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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル
串焼き屋
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門をくぐると、壮大な街並みが俺達を出迎えてくれた。
「うわぁ!!凄いですね!!」
魔王国以外の街をほとんど見た事ないニーナは、声を弾ませながらその街並みを見渡す。
王国で3番目に大きい街だ。小さい魔王国の王都よりも立派で大きい。
大通りは、馬車が10台ぐらいなら横に並んで通れるほどの横幅があり、その道沿いには多くの店が並んでいる。
どの店にも人が溢れかえっており、今現在魔王国に攻められているとは思えない程、平和な光景だ。
屋台も多く並んでおり、昼過ぎで日が落ちかけているが、夕食前の腹ごしらえに買っていく人が多いのか、繁盛している。
「グレイさん、ニーナさん。宿はどうしますか?私は第7軍のいる家に泊めてもらうのですが.....」
門を少しすぎたあたりで、ラオルフさんが聞いてくる。
これだけ大きい都市なのだ。第7軍の1人や2人居るのだろう。
俺達がこの街を消す前に、ちゃんと逃げてくれよ?いや、マジで。
「適当に探すよ。ここでおろしてくれ」
他の馬車や歩行者の邪魔にならないように、道の脇に馬車を寄せてもらい、馬車を降りる。
「ありがとうね、ラオルフさん。2週間後だっけ?」
「えぇ。予定ではそうなっておりますが、実際のところズレが生じてしまうので、ここを出ていく時は声をかけていきますね」
「場所はわかるのか?」
「我ら第7軍がその気になれば、大抵の事は分かりますよ。もし、何かあったら商人ギルドに言伝を残しておいてください。ラオルフに伝言っていえば次、私が商人ギルドを訪れた時に伝わるはずなので」
「わかった」
そうして、ラオルフさんはどこかへと行ってしまった。
「さて、どうするかね」
「とりあえず、この2週間泊まれる宿を探しましょう。出来れば料理が美味しくて、ある程度安全が確保出来、安い宿がいいですね」
何その宿の理想形みたいなのは。
料理が美味しくて、安全が確保できる宿は大抵それ相応の値段がするものだ。
ちょっと高めの宿だと、1人1泊金貨1枚なんて事もある。
出来れば1泊銀貨3枚以内で収めたい。
なんでかって?そりゃ、貰ってる予算が余ったら自分の懐に入れていいって言われてるからさ。
領収書なんてものは発行してくれないからな、商会の大きな取引とかならともかく、街の宿屋に泊まるために領収書を発行してもらうなんてありえないのだ。
だから最初から金を貰ってきている。
大金貨5枚分、かなりの大金を何とか貰ってきた。
「そうだな......街の人に聞くのが早いか」
もしかしたら、地元民しか知らない穴場宿があるかもしれない。
そう思って俺はニーナを連れて、串焼きを売っておっちゃんの所に足を運んだ。
先程は結構人が並んでいたのだが、今はタイミングよく人っ子一人いない状態だ。
少し話しても店の迷惑にはならないだろう。
「おっちゃん、串焼き二本くれ」
「あいよ」
俺の注文を聞いたおっちゃんは、頭に巻いたタオルを締め直しながら串焼きを焼き始める。
肉の焼ける、香ばしく、いい匂いが辺りを漂う。俺はおっちゃんが焼いている間に、世間話をすることにした。
「しかし、平和そうな街だな。ここは」
「なんだい?あんちゃんどこから来たんだ」
「東のほうさ。魔族が進行してきて、命からがら逃げてきたって感じさ」
もちろん嘘である。
いや、東の方っての合ってるか。
魔王国は王国の東側にあるしな。
「へぇ、そっちの嬢ちゃんと?」
「あぁ、大変だったよ。なんせ俺達はまだ銅級冒険者だ。まともに戦争に参加した日には、お天道様からお迎えが来ちまう」
「あっははは!!身の程を知るってのは大変なんだが、あんちゃんはそこら辺しっかりしてそうだな!!」
