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第三章「抗え本編」
3-2
しおりを挟む「──で、意気投合して脳筋を発揮してきたと」
「まあ」
皇太子の部屋で集まるのはお馴染みの面子、姉と俺。
二人だけだと物足りなく感じるのは学園前までの交流のせいだろう。ゼア交えて遊びすぎた。
「そのままフェンディと話せば良かったのに」
俺としてももう少しあの子と話したかったが、そうもいなかったのだ。
渋くなる表情と共に溜め息を吐く。
「ファジィな。いや、それがその後さ……どこから嗅ぎ付けてきたのか運動場にまであの二人の姿があったんだよ」
「うわ怖。ストーカー?」
「それなー。面倒すぎて思わず立ち眩みしちゃったくらいでさ……ファジィに挨拶も済ませられないままとんずらこいてきた」
またなと言う暇もなく逃げに徹した。
誰が悪いと言えばあいつらなのは間違いない。
「なるほど……で、これどうする」
テーブルに置かれた一枚の紙。
見たくもないこれの正体は……そう、生徒会長への任命書だ。うん、ゲーム通りだね。
くるいけでククーナもシルヴィも生徒会に入ってたからな。
こんなのは勿論迷わず、手に持って思いきり縦に──
……おっかしいなー。破けないぞ?
もう一度二つに破こうと勢いよく手に力を入れる。が、入れたはずにも関わらず紙は平なまま。
傷一つ付かないとは。
あり得ない光景に米神を押さえた。
「強制力が頑張って破けないようにしたとか」
「要らねえよそんなお節介っ!!」
床に叩き付けられる任命書。
そして過るダーチョレットの叫ぶ顔。
──何故……?
『主よ、目立ちたくはないのか』
疑問符を浮かべたまま窓を見る。
あ、いるな。またか。
もふもふ具合が増してるのが気になるところだけど今は春(四月始め)だから毛の移り変わり時期なのかもしれない。
「目立とうとは思わないし、第一俺はお前の主人じゃない。父上ならきっと主人になってくれるから行ってきなよ」
『あやつめでは我に合わぬ。力量の差だな。代わりに契約出来そうと言えばそこの少女──』
「喜んで主人になります!! ええ!!」
これ以上姉ちゃんの死亡フラグを立たせてたまるか!
当の本人は惜しくも「皇帝弱いんだ」というやや的外れな反応をしている。
ダサい名前の神獣はひょっとすると強制力の催促係なんだろうか……でも待てよ。神獣ってことは、この世に神様が存在するってことだよな?
めちゃくちゃ気になって訊いても『知らぬ』と返された。どういうことだ。しらばっくれてんのか。
まさか名称に神入ってるだけで、すごーく下らない理由で神獣と呼ばれてるとか。うわ。
くるいけならあり得る。
設定が所々おかしいくるいけなら……。
頭を抱え、胃痛はマッハで悪化していく。
自称神獣に加えファジィの登場、そして揃ってしまった攻略対象と舞台。
いよいよもってゲーム通りになってきたからか、何もかも面倒に思えてきた。いっそ全部放り投げたいとさえ思う。
でも、今世は真面目に生きて真面目に死にたい。
次死んだとして、また来世があった時。
格好悪い死に方をした自分を思い出して同じ羞恥心に駆られたくはないのだ。
◆◆◆
学園生活にも慣れ、何事もなく冬になった。
本当に何事もなく。
るうは相変わらず攻略対象二人に追いかけ回され、嫌々慣れてきてしまっているところだけど一方私はというと。
──誰も話しかけてこない……。
声出さない出せない設定もあって同性からは高嶺の花のように扱われ、その他からは「話しかけたら皇太子の怒りを買う」と遠巻きに眺められていた。
時折姿が見えるようになった推しも婚約者事情から遠慮がちだし、パシットは後ろ姿しか見れていない。
かといってこちらから話しかける訳にも、あちらに会いに行くという労力と気力も持ち合わせていないけど。
この現状は何か物足りなく感じる。
移動はるうに任せてた。それがいけなかったのかもしれない。
弟とバカップルを演じる方針なんて一体誰が得すると言うのだろう。あ、この世か。
なんて思いながら学園もの乙女ゲームあるあるな庭っぽい人通りの少ない場所へ座り込む。と言うのも、継続的にバカップル(姉弟)を演技することに対してストレスが溜まっていたのだ。
まあ結局廊下から少し寄り道をするだけしか歩く歩幅を持ち合わせていないんだよね。
柄にもなく溜め息を吐かせたところだった。
よく聞き覚えのある声が耳の内を響かせていく。
「どうした?」
見上げてみれば──誰。
こんなイケメン知り合いに居たっけ。
突如発生したオレンジ髪のイケメンとの遭遇に困惑してしまう。何も喋らないのもあれなので、戸惑いがちに尋ねることにした。
「誰」
