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第三章 おねえさまだいすきっ
(19)おねえさまだいすきっ その2-1
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三連休が終わって次の週末、愛子は金曜日の夜を空けておくように優菜に頼まれていた。
約束の日、昼休みの時間を使って、優菜は愛子と連絡をとっていた。
「ここのところ、イベント続きでごめんね」
優菜が愛子に謝る。
「ううん。私は楽しいからいいよ。で、今日は、後輩連れてくるって?」
「うん。ちょっと相談に乗ってほしいことがあってね」
「分かったよ。優菜の言うとおり、うちで待ってるから」
「じゃぁ、仕事終わったらそっち向かうね」
電話を切ると、一緒に食事をしていた和歌子と向き合う。
「奥さんの愛子さんって、どんな人なんですか?」
和歌子がお弁当の唐揚げに箸をつけながら優菜に聞く。
「愛子は……、私の妹みたいな感じ?」
優菜はホテルや旅館であったことをちょっと思い出したのか、照れたように笑う。
「優菜先輩に似てるってことですか?」
「うん、色々似てるとこあるよ。それも今晩分かるかもねぇ」
優菜は意味深に和歌子に答える。
勤務が終わって定刻通りに退社すると、ふたりは通勤ラッシュの混雑している列車に立ったまま揺られ、愛子の待つ海岸沿いの町へと向かう。
「この時間だとやっぱり混むねー。私、長い間電車乗るの慣れてないからなぁ」
「こっちから通ってくる子の話だと、次の駅で、かなり空くらしいですよ」
「そうなんだぁ」
和歌子の言うとおり、数分してかなり大きな駅に停車すると、座っていた乗客の半数が降りていく。
「先輩、ここ空きました」
「ありがとっ。和歌子」
ふたりは無事に席を確保して降りる駅までの時間を雑談しながら過ごす。そして目的の駅に着いて、海岸側の出口から出ると、優菜はすぐにタクシー乗り場に向かう。
「愛子たちの団地、若干距離あるんだよ。私はいつもタクシー使っちゃうけど、歩くとちょうどいい運動になるくらいだよ」
「いいとこに住んでますねー」
和歌子は周囲の景色をきょろきょろ見回しながら優菜についていく。
「住むにはいいところだよって、愛子も克也くんも、真奈美さんも言ってて、こっちに遊びに来ると、私も引っ越したくなっちゃう」
タクシーに乗り込んでから十分もしないうちに、優菜たちは愛子たちの住む団地に到着した。会社を出る時は若干まだ明るかったが、団地に着く頃にはすっかり日が落ちていた。
約束の日、昼休みの時間を使って、優菜は愛子と連絡をとっていた。
「ここのところ、イベント続きでごめんね」
優菜が愛子に謝る。
「ううん。私は楽しいからいいよ。で、今日は、後輩連れてくるって?」
「うん。ちょっと相談に乗ってほしいことがあってね」
「分かったよ。優菜の言うとおり、うちで待ってるから」
「じゃぁ、仕事終わったらそっち向かうね」
電話を切ると、一緒に食事をしていた和歌子と向き合う。
「奥さんの愛子さんって、どんな人なんですか?」
和歌子がお弁当の唐揚げに箸をつけながら優菜に聞く。
「愛子は……、私の妹みたいな感じ?」
優菜はホテルや旅館であったことをちょっと思い出したのか、照れたように笑う。
「優菜先輩に似てるってことですか?」
「うん、色々似てるとこあるよ。それも今晩分かるかもねぇ」
優菜は意味深に和歌子に答える。
勤務が終わって定刻通りに退社すると、ふたりは通勤ラッシュの混雑している列車に立ったまま揺られ、愛子の待つ海岸沿いの町へと向かう。
「この時間だとやっぱり混むねー。私、長い間電車乗るの慣れてないからなぁ」
「こっちから通ってくる子の話だと、次の駅で、かなり空くらしいですよ」
「そうなんだぁ」
和歌子の言うとおり、数分してかなり大きな駅に停車すると、座っていた乗客の半数が降りていく。
「先輩、ここ空きました」
「ありがとっ。和歌子」
ふたりは無事に席を確保して降りる駅までの時間を雑談しながら過ごす。そして目的の駅に着いて、海岸側の出口から出ると、優菜はすぐにタクシー乗り場に向かう。
「愛子たちの団地、若干距離あるんだよ。私はいつもタクシー使っちゃうけど、歩くとちょうどいい運動になるくらいだよ」
「いいとこに住んでますねー」
和歌子は周囲の景色をきょろきょろ見回しながら優菜についていく。
「住むにはいいところだよって、愛子も克也くんも、真奈美さんも言ってて、こっちに遊びに来ると、私も引っ越したくなっちゃう」
タクシーに乗り込んでから十分もしないうちに、優菜たちは愛子たちの住む団地に到着した。会社を出る時は若干まだ明るかったが、団地に着く頃にはすっかり日が落ちていた。
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