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新生・夜の女王
第2話:悪魔の揺りかご
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真っ白な病室の天井を見つめるだけの数週間が過ぎた。
全身の包帯は、まるで私を閉じ込める繭のようだった。わずかに動かせる指先さえ、自分の皮膚ではないような違和感がある。
鏡は見せてもらえない。ただ、黒崎陸が連れてくる最高峰の形成外科医たちが、私の顔を「再構築」していることだけは、麻酔の切れ間に感じる鈍い痛みで理解していた。
「……痛みは、君が生きている証拠だ。喜べ、水瀬紗良」
黒崎の声が、今日も冷たく降り注ぐ。
彼は私のベッドサイドに腰を下ろすと、長い指で私の包帯に覆われた頬をなぞった。その指先からは、慈しみなど微塵も感じられない。あるのは、一級品の陶器を検品するかのような、冷徹な観察眼だけだ。
「……あ、……ぁ、う……」
声帯の再生手術を終えたばかりの私の喉から、掠れた音が漏れる。
黒崎は満足げに目を細めた。
「いい声だ。以前の君の、あのひ弱で、おどおどとした令嬢の声じゃない。湿り気を帯びた、男の理性を掻き乱す低音……。これこそが、伊能一馬を奈落へ引きずり込むための最初の武器だ」
黒崎は、サイドテーブルに置かれたタブレットを操作し、ある映像を私に見せた。
隠し撮りされたものだろう。そこには、都心の超高級マンションのバルコニーで、シャンパングラスを片手に笑い合う一馬と凛の姿があった。
一馬は凛の腰を引き寄せ、彼女の項に深く顔を埋めている。凛は愉悦に身を震わせ、かつての私の親友とは思えない、淫らな表情で彼を受け入れていた。
「……あ、ああ……っ!」
心臓が早鐘を打つ。
私が冷たい海の底で死にかけていた時、彼らは私の遺産を使い、私の家で、こんなにも汚らわしい愛を貪っていたのか。
怒りで視界が真っ赤に染まり、心電図のモニターが激しいアラートを鳴らす。
「怒れ。その憎しみを、心臓の奥に種として植え付けておけ。花が開く時、それはあいつらを絞め殺す毒の蔦(つた)になる」
黒崎は私の胸元――包帯の隙間から覗く、傷跡の残る肌に指を滑り込ませた。
彼の指は冷たいはずなのに、触れられた場所が火がついたように熱くなる。
「……リハビリを始めるぞ。今日からは、寝ているだけの時間は終わりだ」
***
それからの三ヶ月間は、文字通りの地獄だった。
形成外科手術、歯科矯正、そして全身の筋肉を再構築するための過酷なトレーニング。
だが、肉体的な苦痛以上に私を追い詰めたのは、黒崎による「女の教育」だった。
「歩き方が甘い。獲物を狙う豹のように、しなやかに、かつ傲慢に歩け。男の視線を、自分の足首に釘付けにするつもりでな」
黒崎が用意した鏡張りのレッスンルーム。
私は15センチのハイヒールを履かされ、全裸に近い薄布一枚を纏って歩かされた。
形成手術によって、私の顔はかつての「水瀬紗良」の面影を完全に失っていた。
大きく、切れ長になった双眸(そうぼう)。
意志の強さを感じさせる高い鼻梁(びりょう)。
そして、わずかに厚みを持たせ、濡れたような光沢を放つ唇。
鏡に映るのは、絶世の美女。だが、その瞳には光がない。
それは、復讐というガソリンだけで動く、精巧な自動人形(オートマタ)だった。
「……黒崎、さん。……これで、いい……?」
私の声は、以前よりも低く、深く響くようになっていた。
黒崎は私の背後に立ち、その大きな手で私の細い腰を掴んだ。そのまま、私の耳元に唇を寄せる。
「……まだだ。君には、決定的なものが欠けている」
「……何、が……」
「……男を狂わせる、『毒』の味だ」
黒崎の手が、私の太ももの内側をゆっくりと這い上がる。
驚いて身を固くした私を、彼は逃がさなかった。鏡の中で、黒崎の鋭い視線が私を射抜く。
「一馬は、清純な妻に飽きたから、凛という刺激を選んだ。ならば、君が一馬の前に現れる時は、凛など霞んで見えるほどの、圧倒的な背徳感を纏っていなければならない。……男が抱きたくて堪らなくなるのは、自分を破滅させると分かっていても、抗えない魔力を持つ女だ」
