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第60層 悪辣湖沼地帯 -シニスター-
第69話 シキミの里へ
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「面目次第もございません……拙者、一度寝たら朝まで起きないタイプゆえ……」
寝そべるNo.2……二代目アルファの背中を撫でながら反省しているシキミだが、誰がどう見ても反省の色がなかった。しかしそれよりも馴染んでいることに僕は目を付けていた。敵同士だった種族。しかし今は先代ボスを倒され、新たな群れに従うと宣言したアルファは、文句ひとつなくシキミに撫でられていた。
しかしそんなタイプでここまで生きてこられたのは凄いな……周りが過保護だったのか、運が良かったのか。まぁでも生きているのだから良かった、か。
「ベノムエルフ族とバイオウルフ族、仲良く過ごすんだぞ」
「御意! この調子で湖沼地帯を掌握するでござる!」
先代アルファを始末したのは僕なんだが……でも戦力は増強された訳だし、1強とまではいかないまでも勢力分布的には頭一つ抜けたかもしれない。勢力全然知らないけれど。
僕が倒したアルファだが、魔力石は僕のレッグポーチに仕舞ってある。これをどうするかは今後、ベノムエルフ達と相談だ。
「さて、色々あったが今日はシキミの集落に向かう。場所を確認したら、まずシキミが先触れとして話に行ってくれ。余計な争いは嫌だからな」
「御意でござる!」
ということで僕達はシキミの案内でベノムエルフの集落へと向かうことにした。道中、ぞろぞろと僕達の後をついてくるバイオウルフ達は僕達を襲うことなく、大人しいものだった。二代目アルファ……もうアルファでいいか……アルファはシキミを背に乗せてご機嫌な足取りだった。シキミもシキミで、昨日まで争っていた種族の背中を撫でてご満悦だった。
「昨日の敵は今日の友、か……」
「八咫様は殺伐とした階層だと仰っていましたが、こうして見ると平和に思えます」
「その油断が命取りなのかもしれないな」
「ですね。気を引き締めて行かないと……しかしそれにしても、愛らしい光景です」
アイザは慈愛の目でシキミとアルファを眺めていた。本来のアイザは森で生きる種族だ。狩りを行う狼とは敵対していそうなものだが、そも争いというのが嫌いなんだろうな。娘もいるし、シキミに母性を発揮しているようにも見える。
「何かあったら皆を頼む」
「わかりました。ヴァネッサも、注意するんですよ。敵は空にもいるかもしれません」
「おっけ~。私様の目は誤魔化せんよ!」
目を皿のようにして空をキョロキョロするヴァネッサ。こういうところが可愛いのだが、実際戦う時は八頭身美女に変身してステゴロで戦うのだから人って分からない。
そういえばアイザの言葉で思い出したが、今朝から八咫を見ていない。というか、昨夜の襲撃以前から姿がなかった気がする。周りに人も増えてきて賑やかになったことで、八咫の寡黙さが際立ったように思える。このダンジョンで八咫に出会ってから1回も姿を見なかったのは初めてかもしれない。
「八咫、どこ行ったんだ……」
「ここにいるが」
「うおぉっ!」
知らない間に僕の頭の上に降り立っていたようで、いきなり上から声が聞こえて思わず驚いて変な声が出てしまった。ビクリと跳ねる体の動きを予想していたかのように一度羽ばたいて離れ、再び僕の頭に降りた八咫が嘴の隙間から溜息を吐いた。
「貴様はいつまで経っても危機感がないな」
「何を言う。僕がちゃんと警戒していたから昨夜の襲撃も対応できただろうが」
「常に警戒していろ、という話をしている」
確かに今はちょっと油断していたけれども。けれども。言い返そうとして開いた口を閉じる。八咫の言っていることは事実だったし、何を言ってもこいつは折れない。素直に反省した方が身の為だし、実になる。
「このまま進むと森が切れる。その先にそこのエルフと同じ種族が暮らしている」
「偵察してくれてたのか。悪いな、そんなことやらせてしまって」
「たまたま空を飛びたくなっただけだ」
とか言ってるけれど、それだけじゃないことは皆知ってる。八咫の道案内通りに歩きながら、途中途中で休憩を挟みつつ。太陽が天辺に到達した頃、僕達はシキミの住む里が見える場所へ到着した。
そこは奇妙な場所だった。森の中の拓けた場所、と聞いていたが実際には落ち窪んだ盆地のような場所だった。直径はかなりある。段々に下がった底には地面が広がり、何もないように見えるが目を凝らすとその地面の隙間に密集した家が見える。浅めの地底人みたいな立地だが、妙な違和感を感じる。
段になっている岩壁は道の役割もしているようで、どうやらそこを通って行くしかなさそうだ。
一見すると上からの攻撃に弱い土地のようにも見える。しかしその辺りは色々と工夫があるようで、先程見ていた岩壁にいくつもの見張り台や迎撃装置のようなものが見える。単に大量の矢や魔法を上から浴びせかければ勝ち、という単純な攻撃では落とせそうに無さそうだ。実際、こうして木々の隙間から顔を出しているのも危なっかしくて嫌だ。
顔を引っ込めて振り返ると、アルファから降りたシキミが僕へと視線を向けた。
「では、行ってくるでござる!」
いってらっしゃいのいの字も言う間もなく、一瞬で姿を消したシキミ。服装や言葉も相まってまるでジャパニーズ忍者だな。……ひょっとして忍者なのでは!?
