妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio

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手紙

「セオ様へ

初めてセオ様と会った、庭園に案内していただいた時、転びそうになった私を抱きしめてくださった事を覚えていますか?
セオ様は何でもない顔をしていらっしゃいましたけど、私は初めてのことだったのでドキドキしました。

それからセオ様と夫婦になれて、二人で一年過ごしたいって私のわがままを聞いてもらえて、ルカを妊娠出来て本当に幸せでした。

私が二人で一年を過ごしたいとわがままを言ったのは、妊娠した子どもの魔力が私を上回った時、母体が持たないと分かっていたからでした。

私とセオ様の魔力はほぼ同じです。
本来であれば、旦那様の魔力と、妻の魔力には差がないといけません。
出産する際に母体に負荷が掛かるからです。
これを知っているのは宮廷医師とフェイン伯爵家と陛下のみです。
王妃殿下は知らなかったのです。

今までフェイン伯爵家とシェラード侯爵家が縁戚にならなかった理由は魔力量がほぼ互角だったからです。
でも、私はセオ様に恋をしていました。
婚約者に選ばれた時は本当に嬉しかったです。

今日はルカの18歳の誕生日ですが、セオ様の18歳のお父様誕生日でもあります!お二人にプレゼントを準備いたしました!

私の衣装室の靴棚を開けて底板を3回叩いたら、右の壁に取っ手が出来るので下に下げてみてください。

気に入っていただけると嬉しいのですが…。

ルカにはセオ様から渡していただけますか?
ルカはもう大人でしょうし、こんなものは要らないと言うかもしれませんが、私がルカに渡す最後のプレゼントなので必ず渡してくださいね。

きっとルカはセオ様のようなかっこいい騎士様になっているんでしょうね。
ルカの成長がみれないことが少しだけ残念です。
私の分までセオ様が見届けてくださいね。

セオ様がもし、素敵な女性に出会えた時はその人と一緒にルカを大切にしてください。
私の大切な宝物です。
よろしくお願いします。

私がルカに注げなかった分の愛情をセオ様が注いでくださったルカはとってもいい子に育ったと思います。
そんなルカが素敵な令嬢と出会ったときはセオ様も優しくしてあげてくださいね。
ルカと同じように大切にしてあげてくださいね。


私の人生は本当に幸せなものでした。
セオ様に出会えたこと、夫婦になれたこと、ルカを産めたこと。
こんなに幸せでいいのでしょうかってぐらい幸せでした。
それを全てあたえてくれたのはセオ様でした。

私は何も与えてあげられませんでした。
でも、最後に一つわがままを言ってもいいですか。

これからもルカを見守ってあげてください。

エミリア・シェラード」
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