした情報を教えてやろう!」
魔剣士「あ?」
リッター「先ほど言った8人。そこから、騎士団へ選抜されるのは大体決まっているんだよ」
魔剣士「…どういうことだ?」
リッター「1次選考に残った最初の二人と最後の一人。もしくは、最初の一人か最後の二人…ほとんどそれで決まると言っても過言じゃないんだ」
魔剣士「何…?」
リッター「簡単な話だ。三番目から六番目は、どちらかというとそれなりの実力かつ運も絡んだ程度のハンターよ。だが、最初と最後に訪れるのは格の違う冒険者ということだ」
魔剣士「あぁ…。最初のほう来るのは強ぇ奴だって分かるが、なんで最後のほうもそうなんだ?」
リッター「ハッハッハ、これまた単純なことよ。ほれ、遠くのほうだが…恐らくはアイツが残るだろうな」
魔剣士「んあ……?」

ビシリとポーズを決めるリッターが指差した方向には、広場の後方で逃げ惑う冒険者たちの姿が見えた。

魔剣士「……なんじゃ、ありゃ」
リッター「快楽者だろう。あの男、用紙は既に手に入れたがわざわざ後方に戻って殺しをしているということだ」
魔剣士「な、何!?」
リッター「ルールはあくまでも"持ってくる"だけで、それ以外の制限はない。それを利用して、暴れるだけ暴れることが出来るからなぁ……」
魔剣士「ふ、ふざけやがって……!」

殺しも問わないルールで、欲望のために殺すなど許されないこと。魔剣士は怒りをあらわにしたが、予想外にもリッターは同様の反応を見せた。

リッター「……本当にな」
魔剣士(あ…?)

開幕時の笑い声はどこへやら、小さく小さく、寂しそうにリッターは呟いた。

リッター「……これがルールなんだ。俺も殺しが良いとは思えないが、騎士団に属し、団長になった以上は上の命令に従う他はない。ごうに入っては郷に従え、ということだ」
魔剣士「アンタ……」
リッター「……っと、上からの話など…言ってはいけないことだったな!忘れてくれ、だぁっはっはっはっ!!」

"ばんばん!"と肩を強く叩き、また高笑いするリッター。しかし魔剣士は、今の態度と"上からの命令"という言葉に、彼が決して悪い奴ではないこと、闇魔法の使い手と王の存在を確認することが出来たのだった。

リッター「ほれほれ、それよりフランメよ!ここにいても仕方がなかろう、明日のために英気を養うよう、休んだほうがいいのではないか!」
魔剣士「少し魔法を使っただけなんだがな…。とはいえ確かに休息は取ったほうが良さそうだし、従わせてもらうかね」
リッター「うむ、そうしておけ!!」
魔剣士「……ってか、そしたらどうやってこっから脱出すりゃいーんだよ…」

今いる場所は、戦場と化したステージのほぼ中心位置。戻るには、戦いの中をかき分けて行かなければならないのはちょっとキツイ。

バンシィ「……お兄ちゃん、僕に任せてくれる?」
魔剣士「何?」
バンシィ「今、すぐに道を作るから……」

片腕を伸ばし、強い冷気を蓄積させる。

魔剣士「だぁぁぁっ、ちょっと待てお前!!」
バンシィ「……あうっ」

"バシッ!!"
慌てて伸ばした腕を叩き落とし、魔法を阻止した。

バンシィ「痛い、何をするのさ……」
魔剣士「何をするのさ、じゃねえよ!もういちいち殺して道つくんな、バカ!!」
バンシィ「でもルールで」
魔剣士「そりゃ1次選考の前の話だろ!今は良いんだよ、普通に帰れるの!!……お前といると本気で疲れるわ、はぁ」

両目をつぶり、疲れたアピール。どうしてこんな奴もいるもんかと、呆れた表情になる。

バンシィ「……でも、帰れないよ。あっち側に行きたいんだよね?」
魔剣士「あーもう、単にいちいち魔法を使うのが面倒だっただけだ。しゃあねえなぁ……」

これ以上の犠牲を出さないためにも、魔剣士はバンシィのわきの下から手を回してギュっと支えた。

バンシィ「あう…?」
魔剣士「しっかり掴まってろ。…いや、つーか暴れないだけでいい」
バンシィ「何するの……」
魔剣士「ん、何をするだと?決まってるだろ…。空を……飛ぶんだよッ!!」

脚に魔力、風を展開。力を入れて高く、遥か高く、大きく大きく飛んだ。

リッター「おー…!すげぇじゃねえか、だぁっはっはっは!!」

かなり高く飛んだというのに、リッターの馬鹿笑いは耳元に煩く響いた。

魔剣士「ちっ、うるせーなぁ……」
バンシィ「うわぁ、たかーい」
魔剣士「……反応うっすいなお前」
バンシィ「ただ高く飛んだだけに、そんな面白い反応もないと思うけど」
魔剣士「そりゃそうだが、普通は怖がったりしねーか」
バンシィ「ううん、別に…。お兄ちゃんの腕は凄く強く掴んでくれてるし、全然怖くないよ」
魔剣士「……変な奴だな、ったくよォ!」

