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第三章 おねえさまだいすきっ
(18)おねえさまだいすきっ その1-3
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とある平日の気持ちよく晴れた日、和歌子と優菜がいつものように会社の給湯室で話をしている。
「えっ!? 愛子とした後、雄哉くんがイケなくなった!?」
話を聞いた優菜は、思わず素っ頓狂な声をあげる。
「せんぱいっ、声大きいですって!」
慌てて和歌子が優菜の口を両手でふさぎにかかる。一呼吸をおいて、和歌子が両手を離すと、優菜は素直に感想を述べる。
「それは……、なんていうか、御気の毒な話だねぇ」
「原因はたぶん、真野先輩の奥さんだとは思うんですが、それを責めるわけにもいかず、どうしたものかと」
和歌子も難しそうな顔になる。
「こういうときは、あの人に頼るしかなさそうだねぇ」
「先輩もそう思いましたか。では、早速連絡を……」
和歌子はスカートのポケットからスマホを取り出して、片手でパタパタとメールを打っていく。
「今の若い子はすごいねぇ。みーんな、スマホだもんね。」
和歌子のスマホを操っている動作を見ながら、優菜がため息交じりに苦笑いをする。
「先輩だって十分若いじゃないですか。別に私もスマホ好きで使ってるわけじゃなくて、処世術みたいなもので……」
「たいへんだねぇ」
「はい、真奈美さんにメール送れました。次の休憩までには返事来ると思いますよ」
「それ次第で今晩動けるかな。わかったよ」
ふたりはコーヒーカップを片付けて休憩室を出、仕事に戻る。
和歌子の思惑通り、次の休憩に入るときには真奈美から返信があり、その日の会社帰りに、近くの喫茶店で真奈美と落ち合うこととなった。和歌子も真奈美とは雄哉の仕事の関係で面識があり、何度か話をしていた。
夕刻、勤務を終えて和歌子と優菜は早々に退社して待ち合わせの喫茶店に向かう。店に入ると、すでに真奈美が席を空けて待っていた。
「和歌子ちゃんひさしぶりっ。なんか大変みたいだねぇ」
真奈美は和歌子にねぎらいの言葉をかける。
「どうしたらいいものか、とりあえずお話を……」
和歌子は昼間に休憩室で話した内容そのまま真奈美に話す。すると真奈美が優菜の時と同じように、思わず声が大きくなり、ふたりが口を塞ぎにかかるというパフォーマンスが繰り返される。
「と、まぁ、そういうことなんです」
ため息交じりに和歌子が話を終えると、ふたりも同じようにため息をつく。
「どうしましょうかねぇ」
少し考えこんでから、真奈美が口火を切る。
「まずは、原因が何なのか、ちょっと考えてみましょうか」
真奈美は人差し指を立て、かれこれ考えを巡らせながら整理を始めていた。
「そうねぇ、まずは、雄哉くんと和歌子ちゃんが、どんなえっちをしてたか、教えてくれるかな?」
真奈美は何のためらいもなく、和歌子に問う。
「え、ここでですか?」
和歌子は赤くなりながら返すが、真奈美は真顔で続ける。
「これは、結構重要なことだよ。あと、周りのこと気にしてたら始まらないし、誰も聞いてないよ」
真奈美が陣取ったテーブル席は、壁に密接した角だった。周辺に客がいないのを確認して、和歌子は声のトーンを絞って、思い切って話し始める。
「雄哉は、ご存知の通り、グッズの会社に勤めているので、新しい商品が出るたびに私で試してくれました。特にここ最近は新製品のラッシュで、数えてたらキリないくらい……」
「ちなみに、グッズの種類は?」
真奈美は若干鼻息を荒くしながら問う。
「バイブがやっぱり多いですね。たまにSMっぽいコスチュームだったりもありましたけど、なんか盛り上がらなくって持って来なくなりましたね。あとは、ローションとか、コンドームとかの新商品ですか……」
真奈美は頷きながら、頭の中で考えをまとめる。
「私の考えが正しければ、次の質問で答えが出るわ。和歌子ちゃん、愛子ちゃんと雄哉くんがした後にしたえっちでは、おもちゃ使った?」
真奈美は真顔のまま、和歌子に問う。
「えっと……、その後は一回も使わなかったと思います」
「ビンゴっ!」
真奈美は親指を立てて和歌子にウインクする。
「えっ?」
訳が分からないという顔で和歌子は真奈美を見る。
「わたしも、なーんとなく、分かったよ」
和歌子の隣で聞いていた優菜もニヤニヤしている。
「そういうことかぁ。ふたを開けてみれば、どうってことなかったねぇ」
真奈美はニコニコしながら自分と話すように納得して頷いていた。
「私はまだよく分かってないです」
和歌子はちょっとむすっとしながら真奈美を見る。
「うふふっ、これは、愛子ちゃんにお任せした方がよさそうね。優菜?」
真奈美は優菜を見てにっこりする。
「そうだねぇ。それが一番だね。うん、分かったよ。そっちのセッティングは任せて」
「じゃぁ、私は、今回後方支援に回るわね。優菜、あとはよろしくね」
「分かったよ。真奈美さん」
「ちょっとっ、私を置いて先に進めないでくださいよー」
和歌子が涙目になりながら二人に訴える。
「大丈夫っ。心配することは何もないわ」
「楽しみにしててねっ。和歌子っ」
真奈美と優菜のふたりはニコニコしながら和歌子を見る。
