【最弱】の召喚術師【最強】の軍勢につき

雪雪ノ雪

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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル

ダンジョン迷宮①

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 結局、アザンに丸1日時間を取られ、蜂蜜蜜蜂には行けなかった。

 正確には、もう閉まっていたと言った方がいいか。

 魔王国だと、俺達はあまり人気がないのであんな風に憧れの目で見られることは少ない。結構新鮮な体験だった。

 そして、翌日。

 俺達は、また串焼き屋のバベンの所に顔を出していた。

「お?また来たか」

 しっかりと人のいない時間帯を狙ってこの屋台に来ているので、俺たち以外にここの串焼きを買おうとする客はいない。

 人がいる時間帯だと、この店結構並んでるんだよなぁ.......

 美味いし、安いから仕方がないかもしれない。

「あぁ、今日はダンジョン迷宮に行こうと思ってな。ある程度稼がないと、今後の旅が大変になる」

 もちろん嘘である。いや、ある程度稼がないと、資金が尽きてしまう可能性があるので間違っては無いのか?

「あんちゃん達は銅級ブロンズ冒険者だったか?」

「そうだ」

「なら、3階層辺りが1番稼ぎがいいと聞くぞ。銅級ブロンズ冒険者でも狩れるオークがよく出るらしい」

「へぇ、オークの魔石は結構買取額高いのか?」

「そうらしいぞ?俺は冒険者じゃないからなんとも言えないが、この店に来る奴らがそう言ってたのを聞いたぞ」

 こういう情報がわざわざギルドに寄らずに手に入るのは、ありがたいな。

 俺達だとギルドで目立つのは必至だ。弱々しそうな男と、幼女.......うーん、頭の中が空っぽな愚か者なら間違いなく絡んでくるだろう。

 そして、俺達も自己防衛の為に殴り飛ばし、目立つ。

 最悪のパターンだ。

 ダンジョン迷宮内なら、そう言う愚か者たちを殺した上で隠蔽できるが、流石にギルド内でやるのは無理だしな。

 という訳で、俺達はギルドに寄ってないのだが、地元の人の話を聞くだけでも情報は聞き出せるものだ。

 おっちゃん様様である。

「なるほど、とりあえず3階層まで目指してみるよ」

「おう、頑張れよ........ところで、魔道具店はどうだった?」

 焼きたての串焼きを手渡しながら、昨日自分がオススメした場所に行ったのかどうか聞いてくる。

 俺は大銅貨1枚をおっちゃんに渡すと、2本の串焼きを受け取り1本をニーナに渡しながら答えた。

「楽しかったぞ。おっちゃんが余りにも脅すから、どんなやべぇのがいるのかと恐れてたが、普通に話の通じる店主だった」

 後、俺のファンの魔族の子だったぞ。もちろん言わないが。

「おお!!そいつは良かった!!アザンさんは気難しいからな......オススメしておいて何だが、少し心配だったんだよ」

「心配するなら勧めるなよ.......まぁ、ちょっと奮発しておっちゃんと同じ、炭火焼き機の魔道具買ったからいいけどな」

 まだ試していないが、おっちゃんが焼いているだけでもここまで美味くなるのだ。

 ニーナがこの魔道具で肉を焼いたらと思うと、涎が垂れてくる。

 当のニーナは、タレに使われている食材や調味料を考えているらしく、何かブツブツ言っている。こうなった時のニーナは、下手に話しかけると怒るので無視一択だ。

「お?あんちゃん達もこれを買ったのか。いいよなぁこれ。炭火のキツイ匂いが周りに飛び散らないから、他の人の迷惑にならないし........と言うかあんちゃん。路銀が足りないんじゃないのか?いいのか?結構高かったろ?」

 あ、しまった。路銀が心もとないとが何とか言ってたな俺。適当に誤魔化さなければ。

「大金貨1枚はかなり痛いが、必要投資さ。旅に必要なのは美味い飯だろ?」

「アッハッハッハッハッ!!違ぇねぇ!!不味い飯食いながら、度はしたくないもんな!!」

 おっちゃんも思い当たる節があるのか、笑いながらうんうんと頷きながら俺の肩をバンバン叩く。

 結構痛いんですが?

「おかげで財布は今、すっからかん。だからダンジョン迷宮に潜らないと路頭に迷う羽目になっちまう」

「なるほどな。あんちゃんには嬢ちゃんもいるんだ。余り子供に苦労はかけさせるなよ?」

「分かってる........あ、おっちゃん。どこかにダンジョン迷宮の地図売ってないか?」

 地図があることないのでは違う。出来れば地図は買っておきたかった。

「地図?ならダンジョン迷宮の入口近くに、売ってるはずだ。冒険者達が迷宮に潜る前に、色々と買い込む場所だからな」

 なるほど、入口近くの店はダンジョン迷宮に潜る際に、必要になる物を多く売っているのか。

 まぁ、入口近くに来るのは、基本的にダンジョン迷宮ニーナ潜る人なんだから、当たり前といえば当たり前だ。

「分かった。行ってみるよ。おっちゃん、ご馳走さん」

 食べ終わった串をゴミ箱に捨て、未だにブツブツ言っているニーナのが頭をぽんぽんと撫でる。

「ニーナ行くぞ」

「........................はっ?!ごめんなさいマスター。タレの材料を考えてました」

 若干頬を赤らめながら、俺の後ろを着いてくるニーナ。

 俺としては、この串焼きはここが消えた後も食べたいので、頑張って模倣して欲しいものだ。

 俺はもう一度ニーナの頭を撫でながら、頑張って再現してくれと言う。

 ピコピコと機嫌良さそうにアホ毛を揺らしながら、ニーナは

「任せて下さい。私、こういうのは得意なので」

 と凹凸の小さい胸を精一杯張るのだった。
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