38 / 49
三十八 大荒れ! 海の祭典
しおりを挟む
私が王太子様の婚約者候補になることで危害を加えようとする派閥は――。あまり考えたくなくて私は手をぎゅっと握りしめた。どうしたらいいのだろう。今からでも出来そうなことは……。襲撃を受けて王太子様は都へ増援要請をしている。帰るときにまた襲撃されては大変だものね。あとはこの町の警備の強化よね。もともと式典のために事前に都から応援部隊は事前に来てくれていた。それでも、こんなことになるなんて。
「あら、お出迎えが無いと思ったらこんなことになっていたのね」
「お母様!」
部屋にはいつの間にかお母様がいらしていた。安心して思わず抱きついてしまった。柔らかくて良い匂いがしてほっとする。
「モードレット侯爵夫人。この度は……」
王太子様がそう話しかけようとしたけれどお母様は
「ふふ。王太子様。ようこそいらっしゃいました。そのような言葉はまだ必要ありませんわ。こちらの不手際で至らなかったことをお詫びしなければならないのはこちらの方ですもの」
「しかし……」
「お母様……。でも、ルークお兄様が……」
「アーシア、こんなことは貴族なら良くあることです。レディが取り乱してはなりませんよ。……それに可愛らしいお嬢さんが怯えているじゃない。どなたかしら?」
お母様の問いにガブちゃんが慌てて頭を下げた。
「私はミーシャ商会が娘のガブリエラと申します。アーシア様には一緒に休暇を過ごそうと誘っていただいております。今回の式典も出席をさせて頂こうと思っておりました」
「あら、そうだったのね。アーシアったらいつの間にこんな可愛らしい友人ができたのかしらね」
「奥様、いつも我がミーシャ商会をご利用いただきありがとうございます。私としてもこの度のことアーシア様のの友人として深く心を痛めております。ミーシャ商会の一員として私も出来る限りご協力する所存です」
ガブちゃんの友人と言う言葉に私は何故かじんとしてしまった。それよりガブちゃんの参加は駄目だと言われてしまうんじゃないかと考えていた。近隣の貴族も開港式に招いてはいるけれど。
ガブちゃんの言葉にお母様のお顔が輝いた。
「まあ、嬉しいわ。ミーシャ商会のお力なら是非お借りしたいの。ルークがこのようになったのは周囲に知られたくないわ」
そうして、じっと私を見つめていらした。
「だからね。アーシア。あなたがルークの代わりをしなさい」
「は? 私がですか? 無理無理!」
もう、お母様の言葉に素が出てしまったけれどお母様の眼光ですぐさま私は押し黙ってしまった。
「式の間だけです。挨拶は私と王太子様であなたは座っていればいいの。ルークの他の衣装は? 早速アーシアに合わせて頂戴。ガブリエラさん。少しお願いがあるわ。探して欲しいものがありますの」
お母様の無茶振りに私は唖然となっていた。到着した医師達の治療のために一旦私達は部屋を出た。お兄様の青ざめた顔が痛々しい。いつもは圧政されていたけれどやはりそこは家族として傷つけられると私の中で怒りがふつふつと湧いてきた。折角楽しいはずのバカンスが台無しになってしまったじゃない。
式典の流れを打ち合わせると王太子様にはお休み頂いた。ガブちゃんからは手に入ったと喜び勇んできたものは黒い鬘だった――。
「こんなの付けてもお兄様にはなれませんってば」
「大丈夫です。母はあなたをルークとして扱います。王太子様にもそうお願いしてあります」
「そんなので大丈夫な訳が……」
そうして、厚底靴まで用意されていた。やるのね。確かにそうかけ離れてはいないけれど。私は用意された衣装に袖を通しながら式典の挨拶文を覚えようとぶつぶつ練習する羽目になった。
ほぼ完徹の翌朝、式典当日。お兄様は幸いに命には別条なく今はお薬でお休みになっていた。いよいよ、ルークお兄様に扮した私の登場。
王太子様とお母様は一緒に近隣領地の有力者に挨拶をされている。幸いなことに数が多いから流れ作業のような感じ。それに王太子様がご来席なので人員は厳選されているので不審に思られつつも追及されずに済んだ。
特殊メイクのように化粧を施されるとお兄様かもと思える仕上がりになっていた。背とか体格はちょっと足りないけどね。私は愛用のムチの入ったポケットに時折手を入れて安心する。これはお守りのようなもの。剣は使えないけれどいざとなったらこれで戦える。
「この度は我が領地の開港を祝って参加される皆様に感謝を申し上げる次第であります。本日はこの国の次期当主であられる王太子様もお迎えして、これからここでは貿易港として更なる発展に――」
そんな私の言葉を皮切りに式典は順調に進んだ。出来る限り要らないものは省いてくれた。お母様も微笑を湛えていた。集まっている人々も王太子様とお母様の美貌に注意が向けられていた。その内、来賓の席に私は見覚えのある顔を見つけた。ユリアン様とジョーゼットだった。それぞれお家の方もご一緒のようだった。
今回の事がジョーゼットのお家からだたっとしたら嫌なことだわ。貴族の権謀術数はよくあることとはいえ。――そもそも、お兄様が私を王太子様の婚約者候補になどと無謀なことを考えたからで、ユリアン様のままだったらこんなことには……。勿論、現段階では何処からの襲撃からは分かってはいないけれどね。
式典は無事終わりに差し掛かった。だけど、入場門の方から悲鳴が上がった。そこにはモンスターの一種であるサーベルタイガーが乱入していきたのだ。逃げ惑う人々に一気に会場は大混乱となっていた。
「血まみれの祭典となるがいい!」
そう叫んだ男性は警備兵らが取り押さえたが、サーベルタイガーは一個小隊で討伐するほどのレベルだ。今回の警備では町や会場に分散しているため、即座に集めるとなると若干時間がかかってしまう。その間にどれくらいの被害になるのか。
どうして、ここまで……。ここって、『ゆるハー』なんだよね? モンスターとかでない筈なんだけど!
