【最弱】の召喚術師【最強】の軍勢につき

雪雪ノ雪

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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル

ダンジョン迷宮③

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 ダンジョン迷宮の入口に辿り着き、中へ入る。

 中には光苔と言われてる、暗闇の中で光る苔が迷宮内を照らしており、一切太陽の光が入らない洞窟内にもかかわらず、松明などの光源を持たなくてもいいようになっている。

「前に1度、魔王国のダンジョン迷宮に入った事はありましたが、やはり不思議ですね。なんでわざわざ明るくしているのでしょうか」

 ニーナは首を傾げる。

「様々な仮説はあるが、今1番正しいとされてる仮説に“ダンジョン迷宮は一種の魔物である”って奴があってな」

「一種の魔物.....?」

「そうだ。ダンジョン迷宮で死んだ人間は、どうなるかは知っているよな?」

「確か、ダンジョンに吸収されるって言われてますね」

 ダンジョン迷宮で人が死ぬと、ダンジョン迷宮に吸収される。これは常識だ。

「ダンジョン迷宮は人間たちに利益になる様に、魔石を持った魔物を生み出し人間達をダンジョン迷宮内に誘う。そして、その迷宮内で死んだ人間を、吸収して生きていると考えられているのさ」

「では何故光苔を壁に?」

「そりゃ、人間獲物が来やすいようにするためだろ。真っ暗だと夜目が聞かない人間は、リスクを恐れて入って貰えないかもしれないからな」

「なるほど。さしずめ、この光苔は餌ですか」

 ダンジョン迷宮は謎が多く、完全に改名されていないためこの仮説が間違っている可能性もあるが、辻褄はある程度合っている。俺はこの説が1番正しいと思っている。

 ニーナは滅多に見れないダンジョン迷宮の中を、きょろきょろと観察しているが、見栄えが変わらないこの洞窟内を見てて楽しいのだろうか。

 このダンジョン迷宮は25階層まで攻略されているらしく、25階層にまで行くとワイバーンなどの竜種まで当たり前の様に出てくるそうだ。

 ダンジョン迷宮の特徴として、階層が深くなるにつれて出てくる魔物が強くなる傾向がある。これも 人を入れやすくするためのダンジョン迷宮なりの考えなのだろうか?

 ちなみに、全何回層かはわかっていない。

 とりあえず、今日は3階層のオークを軽く狩って帰ろうと思う。

取れた魔石はギルドで換金などはせずに、そのまま魔王国に持ち帰るつもりだ。魔石は魔王国でも必需品なので、魔王国でも売れるしな。

 そんな事を思いながら、歩いていく。

「中々魔物に出会いませんね........」

「そりゃそうだろ。浅い階層は冒険者が多いからな。今の間だけでも、10組近くはすれ違っただろ?アイツらが全員魔物を狩ってたら、そりゃ魔物はいなくなるさ」

 1階層に出てくる魔物は、スライムとゴブリンとスケルトンと聞いている。

 この魔物達は最弱と呼ばれるほど弱く、鉄級アイアン冒険者でも問題なく対処出来る魔物だ。

 スライムは、全身が粘液の様なもので出来ており、魔石以外は全身透明だ。

 斬撃には強い耐性を持っているが、打撃と魔法攻撃に弱く、剣の腹で叩けば一撃で倒せる程。

 弓や槍の様な刺突武器にも弱く、魔石を的確に突かれると直ぐに死んでしまう。

 スライムの粘液には若干の酸性を含んでいるが、肌が溶ける様な強い酸性ではなく、体の汚れを落とす程度の酸性で、スライムの粘液は美容液として使われている。

 ただし、粘性が強く、謝って飲み込んでしまったりすると窒息死してしまう。

 それさえ気をつければ、ただの雑魚だ。

 スケルトンは、動く骸骨だ。

 スケルトンには多くの種類があり、スケルトンドラゴンにまでなると街の一つや二つは容易に滅ぼせる。

 この階層で出てくるスケルトンは人型で、打撃、斬撃に弱く、魔法攻撃にも弱い。

 スケルトンソルジャーなどの戦闘系の魔物ならともかく、ただのスケルトンは雑魚で、その骨は畑の肥料としてよく使われる。

 スケルトンのが骨には、少量の魔力が含まれており、土に混ぜて作物の成長を促進するのに最適なのだ。

 また、魔石が心臓部にあるのだが、強引に魔石を引き抜くと、死んでしまう。

 余りにも弱いため、魔石は余り高く売れないが、鉄級アイアン冒険者が生活していくための費用を安全に稼ぐとなれば、ちょうどいい獲物だろう。

 1日頑張って狩れば、2日3日程度の宿代ぐらいは稼げるはずだ。

 そんな訳で、ここら辺一帯の魔物を狩り尽くされているのだ。

「別に狩らなくたって、強さはわかっているんだ。が出来ればそれでいいから、とりあえず魔物を探したり、ダンジョン迷宮内を探索するのは3階層についてからにしよう」

「わかりました。最短で3階層に行けるように、頑張ります」

 地図はニーナが持っているので、ニーナが迷うと俺も迷う。

 地図を受け取った時にちらっと見たが、結構複雑そうだったので間違わないように頑張って欲しい。

「頑張ってくれ。まぁ、迷ってもなんとかなるとは思うが、迷わないのに越したことはないからな」

 ニーナの頭を撫でながら、先へと進む。

 ニーナは、気持ちよさそうに目を細めながら道を間違えないように気合いを入れ直すのだった。
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