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第三章 おねえさまだいすきっ
(21)おねえさまだいすきっ その2-3
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「私、思い出したよ。今日のご飯、たまたまシチューにしたんだけど」
愛子はシチューをすくいながら優菜と和歌子に昔話を聞かせる。
「私、今でも結構シチューが好きでよく作るんだけど、それって、子どもの頃によく食べた『シチューパン』が大好きだったからなんだよ」
「あっ、うちの売れ筋のパンですね」
和歌子は嬉しそうに愛子に向かって微笑む。
「そうそう。わかちゃんのおうちが『みなみベーカリー』っていうパン屋さんで、すっごい人気だったんだよ。その中でもシチューパンはとっても美味しくて、すぐ売り切れちゃってたんだよね」
「シチューパンは、お昼限定のメニューで、数もそんなに作れないんですよ。週末は一瞬でなくなっちゃってましたよね。懐かしいですー」
「うんうん。私は花屋の看板娘だったけど、わかちゃんもパン屋の看板娘だったじゃない。私、わかちゃんにパン売ってもらったの思い出したよ」
「お姉さまがうちの店に来てくれたので、浮かれてレジやりたいって、無理やりお母さんに頼み込んで、その時だけ変わってもらったんですよー」
「そうだったんだぁー」
「でも、良かったよぉ。ホントならここって修羅場になる場面だからね。寝取られた彼女が家まで押しかけてくるって設定なんだから」
優菜は意地悪顔でふたりに笑いかける。
「そんなこと、お姉さまと私にとっては些細な問題ですっ」
「うふふっ、わかちゃん、やっぱり、かわいいっ」
和やかな食事が終わった後、愛子は食後のコーヒーを出しながら、和歌子の隣に座る。
「じゃぁ、聞かせてもらおうかな」
「はい。実は、お姉さまと、うちの雄哉が致した後の話なんですが……」
和歌子は先日、優菜と真奈美に話した内容を、愛子にも同じように説明する。
「えっ、雄哉くん、イケなくなっちゃったの?」
真奈美と優菜と同じ反応を愛子もする。
「でっ、でも、お姉さまが原因ってわけじゃないと思うので、気に留めないでください。雄哉が不甲斐ないだけです。はい」
和歌子はそう言って取り繕うが、愛子と優菜は顔を見合わせて、ため息をつく。
「ごめんね。わかちゃん。それは、たぶん私が悪いんだよ。」
愛子は申し訳なさそうに和歌子に謝る。
「そ、そんなっ、お姉さまが悪いなんて絶対ないですっ!」
それでも和歌子は頑固として否定する。
「愛子、これは身体でわかってもらうしかなさそうだよっ」
優菜は小悪魔のように笑みを浮かべて愛子を見る。その顔を見て愛子は、えっ? 、という表情になるが、すぐにこの後、優菜が何をしたいかの察しがついた。
「優菜、分かったよ。これは、裏で真奈美さんも絡んでるね」
「お察しのとおり。今回は愛子に任せるって言ってたよ。でね……」
優菜は愛子の耳元でこそこそとしゃべる。和歌子からは何も聞こえないが、ふたりが何か企んでいるのだけは分かった。
「ちょっと、先輩っ、わたしのお姉さまに何を吹き込んでるんですかっ」
和歌子はむすっとした表情で優菜を責める。
「ふふっ、和歌子はちょっと待っててね。これから、い・い・こ・と、始まるから」
愛子と優菜は立ち上がって、玄関の方へ向かう。愛子は引き出しから何かを取り出して優菜にそっと渡す。
「じゃぁ、また後で」
優菜はウインクをしてそのまま玄関を出る。和歌子は訳の分からないまま、ソファーで愛子を待つ。優菜を見送った愛子が、リビングに戻ってきて再び和歌子の隣に座る。
「優菜先輩、どこいったんですか?」
和歌子が問うと、愛子は笑みを見せながら、和歌子に寄り添い、スカートの上から太腿あたりの位置にに手のひらを乗せ、和歌子の目を上目遣いで見る。
「うん、すぐ戻ってくるよ。それよりわかちゃん、今日は、お泊りしていくよね」
「えっ!?」
和歌子は突然の愛子の誘いにびっくりする。
「それは……、お姉さまと一緒のお布団で寝るってこと、ですか?」
「うん。わかちゃんと一緒に寝たいな」
愛子はさらに和歌子に寄り添って、そっと耳元で囁く。
「あと、わかちゃんの、いろんなこと、もっと教えて」
和歌子は耳を真っ赤にしながら、おろおろするばかり。
「えっ、でも……、旦那様に悪いですし、あと、雄哉が……」
「大丈夫。雄哉くんのこともまかせて」
愛子は、左手の手のひらで和歌子の太腿を優しく擦りながら、耳元に妖しい声で囁く。
「ね、今日は、わたしと、い・い・こ・と、しよっ」
