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第4章
06 ミリオネアへ
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「なんだか声が聞こえるような気がしない?」
「声?」
「そう」
「そうかしら? 何も聞こえないような気がするけど。 お願いよ、リディア、幻聴が聞こえるなんて言わないでね」
「まぁ、どうして?」
「今まで大変だったでしょう? いくら私の侍女のふりって言っても、食事の準備や洗濯までする必要ないのに」
「あら、面白かったわよ。それに結局私は、たいしたこと出来ないしね」
リングを持っていないので、魔道具を使う作業になるとリディアは全く役に立たない。
「もういいでしょう?」
「そうね、リディって名前も気に入っていたけど」
父も気を付けるのは、エルメニア国内だと言っていた、ミリオネアに行けば問題ないと。
それにエルスおじ様が側にいれば、誰も自分に近づくことなど出来はしない。
アレス様はとっても嫌な顔をしていたけれど、、、
アレス様が自分に特別な感情を持ってくれているのも、今では分かる。
こうして私をミリオネアに連れて来てくれた意味も。
只、気がついてしまうとアレス様に感じる感情と、彼に感じる気持ちは全く違うものだ。
そうであれば、必要以上にアレス様に甘えることは出来ないし、出来ればこの旅で、彼には利益になる物を見つけたい。
「あら、船が動き出したわ。甲板に行ってみない?」
「相変わらずね、私はこの揺れが苦手、もう少し休んでいるわ、リディアは行って頂戴」
「分かったわ」
そう言って船の甲板にでる。
ウエストリアには、イリノアの南にモロコと呼ばれる湖がある。
船にも乗ったことはあるが、大きさも乗っている人の多さも比べものにならない。
不思議な潮の香りと船の周りで起こる波音。
船の先には、リュートを演奏する人がいて、見事な音色も聞こえてくる。
「まぁ、素敵」
目の前に広がる海は、本で読むのとは全く違っている。
「確かに、これは森にいてはみる事が出来ないな」
「おじ様」
「リディ、僕の名前は、カイだよ」
「もう構わないでしょう?」
「知りたくない人が、いるかも知れないじゃぁないか」
「本気で言っているの?」
「なんだ、面白くない」
「おじ様も海は初めてなの?」
「見たことないね、それこそ、砂の海なら覚えているけどね」
しばらく波の音を聞きながら、父とおじ様が出会った頃の話を聞く。
自分が王都の外で暮らしていたこと、その時に父と知り合い、ウエストリアに来ることになった話。
「島が見えてきましたよ」
アレス様が近づいてきて、教えてくれる。
「あゝ、そのようだね」
「一応、確認なのですが、どちらの名前でお呼びすればよろしいですか?」
「好きな方で構わないよ」
「分かりました、では、エリス様と」
「うん、しばらく世話になるよ」
「しかし、早いな」
「何が、ですか?」
「ミリオネアとの距離だよ。港を出てから数時間だ、これほど近いとは思っていなかったよ」
「そうですね、今日は精霊達が歓迎しているとマルゼスも言っています、ほとんど彼の力を使っていないと」
「どういう意味だ」
「彼は風の精霊の中でも、上位の精霊を契約しています。もちろんリュートを気にいった精霊も力を貸してくれますが、こうした上位の精霊と契約した方が確実なので」
「つまりその契約した精霊の力を使っていないのに、船が進んでいる訳だ」
「ええ、その通りです」
アレス様と話していたおじ様が、嫌な顔をする。
何となくアレス様の事は気に入っているようなのに、何か他に気になる事でもあるのかしら?
これで私まで幻聴が聞こえるなんて口にしたら、ますますおじ様の機嫌が悪くなりそう。
「声?」
「そう」
「そうかしら? 何も聞こえないような気がするけど。 お願いよ、リディア、幻聴が聞こえるなんて言わないでね」
「まぁ、どうして?」
「今まで大変だったでしょう? いくら私の侍女のふりって言っても、食事の準備や洗濯までする必要ないのに」
「あら、面白かったわよ。それに結局私は、たいしたこと出来ないしね」
リングを持っていないので、魔道具を使う作業になるとリディアは全く役に立たない。
「もういいでしょう?」
「そうね、リディって名前も気に入っていたけど」
父も気を付けるのは、エルメニア国内だと言っていた、ミリオネアに行けば問題ないと。
それにエルスおじ様が側にいれば、誰も自分に近づくことなど出来はしない。
アレス様はとっても嫌な顔をしていたけれど、、、
アレス様が自分に特別な感情を持ってくれているのも、今では分かる。
こうして私をミリオネアに連れて来てくれた意味も。
只、気がついてしまうとアレス様に感じる感情と、彼に感じる気持ちは全く違うものだ。
そうであれば、必要以上にアレス様に甘えることは出来ないし、出来ればこの旅で、彼には利益になる物を見つけたい。
「あら、船が動き出したわ。甲板に行ってみない?」
「相変わらずね、私はこの揺れが苦手、もう少し休んでいるわ、リディアは行って頂戴」
「分かったわ」
そう言って船の甲板にでる。
ウエストリアには、イリノアの南にモロコと呼ばれる湖がある。
船にも乗ったことはあるが、大きさも乗っている人の多さも比べものにならない。
不思議な潮の香りと船の周りで起こる波音。
船の先には、リュートを演奏する人がいて、見事な音色も聞こえてくる。
「まぁ、素敵」
目の前に広がる海は、本で読むのとは全く違っている。
「確かに、これは森にいてはみる事が出来ないな」
「おじ様」
「リディ、僕の名前は、カイだよ」
「もう構わないでしょう?」
「知りたくない人が、いるかも知れないじゃぁないか」
「本気で言っているの?」
「なんだ、面白くない」
「おじ様も海は初めてなの?」
「見たことないね、それこそ、砂の海なら覚えているけどね」
しばらく波の音を聞きながら、父とおじ様が出会った頃の話を聞く。
自分が王都の外で暮らしていたこと、その時に父と知り合い、ウエストリアに来ることになった話。
「島が見えてきましたよ」
アレス様が近づいてきて、教えてくれる。
「あゝ、そのようだね」
「一応、確認なのですが、どちらの名前でお呼びすればよろしいですか?」
「好きな方で構わないよ」
「分かりました、では、エリス様と」
「うん、しばらく世話になるよ」
「しかし、早いな」
「何が、ですか?」
「ミリオネアとの距離だよ。港を出てから数時間だ、これほど近いとは思っていなかったよ」
「そうですね、今日は精霊達が歓迎しているとマルゼスも言っています、ほとんど彼の力を使っていないと」
「どういう意味だ」
「彼は風の精霊の中でも、上位の精霊を契約しています。もちろんリュートを気にいった精霊も力を貸してくれますが、こうした上位の精霊と契約した方が確実なので」
「つまりその契約した精霊の力を使っていないのに、船が進んでいる訳だ」
「ええ、その通りです」
アレス様と話していたおじ様が、嫌な顔をする。
何となくアレス様の事は気に入っているようなのに、何か他に気になる事でもあるのかしら?
これで私まで幻聴が聞こえるなんて口にしたら、ますますおじ様の機嫌が悪くなりそう。
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