今まで魔獣なんかは間近で見たこと無かったから流石に私の足も震えてくる。有力貴族の方々の護衛の人がサーベルタイガーを囲むようにしていた。だけどかれらも本格的な装備はしておらずいずれは……。もう、いい加減色々あったし、完徹の疲れで私もハイテンション状態になってるの。
「お母様は皆様の避難誘導をお願いしますわ。お兄様。この借りは後で返してもらいますわよ!」
「アーシア! 早くお逃げなさい!」
「あなた、何やってるのよ」
流石のお母様もモンスター相手にはどうしようも無いようだし、ガブちゃんも心配してくれていた。私は自分の持つスキルを思い出したのよ。ポケットからムチを出して駆け下りる。一瞬ジョーゼットとすれ違った。心配そうなジョーゼット。そして、護衛らの側に寄るとユリアン様がいたのよ。
「ユリアン様、危険です。お下がりください」
「何だ君は……。王国の騎士の一人として逃げる訳には……。まさか、君、アーシアじゃ」
私はにやりと笑って見せた。令嬢として楚々とした微笑のつもりだけどね。
私はポケットから出したムチで地面を叩いて見せた。結構いい音が響いた。びくりとサーベルタイガーがこちらを見る。スキルって発動してる? 猛獣使いってサーベルタイガーも対象の筈よね?
「あら、お出迎えが無いと思ったらこんなことになっていたのね」
「お母様!」
部屋にはいつの間にかお母様がいらしていた。安心して思わず抱きついてしまった。柔らかくて良い匂いがしてほっとする。
「モードレット侯爵夫人。この度は……」
王太子様がそう話しかけようとしたけれどお母様は
「ふふ。王太子様。ようこそいらっしゃいました。そのような言葉はまだ必要ありませんわ。こちらの不手際で至らなかったことをお詫びしなければならないのはこちらの方ですもの」
「しかし……」
「お母様……。でも、ルークお兄様が……」
「アーシア、こんなことは貴族なら良くあることです。レディが取り乱してはなりませんよ。……それに可愛らしいお嬢さんが怯えているじゃない。どなたかしら?」
お母様の問いにガブちゃんが慌てて頭を下げた。
「私はミーシャ商会が娘のガブリエラと申します。アーシア様には一緒に休暇を過ごそうと誘っていただいております。今回の式典も出席をさせて頂こうと思っておりました」
「あら、そうだったのね。アーシアったらいつの間にこんな可愛らしい友人ができたのかしらね」
「奥様、いつも我がミーシャ商会をご利用いただきありがとうございます。私としてもこの度のことアーシア様のの友人として深く心を痛めております。ミーシャ商会の一員として私も出来る限りご協力する所存です」
ガブちゃんの友人と言う言葉に私は何故かじんとしてしまった。それよりガブちゃんの参加は駄目だと言われてしまうんじゃないかと考えていた。近隣の貴族も開港式に招いてはいるけれど。
ガブちゃんの言葉にお母様のお顔が輝いた。
「まあ、嬉しいわ。ミーシャ商会のお力なら是非お借りしたいの。ルークがこのようになったのは周囲に知られたくないわ」
そうして、じっと私を見つめていらした。
「だからね。アーシア。あなたがルークの代わりをしなさい」
「は? 私がですか? 無理無理!」
もう、お母様の言葉に素が出てしまったけれどお母様の眼光ですぐさま私は押し黙ってしまった。
「式の間だけです。挨拶は私と王太子様であなたは座っていればいいの。ルークの他の衣装は? 早速アーシアに合わせて頂戴。ガブリエラさん。少しお願いがあるわ。探して欲しいものがありますの」
お母様の無茶振りに私は唖然となっていた。到着した医師達の治療のために一旦私達は部屋を出た。お兄様の青ざめた顔が痛々しい。いつもは圧政されていたけれどやはりそこは家族として傷つけられると私の中で怒りがふつふつと湧いてきた。折角楽しいはずのバカンスが台無しになってしまったじゃない。
式典の流れを打ち合わせると王太子様にはお休み頂いた。ガブちゃんからは手に入ったと喜び勇んできたものは黒い鬘だった――。
「こんなの付けてもお兄様にはなれませんってば」
「大丈夫です。母はあなたをルークとして扱います。王太子様にもそうお願いしてあります」
「そんなので大丈夫な訳が……」
そうして、厚底靴まで用意されていた。やるのね。確かにそうかけ離れてはいないけれど。私は用意された衣装に袖を通しながら式典の挨拶文を覚えようとぶつぶつ練習する羽目になった。
ほぼ完徹の翌朝、式典当日。お兄様は幸いに命には別条なく今はお薬でお休みになっていた。いよいよ、ルークお兄様に扮した私の登場。
王太子様とお母様は一緒に近隣領地の有力者に挨拶をされている。幸いなことに数が多いから流れ作業のような感じ。それに王太子様がご来席なので人員は厳選されているので不審に思られつつも追及されずに済んだ。
特殊メイクのように化粧を施されるとお兄様かもと思える仕上がりになっていた。背とか体格はちょっと足りないけどね。私は愛用のムチの入ったポケットに時折手を入れて安心する。これはお守りのようなもの。剣は使えないけれどいざとなったらこれで戦える。
「この度は我が領地の開港を祝って参加される皆様に感謝を申し上げる次第であります。本日はこの国の次期当主であられる王太子様もお迎えして、これからここでは貿易港として更なる発展に――」
