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オーガさん、魔女の人生について考える
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(親を殺したかもしれない、それも魔物に何の躊躇いもなくついて行くあたり……体だけでなく心や思考もとっくの昔に壊れていたんだろうな)
「おい、まだ生殖機能は残っているんだろう?」
「うーん?どうだろ?」
「…なに?」
「いやーね?実はもう子供が作れないかも知れないんだよね。もう3ヶ月くらい生理も来てないし、妊娠の気配もないんだー」
「早く言え。おまえはもう用済みだ」
「えっ?」
グランツは振り向き様に魔女の首を吹き飛ばした。
「……」
そして、糸が切れたように地面へ倒れ臥す魔女の腹に爪を立て引き裂くようにこじ開けた。
「…ちっ、くそがっ。子宮どころか内臓すら殆ど見分けがつかない程ズタボロじゃねぇか」
グランツは臓物がグチャグチャになっていた魔女の死体を地面へ放り投げた。すると、偶然肺の骨が胃に刺さったのか、胃が破れ内容物が流れ出してきた。
「魔力が溜まっていて死ぬに死にきれなかったのか?って…ん?この胃、胃液と精液しか溜まってないじゃないか。魔女ってのは、ほとほと人間離れしているな」
グランツは魔女のマントを剥ぎ取り、口に水を含んだ際に試験管に残った水を使い手を洗った。
「これで一本目の試験管は空になったな。途中に何か水源があれば水を入れるか…」
グランツは空になった試験管を保持ベルトへ差し込み、手を拭いた外套を魔女の死体へ掛けた。
「魔女の親が悪いのか、孕ませ続けた村人が悪いのか。それとも…魔女を作らなくてはならない人間が悪いのか…」
恐らく。普通の村や町に産まれていたならば、その美貌により何不自由ない暮らしを約束されたであろう魔女の女。それが、
『あの親の下に産まれた』
というたったそれだけの事でこんな事になっていた。
「しかし、あれだけの壮絶で凄絶な人生を歩む羽目になってもたったあれだけの魔力しか得られないのか…」
グランツが何より気の毒に思っていたのはその魔力量だった。
「あれだけじゃ、ようやく人間の体の一部に軽度の火傷を負わせられるくらいだろ」
軽度の火傷と聞くとそれ程でも無い気がして来るが、人間同士の争いに於いては
『戦闘で使える』というだけで大変重宝される。
何故なら、ドーピングの作用だけでも重宝されるのに、そこへ『火傷を負わせられる』という付加価値がつくからだ。
一般人にとって魔丸薬とは『ドーピング兼種火発動薬』だ。その種火に比べれば火傷を負わせられる事がどれほど貴重な戦力かは言わずもがな。
しかし、それはあくまで『人間同士』での話だ。
「あの程度の魔力で出せる魔法なんて魔王領の女性が使う100均の産毛処理ライターにも満たない威力だろうなぁ」
「…そういえばあの女、確か村の男性全員の相手をした。と言ってたな…。と言うことは、もしかすると魔女は一つの村に一人?ないしはその母親を合わせて二人か……?いや、それなら何故母親の話をしなかったんだ?19やそこらの娘がいたとしてもまだ子供を作れる年だろうに…。それに…」
グランツが魔女の死体の元から去って10分程たった時、バサリ。と布が地面に落ちる音が微かに聞こえてきた。
「ん?」
すると、ペタペタと素足で地面を蹴る音がグランツの方へ向かってきた
「まさか!」
グランツが振り返ると、そこには首をすっ飛ばし腹を裂いた筈の魔女がものすごい速さで向かって来ていた
「…やはり…!あの女、既に俺の咆哮で死んでいたんだ!」
グランツは飛びかかって来た魔女を迎え打ちその長剣で両断した。魔女の両断体はグランツの頭上を飛び越し地面へ落下した。
「あの内臓の損傷は俺の咆哮の振動でグチャグチャになっていたんだ。そしてその状態で動けたとしてもゾンビならば、何ら不思議はない…。俺の発散される魔力に当てられ無いのも納得が行くし、ゾンビになるまでの速さもだ」
グランツは血振りをして長剣を背中の鞘に納めた。
「母親の話をしなかったんじゃない。母親を知らなかったんだ…。それもそうだ。こんなにも早くゾンビになるなら、子供が産めなくなった時点でさっさと殺す方がいいもんな。使えなくなった熟れた体よりハリのある若い体のほうがいいのは俺も同じだ」
グランツは魔女の死体へ手を翳し、火系統の微魔法で死体を焼失させた。
「今度からは魔女と分かった時点で燃やそない…と……。あれ?もしかして意志疎通が出来るゾンビって凄く有用なんじゃ……」
…あっちゃー!やっちまったー!?
