ずっと君の傍にいたい 〜幼馴染み俳優の甘い檻〜

月城雪華

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再会とキス 2

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「──い」

 紗耶がしどろもどろになっていると、小さな声が耳に入る。
 はたと下がりつつあった視線を雅に向けると、ほんのりと頬を染めて微笑んでいた。

「すごい、想像以上だ。……可愛いよ」
「っ」

 紗耶にも雅の熱が伝染したのか、段々と頬に熱が持っていくのがわかる。
 幼い頃も紗耶に笑いかけてくれていたが、その顔は知らない。

 ──恋人みたいに愛おしそうに見つめるのは反則だ。

 そう言ってやりたいが、自分の思い過ごしなだけで雅は誰にでもこんな表情をするのかもしれない。
 小学生の頃とは違い、もう二人とも大人なのだ。

 身体つきは勿論だが、性格はその環境でぐるりと変わるもので、紗耶と雅はその時とは正反対の成長をしただけ。

(だから……雅がこういう言葉を言い慣れてるのは、ちっともおかしい事じゃない)

 心の中でやんわりと悪態を吐く。
 それと同時に胸が痛んだが、紗耶は無理矢理頭を切り替えて頬に笑みを作った。

「あ、ありがとう」

 今、自分は笑えているだろうか。
 雅の瞳に、自分は一体どう映っているのだろうか。

 言葉を聞くのが怖いと思ったのは、あの日──悠牙と仕事をして以来だ。
 そういえば、と紗耶は場違いなことを頭の片隅で思う。

(黒木さんが間に入ってくれたから、こうして雅とも会えたんだし……次会った時お礼をしなくちゃ)

 悠牙とは近いうち、もう一度会う事になるだろう。
 すぐさま二度目の仕事をするという確証は無いが、紗耶はどこかでそんな予感がした。

「お気に召して頂けたようで何よりです。このまま着て行かれますか?」

 後から付いてきた津賀に微笑まれながら問われ、紗耶はそっとワンピースの値札を見る。

(ろ、六万!?)

 ワンピースだけでそれほどとなれば、今履いているヒールや身に付けているネックレスだって結構なものだろう。

「い、いえ──」
「支払いはこれで」

 さすがに着ていくのは、と紗耶が言うよりも早く雅の手から黒い何かがちらりと見えた。

(え、あれってブラックカード……?)

 ひくりと頬が引き攣る。
 普通に生きていればおいそれと見ることのないそれを、雅は津賀に渡していた。

「そんな、いいから!」

 思わず紗耶は雅の服の裾を摑む。
 服は見たいと言ったが、そこまでしてもらうほど紗耶とて薄情ではないし、これが欲しいなどとは一言も言っていない。

「いや、俺が紗耶に贈りたいんだ。今日会ってくれたお礼」
「うっ……」

 にこりと爽やかな笑みを浮かべられては、紗耶とて強く言えない。
 そもそも幼少期ですら雅の笑顔に弱く、成長した今となっては破壊力が桁違いなのだ。

 紗耶に効くと分かっているのかいないのか、益々笑みを深めてくるのはいっそタチが悪い。

「それ、ズルいと思う」

 ぽそりと呟いた言葉は果たして聞こえていたのか、雅が小さく笑う気配がした。

「じゃ、このまま行こうか」
「このまま?」
「連れて行きたい所があるんだ」

 手を差し出され、反論するべくもなく紗耶は雅のそれに手を重ねた。
 何故か言う通りにしなければいけない、そんな予感があった。

 恐怖は勿論、羞恥心のひとつ覚えていない自分におかしいと思いながら、紗耶は雅と共に店を出る。
 見送るために開けられた扉の向こうでは、津賀を筆頭に女性スタッフ達が二人の姿が見えなくなるまでお辞儀をしていた。



「ねぇ、どこに行くの?」

 店を出て少しした頃、紗耶は小さく切り出した。

「んー? 内緒」

 でもきっと気に入るよ、と楽しげな声で言う。
 むず痒い気持ちと少しの不安が入り交じり、ごちゃごちゃして落ち着かない。

 目的を告げられていないこともだが、やんわりと手を繋いで歩いているのが何よりも心臓を高鳴らせるのだ。

 幼い頃、少しでも気があった相手から大人になって以降、こういう事をされるのは普通なのだろうか。
 同性の友達は高校へ入学してから増えたが、紗耶はその時の友人と恋愛の話になった事は片手で数えるほどだ。

 無意識のうちにそういう話を聞かないようにしていたのか、友人が気を利かせてくれたのか今となっては分からないが、恋バナに無頓着だったツケが回ってきたらしかった。

(雅は平気なのかな。こんな、私みたいな……女の子と手を繋ぐなんて)

 ちくりと小さく胸が痛んだ。
 小学生までなら微笑ましいものだが、社会人としてある程度経験を積んだ今とでは勝手が違う。

「でもそうだな……あんまりこっち見ないでくれると嬉しい」
「っ」

 不意に低くなった声音に、びくりと肩が跳ねる。
 同時に繋いでいた手も解かれ、雅はやや早歩きで先に行ってしまった。

 男女では当たり前に歩幅があるから、紗耶は必死で着いていくしかなかった。

「ど、どうして?」

 どうにか雅の横顔が見えるところまで追い付くも、履いているヒールが今ばかりはもどかしい。
 元々低いものですら履き慣れていないというのもあるが、それ以上に雅の不自然な態度に困惑する。

「着いたら教えるよ」

 雅はこちらに視線を合わせることなく、まっすぐ前を向いて先に進んでいった。

(着いたら……? 一体どこに連れて行くの?)

