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タルトラ編
黒い渦
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嫌な夢を見た。
そう…親父がいなくなった夢だ。いつまで経っても夢にも出てくるし、忘れられない。
俺は親父が好きだった。その時、親父はボクシング世界チャンピオン戦を控えた選手だった。
「カイトよ、俺は次の試合絶対優勝するからな。次勝ったら世界チャンピオンだ。」
「チャンピオンてことは世界で一番強いのか?」
「もちろん世界最強だ。ははは。」
「すげぇ。パパは俺の自慢だ!」
「スッ」
「なんかパパの後ろにすごい黒い渦がでてるよ。」
「なんだこりゃあ!!カイトとりあえずここから離れろ!!」
「うん!」
俺がその返事をした時、親父の足が飲み込まれていた。
「カイト逃げろ!!!なにやってんだ!!!」
当時5歳の俺は恐怖で動けなかった。
親父がなにか叫んでいたがもう俺には聞こえなかった。
そして親父はその黒い渦に飲み込まれてしまった。同時に黒い渦もなくなってしまった。
俺はホッとしたのと怖いものを見た恐怖でずっと泣いていた。
以降12年親父が戻ってくることはなかった。
当時5歳児の俺が何回も親父が黒い渦に飲み込まれていなくなったと警察に証言しても信じてくれるものはいなかった。
俺はあの黒い渦について何度も調べ、それ関係のいくつかの文献を読んだ。しかし同じような内容はなかった。
親父のことは悔しかったが、もう諦めてしまうしかなかった。
そんな俺は荒れていた。この親父のことを信じてもらえない悔しさ、思春期が織り交じり、喧嘩に明け暮れていた。元々親父の血を受け継いでるせいか肉体の強さだけは人間離れしてる自覚はあり、喧嘩でも負けたことはなかった。
こんな自分をさっさと変えたいとも思った。そんなことを思いながら、学校に行くため、家を出た。
「スッ」
カイト「!!!…まっ…まさか...あの黒い渦!俺の前にまた出てきやがったか。」
後ろを見ると立ち尽くしている小学生ぐらいの男の子がいた。俺と同じように恐怖で動けなくなっていた。
「大丈夫だから逃げるぞ。」
「お兄さん後ろ。。」
後ろを振り返ると俺はもう黒い渦に飲み込まれていた。
そう…親父がいなくなった夢だ。いつまで経っても夢にも出てくるし、忘れられない。
俺は親父が好きだった。その時、親父はボクシング世界チャンピオン戦を控えた選手だった。
「カイトよ、俺は次の試合絶対優勝するからな。次勝ったら世界チャンピオンだ。」
「チャンピオンてことは世界で一番強いのか?」
「もちろん世界最強だ。ははは。」
「すげぇ。パパは俺の自慢だ!」
「スッ」
「なんかパパの後ろにすごい黒い渦がでてるよ。」
「なんだこりゃあ!!カイトとりあえずここから離れろ!!」
「うん!」
俺がその返事をした時、親父の足が飲み込まれていた。
「カイト逃げろ!!!なにやってんだ!!!」
当時5歳の俺は恐怖で動けなかった。
親父がなにか叫んでいたがもう俺には聞こえなかった。
そして親父はその黒い渦に飲み込まれてしまった。同時に黒い渦もなくなってしまった。
俺はホッとしたのと怖いものを見た恐怖でずっと泣いていた。
以降12年親父が戻ってくることはなかった。
当時5歳児の俺が何回も親父が黒い渦に飲み込まれていなくなったと警察に証言しても信じてくれるものはいなかった。
俺はあの黒い渦について何度も調べ、それ関係のいくつかの文献を読んだ。しかし同じような内容はなかった。
親父のことは悔しかったが、もう諦めてしまうしかなかった。
そんな俺は荒れていた。この親父のことを信じてもらえない悔しさ、思春期が織り交じり、喧嘩に明け暮れていた。元々親父の血を受け継いでるせいか肉体の強さだけは人間離れしてる自覚はあり、喧嘩でも負けたことはなかった。
こんな自分をさっさと変えたいとも思った。そんなことを思いながら、学校に行くため、家を出た。
「スッ」
カイト「!!!…まっ…まさか...あの黒い渦!俺の前にまた出てきやがったか。」
後ろを見ると立ち尽くしている小学生ぐらいの男の子がいた。俺と同じように恐怖で動けなくなっていた。
「大丈夫だから逃げるぞ。」
「お兄さん後ろ。。」
後ろを振り返ると俺はもう黒い渦に飲み込まれていた。
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