「……長年会っていなかったから忘れてしまったか? 最近返事を出せていないが、手紙はきちんと受け取っているぞ」
文通をしているのは一人だけなのにも関わらず、記憶との違いにギャップを感じて実感が湧かない。まあ確かにたまに見た後ろ姿と似ているような気はしないでもないような。
ただ、最近返事の手紙が無かったので少しだけ寂しがっている自分がいた気がする。だからかもしれない、ちょっと安心した。
「パシット……?」
名前をいつも通り間違えたのか、また笑い出した。
久しぶりだなあこの笑顔。
何かホッとする。
「ははっ……変わらないな。ククーナ嬢は」
「そういうパシットは変わりすぎてズルいです」
「すまない、言葉足らずだった」
機嫌を損ねてしまったと捉えたのだろう、座り込んだ私と同じ高さになるように跪く。
そして慣れないくらい優しい声で言うのだ。
「綺麗になったな。……貴方が初めて夜会に参加した時も美しかったが、今はそれよりも」
秀麗な顔でさも会いたかったと言わんばかりに微笑んで言われたからか、落ち着かなかった。
私、イケメンにしどろもどろする性格じゃないのに。どうせなら推しが見たい。
地面を見る為慌ただしく俯いた。
早まっている鼓動は気のせいか、それか病気になってしまったとか。ともかく、具合が悪くなっているのは的を得ているのでは。
返そうと思って出した声は裏返るばかり。
「足しすぎじゃないですか」
「そうか?」
「です」
「これでも足りない気がするのだが」
「いえ」
喉が死んでる。
まさかこれ程息苦しい喉の潰れようを味わうとは、今日の体調、どうにも悪すぎる。
一刻も早く喉を休めなくては。
ん、喉を休める。つまり息をしなければ良いということ?
何だか間違っている気がしないでもないのでこの場から去ろうとすると、立ち上がる前に「そう言えば」と話を振られ、留まるしかなかった。
「あの指輪……使ってしまったのだろう? すまない。俺が居なかった時とは言え、力になれなくて」
そっか、契約イベントが起きたことを手紙で教えたんだっけ。
彼が言う詫びはその時に関してのことだとはなんとなく分かった。自分に非がなくとも、謝罪をしなければ気が済まない性分だろうことも。
丁度、発生時期は運悪くパシットが「何も起きなければ良いんだが」と手紙で言った後だった。それもあって余計に気にしているのだろう。
「気にしないでください。あ、るうに頼めば神獣にも会えますよ──」
「なんだって!?」
食い付きの良さが尋常じゃない。
神獣好きの威圧により、軽く壁ドンみたいな構図になってしまっている。
距離の近さに気付いた彼はすぐ落ち着きを取り戻す。
「……申し訳ない……」
「チョコレートに会いたいのはよく分かりました、その内頼んでおきます。まあ、私達なりに抗って無理だったのできっと仕方なかったんですよ。誰でも結果は同じだったのでは」
「チョコレート……? だとしても貴方に協力すると言っておきながら、肝心な時に限って役に立てていないのは……心苦しい」
真面目だなあ。
前から役に立つことに執着している節はあったけど、シナリオ的なそれなのだろう。私は見てないし、見てても推し以外は忘れてたと思うので分からない。
「常に役に立てる人じゃなきゃいけないんですか?」
「ああ。まあ、これはその……負い目なんだ。過去の自分の不甲斐なさが忘れられない」
「なるへそ」
トラウマ的な。攻略対象あるある。
わざわざイベントに巻き込まれそうな面倒事に首を突っ込みたくはないから聞かないけど、大変なんだろうな。
他人事というか面倒だからスルースキルを発揮したい私は掘り下げないように励ましの言葉を入れてみる。
「だったらこれからも移動手段として役立ってください。そしたら何時だって私にとって『頼れる人』のままですよ」
私が言うなり、彼は目から鱗が落ちるように驚き一頻り笑っていた。
やったね。やっぱり私は人を励ますのが得意みたい。凄いぞ私。
「俺の人生は既に捧げたようなものだが、ずっと支えてくれるつもりか?」
「移動手段でいてくれたら多分」
「はは、敵わないな」
何が敵わないのか。悪役として敵わないという意味ならるうの方が上なので余裕で敵うと思うんだけど。
首を傾げる私に対し、彼は何かを取り出そうとして声を出す。
「そうだ、これ……」
ポケットに入るサイズと言ったら……まさか青汁の粉? 健康に気を使えと言いたくなったのかもしれない。
最近は私にしては数ミリ頑張っている方なのに。
久々の再会で青汁を渡されてたまるかと厳戒態勢を整える。
警戒心を悟ったのかこちらを見て一旦動きを止め、渡そうとしたものを魔法使いです的なローブのポケットへ押し戻していった。
「いや、やはり何でもない。聞かなかったことにしてくれ」
「はあ……」
まさか青汁ではなく野菜スープの粉だった?
