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最終章
誕生日会
俺も母上も落ち着いた頃にウィルに寝室に連れていかれた。
ソファに座らされ、紅茶を準備してくれている。
「目元をどうにかしておかないと、フェイン前伯爵様、前伯爵夫人が心配されますので、3時間ほどお眠りください。」
「母上って言ってた…。」
「はい?」
「さっき…母上って言ってた…。」
「あぁ…そのように言われましたので。」
ウィルが学園に入学して、ウィルの兄としての時間はなくなった。
だから少しだけ母上が羨ましかった。
「俺にもセオがいい…。」
「旦那様…今、おいくつですか?…」
「…22。わかってるよ!いい大人が恥ずかしいって!でもウィルが兄ちゃんだったのは1日3時間しかなかったんだから仕方ないだろ!」
ウィルが大きなため息をついた。
紅茶を俺の前に置いて、反対側のソファに座った。
「わかりました。セオでいいですよ。父上と母上がいる間だけです。いいですね?」
「…1日3時間。」
「この話はなかったことにしま--」
「わかった!!その間だけでいいから!」
「じゃあまずは、そのお茶飲んだら寝てください。後で起こしにきます。」
それだけ言ってウィルは出ていった。
いつもだったら退室の礼をして出て行くのをしなかった。
それだけでも嬉しかった。
「セオ、起きろ。」
目を覚ますと、家令の格好をしてないウィルがいた。
「え、なんで?」
「セオが言ったんだろ?お兄ちゃんがいいって。」
「言ったけど…」
「目元は…まぁマシになったな。ルカのお誕生日会の準備終わってるから、お前も準備して降りてこい。」
前回の俺では得られなかった関係性にまた泣きそうだった。
侍従が入ってきたので、準備を手伝ってもらい、ホールに向かった。
「もう顔色も良さそうね!よかったわ!」
母上が嬉しそうに笑っていた。
その隣には義母が立っていて、ルーカスを抱っこしていた。
「とーたぁ!らっこ!」
「あら、やっぱりおばあちゃまよりお父様かしら。」
ルーカスが俺を見つけて抱っこをせがんできた。
義母上から抱っこを代わり、ホール内に作ったステージに立った。
「本日はルーカスの1歳の誕生日会にお越しくださり、ありがとうございます。この日を迎えることができて、本当に嬉しいです。ルーカスはエミリアが残してくれた僕の宝物です。まだまだ僕は父親としても、侯爵としても未熟ですが、皆さんに認めていただけるように頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。」
一斉に拍手が鳴り響いた。
それからは順番にプレゼントをみんなが持ってきてくれた。
父上と母上は洋服。
義父母は積み木。
ウィルは音の鳴る玩具。
使用人たちからはぬいぐるみ。
俺からは手押し車。
ルカはぬいぐるみがお気に入りなようだった。
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