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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル
魔王円卓会議③
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『人類魔族化計画』の資料をゆっくり目を通す。
まただ。何処からか情報が漏れてやがった。
「のお、グレイ。その辺にしとけ」
魔王陛下の言葉を聞き、頭に昇った血が引いていく。
周りを見ると全員が俺を見ているようだった。
それもそうか、何故なら......
「そこまで殺気を出すのではない馬鹿者」
俺は殺気を全く抑えれてなかった。
いくら魔王軍といえども、戦場慣れしている幹部はともかく補佐官のほとんどは事務仕事がメインだ。まともに殺気など受けれるわけが無い。
幹部の後ろに控えている補佐官に目をやると、半数近くが怯えていた。
「失礼しました。少し感情が高ぶってしまったようで....」
「よい。とりあえず先程のように、また殺気を出すのはやめて欲しいがのぉ?」
「善処致します」
多分無理だけど。
俺の心を読んだのか、魔王陛下は深くため息をつくと資料に目を戻す。
「さて、この資料を見て分かる通り、奴らは同族すら、なんの躊躇いもなく殺すような連中じゃ」
資料の内容はこうだ。
各国の罪人や孤児を使って、人間の体内に魔石を人工的に作り出す。
これを今度は、王国が主導となって動いていくことが、この資料には書かれている。
目的は単純明快。魔族の純度の高い魔石を低コストで人工的に作り出せれば、技術の発展に繋がるからだ。
要は魔族を狩らず、魔族と見た目の似た人間を魔族に変え、その魔石を手に入れるための実験。
しっかり消したと思ったんだがな.....
「宜しいでしょうか魔王陛下」
「なんじゃ?ゼノン」
ゼノン。第1軍の大将で、別名『頭脳』のゼノン。
魔王国建国当時から第1軍大将を勤め、魔王陛下の右腕と言われるほどの知将。
建国当初の戦乱を魔王国が生き延びたのは、ゼノンがいたからだと言われるほどである。
銀の短髪、半分かき揚げ半分を下ろす独特な髪型と、髪と同じく銀色の目。細くも鍛え抜かれた体に、鋭い眼光。とても威厳を感じる爺さんだ。
俺は何度か話したことはあるが、頭が良すぎて会話が飛ぶ時があるって大変だった。
この前、アガノルトの薬草(咳に効く薬草)って意外と高いんですねと話を降ったら、「ニーナ殿に何か差し入れを持っていきましょう」と返された。
彼の頭の中では何がどう変換されれば、ニーナに差し入れを持っていきましょうという返しになるのだろうか。
普通は誰か体調が悪いのか?と聞くべきだろうに。
後ニーナにすごく優しい人でもある。
「王国主導という事は、他の国もこの計画に何らかの形で関わるはずです。どの国ですか?」
「大国は全てじゃ」
「属国や大国以外の国は?」
「今現在入っている情報では特にはないのぉ」
皇国、帝国、王国、連合国以外の国ももちろん存在する。ゼノンはどの程度の規模の計画になるのか知りたかったのだろう。
しかし、大国は全てか.......あのゴミ共が.....
「グレイ、抑えろ」
しまった。また殺気が漏れてしまった。
「失礼致しました」
頭を下げる。
「さて、他に質問はないかのぉ?」
誰も何も言わない。
大抵の事は資料ようだ読めば分かるしな。
「よし、ないなら話を進めるのじゃ。妾達はこの計画成功されるとちと不味い事になる。理由は簡単じゃな。今までよりも強力な魔導兵器を動かせるようになるからじゃ」
魔導兵器とは、魔石を使う軍用器具。過去に使われた魔導兵器はどれも、この魔王国に甚大な被害を与えてきた。
ただ、コストが重く、量産が出来ないため、頻繁に運用されることは無い。
しかし、魔族の魔石を人工的に作れるようになれば話は別だ。
魔導兵器のコストが下がり量産され、手軽に純度の高い魔石を供給できるので、魔導兵器の開発速度もぐっと上がり、更なる驚異になる。
「この技術が確立された時、妾達の敗北は決まると言ってもよい。その為主導で動いている王国は消さねばならん。なるべく早くな」
「そのためにグレイを動かすのですか」
ゼノンが付け加える。
「そうじゃ、無差別殲滅という点においてグレイの右に出るものはおらん。それに、非戦闘員に紛れて情報を他国へ流す奴も居らんとは言いきれないしのぉ」
なるほど、確かに俺は無差別殲滅という点においては魔王軍1だと自負している。
そして、魔王陛下はこの計画が成功されると魔族に勝ち目が無くなることも分かっているのだ。
「グレイ、お主に命令を下す。第8軍のみで、3年、長くて4年以内に王国をこの世界から消せ。よいな?」
「はっ、第8軍の総力(2人)を持って達成したしましょう」
「頼んだぞ。.....それとそれに伴い第6軍の半分ほどを東方戦線に回して欲しいのぉ。できるか?エルジャル」
「問題ないかと」
「よろしいのじゃ。東方戦線は何としても抑えるのじゃ。北方戦線、南方戦線は共に現状維持、王国を完全に滅ぼした後は.......その時次第じゃからなんとも言えんか」
魔王陛下は立ち上がり
「それでは今回の円卓会議はここまでじゃ、詳しい命令はおいおい伝える。それでは解散じゃ」
魔王陛下の言葉と共に全員立ち上がり膝をつき、頭を下げる。魔王陛下が部屋を退出するまではこの体制だ。
「あ、そうじゃったそうじゃった。グレイ、ニーナ、後で妾の執務室に来い。よいな?」
それだけ言うと、魔王陛下は扉の向こうへと消えていった。
まただ。何処からか情報が漏れてやがった。
「のお、グレイ。その辺にしとけ」
魔王陛下の言葉を聞き、頭に昇った血が引いていく。
周りを見ると全員が俺を見ているようだった。
それもそうか、何故なら......