……さて、ここから先が一番大事だ。まずは僕達が敵対勢力でないこと、そして昨夜併合したバイオウルフ達の紹介もしてもらわないといけない。アルファもシキミに懐いてるみたいだし、今のシキミの里での地位がどれくらいのものかはわからないが、もしかしたら一気に駆け上ることになるかもしれないな。
一旦、アルファ達にはこの場で待機してもらっている。いきなり大勢で行っても良いことなんて一つもない。シキミからの連絡待ちではあるが……。
「暇だな……」
「油断」
「してないよ。してない上で、暇だ」
コツンと嘴でつむじを突かれる。意外と痛いのでやめて欲しい。
「十中八九見られてるだろうし、何もできないから暇だ」
「怪しい行動は全て敵対行動に思われるでしょうね」
「ヴァネッサも大人しくしてるんだぞ」
「私様はジッとしてられるタイプの女王だぞ」
あれだけの動きができるシキミの仲間が何もせずにボーっと暮らしているとは思えない。全部把握した上で、僕達は何もせず、ただジッとシキミの連絡を待つのみだった。
寝そべるNo.2……二代目アルファの背中を撫でながら反省しているシキミだが、誰がどう見ても反省の色がなかった。しかしそれよりも馴染んでいることに僕は目を付けていた。敵同士だった種族。しかし今は先代ボスを倒され、新たな群れに従うと宣言したアルファは、文句ひとつなくシキミに撫でられていた。
しかしそんなタイプでここまで生きてこられたのは凄いな……周りが過保護だったのか、運が良かったのか。まぁでも生きているのだから良かった、か。
「ベノムエルフ族とバイオウルフ族、仲良く過ごすんだぞ」
「御意! この調子で湖沼地帯を掌握するでござる!」
先代アルファを始末したのは僕なんだが……でも戦力は増強された訳だし、1強とまではいかないまでも勢力分布的には頭一つ抜けたかもしれない。勢力全然知らないけれど。
僕が倒したアルファだが、魔力石は僕のレッグポーチに仕舞ってある。これをどうするかは今後、ベノムエルフ達と相談だ。
「さて、色々あったが今日はシキミの集落に向かう。場所を確認したら、まずシキミが先触れとして話に行ってくれ。余計な争いは嫌だからな」
「御意でござる!」
ということで僕達はシキミの案内でベノムエルフの集落へと向かうことにした。道中、ぞろぞろと僕達の後をついてくるバイオウルフ達は僕達を襲うことなく、大人しいものだった。二代目アルファ……もうアルファでいいか……アルファはシキミを背に乗せてご機嫌な足取りだった。シキミもシキミで、昨日まで争っていた種族の背中を撫でてご満悦だった。
「昨日の敵は今日の友、か……」
「八咫様は殺伐とした階層だと仰っていましたが、こうして見ると平和に思えます」
「その油断が命取りなのかもしれないな」
「ですね。気を引き締めて行かないと……しかしそれにしても、愛らしい光景です」
アイザは慈愛の目でシキミとアルファを眺めていた。本来のアイザは森で生きる種族だ。狩りを行う狼とは敵対していそうなものだが、そも争いというのが嫌いなんだろうな。娘もいるし、シキミに母性を発揮しているようにも見える。
「何かあったら皆を頼む」
「わかりました。ヴァネッサも、注意するんですよ。敵は空にもいるかもしれません」
「おっけ~。私様の目は誤魔化せんよ!」
目を皿のようにして空をキョロキョロするヴァネッサ。こういうところが可愛いのだが、実際戦う時は八頭身美女に変身してステゴロで戦うのだから人って分からない。
