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〇2章【波乱と温泉】
10節~『ひろくん』~ 5
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テーブルの話題は、いつの間にか『恋人』へと移っていた。
「こないだ、彼氏と喧嘩して……まだ連絡返してないんですよ」
「えっ、お泊りに来てるのに? めっちゃ不安になってるんじゃない?」
「いいんです。この土日くらいは、そわそわして、落ち着かなくて休まらない休日を過ごしてもらわないと! で、向こうから謝らせます!」
「こわぁ~……」
軽い悲鳴と笑い声が混ざり合い、テーブルの上に弾むような空気が立ちのぼる。
その輪の中で、紗菜も口元に穏やかな笑みを浮かべ、相槌を打っていた。
けれど頬の内側では、落ち着かない焦燥が、静かな渦となってゆっくり回り続けていた。
恋人の話題が出はじめてからずっと、『ひろくん』だけがその輪に踏み込もうとしない。
頬を掻きながら笑う。
軽くうなずいて流す。
誰も傷つけない、無難な返事だけを選び取って、肝心なところには近づこうとしない。
まるで、その領域に足を踏み入れたくないと、黙って宣言しているみたいだった。
紗菜は、グラスの縁にそっと指先を添え、何度もくるくると回す。
手元でガラスが静かに光をはじき、その動きとは別に、心の中では別の円がぐるぐると広がっていった。
『ひろくん』の中に、今もヒカリへの感情は残っているのか。
もしほんのわずかでも、未練や後悔がにじんでいるのだとしたら――それは、紗菜にとって決して小さくない意味を持つ。
ならば、今の話題は悪くない。
彼が一番触れたくなさそうな場所を、みんなが当たり前の顔で歩き回っているのだから。
「じゃあ、林田さんの考える『浮気』って、どのラインからなの?」
「ん~……他の女の子をエロい目で見たら!」
「めっちゃ曖昧じゃん」
笑い声がひとつ起きるたび、グラスを傾ける手もひとつ増えていく。
酔いがテーブルの上に層のように積もり、空気がだんだんと柔らかくなっていった。
「逆に、男の人はどう思うんですか?」という一言に、その場のいくつかの視線が、自然とヒロトへと流れていく。
「……人によると思うけど」
「それ言ったら議論にならないじゃないですか! じゃあ、二人きりでご飯は? こっそりメッセ送り合ってたり、電話してても許せます?」
勢いのある女子社員の問いかけに、ヒロトは苦笑を浮かべながらゆっくり答えた。
「それが相手に言えないようなことなら、浮気になるんじゃないか」
「え~、なんか無難でつまんない」
「だよねぇ」と笑いが重なる。
引きつるような彼の口元に、紗菜もまた、彼女とほとんど同じ感想を胸の内で繰り返した。
そのとき。
「そういえば俺、このあいだ一年ぶりくらいに元カノから連絡が来てさ……」
何気なくこぼされた男性社員の一言に、「おぉっ」と周囲が一斉に沸く。
『元カノ』という単語が空気に浮かんだ瞬間、紗菜の指先がぴたりと止まり、隣でグラスを持つヒロトの手も同じように固まった。
「どんな? どんな内容でした?」
「いや、元気にしてるかとか、仕事は忙しいのかとか」
「それで、何て返したんですかっ」
「……まだ返してない」
「え~っ! なんでですか!?」
「いや、複雑だろ……こっちだって何とか気持ちに折り合いつけて、納得したような気分になってたのに……今さら、振った側から連絡してくるとかさ」
「あ、小坂さんフラれた側なんだ……」
「同情するな!」
テーブルの上に、またひときわ大きな笑いが弾けた。
だが、その賑やかさとは裏腹に、紗菜の胸の中には、すっと冷たい静けさが満ちていく。
「まぁ、でも、確かにイヤかも~。私も、振られた男から連絡来たら、『はぁ?』って思っちゃいますもん」
「で、聞きたいのは、どういう意図で送ってきたんだと思う? ってこと。ほら、同じ女性としての考えを教えてほしくてさ」
小坂の問いかけに、女性陣がそろって「う~ん」と悩む声を漏らした。
酒の回った頭で答えを探すみたいに、視線が天井を泳ぎ、首がいくつも左右に揺れる。
「まぁ、ぶっちゃけ……新しくできた彼氏と上手くいってないか、別れたか」
身も蓋もない一言に、「……だよなぁ~~っ!」と小坂がテーブルに突っ伏した。
そのオーバーなリアクションに、さらに大きな笑いが重なる。
「自分から別れを告げておいて連絡してくるなんて、現実はそんなものですよぉ」
「そうそう。実はずっと後悔してて……なんて言われても、絆されちゃダメですからね!」
にぎやかな声に混ざりながら、紗菜は少し離れた場所からその輪を眺めているような心地で、じっとヒロトの横顔を見つめていた。
握っていたグラスの外側で、指先にじわじわと力がこもっていく。
彼女たちの言うことは、確かに『世間一般』の話なのだろう。
