縁日ヶ丘物語

尼子猩庵

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みんなで散歩して、ぼんやりと未来を夢見る 1

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 四人の休みが合ったので散歩している。途中コンビニでおにぎりやらサンドイッチやら買って、しかし食べる場所を見つけ損ねながら漫然と歩くうちにいつの間にやらまったく見知らぬ住宅街をさすらっていた。

 ふと命子の服装に舞が
「ずっとそのズボンはいてるね」と言った。

 舞がズボンと言うのが美那子には可笑しかった。ふだんの彼女ならパンツと言うはずだったけれども、確かにそれはズボンと言わるべきものだと思われた。命子は服装に無頓着らしく、数も少ないのを組み合わせだけ軽く変えてずいぶん頻繁な着回しであった。

 その無頓着なことについて舞が続けて
「女の服なんていくら着飾ったって、けっきょくその頂点では脱ぐんだから?」

 これに命子はなんと答えてよいやらわからないふうで、絞り出すように
「そういうわけではないですけど――」
「わかる。あたしもそんなんじゃないから」

 人けのない公園に入った。食事の場所の確保に、よさげな遊具へ登ってみたけれど、憤然とした子どもの団体がやって来たのでそそくさと降りた。

 やや傾斜がついて座りやすいベンチに腰かけ、ようやく食べ物を膝へ広げていると、緊張感のないセキレイが少しずつ近寄って来た。舞がパンの端をちぎって投げると、良助が野生動物の自立がどうの、手前勝手な施しは間接的の虐待にすらなり得る云々と非難した。

 それで食べ物をやってよいかどうか、どのような相手ならよいか、どのような食べ物ならよいか、どのようなやり方なら、どの程度ならよいか云々と議論が始まったけれど、どこにも落着せずにしぼんだ。

 セキレイはパンくずには目もくれず、ただ尻尾をふんふん振っていた。やがて頓着なく飛び去った。

「どうせ蟻が食べるよ」と良助。「よかったな蟻にあげられて」
「別に蟻でもいいもん」と舞。「それにたぶん、あたしたちがいなくなってからさっきの小鳥が食べに戻るから」

 ふとみんな同時にふり返った。公園に隣接する新築家屋の薄く開いた窓から、ハサミでなにか切ってしまったらしい子どもを若い母親が叱っている模様なのだったけれども、たいそう理詰めな叱り方で、それにしては子どもの泣き声が幼過ぎるようだった。

 誰もなにもコメントしなかったけれど、食べ終わるとすぐ立って公園をあとにした。

 舞がこっそり地面のパンくずを増やして行った。


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