空中で足の裏へ風の魔力。二段ジャンプのようにして一気に会場の外へ、"ドォン!!"と爆音を鳴らして着地した。

魔剣士「ほれ、着いたぞ」

バンシィを離し、大丈夫かと声をかける。

バンシィ「……うん、大丈夫だよ。よくあんなに飛んで、足は何ともないの?」
魔剣士「俺は鍛えてるからな」
バンシィ「ふーん、変なお兄ちゃんだね」
魔剣士「あんだと貴様」
バンシィ「変な仮面もつけてるし、もしかして…相当な実力を持ってるのに隠すために仮面をつけているみたいな」
魔剣士(す、鋭いガキだな……)

年齢は10歳から12歳くらいか、明らかに年下だというのに実力的にはかなり上位に入る腕前を持っている。
また、バンシィも包帯のような変わった布で顔を覆い、ボサっとした髪の毛でそれこそ"腕を持っているのに隠している"ように思えた。

魔剣士「ただのカッコつけだよ。カッコイイだろ?」
バンシィ「うん」
魔剣士「そこは認めるのかよ!?」
バンシィ「うん」

何を言いたいのか、このガキは……。

魔剣士「あー、まぁ良い。俺は帰るぞ」
バンシィ「帰る?どこに?」
魔剣士「家だよ」
バンシィ「明日は2次選考なのに、近くに家があるの?」
魔剣士「……あ、いや。仮住まいっていうかだな、貸してもらってるだけだ」

猛竜騎士の家など言えるわけがない。

バンシィ「ふーん、じゃあ僕も帰るよ」
魔剣士「そうか。そんじゃあな」
バンシィ「うん」
魔剣士「また明日」

軽く手を上げ、魔剣士は住宅街へと足を運ぶ。
てくてく、てくてく……。

魔剣士「……ん」
バンシィ「ん……?」

ところが何故か、バンシィは魔剣士の後ろをチョコチョコと着いてきたのだった。

魔剣士「……君?」
バンシィ「なぁに?」
魔剣士「どうして着いてくるのかな?」
バンシィ「だって、帰るって言ってたから……」
魔剣士「いや帰るよ。君は一緒の方向なのかな?」
バンシィ「ううん、お兄ちゃんと一緒のところに帰るだけだよ」
魔剣士「それはおかしいでしょう」
バンシィ「何が?」
魔剣士「何もかもでしょう」
バンシィ「どうして?」
魔剣士「まずいぞ話にならない」

元来、冒険者とは宿なしの身である。
バンシィも該当するだろうし、子供であって、魔剣士に何故か懐いてしまった場合―――。

魔剣士「バンシィ、お前さ…宿とかはとってるんだろ?」
バンシィ「フランメお兄ちゃんのところ」
魔剣士「いやちょっと待て」
バンシィ「さぁ行こうよ」
魔剣士「いや行かないから。勝手に泊まらせるわけにはいかないから」
バンシィ「ケチ!」
魔剣士「いや、いやいやちょっと待て。ケチとかじゃねえし」
バンシィ「宿なしだもん。僕のこと…見捨てるの?」
魔剣士「見捨てるとか見捨てないじゃなくて、常識的に物事を考えてみろ」
バンシィ「常識的?」
魔剣士「あぁそうだ」
バンシィ「うーん……」

腕を組み、首を傾げ、考えた"風"に見せたあと。

バンシィ「よし、お兄ちゃんの家に行こう……」
魔剣士「どうしてそうなんの!?」
バンシィ「だってー」
魔剣士「だってもこうもねーだろ!宿なんざいくらでもある、俺が取ってやる、だから俺に着いてくんな!!」
バンシィ「うー…」
魔剣士「俺に付きまとうなっつーの!」
バンシィ「だってお兄ちゃんと僕は友達になったでしょ?」
魔剣士「いつの間に!?」
バンシィ「ってなわけでー……」
魔剣士「いや、行かないよ」
バンシィ「えー…」
魔剣士「……あー、だの!うー、だの!えー、だの!うっせぇやつだなお前は!」
バンシィ「あーは言ってないよー」
魔剣士「やかましい!!」

一般的な冒険者ってやつは、ここまで図々しいものなのか。それとも、子供だから仕方がないことなのか。

魔剣士「……いいから来い、確かこっち側にでっけー宿があったはずだ」
バンシィ「えー…」
魔剣士「いいから来い!ちったぁ金くらいもってるから、そんくらいなら出してやるから!!」
バンシィ「引っ張らないで、あーー……」

………


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――30分後。
セントラルの宿を取った魔剣士は、嫌がるバンシィを引っ張って部屋に押し込んだのだった。

バンシィ「うー、無理やり連れてこなくてもお兄ちゃんの家でいいのに……」
魔剣士「ふっざけんな!いくらしたと思ってんだ、なんで俺がこんな……」
バンシィ「でも用意してくれたんだし、従うけど……」