多くの別れは、そんなふうに曖昧さや寂しさの上に成り立っているのかもしれない。
軽い後悔、行き場のなくなった甘さ、退屈と孤独を紛らわせるための一本の連絡。
そのどれもが現実的で、よくある話に聞こえる。
だけど、ヒカリは違う。
あの子が口にした『後悔』は、そんな軽さの中に紛れ込ませられるものではない。
駆け引きでも、気まぐれでも、退屈しのぎでもない。
長い時間をかけて積もってしまった、どうしようもない祈りのような思いだ。
そのことを、『ひろくん』は本当に分かっているのだろうか。
いま目の前で交わされている「元カノ話」と同じ棚に、ヒカリを並べてしまってはいないだろうか。
「元カノからの連絡なんて、大体こんなものだ」と――そうやって、まとめてしまってはいないか。
紗菜にとっては、それだけがひどく気がかりだった。
ふと、『ひろくん』がこちらを向く。
柔らかな照明に照らされた視線が、まっすぐ紗菜の瞳を捉えた。
意識しすぎていたことに気付いたのは、目が合ってからだった。
慌てて視線をそらし、グラスを口元へと運んで誤魔化す。
「えっと……高森さん、俺がどうかしました?」
不思議そうに問いかけてくる声。
その調子にわずかな戸惑いが混じっているのは、やはりさっきまでの視線に気付かれていた証拠なのだろう。
けれど、それなら――逆に好機だ。
彼のほうから声をかけてきたのなら、この流れに乗ることは不自然じゃない。
ここで元カノの話題を切り出しても、唐突にはならないはず。
ヒカリに対する誤解が、彼の中にあるのか。
いまもどこかに、あの子への想いが残っているのか。
その一端だけでも掴むことができたなら――ヒカリのために、自分にできることがきっとある。
グラスの底に残った酒を、一息で飲み干す。
カラン、と小さな音を立てて、空いたグラスをテーブルに戻した。
それから、胸の奥で一度だけ息を整え、意を決したように口を開く。
「じゃあ……」
声を出した途端、舌の動きがほんのわずかに遅れていることに気付いた。
思っていた以上に酔いが回っている。
額の奥がじんと熱を帯び、言葉がふわふわと浮かんでは、掴みきれないまま沈んでいく。
それでも――今を逃したら、もう二度と聞けない。
紗菜は、揺れる視界の奥で彼の横顔をしっかりと捉え、唇をきゅっと結んでから開いた。
「じゃあ、『ひろくん』には、そういう経験はあるんですか?」
「えっ?」
短く漏れた声が、空気を切るように響いた。
――途端、空気が変わった。
さっきまで続いていた笑いが、すっと引いていく。
ざわめいていた声も遠くに押しやられ、この温泉宿の大広間の一角だけが、急激に温度を下げて、別の空間になったかのように静まり返った。
「こないだ、彼氏と喧嘩して……まだ連絡返してないんですよ」
「えっ、お泊りに来てるのに? めっちゃ不安になってるんじゃない?」
「いいんです。この土日くらいは、そわそわして、落ち着かなくて休まらない休日を過ごしてもらわないと! で、向こうから謝らせます!」
「こわぁ~……」
軽い悲鳴と笑い声が混ざり合い、テーブルの上に弾むような空気が立ちのぼる。
その輪の中で、紗菜も口元に穏やかな笑みを浮かべ、相槌を打っていた。
けれど頬の内側では、落ち着かない焦燥が、静かな渦となってゆっくり回り続けていた。
恋人の話題が出はじめてからずっと、『ひろくん』だけがその輪に踏み込もうとしない。
頬を掻きながら笑う。
軽くうなずいて流す。
誰も傷つけない、無難な返事だけを選び取って、肝心なところには近づこうとしない。
まるで、その領域に足を踏み入れたくないと、黙って宣言しているみたいだった。
紗菜は、グラスの縁にそっと指先を添え、何度もくるくると回す。
手元でガラスが静かに光をはじき、その動きとは別に、心の中では別の円がぐるぐると広がっていった。
『ひろくん』の中に、今もヒカリへの感情は残っているのか。
もしほんのわずかでも、未練や後悔がにじんでいるのだとしたら――それは、紗菜にとって決して小さくない意味を持つ。
ならば、今の話題は悪くない。
彼が一番触れたくなさそうな場所を、みんなが当たり前の顔で歩き回っているのだから。
「じゃあ、林田さんの考える『浮気』って、どのラインからなの?」
「ん~……他の女の子をエロい目で見たら!」
「めっちゃ曖昧じゃん」
笑い声がひとつ起きるたび、グラスを傾ける手もひとつ増えていく。
酔いがテーブルの上に層のように積もり、空気がだんだんと柔らかくなっていった。
「逆に、男の人はどう思うんですか?」という一言に、その場のいくつかの視線が、自然とヒロトへと流れていく。
「……人によると思うけど」
「それ言ったら議論にならないじゃないですか! じゃあ、二人きりでご飯は? こっそりメッセ送り合ってたり、電話してても許せます?」
勢いのある女子社員の問いかけに、ヒロトは苦笑を浮かべながらゆっくり答えた。
