【最弱】の召喚術師【最強】の軍勢につき

雪雪ノ雪

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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル

ダンジョン迷宮④

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 ダンジョン迷宮に入り約2時間、俺達は目的地である第3階層に足を踏み入れていた。

 1.2階層では特に魔物と出会うことはなく、順調に進めたが、3階層では魔物を狩るつもりなので探さなくてはならない。

「ようやく着きましたか。ストレス発散がてら、魔物を狩りたいですね」

 ダンジョン迷宮に入ってすぐの頃は楽しそうにしていたニーナ立ったが、2時間もすれば流石に飽きる。

 今は疲れきったような顔をしており、早く魔物と戦ってイライラをぶつけたいと言った感じだ。

「一応確認だ。この階層に出てくる魔物を覚えているか?」

 このダンジョン迷宮は、3階層からぐっと難易度が上がる。

 出てくる魔物が急に強くなるのだ。

 その為、1.2階層を安定して狩れていた冒険者達が、そのまま3階層に入って死ぬ事故が絶えない。

「覚えてますよ。オーク、ホブゴブリン、グレイトボアの三体ですよね?」

「そうだ。偉いぞニーナ」

 俺は、ニーナの頭を撫でてやる。

 ホブゴブリンは、ゴブリンの上位種であり、最弱と言われるゴブリンよりも格段に強い。

 子供ほどしかなかった身長は、大人と大して変わらない身長になり、体つきも鍛えている大人程がっしりしている。

 更に皮膚もかなり固く、素人の振るった剣程度では、少し傷つけるのが限界だ。

 戦闘訓練を一切積んでいない一般人が、ホブゴブリンと戦えば十中八九ホブゴブリンが勝つだろう。

 更には、ホブゴブリンもゴブリンと同様に集団で行動していることが多く、配下としてゴブリンを連れていることもある。

 ダンジョン迷宮でもホブゴブリン1匹に対し、ゴブリン5引き程度の群れを作っており、鉄級アイアン冒険者1人では戦ってもまず間違いなく負けだろう。

 その為3階層からは、パーティーを組むことが推奨されている。

 5~6人程集まった冒険者パーティーだ。

 お互いの背中をカバーしあい、死角をなくし連携しながら戦う。冒険者の基本だ。

 グレイトボアは、大きなイノシシのような魔物だ。

 体もかなり大きく、2m弱もあり、1m以上ある牙を携えている。

 その大きな体から繰り出される突進は、普通の人間ぐらいなら容易にひき肉にできてしまう。

 突進もかなり早く、馬が走るよりも早い。

 ただ、このグレイトボアには1つ大きな弱点がある。

 突進を繰り出した時、方向転換が出来ないのと、急には止まれない。

 これを利用して、壁を背に突進していたグレイトボアを躱すと、壁に激突して勝手に自滅してしまうマヌケな魔物である。やり方さえわかっていれば、肉も皮も牙もそこそこの価格で売れるので冒険者に好まれる獲物だ。

 このダンジョン迷宮では魔石しか落とさない為、不人気だが...........

「えへへ、それでマスター。どうやって魔物を狩りますか?」

「魔物のが場所は分からないんだ。手当り次第だろうな」

 ある程度近づけば気配でわかるが、入り組んでいるこのダンジョン迷宮では場所が分かっても道が分からないことが多い。

 壁をぶち抜いて行けるかと言われれば、無理だ。

 そもそもダンジョン迷宮の壁は、壊しても直ぐに再生してしまう。

 まるで生き物かのように、壊された壁を再生するのだ。

 何故、どうやって再生するのかわかっていないが、“ダンジョン迷宮は魔物の一種である”という仮説を後押ししている。

「うーん.......私も探知できるのは100mが限界ですからね.......マスターは探知魔法使えないし」

使えたんだがなぁ.......今は感覚が頼りだ」

 探知魔法はその名の通り、周りを探知するための魔法だ。

 探知魔法は極めると、その範囲内にあるもの全てを把握できる。それが出来れば魔物を探すのも苦労しないのだが、ニーナの探知魔法は範囲を絞っている代わりに、精度をあげているのでこういう広範囲の探知には優れていない。

「ま、こればかりはどうしようもないな。3階層からは、人が減るらしいから割と簡単に見つかるだろ」

「だといいんですけどねぇ.........」

 コレが甘い考えだったのは、1時間後に知ることになる。

 1時間後、俺とニーナは持ってきていた昼飯を食べていた。

 ダンジョン迷宮に絶対安全な場所はないので、適当な場所で食べている。
 
「まさかここまで見つからないとは.......」

「大体狩られているんですよね........」

 魔物を見つける事は何度もあったが、大抵どこかのパーティーが狩っていたのだ。

 冒険者の暗黙のルールとして、戦闘しているパーティーの魔物を横取りしてはいけない。救助要請をされれば別だが。

 俺の予想よりも冒険者が多いのと、魔物がよく出る場所をわかっていないのが主な原因だろう。

 とりあえず魔物を見つけた場所には、地図に書き込んであるので次、訪れた時は直ぐにこの場所を回ってみようと思う。

「一旦戻ろうか。3階層もある程度歩いて道を覚えたからな。明日は最低でも1体は狩れるだろ」

「そうですね。帰る時間も考えると、今から帰らないと日が沈みますしね........はぁ、暴れたかったのに」

 イライラをぶつけようと思っていたのに、そのぶつける対象がいなかった為か、ニーナがため息を着く。

 明日はニーナが楽しく魔物を狩れるように、頑張らねばと俺は心に刻むのだった。
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