【完結】英雄が番になるって聞いたのになんか違う

久乃り

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第18話 ねだってみた

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 キスをし続けたからなのか、匂いがとても濃くなって、そのせいで思考がままならない。もしかすると、酸欠なのかもしれないけれど、そんなことを冷静に考えられなかった。

「…あっ……やっ…っあ」

 アルグレイトの指が俺の中に入ってきた。
 長い指がゆっくりと入ってきて、俺の胎内をゆっくりとなぞる。

「んぁ……ん…そ…こ」

 気持ちいいと思う箇所があって、そこに触れられて思わず声が出ると共に、アルグレイトに回す手に力が入った。

「ここ?」

 アルグレイトの指が、確認をするように俺の胎内で擦るような動きをして、摘むようにそこを押す。

「あっ……あぁ、そこ、だめ」

 腰の辺りに強い痺れが来て、お腹に力が入る。
 身体の中のどこかで、なにかか収縮するような感じがした。

「だめ?」

 耳元で低い声が問いかける。

「あ…気持ち…いい……か、ら…だめ」

「どうして?」

 指が増えて、かき混ぜるような動きをされた。しかも、ゆっくりでなくかなり早い。ちょっと乱暴な感じもするほど、強い刺激だった。

「あぁぁぁぁぁ……だめ…だ…めっ」

 腰から崩れる程の刺激に、俺の腕から力が抜ける。

「気持ちいいのですね?」

 確認されても、返事ができない。
 アルグレイトが俺を覗き込むように見ている。いつの間にか俺が下になって、背中がシーツに着いていた。

「はっ…な…なん……で?」

 状況が飲み込めないで、何回か瞬きを繰り返すが、アルグレイトはただ笑うだけで答えをくれない。

「顔を見せてください」

 そう言って、アルグレイトは俺の前髪をかきあげる。いつの間にかに汗をかいていて、前髪がおでこに張り付いていた。でも、それはアルグレイトも同じで、前髪をかきあげるアルグレイトからは、強い匂いがした。

 汗にフェロモンが混ざっている。

 それは、さっき舐めた時に知っていた。

 だから舐めると甘い。おいしい。俺だけの味だ。

「3年分の思いを込めると大変なことになりますから、今日はできるだけ我慢します」

 銀縁メガネの奥の瞳にこもる熱は、3年分あるらしい。けれど、それを解放はしないと言うけれど、できるだけ、というのが不安になる。
 俺がゆっくり瞬きをしていると、アルグレイトの顔が近づいてきて、唇が重なった。我慢すると言っただけあって、ゆっくりと味わうように舌が動いて、そっちに気を取られていると、俺の腹の中でアルグレイトの指が出入りを繰り返していた。

 息継ぎみたいに唇が離れては、またくっついて、その度に間に糸が出来ると、それをアルグレイトが舐めとる。
 それを何度も繰り返していくうちに、どんどん熱にやらていく。考えることが面倒になっていく。

「…ほし……ぃ…」

「なんて?」

 俺の声が聞き取れなかったのか、アルグレイトが聞き返す。

「いれて……俺に、いれて」

 頭の中に溢れた欲を、そのまま口にする。
 この匂いが欲しい。この匂いで満たされたい。

「いいんですか?」

 確認してくる声は、低くそれでいて艶があった。
 その声の響きさえ、俺の身体に刺激を与える。

「俺の…なかっ……いっぱいに…して…」

 欲しい匂いが、強くなって、周りの空気がそれで満たされていくのが分かる。けれど、俺はその匂いを胎内にいれたい。

「挿入ますよ」

 優しい声で宣言されて、下半身に甘い疼きが広がってきた。押し広げるような波がゆっくりときて、その後に続く鈍い痛み。

「…っあ…っあ……あっ………あぁ……」

 息を吐き出すと、そのまま声になり、その声が自分のものだとは思えないぐらいに甘えていた。征服されていく感覚が、堪らなく心地いいなんて思わなかった。俺を支配する甘い匂いの疼きだ。

「苦しいですか?」

 動かないで待っているアルグレイトが、俺に確認をする。苦しいかもしれないけれど、胎内が満たされていることの方がはるかに上だ。

「いっぱい…に、して…」

 口にしたのは俺の欲だった。何を、とか、何で、とか、そんなことを言わなくても伝わったらしい。

「できるだけ優しくします」

 ゆっくりと動きだして、俺の胎内をかき混ぜるけれど、その度に俺の中に匂いが入ってきて、どんどん満たされていく。

「お…おくにっ……もっと、奥に……くれよっ」

 満たされたい願望を口にすると、アルグレイトに抱き抱えられるような体勢になった。すごく苦しいのに、一気に匂いに囲まれて俺は満足して微笑んだ。
 その顔を見たからか、アルグレイトの動きが早くなる。奥に奥にと深くなって、俺の胎内を突き進む。

「噛んで……噛んでよ」

 甘い疼きがゆるゆると迫ってきて、俺の欲が爆発寸前にまできていた。けれど、それは腹の中の欲望ではなくて、なにか別の衝動に置き換えられていく。

 アルグレイトが一気に俺から抜けると、身体の向きを変えられた。腰を高くされて、しっかりと掴まれる。辛うじて膝がシーツに着いてはいるけれど、俺は自分の体を支えてはいない。
 その体勢にされて、首だけを動かしてアルグレイトを見ると、相変わらず銀縁メガネをかけたまま、一気に俺の奥にまではいってきた。

「んっ…あっ……あ、あ、あ」

 アルグレイトの動きに合わせて声が出る。鼻にかかるような声は、猫の鳴き声にも似ているかもしれない。
 項に舌が這う。温かくて、ねっとりとした感触がくるけれと、俺が欲しいのはそういった刺激ではない。そんな優しいのではない。

「……か、噛んでっ」

 ものすごくギリギリまできているのに、最後のモノが足りない。そんな物足りなさから口にしたの懇願は、Ωの本能なのだろうか?それをしてもらわないと、イケない。

「覚悟してくださいね」

 甘く熱の篭った声がした。それを聞いて、背中がゾクリとする程に期待が高まる。
 一瞬、全ての神経がそこに集まった。

「…………っあ、あぁぁぁぁ………ぁあ」

 欲しかった匂いが、そこから一気に溢れた。溢れたのは俺なのかアルグレイトなのか。
 俺の中で張り詰めていたものが一気に解放されて、俺の欲は満たされた。
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