「それが相手に言えないようなことなら、浮気になるんじゃないか」
「え~、なんか無難でつまんない」
「だよねぇ」と笑いが重なる。
引きつるような彼の口元に、紗菜もまた、彼女とほとんど同じ感想を胸の内で繰り返した。
そのとき。
「そういえば俺、このあいだ一年ぶりくらいに元カノから連絡が来てさ……」
何気なくこぼされた男性社員の一言に、「おぉっ」と周囲が一斉に沸く。
『元カノ』という単語が空気に浮かんだ瞬間、紗菜の指先がぴたりと止まり、隣でグラスを持つヒロトの手も同じように固まった。
「どんな? どんな内容でした?」
「いや、元気にしてるかとか、仕事は忙しいのかとか」
「それで、何て返したんですかっ」
「……まだ返してない」
「え~っ! なんでですか!?」
「いや、複雑だろ……こっちだって何とか気持ちに折り合いつけて、納得したような気分になってたのに……今さら、振った側から連絡してくるとかさ」
「あ、小坂さんフラれた側なんだ……」
「同情するな!」
テーブルの上に、またひときわ大きな笑いが弾けた。
だが、その賑やかさとは裏腹に、紗菜の胸の中には、すっと冷たい静けさが満ちていく。
「まぁ、でも、確かにイヤかも~。私も、振られた男から連絡来たら、『はぁ?』って思っちゃいますもん」
「で、聞きたいのは、どういう意図で送ってきたんだと思う? ってこと。ほら、同じ女性としての考えを教えてほしくてさ」
小坂の問いかけに、女性陣がそろって「う~ん」と悩む声を漏らした。
酒の回った頭で答えを探すみたいに、視線が天井を泳ぎ、首がいくつも左右に揺れる。
「まぁ、ぶっちゃけ……新しくできた彼氏と上手くいってないか、別れたか」
身も蓋もない一言に、「……だよなぁ~~っ!」と小坂がテーブルに突っ伏した。
そのオーバーなリアクションに、さらに大きな笑いが重なる。
「自分から別れを告げておいて連絡してくるなんて、現実はそんなものですよぉ」
「そうそう。実はずっと後悔してて……なんて言われても、絆されちゃダメですからね!」
にぎやかな声に混ざりながら、紗菜は少し離れた場所からその輪を眺めているような心地で、じっとヒロトの横顔を見つめていた。
握っていたグラスの外側で、指先にじわじわと力がこもっていく。
彼女たちの言うことは、確かに『世間一般』の話なのだろう。
多くの別れは、そんなふうに曖昧さや寂しさの上に成り立っているのかもしれない。
軽い後悔、行き場のなくなった甘さ、退屈と孤独を紛らわせるための一本の連絡。
そのどれもが現実的で、よくある話に聞こえる。
だけど、ヒカリは違う。
あの子が口にした『後悔』は、そんな軽さの中に紛れ込ませられるものではない。
駆け引きでも、気まぐれでも、退屈しのぎでもない。
長い時間をかけて積もってしまった、どうしようもない祈りのような思いだ。
そのことを、『ひろくん』は本当に分かっているのだろうか。
いま目の前で交わされている「元カノ話」と同じ棚に、ヒカリを並べてしまってはいないだろうか。
「元カノからの連絡なんて、大体こんなものだ」と――そうやって、まとめてしまってはいないか。
紗菜にとっては、それだけがひどく気がかりだった。
ふと、『ひろくん』がこちらを向く。
柔らかな照明に照らされた視線が、まっすぐ紗菜の瞳を捉えた。
意識しすぎていたことに気付いたのは、目が合ってからだった。
慌てて視線をそらし、グラスを口元へと運んで誤魔化す。
「えっと……高森さん、俺がどうかしました?」
不思議そうに問いかけてくる声。
その調子にわずかな戸惑いが混じっているのは、やはりさっきまでの視線に気付かれていた証拠なのだろう。
けれど、それなら――逆に好機だ。
彼のほうから声をかけてきたのなら、この流れに乗ることは不自然じゃない。
ここで元カノの話題を切り出しても、唐突にはならないはず。
ヒカリに対する誤解が、彼の中にあるのか。
いまもどこかに、あの子への想いが残っているのか。
その一端だけでも掴むことができたなら――ヒカリのために、自分にできることがきっとある。
グラスの底に残った酒を、一息で飲み干す。
カラン、と小さな音を立てて、空いたグラスをテーブルに戻した。
それから、胸の奥で一度だけ息を整え、意を決したように口を開く。
「じゃあ……」
声を出した途端、舌の動きがほんのわずかに遅れていることに気付いた。
思っていた以上に酔いが回っている。
額の奥がじんと熱を帯び、言葉がふわふわと浮かんでは、掴みきれないまま沈んでいく。
それでも――今を逃したら、もう二度と聞けない。
紗菜は、揺れる視界の奥で彼の横顔をしっかりと捉え、唇をきゅっと結んでから開いた。
「じゃあ、『ひろくん』には、そういう経験はあるんですか?」
「えっ?」
短く漏れた声が、空気を切るように響いた。
――途端、空気が変わった。
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