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「我々の革命を支援していた隣国は、我々を裏切った。
彼らは亡命した王族と騎士団を保護し、大軍を率いてこちらに迫っている。
彼らは己の私利私欲のために王を殺させ、いざ獣人の国が出来れば慌てて潰しに来る愚か者だ。
我々は絶対に降伏しない。
我々には、自由と平等の女神がついている!
必ず彼らを打ち破るのだ!」
剣を掲げたツェリは整列した獣人兵たちの前に立ち、堂々と演説していた。
それは昨夜の可愛らしい犬の顔ではなく、皆が信頼して命を預ける強大なリーダーの顔だった。
(うちの旦那(わんこ)って、かっこいいところあったんだな)
俺は思わず胸に手を当てた。
主なき今、自分は隣国へ亡命するべきなのかもしれない。
だがーー。
「俺を連れて行ってくれ」
俺はツェリのもとへ歩きながら言った。
すると獣人兵達は、
「あれはヒトか?」
「ツェリ様の番じゃないか?」
と口々に言い、ざわついた。
「皆が俺を疑う気持ちはわかる。だが、愛する旦那(わんこ)のために戦いたい」
「ラヴァン……」
「昨日の敵は今日の友という訳では無いが、俺もこの世界の奴隷制度は間違っていると思う。
ツェリと共に過ごして、俺の考え方が変わったんだ。
己の信念をかけて共に戦いたい。どうかお願いだ」
ラヴァンは獣人兵たちを見回した。
みな連日の戦に疲れ身なりはボロボロだが、薬物を飲んでいるように目がギラつき戦いに興奮しているのが伝わってきた。
俺はツェリの前に跪き、彼の手を取りその甲に口付けた。
「ラヴァン、なにをする」
「これはヒトの間では忠誠を示す行為だ。俺の気持ち、受け取って欲しい」
「だが戦場は危険だ。争いを好まないお前にとっては苦痛だろう」
「こんなでも、一応元騎士団長だ。心配するな」
譲らないラヴァンに、ついにツェリはため息を吐き、
「皆聞いてくれ、この者は俺の番である。
昨日、二人でいついかなるときも生死を共にする不変の契約を交わした。
この中にはヒトと共に生きることに抵抗を感じるものもいるだろう。
しかし、どうか耐えてほしい。
無用な争いは憎しみを生む。
少なくとも彼は我々の理解者となってくれたのだ。
共に裏切り者の隣国と戦うのを許してくれるか」
ツェリの言葉を聞いた獣人兵は雄叫びを上げながらラヴァンを歓迎した。
先日まで敵対していた騎士団長をこんなにも暖かく迎えてくれる獣人達に俺は心から感激して涙を流した。
「……ありがとう。必ず革命軍のために尽力すると約束します」
深く頭を垂れ、両手を合わせて神に祈った。
彼らの行く道に、幸多からんことを。
彼らは亡命した王族と騎士団を保護し、大軍を率いてこちらに迫っている。
彼らは己の私利私欲のために王を殺させ、いざ獣人の国が出来れば慌てて潰しに来る愚か者だ。
我々は絶対に降伏しない。
我々には、自由と平等の女神がついている!
必ず彼らを打ち破るのだ!」
剣を掲げたツェリは整列した獣人兵たちの前に立ち、堂々と演説していた。
それは昨夜の可愛らしい犬の顔ではなく、皆が信頼して命を預ける強大なリーダーの顔だった。
(うちの旦那(わんこ)って、かっこいいところあったんだな)
俺は思わず胸に手を当てた。
主なき今、自分は隣国へ亡命するべきなのかもしれない。
だがーー。
「俺を連れて行ってくれ」
俺はツェリのもとへ歩きながら言った。
すると獣人兵達は、
「あれはヒトか?」
「ツェリ様の番じゃないか?」
と口々に言い、ざわついた。
「皆が俺を疑う気持ちはわかる。だが、愛する旦那(わんこ)のために戦いたい」
「ラヴァン……」
「昨日の敵は今日の友という訳では無いが、俺もこの世界の奴隷制度は間違っていると思う。
ツェリと共に過ごして、俺の考え方が変わったんだ。
己の信念をかけて共に戦いたい。どうかお願いだ」
ラヴァンは獣人兵たちを見回した。
みな連日の戦に疲れ身なりはボロボロだが、薬物を飲んでいるように目がギラつき戦いに興奮しているのが伝わってきた。
俺はツェリの前に跪き、彼の手を取りその甲に口付けた。
「ラヴァン、なにをする」
「これはヒトの間では忠誠を示す行為だ。俺の気持ち、受け取って欲しい」
「だが戦場は危険だ。争いを好まないお前にとっては苦痛だろう」
「こんなでも、一応元騎士団長だ。心配するな」
譲らないラヴァンに、ついにツェリはため息を吐き、
「皆聞いてくれ、この者は俺の番である。
昨日、二人でいついかなるときも生死を共にする不変の契約を交わした。
この中にはヒトと共に生きることに抵抗を感じるものもいるだろう。
しかし、どうか耐えてほしい。
無用な争いは憎しみを生む。
少なくとも彼は我々の理解者となってくれたのだ。
共に裏切り者の隣国と戦うのを許してくれるか」
ツェリの言葉を聞いた獣人兵は雄叫びを上げながらラヴァンを歓迎した。
先日まで敵対していた騎士団長をこんなにも暖かく迎えてくれる獣人達に俺は心から感激して涙を流した。
「……ありがとう。必ず革命軍のために尽力すると約束します」
深く頭を垂れ、両手を合わせて神に祈った。
彼らの行く道に、幸多からんことを。
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