「おい、まだ生殖機能は残っているんだろう?」
「うーん?どうだろ?」
「…なに?」
「いやーね?実はもう子供が作れないかも知れないんだよね。もう3ヶ月くらい生理も来てないし、妊娠の気配もないんだー」
「早く言え。おまえはもう用済みだ」
「えっ?」
グランツは振り向き様に魔女の首を吹き飛ばした。
「……」
そして、糸が切れたように地面へ倒れ臥す魔女の腹に爪を立て引き裂くようにこじ開けた。
「…ちっ、くそがっ。子宮どころか内臓すら殆ど見分けがつかない程ズタボロじゃねぇか」
グランツは臓物がグチャグチャになっていた魔女の死体を地面へ放り投げた。すると、偶然肺の骨が胃に刺さったのか、胃が破れ内容物が流れ出してきた。
「魔力が溜まっていて死ぬに死にきれなかったのか?って…ん?この胃、胃液と精液しか溜まってないじゃないか。魔女ってのは、ほとほと人間離れしているな」
グランツは魔女のマントを剥ぎ取り、口に水を含んだ際に試験管に残った水を使い手を洗った。
「これで一本目の試験管は空になったな。途中に何か水源があれば水を入れるか…」
グランツは空になった試験管を保持ベルトへ差し込み、手を拭いた外套を魔女の死体へ掛けた。
「魔女の親が悪いのか、孕ませ続けた村人が悪いのか。それとも…魔女を作らなくてはならない人間が悪いのか…」
恐らく。普通の村や町に産まれていたならば、その美貌により何不自由ない暮らしを約束されたであろう魔女の女。それが、
『あの親の下に産まれた』
というたったそれだけの事でこんな事になっていた。
「しかし、あれだけの壮絶で凄絶な人生を歩む羽目になってもたったあれだけの魔力しか得られないのか…」
グランツが何より気の毒に思っていたのはその魔力量だった。
「あれだけじゃ、ようやく人間の体の一部に軽度の火傷を負わせられるくらいだろ」
軽度の火傷と聞くとそれ程でも無い気がして来るが、人間同士の争いに於いては
『戦闘で使える』というだけで大変重宝される。
何故なら、ドーピングの作用だけでも重宝されるのに、そこへ『火傷を負わせられる』という付加価値がつくからだ。
一般人にとって魔丸薬とは『ドーピング兼種火発動薬』だ。その種火に比べれば火傷を負わせられる事がどれほど貴重な戦力かは言わずもがな。
しかし、それはあくまで『人間同士』での話だ。
「あの程度の魔力で出せる魔法なんて魔王領の女性が使う100均の産毛処理ライターにも満たない威力だろうなぁ」
「…そういえばあの女、確か村の男性全員の相手をした。と言ってたな…。と言うことは、もしかすると魔女は一つの村に一人?ないしはその母親を合わせて二人か……?いや、それなら何故母親の話をしなかったんだ?19やそこらの娘がいたとしてもまだ子供を作れる年だろうに…。それに…」
グランツが魔女の死体の元から去って10分程たった時、バサリ。と布が地面に落ちる音が微かに聞こえてきた。
「ん?」
すると、ペタペタと素足で地面を蹴る音がグランツの方へ向かってきた
「まさか!」
グランツが振り返ると、そこには首をすっ飛ばし腹を裂いた筈の魔女がものすごい速さで向かって来ていた
「…やはり…!あの女、既に俺の咆哮で死んでいたんだ!」
グランツは飛びかかって来た魔女を迎え打ちその長剣で両断した。魔女の両断体はグランツの頭上を飛び越し地面へ落下した。
「あの内臓の損傷は俺の咆哮の振動でグチャグチャになっていたんだ。そしてその状態で動けたとしてもゾンビならば、何ら不思議はない…。俺の発散される魔力に当てられ無いのも納得が行くし、ゾンビになるまでの速さもだ」
グランツは血振りをして長剣を背中の鞘に納めた。
「母親の話をしなかったんじゃない。母親を知らなかったんだ…。それもそうだ。こんなにも早くゾンビになるなら、子供が産めなくなった時点でさっさと殺す方がいいもんな。使えなくなった熟れた体よりハリのある若い体のほうがいいのは俺も同じだ」
グランツは魔女の死体へ手を翳し、火系統の微魔法で死体を焼失させた。
「今度からは魔女と分かった時点で燃やそない…と……。あれ?もしかして意志疎通が出来るゾンビって凄く有用なんじゃ……」
…あっちゃー!やっちまったー!?
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