「そうでもなきゃ、今頃土の中でモグラと仲良く暮らしてるさ」
「そんなあんちゃんに朗報さ。この街は安全だぜ?なんてったってあの灰輝級冒険者がいるからな!!」
「『剛剣』ザリウスだったか?」
「あぁ!!ザリウス様はとんでもなく強いからな!!魔族どころか、魔王だって一撃よ!!」
実際の魔王陛下を見たらそんな事、欠片も思わないだろう。
見た目はアレだが、あのロリババァは冗談抜きで強いのだ。
無知って怖いなぁと思いながらも、俺は顔に出さずに会話を続ける。
「そりゃ頼もしい。ところで『最強』って呼ばれる魔王軍の幹部がいるらしいが、知ってるか?」
「おう。知ってるぞ。なんでも王国がここまで押されてるのは、そいうのせいだとか?」
「らしいな。でも、俺は名前だけしか聞いてないんだよ。おっちゃんなんか名前以外で知ってる?」
「うーん、知らねぇな。まぁこの国が押されてるって言ったって、負けるわけがねぇんだ。王国にはまだ王国騎士団がいるしな」
「それもそうか」
ここで串焼きが焼けたらしく、おっちゃんが手渡してくる。
美味そうなタレにつけられた、いい匂いがする串焼きだ。
「大銅貨2枚.......って言いたいところだが、あんちゃん大変そうだったからな、サービスで大銅貨1枚にしてやるよ」
「そいつはありがたい。ちょっと路銀が危なかったんだ.......そうだおっちゃん。ここら辺でいい宿屋はないか?出来れば安くて安全で料理の上手い所」
「あるぜ。ここの大通りを真っ直ぐ行って、2つ目の曲がり道を左に、そこから3つめの曲がり角を右に行くと、『沈まぬ夕日』って宿屋がある。あそこのメシは美味いし、子供に優しいんだ。きっと値引いてくれるぜ。後、串焼き屋のバベンからの紹介っていえば、更に融通してくれるはずだ」
お、いい情報を持っていたな。
どうやら、一発目で当たりを引いたようだ。
「ありがとうおっちゃん。また来るよ」
「おうよ!!嬢ちゃんも元気でな!!」
ニーナはこくりと小さく頷き、俺の後ろについて行く。
おっちゃんの反応を見るに、小さい子供は好きなようだな。チラチラニーナを見てたし。
信用しても良さそうだ。
「うわぁ!!凄いですね!!」
魔王国以外の街をほとんど見た事ないニーナは、声を弾ませながらその街並みを見渡す。
王国で3番目に大きい街だ。小さい魔王国の王都よりも立派で大きい。
大通りは、馬車が10台ぐらいなら横に並んで通れるほどの横幅があり、その道沿いには多くの店が並んでいる。
どの店にも人が溢れかえっており、今現在魔王国に攻められているとは思えない程、平和な光景だ。
屋台も多く並んでおり、昼過ぎで日が落ちかけているが、夕食前の腹ごしらえに買っていく人が多いのか、繁盛している。
「グレイさん、ニーナさん。宿はどうしますか?私は第7軍のいる家に泊めてもらうのですが.....」
門を少しすぎたあたりで、ラオルフさんが聞いてくる。
これだけ大きい都市なのだ。第7軍の1人や2人居るのだろう。
俺達がこの街を消す前に、ちゃんと逃げてくれよ?いや、マジで。
「適当に探すよ。ここでおろしてくれ」
他の馬車や歩行者の邪魔にならないように、道の脇に馬車を寄せてもらい、馬車を降りる。
「ありがとうね、ラオルフさん。2週間後だっけ?」
「えぇ。予定ではそうなっておりますが、実際のところズレが生じてしまうので、ここを出ていく時は声をかけていきますね」
「場所はわかるのか?」
「我ら第7軍がその気になれば、大抵の事は分かりますよ。もし、何かあったら商人ギルドに言伝を残しておいてください。ラオルフに伝言っていえば次、私が商人ギルドを訪れた時に伝わるはずなので」
「わかった」
そうして、ラオルフさんはどこかへと行ってしまった。
「さて、どうするかね」
「とりあえず、この2週間泊まれる宿を探しましょう。出来れば料理が美味しくて、ある程度安全が確保出来、安い宿がいいですね」
何その宿の理想形みたいなのは。
料理が美味しくて、安全が確保できる宿は大抵それ相応の値段がするものだ。