ベッドの上に腰を下ろし、シュルシュルとターバンを取り始める。

魔剣士「ったくよぉ、俺は帰るぞ!」

振り返り、ドアへと手をかける。

バンシィ「えぇ、帰っちゃうの……?」
魔剣士「お前なぁ…。冒険者だからって少し図々しすぎるぞ。大人として忠告しておく、お前は嫌われるタイプの子供だ」
バンシィ「その言い方は大人っぽくない気がするんだけどな」
魔剣士「うっせぇ!じゃあな!!」
バンシィ「っていうか、お兄ちゃん。僕は冒険者じゃないよ……。くくり的には冒険者だけど……」
魔剣士「あ?」
バンシィ「僕は、バウンティハンターだよ?」
魔剣士「……何?」

確かに今、ハンターだと。そう言った。

魔剣士「おいバンシィ、お前今なんつった……!」

気のせいではないと、訊き直しながらバンシィを見た瞬間。

"ぱさり……"
顔と身体を覆っていた布の全てを取り切った時だったため、あらぬ"彼女"の裸が目に映った――…。

魔剣士「……は!!?」
バンシィ「ん?」

どうやらバンシィは、女の子、だったらしい……。

魔剣士「お、女ァ!!?」
バンシィ「煩いよ、声を出さないでお兄ちゃん」
魔剣士「はぁぁ!?こ、声も出すだろ!!こんな状況で声を出さない奴のほうがおかしいだろ!!」
バンシィ「うーん?」

布でキツく縛っていて分からなかったが、バンシィの髪の毛は深い海のような青々としたブルー。良く見れば瞳も深く青く、身体つき、顔つきも女の子そのものだった。

魔剣士「……いいから服を着ろよ」
バンシィ「僕、あまり好きじゃないんだよね」
魔剣士「どの口が言ってんだ!さっきまで布でガッチガチにしてたくせに!」
バンシィ「そうじゃないと、僕は女だからっていうことがハンデで、狙われることくらい分かってるからね……」
魔剣士「あ、あぁ……」
バンシィ「へぇ、お兄ちゃんはその反応から見るとあまり興味はないのかな?」
魔剣士「ガキに興味はねーよ」
バンシィ「ふーん、女の子っていうジャンルには興味があるんだ」
魔剣士「う、うっせぇ!!」
バンシィ「本当に面白いよね、お兄ちゃん」
魔剣士「……バカにしてるだろ。いいから身体隠せ、ガキっつっても女だろうが」

クローゼットからタオルを取り出すと、バンシィへと投げつけた。

バンシィ「巻いてくれるの?」
魔剣士「アホか!」

バンシィは「えー」という表情で、しぶしぶ自分で身体にタオルを巻いた。

バンシィ「苦しいよ、布を着てるみたいで嫌だ……」
魔剣士「いちいちうるせぇなぁ。俺がお前のようなガキに興味あったら、今頃はガブリだぞバカが」
バンシィ「特別に良いよ」
魔剣士「……あーはいはい!俺は帰るぞ!」

振り返り、今度こそ帰ろうとドアにまた手をかける…が。

バンシィ「お兄ちゃん、帰っちゃうの……?」

潤んだ声で、卑怯にも"女の子"らしく寂しいように魔剣士を呼び止めた。

魔剣士「な、泣き声は止めろ。俺はそういうのに弱いんだ……」

性格上、もし泣いていたらこの場から消えることは出来なくなる。バンシィの方を向かず、ドアノブを回す。

バンシィ「……っちぇ、お兄ちゃんは変わってるね」
魔剣士「あぁそうですよ、ハイハイ」

ウソ泣きだったらしい。ホっとしてそのままドアを開く……、だが。

バンシィ「うん、変わってる。やっぱり、僕のお兄ちゃんとは違うんだね」
魔剣士「……何だそれは。お兄ちゃんが二回出てきたぞ」
バンシィ「うん。だって僕は、お兄ちゃんに呼ばれたから選考会に来たんだよ……」
魔剣士「俺は呼んでないぞ。適当ぬかすな」
バンシィ「そうじゃなくて、本当のお兄ちゃんのほう」
魔剣士「あぁ…、兄貴も騎士団とかなのね……」
バンシィ「うん、そうだよ。だけど姿が見えなくて、宿なしだったから。優しくて強いお兄ちゃんに着いていけば、今日は安全だと思ってたんだ……」
魔剣士「そーいうことな」

子供ながら、我が身を守ることはしっかり考えていたようだ。

魔剣士「だったら今日はここに宿泊しながら、兄貴を探せばいい。つーか、兄貴の名前は?俺も探しといてやるよ」
バンシィ「うん、ありがとう。お兄ちゃんの名前はね……」
魔剣士「おう」
バンシィ「"ブレイダー"って、いうんだけど……」
魔剣士「……は?」
バンシィ「ブレイダーだよ、お兄ちゃん。……あ、お兄ちゃんとお兄ちゃんが混ざっちゃってるけど、これは…」
魔剣士「ちょっと待て、そこじゃない。お前…その兄貴の名前……」
バンシィ「うん、何?」

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