陰陽師と結ばれた縁

サクサク

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終わりと始まり

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すでにある程度準備をして整えていた雪華にお礼を言い、雪華と蒼月の力を借りて早急に禊をする。
冷たい水で頭から、何度か水をかぶる。

「ひぇっ・・・・うぅーー・・・・。」

冷たい・・・・。こればかりは本当に慣れない。
一気に体温が奪われていく感じと、色々なものが研ぎ澄まされていく感覚を感じる。
朱桜に髪の毛を乾かしてもらい、準備された衣装に着替えていく。
敦成さまには、宮様の執務に問題がないのでしたらいらしても構いません。
と伝言を頼んだ。
そうは言っても、高確率で来るだろうな。って思っている。

腰巻、肌襦袢、白い小袖、緋袴、絹でできた千早の前を胸紐で結ぶ。
神は後ろで一つにまとめ、和紙の上から水引で結ぶ。

鈴をもち準備ができると、蒼月にそのまま絢音の元へ連れて行ってもらう事にした。
絢音がいる電車の前庭には、祭壇が準備されていた。
陰陽頭、さすがに準備が早い。
章平さまを見つけると、少し離れた所から声をかける。

「章平さま、準備ありがとうございます。」
「いいよ。姫さん、それより肝心の火はどうするんだ?」
「それは朱雀につけて貰うので大丈夫です。騰蛇を喚ぶほどではないので。」
「と、うだ殿を?前から思っていたんだけど、姫さん神将達と仲がかなりいい?」
「え?そうですね。私のそばにいる4人は産まれた頃から世話役としてそばにいてくれます。朱雀と白虎は基本的に護衛を、玄武と青龍には舞を、騰蛇には武術を教え込まれました。」
「何その環境・・・・。」
「ふふ。まぁ私は章平さまと同じ特殊な一族の子供ですので。色々と制約はあるでしょう?」

くすくすと笑えば、目の端に春宮さまの姿を映した。
章平さまに一言謝罪を入れ、春宮さまの元へと向かう。

「宮さま、色入れと根回しをしてくださりまして、ありがとうございます。」
「本当は、私が菊華の傍で準備をしたかったのだけれどね。」
「宮さまには、宮さまにしか出来ないことをしていただかないと、敦成さまをはじめとする多くの方々が困りますから。そうなれば、もちろん私も困ります。」
「菊華の君!準備ができました。」

陰陽頭に声をかけられて振り返れば、絢音も見える位置に座っている。

「では、行って参りますね。」

そう、春宮さまに伝えると祭壇の前に立つ。

「朱雀。」
「ここに。」
「浄化の炎を。」

そう言えば、組まれた木材に次々と火が灯る。



ーーーー絢の君、藤原真音殿。

心の中でその名を紡げばふわりと女性が現れ、絢音がぴくりと反応を示す。
大丈夫だと微笑みかけ、シャン!と静かに鈴を鳴らす。
ゆっくりと印を踏み、軽やかに舞う。

ーーーどうか、この二つの御霊が天へ昇れますように。
ーーー輪廻の輪に戻れますように。

霊力、新緑を徐々に解放しながら炎の前で舞い続ける。
地を蹴るたび、舞うたび、私を中心に風が生まれる。

ーーー来世は幸せな家庭が築けますよう。
ーーー再び巡り逢えるように。
ーーー苦しみなど無いのだと、気づきますように。

全身全霊で祈り、風にのせ2人を送る。

ーーー藤原真音殿、絢の君どうか・・・・、どうかとらわれている楔から解放されますよう。

次第に風は強まり、そして絢音・・・・真音と絢の君の体が光に包まれる。
天からは光が降り注ぎ、光の道をつくる。
もう大丈夫だと、心配ないと微笑むと、真音は絢の君の姿に泣きそうで嬉しそうな表情をしていた。

〈陰陽師のお姫様。ありがとうございます。〉
〈ご迷惑をおかけして申し訳ない。妻に逢わせてくださりありがとうございます。〉

それぞれかけられた言葉に、笑みをこぼす。
もう、大丈夫。
2人一緒だから、上でお子さん達も待っていると伝えると驚かれたが2人は頭を下げて昇っていった。

もう少し。
伝う汗と、弾む息に多少の苦しさは感じるものの舞続ける。
あれ?
晴明さまも来られたのだと、今更ながら気づく。

〈ひぃさま、そのまま力を都全体に解放することができますか?〉

背後にピッタリと寄り添い、同じように舞い始めた蒼月に素直に頷く。
大きく鈴を鳴らし、力を都全体に行き渡るように解放する。
渦巻いていた風は一気に私を中心として広がり、春一番のような強風を都全体を駆け巡らせた。
琥珀に送らせた風と一緒い広がったので、重いもの、悪きものは一掃できたはずだ。
あとは、章平さまに都の状況を見てきてもらおうかな?
と決め、静かに舞を終わらせた。
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