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第一部 王国編 第一章 迷宮都市インゼル
ダンジョン迷宮⑤
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とりあえずその日は、大人しく宿に帰ることになった。
来た道を2時間かけて帰り、ダンジョン迷宮を出ると外は既に暗くなっていた。
時期的には、もう少しすると雪が降る季節になる。日が沈むのが早くなっているな。
「明日は、もう少し早めに宿を出るか」
今日ダンジョン迷宮を潜ってみた感じ、1時間潜っただけでは稼ぎ云々所か魔物とロクに戦うことも出来なかった。
そりゃ、朝早くから冒険者達がダンジョン迷宮に潜るわけだ。
朝早くから潜らないと、ロクに稼げないのだろう。
「そうですね.......今までは混雑は避けていましたが、もう少し早く宿を出ましょう」
そう言うニーナのアホ毛を見ると、ゆらゆら揺れている。
どうやら帰りも退屈すぎたようで、ニーナはイライラしているようだ。
夕食時の様で、街を歩くとあちらこちらから笑い声や怒鳴り声が聞こえてくる。
人仕事終えて、酒場で酒を飲んだりしている。
屋台にも多くの人が買いに来ているらしく、お行儀よく通行人の邪魔にならないように道沿いに沿って並んでいる。
俺はこの時間帯に外に出ることは無かっので、ここまで煩いとは思わなかった。
ニーナも少し顔を顰めているので、俺と同じく煩いと思っているのだろう。
「本当は串焼き買って帰ろうかと思ったが、辞めるか。おっちゃんのところにも人いっぱい並んでそうだしな.......」
「賛成です。煩すぎませんかね?魔王国でも、もう少し静かでしたよ?」
「そりゃ、魔王国では防音の魔道具を設置してないと、飲食店は開けないからな」
魔王国では周りの被害も考え、飲食店には防音の魔道具を設置しなければならない義務がある。
その為、魔王国では騒音被害は少ないのだ。店から帰る途中に酔った魔族が、騒ぎ立てるとかなければだが.........
「周りの被害とかを全く考えない辺り、やはり人間ですね。早く死ねばいいのに」
「おーい、ニーナちゃん?その言葉は人間の俺にも刺さるんだが?」
「大丈夫ですよ、マスター。マスターは、人間の形をした別の生き物なので」
「いや、それはそれで嫌なんだが?!」
確かに寿命は無いが、それでもそれ以外の体の構造は人間であるので、分類上俺は人間と言われるべきである。
そんなやり取りをしつつ、宿へ戻ってきた。
既に他の客は食事を終えているのか、食堂にはチラホラしか人がいない。
「あら?おかえり」
カウンターでひと休憩していたのか、高そうな酒を飲んでいたおばちゃんが、こちらに気づき手招きしてくる。
「おばちゃん、夕飯頼めるか?」
俺達はカウンター席に座り、夕飯を注文する。
「ちょっと待ってな」
そう言って、おばちゃんは店の奥に引っ込んで行った。
「その点、ここは静かでいいですね」
ニーナは先程の煩さにウンザリしていたようで、静かなこの食堂の雰囲気をのんびり楽しんでいた。
先程の大通りから外れているし、この店の客は女性が多く、喚き散らす行儀の悪い冒険者はいない。
いたとしても、おばちゃんがたたき出すだろうが。
「そうだな、偶に赤ん坊の鳴き声が響く事はあるが、アイツらは泣くのが仕事、目くじらを立てる方が野暮ってものだからな」
「いい事言うじゃないか、優男。赤ん坊は泣くのが仕事、ガキンチョは遊ぶのが仕事、私らみたいにキチンと働くのは成人してからでいいんだよ」
俺の言葉に反応しながら、おばちゃんが店の奥から料理を持って帰ってくる。
「ほい、今日はグレイトボアのステーキさね」