そんな私の言葉を皮切りに式典は順調に進んだ。出来る限り要らないものは省いてくれた。お母様も微笑を湛えていた。集まっている人々も王太子様とお母様の美貌に注意が向けられていた。その内、来賓の席に私は見覚えのある顔を見つけた。ユリアン様とジョーゼットだった。それぞれお家の方もご一緒のようだった。
今回の事がジョーゼットのお家からだたっとしたら嫌なことだわ。貴族の権謀術数はよくあることとはいえ。――そもそも、お兄様が私を王太子様の婚約者候補になどと無謀なことを考えたからで、ユリアン様のままだったらこんなことには……。勿論、現段階では何処からの襲撃からは分かってはいないけれどね。
式典は無事終わりに差し掛かった。だけど、入場門の方から悲鳴が上がった。そこにはモンスターの一種であるサーベルタイガーが乱入していきたのだ。逃げ惑う人々に一気に会場は大混乱となっていた。
「血まみれの祭典となるがいい!」
そう叫んだ男性は警備兵らが取り押さえたが、サーベルタイガーは一個小隊で討伐するほどのレベルだ。今回の警備では町や会場に分散しているため、即座に集めるとなると若干時間がかかってしまう。その間にどれくらいの被害になるのか。
どうして、ここまで……。ここって、『ゆるハー』なんだよね? モンスターとかでない筈なんだけど!
今まで魔獣なんかは間近で見たこと無かったから流石に私の足も震えてくる。有力貴族の方々の護衛の人がサーベルタイガーを囲むようにしていた。だけどかれらも本格的な装備はしておらずいずれは……。もう、いい加減色々あったし、完徹の疲れで私もハイテンション状態になってるの。
「お母様は皆様の避難誘導をお願いしますわ。お兄様。この借りは後で返してもらいますわよ!」
「アーシア! 早くお逃げなさい!」
「あなた、何やってるのよ」
流石のお母様もモンスター相手にはどうしようも無いようだし、ガブちゃんも心配してくれていた。私は自分の持つスキルを思い出したのよ。ポケットからムチを出して駆け下りる。一瞬ジョーゼットとすれ違った。心配そうなジョーゼット。そして、護衛らの側に寄るとユリアン様がいたのよ。
「ユリアン様、危険です。お下がりください」
「何だ君は……。王国の騎士の一人として逃げる訳には……。まさか、君、アーシアじゃ」
私はにやりと笑って見せた。令嬢として楚々とした微笑のつもりだけどね。
私はポケットから出したムチで地面を叩いて見せた。結構いい音が響いた。びくりとサーベルタイガーがこちらを見る。スキルって発動してる? 猛獣使いってサーベルタイガーも対象の筈よね?
11
あなたにおすすめの小説
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします
紫
恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。
王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい?
つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!?
そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。
報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。
王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。
2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~
咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】
あらすじ
「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」
聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。
彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。
しかし、エリーナはめげなかった。
実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ!
北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。
すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。
「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」
とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。
以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。
最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる