イタコスタントマンは転生して亡国騎士団長になり獣人王の番になりました

ももっけ

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翌日。
城内の教会で、新たな獣人の長と元騎士団長のヒトの結婚式は厳かに行われた。
俺は簡素な花嫁衣装を纏い、陛下の仇である男と神様の前で誓いの契約を交わした。

ツェリは「いきなり獣人が王座を奪うよりも、ヒトの嫁がいた方が丸く収まるだろう」なんて言っていたけど、事態はそんなに簡単なものだろうか。
俺は名ばかり騎士団長だったから、そう言った政治はあまり詳しくないのだが……。



結婚式を終えると俺はツェリと寝所に向かい、初夜を迎えることになった。

(一度は死んだ魂だ……。潔く散ろう)

心の中で泣きながらベッドに上がると、ツェリに抱きしめられた。
彼に抱きしめられると、なんだか実家の犬に甘えられているようで母性が目覚めそうだった。

「ツェリ……」

彼の名を呼び、そっと額に触れる。
ツェリは目を細めてこちらを見た。
俺は愛犬と同じように、そのツヤツヤとした毛並みの頭を優しく撫でた。

(ああ……俺の可愛い犬……)

次第に俺は恍惚としてツェリの体を抱きしめ返した。
広い背中はふさふさの長い毛が生えており触りごたえがある。

「お前に撫でるられるのは悪くない」
「俺もあなたに触れると幸せな気持ちになる」
「幸せとは、こんな気持ちを言うのだろうか……」

ツェリは俺を抱えてベッドに横になった。

「俺、ツェリのことを知りたい。どんな家で生まれて、どうして革命なんて起こしたんだ?」
「親の記憶はない。
物心着いた頃には奴隷剣闘士になっていた。
剣闘士は最悪の仕事だった。
剣術の教官は日常的に暴力を振るい、怪我をすれば死に繋がる。
それをヒトたちは笑って楽しんでいた。
その後は、仲間の剣闘士たちと共に反乱を起こして、追っ手から逃れるために長い旅をし、次第に自由を求める奴隷たちが周りに集まった。
隣国に武器を支援され、ついに国王を屠って現在に至る」
「なんだか凄く、ドラマティックな人生だ。なんの語ることも無い自分の人生が恥ずかしいよ」
「そんなものなくても、お前は……」

目を閉じたツェリは言葉の途中で突然停止した。、

「……ツェリ? もしかして寝た?」

返事はないようだ。

「おーい、初夜はどうしたんだ。俺、結構覚悟決めて来たんだけど」

返事はないようだ。
そして諦めて、俺もツェリを抱いたまま眠りについた。



翌日、朝起きるとベッドにツェリの姿は無かった。

「ツェリ、どこにいったんだ」

目をこすって部屋を出ると、廊下では武装した獣人たちが走って外へ向かっていった。

(何が起こったのか?)

ラヴァンは気になって彼らの後をついて行った。
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