俺たちの前に置かれたグレイトボアのステーキは、厚さ1cmもあり、フォークで肉の表面を少し押してやれば、肉汁が溢れ出す。タレは使わず、素材の味を引き出すための岩塩が軽く振りかけられ、1口噛めばグレイトボアの肉々しさと甘みが口の中に広がる。
俺とニーナは黙々とステーキをかき込みつつ、焼きたてのパンを食べる。
小麦の味が肉の味と上手く噛み合い、絶妙な美味しさを醸し出す。うん、美味い。
あっという間に食べ終えると、俺達はおばちゃんと話し始める。
「ダンジョン迷宮に行ったのかい」
「あぁ、3階層で狩ろうと思ってたんだが、魔物の出る場所は他の冒険者に抑えられててな。今日はボウズだよ」
「あっはっはっはっは!!そりゃそうさね。長い事この街で冒険者やってる連中は、自分の縄張りを持っているからね。朝すぐに場所を取って狩りまくるのさ。新参者が狩れるのは、お零れだけになっちまう」
なんともまぁ、面倒くさい連中だ。縄張りって犬かそいつらは。
おばちゃんは懐からペンを取り出すと、
「ちょいと地図貸しな、持ってるだろ?」
と言う。
ニーナが俺の方を見て確認してくるので、俺はニーナの頭を撫でつつ頷いく。
こういう時は、俺達に有益な情報をくれると知っている。
下手に警戒せずに、大人しく言うことを聞いた方がいいだろう。
地図を渡すと、おばちゃんは3階層、4階層、5階層の地図に何か描いている。
5分程すると、地図を返してきた。
地図を見ると、○や✕が至ることろに書かれている。
「魔物が狩れる場所を書いてやったよ。○の場所を回れば、何体かはかれるだろうさ。×の場所は他の冒険者や、罠がある場所だ。行ってもいいが気をつけるんだよ」
これはありがたい。引退したとは言え、金級冒険者の助言だ。確実とは言わないが、今日よりは魔物を狩れる確率は高いだろう。なんてったって、今日は1匹も狩れてないからな!!
「ありがと、おばちゃん」
「なぁに、後輩へのちょっとした応援さ」
明日が少し、楽しみだ。
来た道を2時間かけて帰り、ダンジョン迷宮を出ると外は既に暗くなっていた。
時期的には、もう少しすると雪が降る季節になる。日が沈むのが早くなっているな。
「明日は、もう少し早めに宿を出るか」
今日ダンジョン迷宮を潜ってみた感じ、1時間潜っただけでは稼ぎ云々所か魔物とロクに戦うことも出来なかった。
そりゃ、朝早くから冒険者達がダンジョン迷宮に潜るわけだ。
朝早くから潜らないと、ロクに稼げないのだろう。
「そうですね.......今までは混雑は避けていましたが、もう少し早く宿を出ましょう」
そう言うニーナのアホ毛を見ると、ゆらゆら揺れている。
どうやら帰りも退屈すぎたようで、ニーナはイライラしているようだ。
夕食時の様で、街を歩くとあちらこちらから笑い声や怒鳴り声が聞こえてくる。
人仕事終えて、酒場で酒を飲んだりしている。
屋台にも多くの人が買いに来ているらしく、お行儀よく通行人の邪魔にならないように道沿いに沿って並んでいる。
俺はこの時間帯に外に出ることは無かっので、ここまで煩いとは思わなかった。
ニーナも少し顔を顰めているので、俺と同じく煩いと思っているのだろう。
「本当は串焼き買って帰ろうかと思ったが、辞めるか。おっちゃんのところにも人いっぱい並んでそうだしな.......」
「賛成です。煩すぎませんかね?魔王国でも、もう少し静かでしたよ?」
「そりゃ、魔王国では防音の魔道具を設置してないと、飲食店は開けないからな」
魔王国では周りの被害も考え、飲食店には防音の魔道具を設置しなければならない義務がある。
その為、魔王国では騒音被害は少ないのだ。店から帰る途中に酔った魔族が、騒ぎ立てるとかなければだが.........
