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第一章 イルネラの街
03 三日目
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彼の魔具はどうなっているのかと思う。
昨日はいくつかに別れた火炎がギルネラを追いかけている様に見えたし、今も木の上から正確にガマを狩っている。
だが結局、考えても分からない奴の事は置いておいて、左手を使ってガマを狩ってみる。
片手剣を使っている時より、多少小振りな双剣は使いやすいので、左手でも何とかなると思い始めた頃、また木の上から声がする。
「お前、そろそろ視覚に頼って剣を振るのを止めろ、目で見た物を斬ろうとするから、無駄な動きが多すぎる」
「何だって?」
「魔物は魔力を持ってるんだ、どんな魔物でも攻撃する時は魔力が動く。それを感じろよ、お前だって人を相手にする時はそうしているだろう? それと同じだ」
確かに人に対してはそうだが、こんな小さな魔物の僅かな魔力の動きを感じるのは難しい。
「そんな事、出来る訳ないだろう!」
「出来なくてもヤレ、たかが“ガマ狩り”でもどんどん厳しくなるぞ」
そう言われると、昨日よりガマの動きがいいような気がする。
「どう言うことだよ!」
「こいつらは学習するんだ、同じ沼地で狩っていると、気がついた時はガマの毒に侵されて動けなくなっていたりする」
「冗談だろ?」
「だが練習にはちょうどいい、早くやれよ!」
「分かってるが、こんな事をしていたら、魔力が無くなる」
「お前、沼地のガマの数でも数えているのか? 相手と自分の間合いを考えろよ、必要のない所まで感じる必要はない」
確かに”ガマ”の毒が届く距離も、こちらの攻撃が当たる距離も限りがある。
だが簡単に言われても、慣れないと見落とすし、混乱すると余計に沼に足を取られる。
「くそ!」
「お前、本当に無駄な動きが多いな、後ろを向くのにどうして両足が動くんだ、そんな事をしているから足をとられる」
「そんなに言うなら、お前がやってみろ」
「俺には必要が無いのに、どうして俺がわざわざガマを狩らねばならん。無駄な事を言っていないで、さっさと集中しろ、ギルネラが来るぞ」
くそ!
今までに散々魔力を使っているのに、硬いギルネラを狩るには魔力でさらに剣を強化する必要がある。
彼の火炎がギルネラを倒すことは分かっているが、確実に何匹かは自分の方にやって来るのも知っている。
なんとか五匹のギルネラを狩るが、沼地を出た時は昨日の倍は疲れている。
「お前、剣を棍棒と同じように強化してどうするんだ」
「どう言う意味だよ」
「魔物を斬るのは刃なんだから、そこだけに魔力を流せばいい、全体を強化する必要など無いだろ? そんな効率の悪い事をするから魔力が枯渇する」
言うのは簡単だ。
「自分でやってみろよ」
「何故だ。剣の練習が必要なのはお前で、俺では無い。俺はこっちを使いたい」
左手に付けた火炎の魔具をみせる。
まさかあれだけ魔物を狩れるのに、使い慣れていないのだろうか?
剣や弓などの魔具は、通常の武器と形が同じなので使い方に困ることは無いが、火炎や雷電などの魔具は自在に使えるようになるまで時間がかかる。
慣れない魔具を使う場合は、どうしても威力を落として使用する事になるはずで、数十匹のギルネラを一度に落とせるとは考えにくい。
「まぁ、今日は仕方ない。明日、ちゃんとやれよ」
「明日も来るのかよ」
「当たり前だろ、何のためにガマ狩りをしていると思ってたんだ」
「ギルネラの為だろ?」
「お前なぁ、ギルネラを千匹狩っても支払いには足りないぞ。お前がもう少し使えないと、面白くないからに決まっているだろう」
腹が立つのに言い返す言葉が出てこない。
だが翌日になると、ガマの魔力を追えるようになり随分楽になる。
「右側にちょっと強い魔力を持ったのがいるだろう? そいつを狩るなよ」
「何故だ」
「こいつが学習して、それが群に広がる。狩すぎるとガマ狩りの意味が無くなるからな」
するとその周辺のガマの色が、どんどん変わっていく。
「おい、強い奴が増えて行くぞ」
「だから言っただろ、広がるって」
「くそ、そう言う意味かよ」
だから最初のうち、自分の周りでは無く少し離れた所にいるガマを殺していたのか。
群れが強くなり過ぎ無いためだったのかも知れないが、相変わらず木の上から、ダメ出しされていては感謝する気にもならない。
集まって来た“ギルネラ”を狩り、三日目が終わろうとしているので聞いてみる。
「おい、どうするつもりなんだ」
「何がだ」
「ギルネラを千匹狩っても支払いに足りないんだろ? この調子で間に合うのか?」
「まぁ、無理だろうな」
「魔具屋は、七日後が期限なんだろ?」
「そうだな」
「お前、何か渡してただろ? 大切な物じゃ無かったのか?」
「何だ、気にしているのか?」
「別に、、、だけど俺の剣や保管箱を買うためだったし、支払いが間に合わないのは嫌だ」
