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番外編パート2 お姉さんの下着を濡らしたら合格できる予備校があるらしい
(1)お姉さんの下着を濡らしたら合格できる予備校があるらしい プロローグその1
しおりを挟む薄曇りの空の下。
都内から少し離れた、ベッドタウンと言われる、駅から放射状に広がる街。
十年くらい前まではそれなりに人が出歩いていて賑わっていたが、駅の商業化が進んでエキナカに大きなショッピングビルができると、周囲の有名で繁盛していた店が駅構内に移り、体力のない小さな店が瞬く間に潰れていった。人がそこそこいる街でこのような状況なのだから、地方都市のシャッター通りの惨状を垣間見るに、いたたまれない気持ちになる。
「昔は、もっといろんな店あったのにね」
高校の三年間をここで学んで、ここで遊んできた陽太から見ても、街が寂れていき、自分たちの遊べる場所や買い物をする場所が減っていくことは、何とも寂しい思いがするものだった。先に大学に行ったり、就職したりしてこの街を離れていった友人が時々帰ってきては必ず口にするセリフ。陽太はもう何度も聞いている。
こんな街に誰がした?
そんな反発心の芽生えから、陽太はもっと勉強して、オトナになって、この街を……。と、いつしか考えるようになっていた。そして現在、陽太は目標とする大学に合格するために予備校に通っているのだが……。
「聞いた? あの大学の現代文でさ、『真夏の夜の何とか』ってネットで有名になったやつあるじゃん。あれが出題されたんだって」
「えっ? マジかよ。終わってるなー」
オトナの考えることはわからない。でも、そんなオトナの作った訳のわからない問題を説かないと先に進めない。なんて無理ゲーなんだよ。
陽太のみならず、陽太の周囲にいる高校生、受験生は皆口にしていた。
「まぁ、今は、やるだけやるしかないんじゃないかな」
陽太は若干大人ぶった発言をしてみるが、それで燻っている自分自身に苛ついてもいた。
「はぁっ……。いいことないかなぁ……」
小難しい現代文のテキストを開きながら、陽太は講義以外の日はいつも座っている自習室の窓際の席で一つため息をつく。
今にも雨の降りそうな曇天模様の中。
最初は、ただ、ぼーっ、と外を眺めていただけだった。無機質なコンクリートの壁が並ぶ灰色の光景。溜息の一つも出る。しかも一番聞きたくない、あの陰険な講師の、粘膜が飛び出そうな口調で六十分喋り続ける講義を受けた直後だ。
今日は、来るんじゃなかった。次回からの講義は、さぼりを決意していた。そんな最悪の状況の中、陽太の視線は一点だけを捉え始めていた。
「あれは……」
向かいのビル。どんな企業が入ってるかさえ知らなかった。が、白を基調とした比較的新しそうな細長いビルの三階のとある窓に、日常ではお目にかかることがない「あるもの」が、部屋全てを覆っているか……、のように見えた。
「あれって……」
二十歳過ぎたばかりの男にとっては、もし、そうならご褒美以外の何物でもない。ただ、明らかに量が多すぎる。
「なんで女の下着があんなに窓を埋め尽くしてるんだ?」
興味にそそられてしばらく陽太は、その窓を観察することにした。
ピンク、白、水色、パープル、黒、などなど……、色とりどりのパンティーやブラジャーがその窓一面を覆っていたかと思うと、真ん中から手が伸び、窓にへばりついていた下着を取り払っていく。すると、髪を振り乱して懸命に下着をかき集め、ダンボール箱に戻しているているひとりの女性の姿が見えた。
白のトレーナーに青いジーンズという、とても動きやすそうな格好の女性は、ペコペコと周囲にいるであろうと思われる人たちに頭を下げながら、ひたすら下着をかき集めている。
陽太がその状況を興味深く見つめていると、ふと、その女性が窓の方を向く。すると、陽太の視線と、バッチリ目が合ってしまう。
「えっ……?」
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