 心臓の痛みを堪え、紗耶は早歩きで考える。
 雅が『教える』と言ってくれたのだ。覚えている限り、昔から嘘を言った事は無かったため、その言葉は信じてもいいだろう。

 そうと決まれば、あまり詮索しても返って不機嫌にさせるだけ。ここは大人しく着いていくしかないのだ。
 ただ、雅の耳の先がほんのりと赤く色づいているのに紗耶は気付いていなかった。



 徒歩で行ける距離かと思えば電車に揺られ、駅から歩いて十五分。
 どこか見慣れた景色は柔らかな茜色に染まっており、それまでとはまた違った姿がそこにはあった。

 しかし、紗耶が何度となく来ていて知っている場所──雅が連れて来たのは二人の地元なのだ。

「ここって……」
「公園、だね」

 紗耶の言葉を雅が引き継ぐ。
 小学生の頃、ほとんどの時間をここで過ごした。
 時々雅の周りに集まるいじめっ子達を成敗した事もあったし、その後二人で遊んだりもした。

 記憶の中にあるものよりも小さな遊具が、そこかしこで変わらない姿を保っている。
 何度となく走り回って痣を作ったし、転んだ拍子に泣いてしまったこともある。

 我ながらお転婆だったなと思うが、それだけだ。
 今は何故、雅がこの場所に連れて来たのかが分からない。

(きっと雅にとって、思い出したくもないトラウマのような所なのに……)

 いじめた方はすぐに忘れてしまうが、その反対の者は消えない傷を心に残す。紗耶が典型的なそれだ。
 なのに、雅はここに来てなんとも思わないのだろうか。

「紗耶、俺はね」

 不意に雅が一歩二歩と前に進み、ぽつりと切り出す。

「君に感謝してるんだ」

「……え?」
「今もなんとも思ってないかもしれないけど、俺はあの時助けられてなければ……もうここにはいなかった」

 ひと一人分の距離を取り、雅はゆっくりと切り出す。
 その言葉の端々には、どこか諦観したふうな声音が滲んでいた。

 元々は親の転勤で随分前から引っ越す事は決まっていたのだが、その少し前からいじめが始まったと雅は言う。

「転校する日まで一人で耐えてやろうと思った。……でも俺は今よりずっと弱かったから、やり返そうと思っても怖くてできなかった。もう嫌だって思った時に紗耶……君が助けてくれた」

 緩やかに雅の口から紡がれる言葉たちは、その内容に反して口調が穏やかだ。
 元より優しい性格だからか、一層そう思ってしまう。

(雅……?)

 一瞬、燃えたぎる何かが雅の瞳の奥に見えた気がして、紗耶はうっすらと疑問に思う。
 こんな顔をする人だっただろうか。

 会わないうちに何かが彼を変えたのだと思うと同時に、仄暗い危機感が背後から迫ってくるような、得も言われぬ違和感があった。

「君がいてくれたから、俺はこうして頑張れた。今、生きて君と話せてる」

 ただ、それ以上に『紗耶が助けてくれなければ、自分はこの世には既にかった』と言われている気がして、知らずのうちに脚が震えた。

 しっかりと地面に足を付けているはずなのに、おかしなものだと頭の片隅で思う。

「だからお礼を言いたかった──って言ったら怒る?」

 ゆっくりと雅が一歩、距離を詰めてくる。
 二人の身長差は頭一つ分あるが、紗耶がもう少し歩を進めればキスされそうなほど顔が近い。

「紗耶」

 囁かれただけなのに、とくりと心臓が小さく音を立てる。
 何を期待しているのか、朧気おぼろげながら紗耶は気付いていた。

(雅はずっとお礼を言いたかったの? ううん、そもそも私はあの時必死で……お礼を言われる事なんてしていない)

 子供ながらに正義感が強く、いじめられていた所を見過ごせなかったため、間に入ったに過ぎない。
 一人でいる雅を見つけると、いつしか紗耶はいじめが無くなって以降も一緒に居た。