「周りの被害とかを全く考えない辺り、やはり人間ですね。早く死ねばいいのに」
「おーい、ニーナちゃん?その言葉は人間の俺にも刺さるんだが?」
「大丈夫ですよ、マスター。マスターは、人間の形をした別の生き物なので」
「いや、それはそれで嫌なんだが?!」
確かに寿命は無いが、それでもそれ以外の体の構造は人間であるので、分類上俺は人間と言われるべきである。
そんなやり取りをしつつ、宿へ戻ってきた。
既に他の客は食事を終えているのか、食堂にはチラホラしか人がいない。
「あら?おかえり」
カウンターでひと休憩していたのか、高そうな酒を飲んでいたおばちゃんが、こちらに気づき手招きしてくる。
「おばちゃん、夕飯頼めるか?」
俺達はカウンター席に座り、夕飯を注文する。
「ちょっと待ってな」
そう言って、おばちゃんは店の奥に引っ込んで行った。
「その点、ここは静かでいいですね」
ニーナは先程の煩さにウンザリしていたようで、静かなこの食堂の雰囲気をのんびり楽しんでいた。
先程の大通りから外れているし、この店の客は女性が多く、喚き散らす行儀の悪い冒険者はいない。
いたとしても、おばちゃんがたたき出すだろうが。
「そうだな、偶に赤ん坊の鳴き声が響く事はあるが、アイツらは泣くのが仕事、目くじらを立てる方が野暮ってものだからな」
「いい事言うじゃないか、優男。赤ん坊は泣くのが仕事、ガキンチョは遊ぶのが仕事、私らみたいにキチンと働くのは成人してからでいいんだよ」
俺の言葉に反応しながら、おばちゃんが店の奥から料理を持って帰ってくる。
「ほい、今日はグレイトボアのステーキさね」
俺たちの前に置かれたグレイトボアのステーキは、厚さ1cmもあり、フォークで肉の表面を少し押してやれば、肉汁が溢れ出す。タレは使わず、素材の味を引き出すための岩塩が軽く振りかけられ、1口噛めばグレイトボアの肉々しさと甘みが口の中に広がる。
俺とニーナは黙々とステーキをかき込みつつ、焼きたてのパンを食べる。
小麦の味が肉の味と上手く噛み合い、絶妙な美味しさを醸し出す。うん、美味い。
あっという間に食べ終えると、俺達はおばちゃんと話し始める。
「ダンジョン迷宮に行ったのかい」
「あぁ、3階層で狩ろうと思ってたんだが、魔物の出る場所は他の冒険者に抑えられててな。今日はボウズだよ」
「あっはっはっはっは!!そりゃそうさね。長い事この街で冒険者やってる連中は、自分の縄張りを持っているからね。朝すぐに場所を取って狩りまくるのさ。新参者が狩れるのは、お零れだけになっちまう」
なんともまぁ、面倒くさい連中だ。縄張りって犬かそいつらは。
おばちゃんは懐からペンを取り出すと、
「ちょいと地図貸しな、持ってるだろ?」
と言う。
ニーナが俺の方を見て確認してくるので、俺はニーナの頭を撫でつつ頷いく。
こういう時は、俺達に有益な情報をくれると知っている。
下手に警戒せずに、大人しく言うことを聞いた方がいいだろう。
地図を渡すと、おばちゃんは3階層、4階層、5階層の地図に何か描いている。
5分程すると、地図を返してきた。
地図を見ると、○や✕が至ることろに書かれている。
「魔物が狩れる場所を書いてやったよ。○の場所を回れば、何体かはかれるだろうさ。×の場所は他の冒険者や、罠がある場所だ。行ってもいいが気をつけるんだよ」
これはありがたい。引退したとは言え、金級冒険者の助言だ。確実とは言わないが、今日よりは魔物を狩れる確率は高いだろう。なんてったって、今日は1匹も狩れてないからな!!
「ありがと、おばちゃん」
「なぁに、後輩へのちょっとした応援さ」
明日が少し、楽しみだ。
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