「なら、明日のガマ狩りは一人でやってみせろよ」
今日の調子なら何とかなるかも知れない。リーダーの見分け方も分かったので、手に負えなくなりそうなら、周りが学習する前にソイツを狙えばいい。
昨日はいくつかに別れた火炎がギルネラを追いかけている様に見えたし、今も木の上から正確にガマを狩っている。
だが結局、考えても分からない奴の事は置いておいて、左手を使ってガマを狩ってみる。
片手剣を使っている時より、多少小振りな双剣は使いやすいので、左手でも何とかなると思い始めた頃、また木の上から声がする。
「お前、そろそろ視覚に頼って剣を振るのを止めろ、目で見た物を斬ろうとするから、無駄な動きが多すぎる」
「何だって?」
「魔物は魔力を持ってるんだ、どんな魔物でも攻撃する時は魔力が動く。それを感じろよ、お前だって人を相手にする時はそうしているだろう? それと同じだ」
確かに人に対してはそうだが、こんな小さな魔物の僅かな魔力の動きを感じるのは難しい。
「そんな事、出来る訳ないだろう!」
「出来なくてもヤレ、たかが“ガマ狩り”でもどんどん厳しくなるぞ」
そう言われると、昨日よりガマの動きがいいような気がする。
「どう言うことだよ!」
「こいつらは学習するんだ、同じ沼地で狩っていると、気がついた時はガマの毒に侵されて動けなくなっていたりする」
「冗談だろ?」
「だが練習にはちょうどいい、早くやれよ!」
「分かってるが、こんな事をしていたら、魔力が無くなる」
「お前、沼地のガマの数でも数えているのか? 相手と自分の間合いを考えろよ、必要のない所まで感じる必要はない」
確かに”ガマ”の毒が届く距離も、こちらの攻撃が当たる距離も限りがある。
だが簡単に言われても、慣れないと見落とすし、混乱すると余計に沼に足を取られる。
「くそ!」
「お前、本当に無駄な動きが多いな、後ろを向くのにどうして両足が動くんだ、そんな事をしているから足をとられる」
「そんなに言うなら、お前がやってみろ」
「俺には必要が無いのに、どうして俺がわざわざガマを狩らねばならん。無駄な事を言っていないで、さっさと集中しろ、ギルネラが来るぞ」
くそ!
今までに散々魔力を使っているのに、硬いギルネラを狩るには魔力でさらに剣を強化する必要がある。
彼の火炎がギルネラを倒すことは分かっているが、確実に何匹かは自分の方にやって来るのも知っている。
なんとか五匹のギルネラを狩るが、沼地を出た時は昨日の倍は疲れている。
「お前、剣を棍棒と同じように強化してどうするんだ」
「どう言う意味だよ」
「魔物を斬るのは刃なんだから、そこだけに魔力を流せばいい、全体を強化する必要など無いだろ? そんな効率の悪い事をするから魔力が枯渇する」
言うのは簡単だ。
「自分でやってみろよ」
「何故だ。剣の練習が必要なのはお前で、俺では無い。俺はこっちを使いたい」
左手に付けた火炎の魔具をみせる。
まさかあれだけ魔物を狩れるのに、使い慣れていないのだろうか?
剣や弓などの魔具は、通常の武器と形が同じなので使い方に困ることは無いが、火炎や雷電などの魔具は自在に使えるようになるまで時間がかかる。
慣れない魔具を使う場合は、どうしても威力を落として使用する事になるはずで、数十匹のギルネラを一度に落とせるとは考えにくい。
「まぁ、今日は仕方ない。明日、ちゃんとやれよ」
「明日も来るのかよ」
「当たり前だろ、何のためにガマ狩りをしていると思ってたんだ」
「ギルネラの為だろ?」
「お前なぁ、ギルネラを千匹狩っても支払いには足りないぞ。お前がもう少し使えないと、面白くないからに決まっているだろう」
腹が立つのに言い返す言葉が出てこない。
だが翌日になると、ガマの魔力を追えるようになり随分楽になる。
「右側にちょっと強い魔力を持ったのがいるだろう? そいつを狩るなよ」
「何故だ」
「こいつが学習して、それが群に広がる。狩すぎるとガマ狩りの意味が無くなるからな」
するとその周辺のガマの色が、どんどん変わっていく。
「おい、強い奴が増えて行くぞ」
「だから言っただろ、広がるって」
「くそ、そう言う意味かよ」
だから最初のうち、自分の周りでは無く少し離れた所にいるガマを殺していたのか。
群れが強くなり過ぎ無いためだったのかも知れないが、相変わらず木の上から、ダメ出しされていては感謝する気にもならない。
集まって来た“ギルネラ”を狩り、三日目が終わろうとしているので聞いてみる。
「おい、どうするつもりなんだ」
「何がだ」
「ギルネラを千匹狩っても支払いに足りないんだろ? この調子で間に合うのか?」
「まぁ、無理だろうな」
「魔具屋は、七日後が期限なんだろ?」
「そうだな」
「お前、何か渡してただろ? 大切な物じゃ無かったのか?」
「何だ、気にしているのか?」
「別に、、、だけど俺の剣や保管箱を買うためだったし、支払いが間に合わないのは嫌だ」
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