でも残念。どっちも好きじゃないんだよね。
「さっきから私、バリバリ喋ってますけど大丈夫ですかね」
ふと不安になったので訊いてみると「魔法をかけてある、その点は心配無用だ」と心強いパシ……友達の返答が。流石利便性の高い人。
一家に一台天才魔術師。大いにあり。
「そろそろ次の授業が始まるだろう? クラスは違うが、会いに行こうと思えば会いに行ける。隙を見てまた話そう」
「勿論パシットからですよね?」
「っふ……ああ。ではまたな」
人差し指でさよならを告げ、彼が去るとるうが迎えにやって来た。
後は滞りなく過ぎていく日常に身を任せ、すぐ眠りについたと思う。
次の休日、久々にるうと推しとでポーカーで遊ぶことになった。
私にしてはいまいち集中出来ず、敗北が続いていく。カードゲームにだけは自信があったのに。
「っしゃ俺の勝ち!」
「あー」
「……大丈夫ですか? いつもならロイヤルストレートフラッシュの一つや二つ出す貴方が、今日は一つも出ていないじゃないですか」
どういう判断基準、ってるうも思ったのかソファーで寛ぎながら驚いた顔をしている。
「確かに今日はツーペアも出てねえな……」と同調するこの構図、何。
心配されるこの不調はストレスのせいなのか。
不安なことがあるとすればパシットも推しも、今目の前にいる弟さえも攻略対象だということだ。これまで目まぐるしいくらい色々あったから、流石の私も気が滅入っているのかも。
大体は我が弟のせいでは。
内心睨み付けていたことに気付いたらしく、パッと起き上がって背伸びしながら言った。
「走りたくなったから、ちょっと外出てくる。神経衰弱でもハイアンドローでも好きに遊んでて良いぞ」
何やらサムズアップを交わす二人。よく分からないけど何かで結託しているのだろう。
残された私と推しでは人数的に出来るものが限られる為、飽きもせず神経衰弱を黙々とやる。
一一が揃ってもう一回。KKが揃う。
先行きが良い。
「……もうすぐ学園祭ですね」
「そう言えばそうだっけ」
急に話を振られたということは場を繋げていなかったということかな。推しに気を使わせてしまった、反省。
もっと推しに回すべきかも。
三三が揃いそうだったけど、無視して別のカードを裏返す。
「お祭り(前世での学園祭)みたいなところの雰囲気好きなんですよ。頑張りすぎて労力カンストしてる感じが……特にあれ。あれが最の高」
名前忘れちゃった。味噌使う奴。
私空気読める子なので。
推しの番が来て裏返し見えたのは四。もう一枚を引く前に「だっ」なんて凄いひっくり返った声を上げたものだから思わず目を見開くという労力を費やすことになった。
「だったら、行きましょう。当日、二人で……その、本当は駄目だと分かっているのですが。兄上は多忙で代わりに行って貰ったことにすれば、ある程度の自由は利くので」
一個下な推しは今やちょっと育ってきたかな辺りの美少年。赤らめながら言う顔も良いね。
この部屋暑いから体温上がっちゃうのも分かる、私も暑い。
カードを捲りながら返事をする。
「ハア君との学園祭。ウハウハですね、良いですよ」
「やった!」
勢いが良すぎるガッツポーズをしたハア君。
途中から弟のノリに感化されてしまったのではと心配になるその様は妙に生き生きしていた。
まあ楽しそうな姿は観賞に適しているので良いけど。
「あ……し、仕方なくですからね」
ツンデレ属性も入ってきてしまう。
これはお得。
そんなこんなでパチパチと拍手を送り、何やかんやで学園祭で推し観賞が出来ることに。
のんびり堕落した日常を送ろうとしていたのに、学園祭前の期末テストが迫っていた。
私達は勿論胃痛を拗らせ「面倒な期末を避ける方法」を考えることで必死。揃いも揃ってテスト勉強が嫌いなので、仕方ない。
しかし珍しく天は私達に味方したようだ。
「──町中が光に包まれてる!」
「奇跡だ!」
どうやらヒロイン登場の前触れか、ガーラ帝国全体が光に溢れてしまったらしい。
とうとう始まる本編を前に私達は目を合わせて頷く。
「こりゃ期末テストどころじゃねえな」
「ね。話し合おう」
何処の誰か分からないけどありがとうヒロイン。
でも面倒なことは起こさないで。
新たなる面倒の波動を感じながら、再び作戦会議をすることにした。
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