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女子と話せるようになるプログラム
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最初は確か小学生の頃だった。
休憩時間に男女混合で鬼ごっこをしていた最中だ。
僕が鬼で、女子を捕まえようとした時、ふと心の中の違和感を感じた。
思い切って触れなかったのだ。(当時は小学低学年だったので、セクハラとか言うのは勘弁して欲しい)
触ったら嫌がられるのでは?触ったらセクハラになるのでは?
それは、今までにない初めての感情だった。
ほどなくして中学校へ進学した。
中学は小中一貫で、クラス全員が顔を知っていた。
「顔馴染みだから話しやすいだろう」と思うかもしれないが、そんなことはない。
女子と目を合わせることができないのだ。
まるで恋愛小説のように、好きな人と目が合うと、こちらが好きなのがばれて恥ずかしいような気がするからだ。
一方、好きでもない人と目が合うと、「万が一僕を好きになられたら困る」と、どちらにせよ目を合わせられなかった。
なんとも自意識過剰である。
目を合わせることはもちろん、会話もままならなかった。
女子と会話すると緊張して上手く話せないのだ。
また、自分から会話ができないというのは、恥ずかしいからという理由の他にもう一つある。
黙っていた方がモテると本気で思っていたのだ。
僕は漫画やアニメによく出てくるクールなキャラ、寡黙なキャラに憧れていた。
しかし、まともに会話すらできない男子がモテるはずがなかった。
女子からの陰口も聞いたことがある。
「僕君って、話すときに目を逸らすよね」
「○○君の方が話しやすい」
僕の友達がいるのだが、僕よりも堂々と女子と話す。
僕と同じゲーム好きのオタクのはずなのに。
しかし、僕とその友達には決定的な違いがあった。
友達には姉がいたのだ。
それに対し、僕は兄が二人の三人兄弟だ。
この時ほど姉が欲しいと思ったことはなかった。
姉が一人でもいたら、僕の性格はこんなにねじ曲がっていなかったと思う。
そして、女子と話せないまま高校へ進学するが、この性格は一向に変わらなかった。
高校入学したての頃は、男女関係なく極度の人見知りのせいで、母が作ってくれた弁当が喉を通らなかったのを覚えている。
残さず食べられるようになるのに3ヶ月くらいはかかったと思う。
高校では部活仲間から恋愛の話や異性の話をよく振られたが、全く興味が持てなかった。
少人数制の塾にも行っており、女子と二人きりになる機会もあったが、全く意に介さなかった。
「恋愛より勉強。浮かれてる暇はない」「今彼女ができてもどうせ大学で別々になる」などと、自分に言い訳もしていた。
今思うと話す練習くらいはしておいてもよかったと思う。
結局、高校でも女子とうまく話せず大学生になった。
大学へ通学中、目の前の女子大生の後ろ姿を眺めていると、突然ある疑問が生まれた。(ストーカーではない)
なぜ母とは話せるのに女子と話せないのだろう?
母も女性のはず。
実は母、伯母、祖母などの身内や、女性の先生など大人の女性とは何とも思わずに話せていた。
僕が話せないのは年頃の女性だ。
そして、僕が話せなかった理由を自己分析してみると、色んなことがわかってきた。
まず、小学校、中学校といったような閉じた組織の中では、自分が好きな人を公開することはデメリットになる。
好きな人がいることをからかう人がいるからだ。
誰でもからかわれると居心地は悪くなるだろう。
当時の自分は、目を合わせたり、話したりするだけでも好きな人を公開することになると思い込んでいたので、それができなかった。
次に、練習不足という説を挙げた。
例えば、初めて野球をするような人が、いきなりホームランを打てるはずがない。
少なくとも練習する必要があるはずだ。
同じように、女子との会話にも慣れが必要なのでは?と思い始めた。
確かに女子と話すには圧倒的に不慣れであった。
最後に、誰も自分のことなんて見ていないという仮説を立てた。
ここで過去のことを思い出してみると、いかに自意識過剰だったかが浮き彫りになってくる。
目が合っただけで好きかどうかがわかる?
いや、過去に何回か目が合ったが、おそらく気付かれてない。
目が合っただけで好きになる?
いや、目が合ったり話したりしただけで僕を好きになんてなるはずがない。
当時は、寡黙なだけで勝手にモテると思っていたが、結局話せる奴がモテる。
自分が自意識過剰なだけだったんだ。
こうして僕は『女子と話せるプログラム』を実行した。
まずサークルに入り、女子と話すことにした。
同級生の女子と軽く話してみる。
何も起こらない。
先輩や後輩にも試してみる。
やはり何も起こらない。
こうして、女子と話しても何も起こらないことを学習した。
しかし、女子と話せるようにはなったものの、問題があった。
社会人になり、女子とはある程度話せるようになったが、人見知りはなかなか治らなかった。
そこで、マッチングアプリで練習することにした。
慣れたとはいえ、初対面の人と話すときにはまだ抵抗がある。
まだ場数が足りないのだ。
マッチングには苦労したが、なんとか電話で話したり、出会って話したりするところまでは行けた。
しかし、その中に価値観が合いそうな人はいなかった。
例えば、こちらの都合を考えずに急に電話をしてきたり、スピリチュアルや似非科学にはまったり、急に音信不通になったり――
「その偽情報、間違ってるよ」とこちらが説得しようとしても理解してくれなかった。
それ以来、女性と話せるようになったものの、女性全体に対する信頼ができなくなってしまった。
もちろん「人による」という前提の元だが、どうやら論理が通じない女性は多いようなので、気が合う人がいつか現れるということを信じている。
休憩時間に男女混合で鬼ごっこをしていた最中だ。
僕が鬼で、女子を捕まえようとした時、ふと心の中の違和感を感じた。
思い切って触れなかったのだ。(当時は小学低学年だったので、セクハラとか言うのは勘弁して欲しい)
触ったら嫌がられるのでは?触ったらセクハラになるのでは?
