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第2話 入寮しましたよ
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上位貴族であるから、俺は一応荷造りをして国から指定された寮に向かった。
平民なら着の身着のまま行くことが多いらしい。なにしろ、優秀なΩになるために、国が全て用意してくれるからな。
ただ俺は、お気に入りの仕立て屋がいるため、着慣れた服を持ち込んだ。その仕立て屋は母上も利用しているので、今後も依頼はできるだろう。
寮にはΩしか入れないため、俺は母上と来たのだけれど、母上にとっては懐かしい場所であることに変わりはなかった。
「何も変わっていないのねぇ」
嬉しそうに廊下を歩く母上は、なんとも可愛らしく見える。
「ミュゼ様ではありませんか」
受付にいた職員が母上を見て嬉しそうに微笑んだ。そりゃそうだ、優秀なΩであった母上、上位貴族に嫁いだのだ。そして、再びΩの息子を連れてやってきた。まさに絵に書いたようなΩとしての理想の生き方だ。
「リュートよ、私の息子です」
母上は大変優雅な動きで俺を職員に紹介した。俺も母上のようにならねばならない。
「はじめまして、リュートです。これからお世話になります」
そう言って頭を下げると、母上が俺の挨拶を訂正してきた。
「違うわリュート、Ωのお辞儀はそうじゃないの」
母上は右手を胸に当て、左足を後ろに少し引いて膝を少し曲げた。いわゆるカーテシーだ。
Ωは女性のポジションとなるから、挨拶の仕方もそちらになると言うことらしい。
「ミュゼ様、これからここで、学びますからご安心ください」
「私息子なのに、挨拶の仕方も教えていなかったなんてか恥ずかしいわ」
母上はまるで、鈴の音のような笑い声を上げた。
母上は本当に優秀なΩだ。俺は母上の名誉となるために頑張らなくてはならない。
俺の部屋は2階の角部屋だった。
一応、上位貴族の子息である俺は、それなりに上等な部屋をあてがわれたらしい。βの侍従は自宅から連れてきた。幼い頃からの侍従であるから、安心して任せられる。平民のΩは、ここに来て初めて侍従が着くのだが、ほとんどが監視とお目付け役を担っている。
俺は侍従と一緒に荷物を解いた。母上の見立てで作った服は、Ωとして相応しいものばかりだった。
品があって清楚なイメージ。
本当は、俺なんて一人称も、使わない方がいいのだろうけど、直ぐに直せるものでは無い。直さなくてもいいらしいけどな。そっちの方がαの支配欲を満たす場合もあるらしいから。
母上はお茶を飲んでゆっくりした後帰って行った。月に一度は様子を見に来るとやくそくをして。
まぁ、ホームシックになるかもしれないけれど、それはそれだ。
夕食はマナーレッスンも兼ねて食堂で全員揃って食べるらしい。全部で30人ほどしかいないのは驚いた。
そして突然挨拶の訓練となった。
上級生から順に自己紹介をするのだ。
ゆっくりと席をたち、前に出てきてカーテシーをしてからのご挨拶。新入生はそれを見ながら挨拶の仕方を学ぶのだ。俺はたまたま母上に教わったばかりなので、知っていたが、平民のΩはだいぶ驚いた顔をしていた。
そりゃそうだ、お辞儀じゃない挨拶なんて初めて見ただろうからな。
なぜだか分からないけれど、挨拶は俺が最後にされてしまった。上位貴族の子息だからだろうか?なんて勘繰ってしまうが、案外そうなんだろう。
俺は、母上に仕込まれたとおりに挨拶をした。
おそらく、新入生の中では上出来だったと思う。先輩方の目線が痛かったけどな。
食事のマナーは、貴族出身者にとっては日常であったが、平民のΩは大変そうだった。隣に座った貴族の子息が教えることになる。それも優秀なΩとして大切なことらしい。
