高嶺の上司の優しいCommand

久乃り

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その8

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「でも、これでは気持ちが悪いね?それに、仕業中に達してしまうだなんて悪い子だ。お仕置きが必要だね」

 芝崎課長がそう言って山本の前にしゃがみこんだ。そうしたら芝崎課長の目の前にちょうど山本の粗相の跡がある。

「《Strip》」

 言われたCommandに拒否はできない。いや、拒むのならSafewordを言えばいい。だが、仕事中であることとPlayにも似たお仕置きに山本の胸は高鳴っていた。目の前に芝崎課長が座っているが、それなど気にも留めずにゆっくりと、腰のあたりの布に手をかけてゆっくりとおろしていく。膝のあたりまで来た時、芝崎課長と目が合ったが、そんなことさえ気にならなかった。
 すでに達しているから、山本のそこは外気にさらされくたりと下を向いていた。

「綺麗にしよう」

 そう言って芝崎課長が電子レンジで作った蒸しタオルを取り出した。温かなタオルで包みこまれ山本の体が反応してしまう。

「駄目だよ山本くん。これはお仕置きなんだから」

 芝崎課長がそう言って手のひらに力を込めた。その圧力に山本の体が縮こまる。丁寧にふき取りをすると、芝崎課長はタオルと山本の下着を洗面器に入れた。それから給湯室に似つかわしくない小さな引き出しの並んだ棚の前に立つ。

「山本くんの引き出しはここだからね」

 そう言って引き出しを一つ取り出した。テーブルの上に置かれた引き出しには、確かに山本の名前がテプラで貼られていた。

「お、俺の引き出し、って……」

 山本は置かれた引き出しの中身をみて言葉を失った。

「まだ最初だからね。白ブリーフしかないけどね」
  
 芝崎課長が言ったとおり、引き出しの中には白のブリーフしかなかった。二枚しかないのは、メーカーの売り方のせいだろう。

「大丈夫、昨夜のうちにちゃんと水通ししてあるから」

 芝崎課長はそう言って一枚を取り出し山本に渡した。

「履いてみせて」

 別段、Commandでもなかったが、山本は拒否する気持ちなどまるでなかった。言われたとおりに渡された白ブリーフを履いてみせる。白ブリーフなんてものを履いたのは、いつ頃だっただろうか?いや、もしかするとこれが初めてかもしれない。流しにつけられた鏡に写る自分の姿に少し動揺する。

「うん、納まりもなかなかいいみたいだね」

 芝崎課長が山本の白ブリーフ姿を確認する。顎に手を当て、満足そうに微笑んでいる。

「山本くん。それを汚してはいけないよ。わかったね」

 言われて静かに頷く山本。無言で渡されたスラックスを履き、山本は次のCommandを待った。

「うん、よし。ちゃんと履けたね。では仕事に戻りなさい《Go》」
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