天才ピアニストでヴァイオリニストの二刀流の俺が死んだと思ったら異世界に飛ばされたので,世界最高の音楽を異世界で奏でてみた結果

yuraaaaaaa

文字の大きさ
8 / 56

〜依頼,教会,子供〜

しおりを挟む
 また一日ライデンの手伝いを終えると,ローレンツ達と食卓を囲む。
「ローレンツ達に聞きたいんだが……」
 今日の出来事と内容,そして俺自身が考えている事を伝えた。

 「ん~カナデの気持ちも分からなくはないがな……難しい問題だな」
 「そうねぇ簡単に解決出来るようなものじゃないしね」

 「ハルゲンは何かいい案はない?」
 俺はハルゲンに意見を求めてみた。

 「ある事はあるがの~……難しいけど良いか?」
 「どんな事?」

 「マンドラゴラという植物があってだな,この国でもどこでも重宝されている植物があるんだが,そのマンドラゴラを見つけて栽培すればお金に困る事はなかろう。だが手に入れる事が非常に難しく,具体的な生息地も分かっておらん」

 「そんなん無理じゃない!?」

 「だから難しいと……だけどマンドラゴラがあればお金で困る事はなかろうて」
 「マンドラゴラの生息地とかクロエ知らないのか??」

 「知ってるも何も持っておるぞ!!」
 「!?!?!?!?!?!?!?!?」
 全員が驚いた。

 「え!? なんて!?」
 クロエはアイテムボックスを漁りだした。

 「お~あったあった。これじゃろ?」

 「オエ~~~」
 クロエが出したのは頭に葉っぱがついた 人形ひとがたの植物だった。しかも何やら気持ち悪い声を発していた。

 「なにこの気持ち悪い植物」
 「これがマンドラゴラだ」
 「なんでクロエが持ってるんだよ!」

 「なんでか忘れたの~。でも昔に人間からもらったのじゃ。これがあれば助ける事が出来るのじゃろ?? ハルゲンどうなんじゃ??」

 「大丈夫であろう。黒竜のクロエの魔力があれば簡単に育てる事が出来る。明日ワシも一緒に行こう」
 「本当か!? ありがとう」
 ハルゲンと明日教会に行くことにした。

 次の日になり,教会へと足を運んだ。シスターのマリさんが出迎えてくれた。
 「あれ? カナデさんとクロエさん今日はどうされたんですか? それにこちらの方は?」

 「ハッハッハ! このクロエがこの教会を助けに来たのじゃ!」
 「???????」

 「まあとりあえずは中へ入って説明します」

 「という事なんですが,どうでしょうか?」
 マリさんに事の説明をした。

 「そんな……私達の為にいいんでしょうか?」
 「いいんです。俺が決めたことだし,別に無理してる訳でもない。クロエが持ってた,たまたま珍しい植物をここで栽培してほしいって事なんです」

 「クロエが持っていたものだし,クロエがそう使いたいからいいんです! クロエそうだろ??」
 「カナデの言うとおりじゃ! いいのじゃ!」

 「じゃあ早速栽培しよう。ハルゲンどうすればいいんだ?」
 「まあワシに任せよ! では外に行くかの」

 「マリさんこの辺の庭を耕してもええかの?」
 「ええ。構いませんよ」

 ハルゲンは持っている杖を使って何やら呪文を唱え始めた。
 すると地面が盛り上がり,土が動き出して,あっという間に地面が耕された。

 「ほう! ハルゲン中々やるなお主」
 「ホッホッホ。まあ少しばかりな。ここにクロエのありったけの魔力を注いではくれまいか?」

 「ん? わかったぞ」
 クロエは手をかざし畑の土に魔力を込め始めた。

 「ハルゲン,なんで魔力を注いでるんだ?」
 「マンドラゴラは,魔力が多い土地でしか生息しないみたいなんだ。それもとびっきり濃い場所でしか発見された事がない。だから栽培するには魔力が必要だと思うのだがの~。きっと上手くはずじゃ」