「えっ、えっ? 何が始まるの?」
和歌子の疑問と不安をよそに、ふたりは次のイベントに向けて胸を躍らせるのであった。
「えっ!? 愛子とした後、雄哉くんがイケなくなった!?」
話を聞いた優菜は、思わず素っ頓狂な声をあげる。
「せんぱいっ、声大きいですって!」
慌てて和歌子が優菜の口を両手でふさぎにかかる。一呼吸をおいて、和歌子が両手を離すと、優菜は素直に感想を述べる。
「それは……、なんていうか、御気の毒な話だねぇ」
「原因はたぶん、真野先輩の奥さんだとは思うんですが、それを責めるわけにもいかず、どうしたものかと」
和歌子も難しそうな顔になる。
「こういうときは、あの人に頼るしかなさそうだねぇ」
「先輩もそう思いましたか。では、早速連絡を……」
和歌子はスカートのポケットからスマホを取り出して、片手でパタパタとメールを打っていく。
「今の若い子はすごいねぇ。みーんな、スマホだもんね。」
和歌子のスマホを操っている動作を見ながら、優菜がため息交じりに苦笑いをする。
「先輩だって十分若いじゃないですか。別に私もスマホ好きで使ってるわけじゃなくて、処世術みたいなもので……」
「たいへんだねぇ」
「はい、真奈美さんにメール送れました。次の休憩までには返事来ると思いますよ」
「それ次第で今晩動けるかな。わかったよ」
ふたりはコーヒーカップを片付けて休憩室を出、仕事に戻る。
和歌子の思惑通り、次の休憩に入るときには真奈美から返信があり、その日の会社帰りに、近くの喫茶店で真奈美と落ち合うこととなった。和歌子も真奈美とは雄哉の仕事の関係で面識があり、何度か話をしていた。
夕刻、勤務を終えて和歌子と優菜は早々に退社して待ち合わせの喫茶店に向かう。店に入ると、すでに真奈美が席を空けて待っていた。
「和歌子ちゃんひさしぶりっ。なんか大変みたいだねぇ」
真奈美は和歌子にねぎらいの言葉をかける。
「どうしたらいいものか、とりあえずお話を……」
和歌子は昼間に休憩室で話した内容そのまま真奈美に話す。すると真奈美が優菜の時と同じように、思わず声が大きくなり、ふたりが口を塞ぎにかかるというパフォーマンスが繰り返される。
「と、まぁ、そういうことなんです」
ため息交じりに和歌子が話を終えると、ふたりも同じようにため息をつく。
「どうしましょうかねぇ」
少し考えこんでから、真奈美が口火を切る。
「まずは、原因が何なのか、ちょっと考えてみましょうか」
真奈美は人差し指を立て、かれこれ考えを巡らせながら整理を始めていた。
「そうねぇ、まずは、雄哉くんと和歌子ちゃんが、どんなえっちをしてたか、教えてくれるかな?」
真奈美は何のためらいもなく、和歌子に問う。
「え、ここでですか?」
和歌子は赤くなりながら返すが、真奈美は真顔で続ける。
「これは、結構重要なことだよ。あと、周りのこと気にしてたら始まらないし、誰も聞いてないよ」
真奈美が陣取ったテーブル席は、壁に密接した角だった。周辺に客がいないのを確認して、和歌子は声のトーンを絞って、思い切って話し始める。
「雄哉は、ご存知の通り、グッズの会社に勤めているので、新しい商品が出るたびに私で試してくれました。特にここ最近は新製品のラッシュで、数えてたらキリないくらい……」
「ちなみに、グッズの種類は?」
真奈美は若干鼻息を荒くしながら問う。
「バイブがやっぱり多いですね。たまにSMっぽいコスチュームだったりもありましたけど、なんか盛り上がらなくって持って来なくなりましたね。あとは、ローションとか、コンドームとかの新商品ですか……」
真奈美は頷きながら、頭の中で考えをまとめる。
「私の考えが正しければ、次の質問で答えが出るわ。和歌子ちゃん、愛子ちゃんと雄哉くんがした後にしたえっちでは、おもちゃ使った?」
真奈美は真顔のまま、和歌子に問う。
「えっと……、その後は一回も使わなかったと思います」
「ビンゴっ!」
真奈美は親指を立てて和歌子にウインクする。
「えっ?」
訳が分からないという顔で和歌子は真奈美を見る。
「わたしも、なーんとなく、分かったよ」
和歌子の隣で聞いていた優菜もニヤニヤしている。
「そういうことかぁ。ふたを開けてみれば、どうってことなかったねぇ」
真奈美はニコニコしながら自分と話すように納得して頷いていた。
「私はまだよく分かってないです」
和歌子はちょっとむすっとしながら真奈美を見る。
「うふふっ、これは、愛子ちゃんにお任せした方がよさそうね。優菜?」
真奈美は優菜を見てにっこりする。
「そうだねぇ。それが一番だね。うん、分かったよ。そっちのセッティングは任せて」
「じゃぁ、私は、今回後方支援に回るわね。優菜、あとはよろしくね」
「分かったよ。真奈美さん」
「ちょっとっ、私を置いて先に進めないでくださいよー」
和歌子が涙目になりながら二人に訴える。
「大丈夫っ。心配することは何もないわ」
「楽しみにしててねっ。和歌子っ」
真奈美と優菜のふたりはニコニコしながら和歌子を見る。
「えっ、えっ? 何が始まるの?」
和歌子の疑問と不安をよそに、ふたりは次のイベントに向けて胸を躍らせるのであった。
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