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囚愛《テリーside》
囚愛《テリーside》2
しおりを挟む日に日に成長する雅様を見ていると、エリックに恋愛感情を抱いていることに気付いた。
エリックはそういうのに疎いし、ましてや雅様と20も年が離れている。
二人が結ばれることは無いだろう。
日本に来て11年が過ぎ、雅様は15歳になった。
俺もエリックも日本語が堪能になっていた。
「テリー、ダンス大会のときに泊まるホテルで、頼みごとがあるんだけど」
U-15の大会で遠征をするため、ホテルをとることになっている。
「ツインじゃなくて、ダブルでとって。俺はその日、エリックを抱く」
―…マジか。
「かしこまりました」
いやいや、エリック35歳だぞ?
君はまだ青い15歳。
というか、あなた抱く側ですか?
執事学校のときに恋人を切らしたことのないエリックを満足させられますか?
そういえばこの前、エリックとこんな話をしたことを思い出した。
「エリック、お前執事学校で何て言われてたか知ってるか?」
「ん?」
「100人斬りのエリック」
「…なんだそのふざけた名前は」
久しぶりに休みをもらえた俺たちは、深夜にワインを堪能しながら昔話に花を咲かせた。
そう、エリックは執事学校時代、恋人を切らしたことがなかった。
「お前は執事学校イチの美人だったし、恋人とっかえひっかえだったしなぁ」
「―…未経験だ」
「は?」
「まだヴァージンだ」
「嘘だろ?」
「嘘をついてどうする」
「前も後ろも?」
「そうだ」
エリックのまさかの発言で、ワインがブドウジュースに感じるぐらい俺の脳内はおかしくなっていた。
あのエリックが。
100人斬りのエリックが。
百戦錬磨のエリックが。
「明日の新聞記事になるんじゃないか」
「私は性欲が全く無くて、いざセックスしようとしても勃たないからすぐに飽きられたんだ」
まぁ確かに淡白ではあったよな。
ならなぜ恋人など作るのだろうか。
「みんな顔か体目当てで付き合ってきていたようだな。で、セックス出来ないと分かると数日で関係が終わる」
「いやでも、35だぞ?1度くらいは…」
「ない。恋人を切らさなかったのも、誰なら自分の体が性的に興奮するのか知りたかったからだ。未だに興奮したことはない。無駄な時間だったな」
「雅彦様とはしてなかったのか?」
「なぜ私があのお方とセックスしないといけないんだ。そんなことをしたら、雅彦様に主導権を握られる未来しか予想できないだろう」
…いや、主導権は常に三科雅彦が握ってただろ。
という会話をした。
だからまぁ、無理だろう。
あなたの初体験は散りますよ雅様。
あの三科雅彦にさえ性的興奮を覚えないようなド真面目な執事ですから。
ダンス大会から帰宅してきた雅様は落ち込んでいた。
これは失敗したな。
そりゃそうだろう。
予想通りだ。
落ち込んでいる雅様とは逆に、エリックは深刻に何かを考えている様子だった。
「テリー」
「ん?」
「雅様も年頃のようで。セックスについてきちんと教えないといけないんだよな。どうしようか悩む」
「何かあったのか?」
なんとなく予想はついていたが、雅様の初体験が未遂で終わったことを聞かされた。
あぁ、雅様お気持ちお察しします。
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