 クロエがありったけの魔力を込めたようだった。
 畑の土が何故かキラキラと輝いているように感じる。

 「後はマンドラゴラの葉っぱを植えて,毎日水をあげるだけじゃ。マンドラゴラはすぐに育つ植物だから問題も解決出来るじゃろうて」

 「地面の中から声が聞こえ始めたら収穫のタイミングなんじゃ。それと収穫する時,地面から抜くときは耳栓をする事。抜かれた時の叫びを人間が近くで聞くと死ぬと言われておるからなぁ」

 「気をつけます……本当にありがとうございます」

 「いえいえ。お礼はクロエとカナデに言ってあげて下さい。マンドラゴラは冒険者ギルドでも薬師が運営している商店でも普通の商店でも買い取ってくれるじゃろうて。いい値段で取引してくれるからお金の心配はいらなくなるじゃろうて」

 「分かりました。カナデさんもクロエさんも本当にありがとうございます」
 一段落すると,子供達が現れた。

 「クロエのお姉ちゃんだ! 魔法見せて~」
 「おい!! 魔法使いがいるぞ。魔法見せて見せて」
 「カナデのおっちゃんまた音楽聞かせてくれよ」

 俺達は子供達に捕まり,子供達の相手をすることになった。
 ハルゲンとクロエは水魔法や炎魔法を使って魔法を見せていた。
 俺はというと,ヴァイオリンで音楽を奏でた。

 すっかり子供達のお守りをする羽目になったが,子供達が楽しそうにしているのが何より嬉しかった。
 子供達と遊んでいるとあっという間に時間が過ぎていった。

 夕方になる前にマリさんと子供達と挨拶を交わし,俺達は教会を後にした。
 「子供達は元気じゃったの~」
 「子供は元気が一番じゃろうて」
 二人共歳を重ねている為か年寄りっぽい事を言う。
 「でもそうだったね! マンドラゴラが上手くいくといいな」
 「余が魔力を込めたのじゃ。上手くいくじゃろ」

 酒場ライデンに戻るといつにもましてお客が訪れていた。
 クロエが伯爵をぶっ飛ばした後,ブライアンが奥さんと娘を店に呼び戻して,奥さんと娘が店の手伝いをしていた。それに前と同じく店員を雇って店を切り盛りしていくようだった。

 ローレンツ達の手伝いもそろそろお役御免となるだろう。彼らは元々冒険者でずっと店を手伝う事は出来ない。

 こんなに早くこの店が再建出来たのは元々ライデンが人気店だったからだろう。それにブライアンが作る料理は本当に最高に美味しい。

 クロエも俺もすっかりこの店のファンになった。来るお客も皆そうなんだろう。
 俺は演奏をして店を盛り上がるように努めた。

 クロエはいつも通り呑んで酔っ払い始める。いつの間にかクロエは店の名物となりかけていた。酔っ払うと魔法を使って芸を始めるからだ。褒められるとすぐに調子に乗ってどんどん魔法で芸を始める。

 俺がピアノで音楽を奏でてることもあってか,噂が広まり,沢山のお客が絶えず来るようになった。
 ベロンベロンに酔っ払ったクロエを担いで屋根裏の部屋に連れて行く。
 ベッドにクロエを降ろし,俺は椅子に座る。

 この世界に来て最初は考える時間すらなく,慌ただしい生活だったが,少し考えると俺はなんでこの世界に来てしまったのか,それに何をしたいのか? とふと考える。

 俺が出来る事なんて音楽くらいだ。冒険者なんて出来ない。更にいうとモンスターと戦うなんてもってのほかだ……

 それでもさすけさんの手紙に書いてあったように音楽を世の中に広めるのか?
 自分でもそれはわからない。だけど,この世界に来てからの俺の演奏は地球に居たときと比べると格段に音が変わった。それはいい音だと俺自身は思っている。

 演奏家としてのレベルをさらに高める為にはこの世界をもっと知り,堪能する事で良い演奏が出来るのじゃないか? とそう俺は感じていた。
 つまりはクロエと旅に出ようと俺は考えていた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

処理中です...