俺の奴隷は王子様

ももっけ

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第六話

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「うぅ……フレイ……やだ……」
「すまないシーシャ……すまない……」

謝りながらもフレイは何度も俺の中を突き上げる。

「あっ……あんっ……そこグリグリしちゃだめっ……!」
「わかった」

頷いて、今度は俺がだめといったところばかりを狙って突き上げ始めた。
この使えない奴隷め、あとでお仕置きしてやらないと。
そう思いながらも、次第に激しさを増す交合に俺の鳴き声も甘くなっていく。
だめになっちゃうところ、ゴツゴツ突かれて頭が馬鹿になっちゃいそう。

「シーシャ、一緒にいこう」
「ぅんっ……フレイ、キスしてっ……!」

俺は腰をガツガツと振りながら見下ろしてくる男の首に腕を回した。
フレイは中の肉棒を大きくしながら、俺の唇に口づけた。
お互いに舌を伸ばして絡め合う。
上も下も深く繋がりながら、俺は限界を迎えた。

「ああっ……!」

彼が深く突きこんだ瞬間、俺の陰茎から白濁液が飛び出した。
震える腰を掴んで抑え込んだフレイは、奥の奥まで子種を注ぎ込んだ。
俺の中にフレイの体温を感じる。
いま腹の中に、彼がいるんだ。

口づけを解いた二人の間には、どちらのものともわからない唾液の糸が引いていた。
俺は名前のわからない幸福感に酔いながら、そっと目を閉じた。



あれから俺達は、時々体を重ねるようになった。
基本的に俺から誘うが、たいてい気付いたらフレイに貪られている。
そして翌朝にはあまりの腰の痛みに彼を誘ったことを後悔するのだ。


今日も俺は痛む腰をさすりながら出勤した。
そして正妃さまから直接用事を頼まれた。
内容は、第二王子への手紙を届けてほしいという簡単なものだ。
俺は仕事を奴隷に押し付けようと思い、フレイが居そうな場所を探してみたが見つからない。
肝心な時に使えないやつだ。
渋々、俺は第二王子がいる執務室へと向かった。


目的地に到着すると、部屋の前で警護する騎士に用事を言って中に入れてもらった。
相変わらず生意気そうな顔をした王子は、執務室の柔らかそうな椅子の上でふんぞり返っている。
彼の机の上には書類の一枚もない。
きっと部下にすべて押し付けているのだろう。

「こちらが正妃さまから預かったお手紙です」

俺は彼の机に手紙を置いて、さっさと部屋を出ようとした。
だが、扉の前に騎士が立ちふさがった。

「どういうつもりですか殿下」

騎士と向き合って立ち止まる俺に、後ろにいる王子は笑い声をあげた。

「あははっ、……どうやら君は懲りてないみたいだな。今までは兄様の足を引っ張ってくれてたから見逃してたけど、最近は様子がおかしい。あいつに何をしやがったんだ?」
「俺はなにもしていない」

そう、時々体を重ねるようになった以外は何も変化していない。

「兄様が同盟国に婿入りするという話を一方的に破棄しやがった。せっかくあいつをこの国から追い出せるはずだったのに。どうやらよっぽどお前が大切らしい。ケン、そいつを拘束しろ」

王子の命令を受けて、俺の前に立ちふさがっていた騎士に腕を掴んできた。
ケンと呼ばれた騎士の顔を見ると、俺はようやく彼が第一騎士団の副団長であることに気付いた。
さすがに鍛え上げられた副団長の力には叶わず、俺は彼に床に転がされる。
そして素早く手足を縛り上げられた。

「覚えてるか? 二年前、貴様がレイプされたときのことだ」

第二王子は俺を見下ろして言った。

「あの時の兄様の顔は最高だったな。……入ってこい」

王子が部屋の外に向かって呼びかけると、何人もの騎士が部屋に入ってきた。
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