現(うつつ)の夢

しらかわからし

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第2章 静かなまなざしで、未来を見守る

第23話:お金と心のあいだで

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外国人クラブで働くお姉さんたちと客との関係は、基本的には「お金」で結ばれたものだ。龍児は日々の仕事の中で、その現実を肌で感じていた。常連として頻繁に顔を出してくれる客の存在は、お姉さんたちにとってありがたいものだ。だが、その関係は非常に脆く、金の切れ目が縁の切れ目になることも少なくない。

客の来店理由はさまざまだ。酔って騒ぎたい人、誰かの前で格好をつけたい人、落ち込んで慰めを求める人——だが、実際には一人で来店し、特定のお姉さんと静かに過ごすことを目的とする客が多い。中には、ただ話を聞いてほしいという人もいるが、それはごく少数派だった。

では、お姉さんたちは客のことをどう思っているのか。もちろん、指名して通ってくれる客には感謝の気持ちを持っている。だが、それが恋愛感情に発展するかどうかは、まったく別の話だ。

龍児が見てきた限りでは、客に恋をするタイプのお姉さんと、完全に割り切って接客するタイプのお姉さんがいた。前者は、比較的アルバイト感覚で働いている若い女性に多く、優しくされたり、タイプの男性だったりすると、自然と好意を抱くこともあるという。実際、以前婚約を破棄されたお姉さんも、客に恋をしてしまう傾向があった。

一方、後者はプロ意識が高く、仕事とプライベートをきっちり分けている。客に対しては丁寧で親切だが、あくまで「サービス」としての対応であり、私生活では一切の関わりを持たない。営業の連絡も月末にまとめて行うだけで、普段は連絡を取らないという人もいた。

「この人はいい人だから、少し優しくしよう」——そう思うことはあっても、恋愛感情に発展することはまずない。たとえ指名を受けて親密な時間を過ごしたとしても、心は別の場所にある。そうした割り切りが、彼女たちの接客を支えているのだ。

さらに、外国人クラブで働く多くのお姉さんたちは、いずれ自分の国に帰る予定を持っている。限られた時間の中で、すべての客に感情を込めて接していたら、心が持たない。だからこそ、どんなに親密な時間を過ごしても、それは「仕事」としての一幕に過ぎない。
もちろん、人間である以上、真心を込めた接し方をすれば、何かが返ってくることもある。だが、それはあくまで「稀な例」であり、期待しすぎるのは賢明ではない——龍児はそう感じていた。

お姉さんたちは、日々の接客の中で多くの顔を見て、多くの言葉を交わす。その中で、心を守る術を自然と身につけていく。龍児は、そんな彼女たちの姿を見ながら、人との距離の取り方や、感情の扱い方について、少しずつ学んでいた。
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