縁日ヶ丘物語

尼子猩庵

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お墓参りに行って、なにか一瞬横切る 1

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 舞と良助と四人で会う機会はほとんどなくなっていた。舞は一人でも遊びに来たけれど、良助の夕食を作らなければならないので長居できなかったり、全体的の家事がなおざりになりつつあるのでいったん引き締めると言ってしばらく来なかったり、どうやらそういうところのことは以前よりも張り切ってやっているらしかった。

 久治さんと伴って勤める荷役の仕事は、某大手運輸会社の下請けの下請けのようなもので、調べてみるとちゃんとした会社なのだったが、美那子たちの行っている支部だけ異常にやわらかく、浮浪者や家出少年のようなのばかり雇われているのだった。

 毎日契約書に偽名を書いて、まあまあの日当をもらっていた。常にどこかほかの支部か、上司に当たる会社の人々と仕事が一緒になったけれど、美那子たちの支部は白い目で見られ、労働力も期待されていないようだった。邪魔にさえならなければいいらしかった。

 同じ会社の違う支部の人たちは、もっと安い日当だと聞いた。その話をして来たおじさんは、けれども美那子たちの支部が羨ましいという気持ちは毛頭ない、去年ある老人が一人フォークリフトに轢かれて右足を複雑骨折したが、その後の様子はようとして知れない。きちんとした捜査が入ればお宅さんの社長はきっと捕まるが、あそこのガキやホームレスどもに恨まれるのも面倒だし、心底どうでもいいからチンコロ(密告)するような暇人もいねえなということであった。

 日々の生活の合間を縫っていそいそと遊びに来る舞は、レジ打ちの仕事の不満を言わないよう言わないよう努めているらしかった。美那子と命子の職場に自分も行きたいことも言わないよう我慢していた。いわんや良助が一度、「あんなのは底辺の仕事だ」とつぶやいたことをや。

 こっそり美那子と命子がスーパーに行ってみると、舞はシッカリした面構えで、あんがいテキパキやっていたし、しばしば軽く話しかけて来ている同僚のおばさんもいい人そうだった。

 レジに並んでいると、こちらに気づいた舞はとたんに幼くなったが、なにぶん仕事中だったので一同名残惜しくも早々に別れた。


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