囚愛-shuai-

槊灼大地

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囚愛Ⅱ《エリックside》

囚愛Ⅱ《エリックside》1

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雅様が高3になったある日のこと。




「エリック、毎週金曜日は家に帰らないで、そのまま学園の寮に泊まるから。竜と打ち合わせしたくて」


「打ち合わせ?」


「そう。土日は寮にいるみたいでさ。実は―…」



9月の文化祭でJEESのライブがあり、そこで雅様が考えた振り付けでダンス部で踊るという話を聞かされた。



雅様の同級生でJEESのヴォーカルである竜が、学園の寮にいるのそこで打ち合わせをするらしい。



「お友達と思い出を作る。最高ですね。夏にはU-18の大会もありますし、忙しいとは思いますが応援しています」


「ありがとう」




その日から、雅様に抱かれる頻度が低くなった。



いつもは週に3日、それが1週間に1回になり、今では10日に1回ほど。




「どうしたエリック?」



昼食後、休憩がてら庭のテーブルに座り外を眺めていると、テリーが紅茶を淹れながら私の対面に座った。



「テリー…最近雅様に抱かれる頻度が減ったんだ」


「ほう。どれくらいに?」


「10日に1回ほど」


「それは確かに少ないなぁ」



ふとテリーの顔を見ると、紅茶を飲みながらニヤニヤして私の顔を見ていた。



「雅様は性の練習相手として、私が不要になったのかもしれないなぁ」


「練習?雅様ならもう本命を抱いてるだろう」



―…雅様には本命がいたのか?



そうか。
そうだよな。



本命がいなければ、練習などしないか。



「エリック、お前は鈍いからな。雅様の本命を教えてや…」
「大丈夫だテリー、なんとなく予想はついている」



きっと、雅様の本命は竜なのだろう。



毎週末、竜のいる寮に泊まり打ち合わせをしている。



―…お似合いじゃないか









「というわけで、U-18大会が終わったら文化祭までの2ヶ月間、竜と同室の自由寮に住むから」


「そうですか。頑張ってくださいね」



さすがに15曲の振り付けを考え、教え、合わせるのに通いでは時間が足りないと感じたらしい。



雅様は7月半ばから竜と同室の自由寮に入ることになった。



私を抱いているように、竜を抱いているのだろうか。



胸がざわつく。



雅様が寮に入って2週間が経ち、頼まれた荷物を届けにMY学園に来た。



「お久しぶりです雅様」


「エリックー!久しぶり!ごめんね忙しいのに。部屋を案内するよ」



久しぶりに見る雅を見て癒されている自分がいる。



ダンス部の練習を抜け出した雅は、竜と同室で使っている部屋に私を招き入れた。



「30分だけ時間あるから。そしたらまた夜まで練習」



部屋に上がり頼まれた荷物を置いた瞬間、雅様が私を抱きしめた。



そしてキスをしながら、近くにあるベッドへと移動しようとしている。



「ん…は―…ぁ…雅…様」



私は精一杯の力で抵抗をした。



「んっ…嫌…ですっ!…こんな場所で!」



絶対に嫌だ。



竜を抱いているかもしれないこのベッドに押し倒されるのだけは。



「そう?」



私は唇を離して少し雅様を睨み付けて言った。



「というか雅様…性の練習はもうする必要ありませんよね?もう本命を抱いているそうじゃありませんか」


「本命…?」



今更何を言っているんだという顔をされ、自分はもう要らないのではないかと思った。



私を抱くように竜も抱いているのならば、きっと竜は満足しているだろう。




「だからもう私と練習などしなくていいでしょう。その方を大事にしてあげてください」


「ん?」



不思議そうな顔をする主様。



そんなに私に本命が誰なのか言わせたいのか…



「竜…ですよね?」


「ん?」


「竜はとても可愛らしいですし、お似合いです。私とのセックスの回数が減ったのも竜と打ち合わせをし始めた頃からですし…」



もう雅様を見ていられず、顔をそらして言った。



回答は分かりきっているのに。



雅様は何も答えず数十秒の沈黙のあと、口を開いた。



「あー、ごめんねエリック。ちょっと整理させて。俺の好きな人を竜だと思ってる?」


「…違うのですか?」



私の発言に雅様はまた黙り込み、目線を反らして何か思い返しているようだった。



「えっと…俺言ってなかったっけ?―……言ってないかも。俺はね、エリックの誕生日に白薔薇をプレゼントし始めた時からエリックを本気で愛してる」


「―…え?」



私を本気で愛している?
竜ではなくて?




意外な回答に、理解が追い付かない。




「だからセックスの練習なんかしたことない。ずっと本番だよ。最初に君を抱いたときから、ずっとね」



そして雅様はまだ脳内が混乱している私の頬を両手で触れて、目を合わせてウィンクして言った。



「高校卒業したら俺は君に最高のプロポーズをするからね。待ってて♪」



そう言って再び唇を重ねた。



さっきまで、胸がざわついて、苦しくてたまらなかったのに。



今では雅様のキスが嬉しくてたまらない。



ああ、



この感情はきっと恋なのだ。





「あぁもう30分だ…皆が俺を待ってる。愛してるよエリック。文化祭終わったらたくさん抱くからね」




私は雅様を―…







雅様のタイマーが鳴り、軽くキスをして、そして二人で部屋を後にして別れた。


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