そういえばアイザの言葉で思い出したが、今朝から八咫を見ていない。というか、昨夜の襲撃以前から姿がなかった気がする。周りに人も増えてきて賑やかになったことで、八咫の寡黙さが際立ったように思える。このダンジョンで八咫に出会ってから1回も姿を見なかったのは初めてかもしれない。
「八咫、どこ行ったんだ……」
「ここにいるが」
「うおぉっ!」
知らない間に僕の頭の上に降り立っていたようで、いきなり上から声が聞こえて思わず驚いて変な声が出てしまった。ビクリと跳ねる体の動きを予想していたかのように一度羽ばたいて離れ、再び僕の頭に降りた八咫が嘴の隙間から溜息を吐いた。
「貴様はいつまで経っても危機感がないな」
「何を言う。僕がちゃんと警戒していたから昨夜の襲撃も対応できただろうが」
「常に警戒していろ、という話をしている」
確かに今はちょっと油断していたけれども。けれども。言い返そうとして開いた口を閉じる。八咫の言っていることは事実だったし、何を言ってもこいつは折れない。素直に反省した方が身の為だし、実になる。
「このまま進むと森が切れる。その先にそこのエルフと同じ種族が暮らしている」
「偵察してくれてたのか。悪いな、そんなことやらせてしまって」
「たまたま空を飛びたくなっただけだ」
とか言ってるけれど、それだけじゃないことは皆知ってる。八咫の道案内通りに歩きながら、途中途中で休憩を挟みつつ。太陽が天辺に到達した頃、僕達はシキミの住む里が見える場所へ到着した。
そこは奇妙な場所だった。森の中の拓けた場所、と聞いていたが実際には落ち窪んだ盆地のような場所だった。直径はかなりある。段々に下がった底には地面が広がり、何もないように見えるが目を凝らすとその地面の隙間に密集した家が見える。浅めの地底人みたいな立地だが、妙な違和感を感じる。
段になっている岩壁は道の役割もしているようで、どうやらそこを通って行くしかなさそうだ。
一見すると上からの攻撃に弱い土地のようにも見える。しかしその辺りは色々と工夫があるようで、先程見ていた岩壁にいくつもの見張り台や迎撃装置のようなものが見える。単に大量の矢や魔法を上から浴びせかければ勝ち、という単純な攻撃では落とせそうに無さそうだ。実際、こうして木々の隙間から顔を出しているのも危なっかしくて嫌だ。
顔を引っ込めて振り返ると、アルファから降りたシキミが僕へと視線を向けた。
「では、行ってくるでござる!」
いってらっしゃいのいの字も言う間もなく、一瞬で姿を消したシキミ。服装や言葉も相まってまるでジャパニーズ忍者だな。……ひょっとして忍者なのでは!?
……さて、ここから先が一番大事だ。まずは僕達が敵対勢力でないこと、そして昨夜併合したバイオウルフ達の紹介もしてもらわないといけない。アルファもシキミに懐いてるみたいだし、今のシキミの里での地位がどれくらいのものかはわからないが、もしかしたら一気に駆け上ることになるかもしれないな。
一旦、アルファ達にはこの場で待機してもらっている。いきなり大勢で行っても良いことなんて一つもない。シキミからの連絡待ちではあるが……。
「暇だな……」
「油断」
「してないよ。してない上で、暇だ」
コツンと嘴でつむじを突かれる。意外と痛いのでやめて欲しい。
「十中八九見られてるだろうし、何もできないから暇だ」
「怪しい行動は全て敵対行動に思われるでしょうね」
「ヴァネッサも大人しくしてるんだぞ」
「私様はジッとしてられるタイプの女王だぞ」
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