まだ、学校が始まっていないのに、Ωとしての教育は始まっているようだった。さすがは国の管理下なだけはある。
平民なら着の身着のまま行くことが多いらしい。なにしろ、優秀なΩになるために、国が全て用意してくれるからな。
ただ俺は、お気に入りの仕立て屋がいるため、着慣れた服を持ち込んだ。その仕立て屋は母上も利用しているので、今後も依頼はできるだろう。
寮にはΩしか入れないため、俺は母上と来たのだけれど、母上にとっては懐かしい場所であることに変わりはなかった。
「何も変わっていないのねぇ」
嬉しそうに廊下を歩く母上は、なんとも可愛らしく見える。
「ミュゼ様ではありませんか」
受付にいた職員が母上を見て嬉しそうに微笑んだ。そりゃそうだ、優秀なΩであった母上、上位貴族に嫁いだのだ。そして、再びΩの息子を連れてやってきた。まさに絵に書いたようなΩとしての理想の生き方だ。
「リュートよ、私の息子です」
母上は大変優雅な動きで俺を職員に紹介した。俺も母上のようにならねばならない。
「はじめまして、リュートです。これからお世話になります」
そう言って頭を下げると、母上が俺の挨拶を訂正してきた。
「違うわリュート、Ωのお辞儀はそうじゃないの」
母上は右手を胸に当て、左足を後ろに少し引いて膝を少し曲げた。いわゆるカーテシーだ。
Ωは女性のポジションとなるから、挨拶の仕方もそちらになると言うことらしい。
「ミュゼ様、これからここで、学びますからご安心ください」
「私息子なのに、挨拶の仕方も教えていなかったなんてか恥ずかしいわ」
母上はまるで、鈴の音のような笑い声を上げた。
母上は本当に優秀なΩだ。俺は母上の名誉となるために頑張らなくてはならない。
俺の部屋は2階の角部屋だった。
一応、上位貴族の子息である俺は、それなりに上等な部屋をあてがわれたらしい。βの侍従は自宅から連れてきた。幼い頃からの侍従であるから、安心して任せられる。平民のΩは、ここに来て初めて侍従が着くのだが、ほとんどが監視とお目付け役を担っている。
俺は侍従と一緒に荷物を解いた。母上の見立てで作った服は、Ωとして相応しいものばかりだった。
品があって清楚なイメージ。
本当は、俺なんて一人称も、使わない方がいいのだろうけど、直ぐに直せるものでは無い。直さなくてもいいらしいけどな。そっちの方がαの支配欲を満たす場合もあるらしいから。
母上はお茶を飲んでゆっくりした後帰って行った。月に一度は様子を見に来るとやくそくをして。
まぁ、ホームシックになるかもしれないけれど、それはそれだ。
夕食はマナーレッスンも兼ねて食堂で全員揃って食べるらしい。全部で30人ほどしかいないのは驚いた。
そして突然挨拶の訓練となった。
上級生から順に自己紹介をするのだ。
ゆっくりと席をたち、前に出てきてカーテシーをしてからのご挨拶。新入生はそれを見ながら挨拶の仕方を学ぶのだ。俺はたまたま母上に教わったばかりなので、知っていたが、平民のΩはだいぶ驚いた顔をしていた。
そりゃそうだ、お辞儀じゃない挨拶なんて初めて見ただろうからな。
なぜだか分からないけれど、挨拶は俺が最後にされてしまった。上位貴族の子息だからだろうか?なんて勘繰ってしまうが、案外そうなんだろう。
俺は、母上に仕込まれたとおりに挨拶をした。
おそらく、新入生の中では上出来だったと思う。先輩方の目線が痛かったけどな。
食事のマナーは、貴族出身者にとっては日常であったが、平民のΩは大変そうだった。隣に座った貴族の子息が教えることになる。それも優秀なΩとして大切なことらしい。
まだ、学校が始まっていないのに、Ωとしての教育は始まっているようだった。さすがは国の管理下なだけはある。
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