それは、今までにない初めての感情だった。
ほどなくして中学校へ進学した。
中学は小中一貫で、クラス全員が顔を知っていた。
「顔馴染みだから話しやすいだろう」と思うかもしれないが、そんなことはない。
女子と目を合わせることができないのだ。
まるで恋愛小説のように、好きな人と目が合うと、こちらが好きなのがばれて恥ずかしいような気がするからだ。
一方、好きでもない人と目が合うと、「万が一僕を好きになられたら困る」と、どちらにせよ目を合わせられなかった。
なんとも自意識過剰である。
目を合わせることはもちろん、会話もままならなかった。
女子と会話すると緊張して上手く話せないのだ。
また、自分から会話ができないというのは、恥ずかしいからという理由の他にもう一つある。
黙っていた方がモテると本気で思っていたのだ。
僕は漫画やアニメによく出てくるクールなキャラ、寡黙なキャラに憧れていた。
しかし、まともに会話すらできない男子がモテるはずがなかった。
女子からの陰口も聞いたことがある。
「僕君って、話すときに目を逸らすよね」
「○○君の方が話しやすい」
僕の友達がいるのだが、僕よりも堂々と女子と話す。
僕と同じゲーム好きのオタクのはずなのに。
しかし、僕とその友達には決定的な違いがあった。
友達には姉がいたのだ。
それに対し、僕は兄が二人の三人兄弟だ。
この時ほど姉が欲しいと思ったことはなかった。
姉が一人でもいたら、僕の性格はこんなにねじ曲がっていなかったと思う。
そして、女子と話せないまま高校へ進学するが、この性格は一向に変わらなかった。
高校入学したての頃は、男女関係なく極度の人見知りのせいで、母が作ってくれた弁当が喉を通らなかったのを覚えている。
残さず食べられるようになるのに3ヶ月くらいはかかったと思う。
高校では部活仲間から恋愛の話や異性の話をよく振られたが、全く興味が持てなかった。
少人数制の塾にも行っており、女子と二人きりになる機会もあったが、全く意に介さなかった。
「恋愛より勉強。浮かれてる暇はない」「今彼女ができてもどうせ大学で別々になる」などと、自分に言い訳もしていた。
今思うと話す練習くらいはしておいてもよかったと思う。
結局、高校でも女子とうまく話せず大学生になった。
大学へ通学中、目の前の女子大生の後ろ姿を眺めていると、突然ある疑問が生まれた。(ストーカーではない)
なぜ母とは話せるのに女子と話せないのだろう?
母も女性のはず。
実は母、伯母、祖母などの身内や、女性の先生など大人の女性とは何とも思わずに話せていた。
僕が話せないのは年頃の女性だ。
そして、僕が話せなかった理由を自己分析してみると、色んなことがわかってきた。
まず、小学校、中学校といったような閉じた組織の中では、自分が好きな人を公開することはデメリットになる。
好きな人がいることをからかう人がいるからだ。
誰でもからかわれると居心地は悪くなるだろう。
当時の自分は、目を合わせたり、話したりするだけでも好きな人を公開することになると思い込んでいたので、それができなかった。
次に、練習不足という説を挙げた。
例えば、初めて野球をするような人が、いきなりホームランを打てるはずがない。
少なくとも練習する必要があるはずだ。
同じように、女子との会話にも慣れが必要なのでは?と思い始めた。
確かに女子と話すには圧倒的に不慣れであった。
最後に、誰も自分のことなんて見ていないという仮説を立てた。
ここで過去のことを思い出してみると、いかに自意識過剰だったかが浮き彫りになってくる。
目が合っただけで好きかどうかがわかる?
いや、過去に何回か目が合ったが、おそらく気付かれてない。
目が合っただけで好きになる?
いや、目が合ったり話したりしただけで僕を好きになんてなるはずがない。
当時は、寡黙なだけで勝手にモテると思っていたが、結局話せる奴がモテる。
自分が自意識過剰なだけだったんだ。
こうして僕は『女子と話せるプログラム』を実行した。
まずサークルに入り、女子と話すことにした。
同級生の女子と軽く話してみる。
何も起こらない。
先輩や後輩にも試してみる。
やはり何も起こらない。
こうして、女子と話しても何も起こらないことを学習した。
しかし、女子と話せるようにはなったものの、問題があった。
社会人になり、女子とはある程度話せるようになったが、人見知りはなかなか治らなかった。
そこで、マッチングアプリで練習することにした。
慣れたとはいえ、初対面の人と話すときにはまだ抵抗がある。
まだ場数が足りないのだ。
マッチングには苦労したが、なんとか電話で話したり、出会って話したりするところまでは行けた。
しかし、その中に価値観が合いそうな人はいなかった。
例えば、こちらの都合を考えずに急に電話をしてきたり、スピリチュアルや似非科学にはまったり、急に音信不通になったり――
「その偽情報、間違ってるよ」とこちらが説得しようとしても理解してくれなかった。
それ以来、女性と話せるようになったものの、女性全体に対する信頼ができなくなってしまった。
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