「はぅぅ……」
和歌子は混乱しながら、ここは天国だろうかと思うほど、幸せな世界へといざなわれていく気分になっていたのだった。
愛子はシチューをすくいながら優菜と和歌子に昔話を聞かせる。
「私、今でも結構シチューが好きでよく作るんだけど、それって、子どもの頃によく食べた『シチューパン』が大好きだったからなんだよ」
「あっ、うちの売れ筋のパンですね」
和歌子は嬉しそうに愛子に向かって微笑む。
「そうそう。わかちゃんのおうちが『みなみベーカリー』っていうパン屋さんで、すっごい人気だったんだよ。その中でもシチューパンはとっても美味しくて、すぐ売り切れちゃってたんだよね」
「シチューパンは、お昼限定のメニューで、数もそんなに作れないんですよ。週末は一瞬でなくなっちゃってましたよね。懐かしいですー」
「うんうん。私は花屋の看板娘だったけど、わかちゃんもパン屋の看板娘だったじゃない。私、わかちゃんにパン売ってもらったの思い出したよ」
「お姉さまがうちの店に来てくれたので、浮かれてレジやりたいって、無理やりお母さんに頼み込んで、その時だけ変わってもらったんですよー」
「そうだったんだぁー」
「でも、良かったよぉ。ホントならここって修羅場になる場面だからね。寝取られた彼女が家まで押しかけてくるって設定なんだから」
優菜は意地悪顔でふたりに笑いかける。
「そんなこと、お姉さまと私にとっては些細な問題ですっ」
「うふふっ、わかちゃん、やっぱり、かわいいっ」
和やかな食事が終わった後、愛子は食後のコーヒーを出しながら、和歌子の隣に座る。
「じゃぁ、聞かせてもらおうかな」
「はい。実は、お姉さまと、うちの雄哉が致した後の話なんですが……」
和歌子は先日、優菜と真奈美に話した内容を、愛子にも同じように説明する。
「えっ、雄哉くん、イケなくなっちゃったの?」
真奈美と優菜と同じ反応を愛子もする。
「でっ、でも、お姉さまが原因ってわけじゃないと思うので、気に留めないでください。雄哉が不甲斐ないだけです。はい」
和歌子はそう言って取り繕うが、愛子と優菜は顔を見合わせて、ため息をつく。
「ごめんね。わかちゃん。それは、たぶん私が悪いんだよ。」
愛子は申し訳なさそうに和歌子に謝る。
「そ、そんなっ、お姉さまが悪いなんて絶対ないですっ!」
それでも和歌子は頑固として否定する。
「愛子、これは身体でわかってもらうしかなさそうだよっ」
優菜は小悪魔のように笑みを浮かべて愛子を見る。その顔を見て愛子は、えっ? 、という表情になるが、すぐにこの後、優菜が何をしたいかの察しがついた。
「優菜、分かったよ。これは、裏で真奈美さんも絡んでるね」
「お察しのとおり。今回は愛子に任せるって言ってたよ。でね……」
優菜は愛子の耳元でこそこそとしゃべる。和歌子からは何も聞こえないが、ふたりが何か企んでいるのだけは分かった。
「ちょっと、先輩っ、わたしのお姉さまに何を吹き込んでるんですかっ」
和歌子はむすっとした表情で優菜を責める。
「ふふっ、和歌子はちょっと待っててね。これから、い・い・こ・と、始まるから」
愛子と優菜は立ち上がって、玄関の方へ向かう。愛子は引き出しから何かを取り出して優菜にそっと渡す。
「じゃぁ、また後で」
優菜はウインクをしてそのまま玄関を出る。和歌子は訳の分からないまま、ソファーで愛子を待つ。優菜を見送った愛子が、リビングに戻ってきて再び和歌子の隣に座る。
「優菜先輩、どこいったんですか?」
和歌子が問うと、愛子は笑みを見せながら、和歌子に寄り添い、スカートの上から太腿あたりの位置にに手のひらを乗せ、和歌子の目を上目遣いで見る。
「うん、すぐ戻ってくるよ。それよりわかちゃん、今日は、お泊りしていくよね」
「えっ!?」
和歌子は突然の愛子の誘いにびっくりする。
「それは……、お姉さまと一緒のお布団で寝るってこと、ですか?」
「うん。わかちゃんと一緒に寝たいな」
愛子はさらに和歌子に寄り添って、そっと耳元で囁く。
「あと、わかちゃんの、いろんなこと、もっと教えて」
和歌子は耳を真っ赤にしながら、おろおろするばかり。
「えっ、でも……、旦那様に悪いですし、あと、雄哉が……」
「大丈夫。雄哉くんのこともまかせて」
愛子は、左手の手のひらで和歌子の太腿を優しく擦りながら、耳元に妖しい声で囁く。
「ね、今日は、わたしと、い・い・こ・と、しよっ」
「はぅぅ……」
和歌子は混乱しながら、ここは天国だろうかと思うほど、幸せな世界へといざなわれていく気分になっていたのだった。
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