「そこまで殺気を出すのではない馬鹿者」
俺は殺気を全く抑えれてなかった。
いくら魔王軍といえども、戦場慣れしている幹部はともかく補佐官のほとんどは事務仕事がメインだ。まともに殺気など受けれるわけが無い。
幹部の後ろに控えている補佐官に目をやると、半数近くが怯えていた。
「失礼しました。少し感情が高ぶってしまったようで....」
「よい。とりあえず先程のように、また殺気を出すのはやめて欲しいがのぉ?」
「善処致します」
多分無理だけど。
俺の心を読んだのか、魔王陛下は深くため息をつくと資料に目を戻す。
「さて、この資料を見て分かる通り、奴らは同族すら、なんの躊躇いもなく殺すような連中じゃ」
資料の内容はこうだ。
各国の罪人や孤児を使って、人間の体内に魔石を人工的に作り出す。
これを今度は、王国が主導となって動いていくことが、この資料には書かれている。
目的は単純明快。魔族の純度の高い魔石を低コストで人工的に作り出せれば、技術の発展に繋がるからだ。
要は魔族を狩らず、魔族と見た目の似た人間を魔族に変え、その魔石を手に入れるための実験。
しっかり消したと思ったんだがな.....
「宜しいでしょうか魔王陛下」
「なんじゃ?ゼノン」
ゼノン。第1軍の大将で、別名『頭脳』のゼノン。
魔王国建国当時から第1軍大将を勤め、魔王陛下の右腕と言われるほどの知将。
建国当初の戦乱を魔王国が生き延びたのは、ゼノンがいたからだと言われるほどである。
銀の短髪、半分かき揚げ半分を下ろす独特な髪型と、髪と同じく銀色の目。細くも鍛え抜かれた体に、鋭い眼光。とても威厳を感じる爺さんだ。
俺は何度か話したことはあるが、頭が良すぎて会話が飛ぶ時があるって大変だった。
この前、アガノルトの薬草(咳に効く薬草)って意外と高いんですねと話を降ったら、「ニーナ殿に何か差し入れを持っていきましょう」と返された。
彼の頭の中では何がどう変換されれば、ニーナに差し入れを持っていきましょうという返しになるのだろうか。
普通は誰か体調が悪いのか?と聞くべきだろうに。
後ニーナにすごく優しい人でもある。
「王国主導という事は、他の国もこの計画に何らかの形で関わるはずです。どの国ですか?」
「大国は全てじゃ」
「属国や大国以外の国は?」
「今現在入っている情報では特にはないのぉ」
皇国、帝国、王国、連合国以外の国ももちろん存在する。ゼノンはどの程度の規模の計画になるのか知りたかったのだろう。
しかし、大国は全てか.......あのゴミ共が.....
「グレイ、抑えろ」
しまった。また殺気が漏れてしまった。
「失礼致しました」
頭を下げる。
「さて、他に質問はないかのぉ?」
誰も何も言わない。
大抵の事は資料ようだ読めば分かるしな。
「よし、ないなら話を進めるのじゃ。妾達はこの計画成功されるとちと不味い事になる。理由は簡単じゃな。今までよりも強力な魔導兵器を動かせるようになるからじゃ」
魔導兵器とは、魔石を使う軍用器具。過去に使われた魔導兵器はどれも、この魔王国に甚大な被害を与えてきた。
ただ、コストが重く、量産が出来ないため、頻繁に運用されることは無い。
しかし、魔族の魔石を人工的に作れるようになれば話は別だ。
魔導兵器のコストが下がり量産され、手軽に純度の高い魔石を供給できるので、魔導兵器の開発速度もぐっと上がり、更なる驚異になる。
「この技術が確立された時、妾達の敗北は決まると言ってもよい。その為主導で動いている王国は消さねばならん。なるべく早くな」
「そのためにグレイを動かすのですか」
ゼノンが付け加える。
「そうじゃ、無差別殲滅という点においてグレイの右に出るものはおらん。それに、非戦闘員に紛れて情報を他国へ流す奴も居らんとは言いきれないしのぉ」
なるほど、確かに俺は無差別殲滅という点においては魔王軍1だと自負している。
そして、魔王陛下はこの計画が成功されると魔族に勝ち目が無くなることも分かっているのだ。
「グレイ、お主に命令を下す。第8軍のみで、3年、長くて4年以内に王国をこの世界から消せ。よいな?」
「はっ、第8軍の総力(2人)を持って達成したしましょう」
「頼んだぞ。.....それとそれに伴い第6軍の半分ほどを東方戦線に回して欲しいのぉ。できるか?エルジャル」
「問題ないかと」
「よろしいのじゃ。東方戦線は何としても抑えるのじゃ。北方戦線、南方戦線は共に現状維持、王国を完全に滅ぼした後は.......その時次第じゃからなんとも言えんか」
魔王陛下は立ち上がり
「それでは今回の円卓会議はここまでじゃ、詳しい命令はおいおい伝える。それでは解散じゃ」
魔王陛下の言葉と共に全員立ち上がり膝をつき、頭を下げる。魔王陛下が部屋を退出するまではこの体制だ。
「あ、そうじゃったそうじゃった。グレイ、ニーナ、後で妾の執務室に来い。よいな?」
それだけ言うと、魔王陛下は扉の向こうへと消えていった。
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