 今思えばあの時、確かに紗耶は恋をしていたのだ。
 甘酸っぱい思い出としてずっと胸に秘めていたのに、どうして今二人で遊んだ公園で、ここまで胸がざわつくのだろう。

「好きだ」
「……え」

 今、雅がなんと言ったのか理解できなかった。
 先程の言葉とは打って変わって、好意を伝えてくる意味が分からない。

「ど、どうしたの。いきなり」
「いきなりじゃない。礼が言いたいなんて建前で、ずっと言おうと思ってたんだ」

 紗耶が考えているうちに、雅は勇気を出して言ってくれたのか。

「またこうして会えて嬉しかった。紗耶も同じじゃないの?」
「そ、れは」

 図星を突かれ、紗耶は俯いて言い淀む。
 ここで肯定すれば、何かが変わる気がしてならなかった。

 漠然としない不安が紗耶の背後に忍び寄り、背筋に冷たい汗が伝う。
 本当ならばそうだと言いたい。けれど、喉に何かがつっかえたように言葉が出ないのだ。

「──言えないんだな」

 紗耶が黙っているのを否と取ったのか、雅の声が低くなる。

「っ……!」

 今度こそ怒らせたと思って、紗耶は反射的にぎゅっと瞳を閉じる。
 しかし、怒声はおろか言葉一つ返ってこない。

 そろそろと紗耶が瞼を押し上げようとすると同時に、雅の端正な顔が視界いっぱいにあった。
 加えて唇に何か温かいものが触れる感触に、紗耶は反射的に目を瞠る。

 キスをされている、と思考が追い付くまでに数秒掛かった。

(私、雅と……)

 どうして口付けられているのか、そこまで考えが追いつかない。
 嫌だと声を出す事も、突き放す事も紗耶には出来なかった。

 混乱している頭とは裏腹に、紗耶の理性はもっとして欲しいと目の前の男を望んでいるのだ。

 元より幼い頃の初恋の相手に、キスをされて嬉しくないほど自分の心はすさんでいないはずだ。
 ただ、それ以上にいくつもの疑問が生じた。

(何、が起こっているの……?)

 雅は決して怒っていないと頭では理解しているが、こんな事をしてくる心理が分からなかった。
 柔らかく温かいそれは、やんわりと摑まれている腕は、目の前の男──雅のものなのだ。

 紗耶の初恋の相手で、もう一度会いたいと願った人。
 けれど、ここまでされると誰が予想出来るだろう。
 仮にも昔好きだった人間に再会しただけでも嬉しいのに、この状況は色々とまずい。

 公園にはひと気がないが、それでも周辺を誰が通るか分かったものではないのだ。
 二人が立っている場所は、丁度街灯などの光もなく薄暗い。

 じっと見なければ分からないほど闇に溶け込んでいるが、傍から見れば抱き合っているのだから、用心するに越したことはなかった。

 頭の中は『離れないといけない』と何度も警鐘を鳴らしている。
 しかし、紗耶の理性は少しも動こうとしない。

 どうしようか考えているうちも、雅は緩やかに唇を食んでくる。

「ん、んん……」

 優しくついばまれたかと思えば、舌で口の端を舐められる。そうして、紗耶のかたく結ばれた唇を開かせようとする。

 ぬるりと何度も往復する舌先に、次第に怖気とは違う感覚が背中から駆け上がる。
 それがなんなのか分からないほど紗耶は世間知らずではなく、まして嫌だとは少しも思っていなかった。

 異性が怖いということも、今だけは忘れられる気がした。雅が相手なら大丈夫だと、そんな予感がじんわりと頭をもたげる。
 それでも。

(駄目……離れないと)

 気持ちいい、なんて思ってはならない。
 もっとされたい、なんて思ってはならない。

 公園の近くを人が通らないという確証はなく、今すぐにでも離れなければいけない。

 そんな紗耶の理性とは裏腹に、くすぶりかけている甘い熱がとろりと下腹部に溜まっていく。
 それをわかっているのか、雅は不意に深く唇を重ね合わせ、ゆっくりと舌を差し入れた。

「ま、待って……!」

 自身の口腔に熱いものが入るよりも早く、紗耶はドンと雅の胸を押した。これ以上許してしまっては何かが壊れてしまう、そんな予感があった。

 けれど、女の力でそうそう差が開くはずもない。

「なんで? 俺は紗耶にずっとこうしたかったのに」

 わずかに開いた距離でさえ、雅にとっては無いに等しいのだろう。
 更に腕に力が込められ、まるで檻の中に捕らわれた人形のようだ。

 逃れようとしても逃れられない、そんなもどかしさが紗耶の思考をいっぱいにする。

「なんで、って……。だって、今日会ったばかりで」

 そこから先はどう言えばいいのか、唇が上手く動かない。
 雅にキスをされたというのもあるが、それ以上に脳が理解するのを拒否していた。

 そもそも対等だった小学生の時と比べて、今はれっきとした大人なのだ。
 記憶の中よりも格好良くなった雅には恋人がいてもおかしくなく、自分のような人間が触れてはならない。

 そう言ってしまいたいのに、それ以上言葉には出来なかった。

「それで?」

 紗耶が黙り込んだ事で苛立ったのか、ぐっと雅の腕の力が僅かに強くなる。
 刹那、今度こそ恐怖に駆られた。

「……っ、もう離して!」

 まさか大声を出されるとは思わなかったのか、一瞬だけ雅の拘束が緩む。
 その隙を突いて、紗耶は雅の腕の中から逃げ出した。

「紗耶──」
「さよなら」

 雅が何かを言おうとするよりも早く、紗耶は振り向かずにそのまま公園から走り去った。
 頬に熱い雫が流れているのには気付かないふりをして。
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