ちょっと高めの宿だと、1人1泊金貨1枚なんて事もある。
出来れば1泊銀貨3枚以内で収めたい。
なんでかって?そりゃ、貰ってる予算が余ったら自分の懐に入れていいって言われてるからさ。
領収書なんてものは発行してくれないからな、商会の大きな取引とかならともかく、街の宿屋に泊まるために領収書を発行してもらうなんてありえないのだ。
だから最初から金を貰ってきている。
大金貨5枚分、かなりの大金を何とか貰ってきた。
「そうだな......街の人に聞くのが早いか」
もしかしたら、地元民しか知らない穴場宿があるかもしれない。
そう思って俺はニーナを連れて、串焼きを売っておっちゃんの所に足を運んだ。
先程は結構人が並んでいたのだが、今はタイミングよく人っ子一人いない状態だ。
少し話しても店の迷惑にはならないだろう。
「おっちゃん、串焼き二本くれ」
「あいよ」
俺の注文を聞いたおっちゃんは、頭に巻いたタオルを締め直しながら串焼きを焼き始める。
肉の焼ける、香ばしく、いい匂いが辺りを漂う。俺はおっちゃんが焼いている間に、世間話をすることにした。
「しかし、平和そうな街だな。ここは」
「なんだい?あんちゃんどこから来たんだ」
「東のほうさ。魔族が進行してきて、命からがら逃げてきたって感じさ」
もちろん嘘である。
いや、東の方っての合ってるか。
魔王国は王国の東側にあるしな。
「へぇ、そっちの嬢ちゃんと?」
「あぁ、大変だったよ。なんせ俺達はまだ銅級冒険者だ。まともに戦争に参加した日には、お天道様からお迎えが来ちまう」
「あっははは!!身の程を知るってのは大変なんだが、あんちゃんはそこら辺しっかりしてそうだな!!」
「そうでもなきゃ、今頃土の中でモグラと仲良く暮らしてるさ」
「そんなあんちゃんに朗報さ。この街は安全だぜ?なんてったってあの灰輝級冒険者がいるからな!!」
「『剛剣』ザリウスだったか?」
「あぁ!!ザリウス様はとんでもなく強いからな!!魔族どころか、魔王だって一撃よ!!」
実際の魔王陛下を見たらそんな事、欠片も思わないだろう。
見た目はアレだが、あのロリババァは冗談抜きで強いのだ。
無知って怖いなぁと思いながらも、俺は顔に出さずに会話を続ける。
「そりゃ頼もしい。ところで『最強』って呼ばれる魔王軍の幹部がいるらしいが、知ってるか?」
「おう。知ってるぞ。なんでも王国がここまで押されてるのは、そいうのせいだとか?」
「らしいな。でも、俺は名前だけしか聞いてないんだよ。おっちゃんなんか名前以外で知ってる?」
「うーん、知らねぇな。まぁこの国が押されてるって言ったって、負けるわけがねぇんだ。王国にはまだ王国騎士団がいるしな」
「それもそうか」
ここで串焼きが焼けたらしく、おっちゃんが手渡してくる。
美味そうなタレにつけられた、いい匂いがする串焼きだ。
「大銅貨2枚.......って言いたいところだが、あんちゃん大変そうだったからな、サービスで大銅貨1枚にしてやるよ」
「そいつはありがたい。ちょっと路銀が危なかったんだ.......そうだおっちゃん。ここら辺でいい宿屋はないか?出来れば安くて安全で料理の上手い所」
「あるぜ。ここの大通りを真っ直ぐ行って、2つ目の曲がり道を左に、そこから3つめの曲がり角を右に行くと、『沈まぬ夕日』って宿屋がある。あそこのメシは美味いし、子供に優しいんだ。きっと値引いてくれるぜ。後、串焼き屋のバベンからの紹介っていえば、更に融通してくれるはずだ」
お、いい情報を持っていたな。
どうやら、一発目で当たりを引いたようだ。
「ありがとうおっちゃん。また来るよ」
「おうよ!!嬢ちゃんも元気でな!!」
ニーナはこくりと小さく頷き、俺の後ろについて行く。
おっちゃんの反応を見るに、小さい子供は好きなようだな。チラチラニーナを見てたし。
信用しても良さそうだ。
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