黒崎の指先が、ガーターベルトのレースをなぞり、そのまま肌を強く圧迫する。
痛みと、初めて感じる強烈な熱。
私は黒崎の肩に爪を立て、呼吸を乱した。
「……っ、やめ、て……」
「拒絶するな。その嫌悪も、拒絶も、すべて誘惑の素材にしろ。……いいか、紗良。お前はもう、愛されるための女じゃない。……男を地獄へ誘う、夜の女神『シオン』だ」
黒崎の唇が、私の鎖骨にある消えかかった傷跡に深く押し当てられる。
吸い付くような、執拗な口づけ。
一馬に抱かれていた時とは違う、支配されることへの恐怖と、その裏側にある歪んだ昂揚感。
私は黒崎の腕の中で、自分が次第に「シオン」へと染まっていくのを感じていた。
かつての水瀬紗良は、もういない。
あの日、海に沈んだ瞬間に、彼女の「心」は死んだのだ。
今ここにいるのは、黒崎陸という彫刻家に削り出され、彼の欲望によって命を吹き込まれた、復讐の権身。
「……分かったわ。……黒崎、様」
私は自ら黒崎の首に腕を回し、彼の冷徹な瞳を見つめ返した。
私の唇から、甘く、毒を含んだ溜息が漏れる。
「私を、完成させて。……あの男が、私を失うことに恐怖して、のたうち回るほどに」
黒崎は初めて、わずかに口角を上げた。
それは、自分が作り上げた最高傑作に対する、狂おしいまでの賞賛の色だった。
***
半年後。
都内の一等地にある、隠れ家のような高級ブティック。
私は、黒崎が用意した真紅のイブニングドレスに身を包んでいた。
背中が大きく開き、歩くたびに深いスリットから黒いレースのストッキングが覗く。
「……完璧だ。これなら、誰もお前が『水瀬紗良』だとは気づかない」
黒崎が私の前に、漆黒のベルベットの箱を差し出した。
中には、深紅のルビーが散りばめられたチョーカーが入っている。
彼はそれを私の首に巻き、カチリと錠を下ろすような音を立てて留めた。
「これは、俺の所有物である証だ。……忘れるな、シオン。お前の命も、その美しい体も、すべては俺のものだ」
黒崎の手が、チョーカーのルビーをなぞり、そのまま私の顎を持ち上げる。
彼の瞳には、協力者としての顔の裏側に、一人の男としての「飢え」が見えた。
だが、今の私にはそれさえも心地よい。
「……分かっていますわ。……旦那様」
私は、わざとらしく優雅な所作で膝を折り、彼の手に唇を寄せた。
今夜は、一馬が主催する新事業の記念パーティーがある。
私の遺産を食い潰し、不倫相手の凛を副社長に据えて、意気揚々と開く凱旋パレードだ。
そこに、黒崎陸の「婚約者」として潜入する。
一馬がどんな顔をするか、想像するだけで全身の血が歓喜に沸き立つ。
(一馬……。待っていてね。……あなたの愛した妻は、死んだわ。……でも、あなたを地獄へ連れていく『私』が、今から会いに行くから)
私は黒崎の差し出した腕を取り、漆黒のロールスロイスへと乗り込んだ。
バージンロードは、まだ始まったばかり。
その終着点は、真っ白な教会ではなく、血の色に染まった復讐の祭壇だ。
車窓に映る自分の顔は、驚くほど美しく、そして――。
この世の誰よりも、不幸そうに笑っていた。
全身の包帯は、まるで私を閉じ込める繭のようだった。わずかに動かせる指先さえ、自分の皮膚ではないような違和感がある。
鏡は見せてもらえない。ただ、黒崎陸が連れてくる最高峰の形成外科医たちが、私の顔を「再構築」していることだけは、麻酔の切れ間に感じる鈍い痛みで理解していた。
「……痛みは、君が生きている証拠だ。喜べ、水瀬紗良」
黒崎の声が、今日も冷たく降り注ぐ。
彼は私のベッドサイドに腰を下ろすと、長い指で私の包帯に覆われた頬をなぞった。その指先からは、慈しみなど微塵も感じられない。あるのは、一級品の陶器を検品するかのような、冷徹な観察眼だけだ。
「……あ、……ぁ、う……」
声帯の再生手術を終えたばかりの私の喉から、掠れた音が漏れる。
黒崎は満足げに目を細めた。
「いい声だ。以前の君の、あのひ弱で、おどおどとした令嬢の声じゃない。湿り気を帯びた、男の理性を掻き乱す低音……。これこそが、伊能一馬を奈落へ引きずり込むための最初の武器だ」
黒崎は、サイドテーブルに置かれたタブレットを操作し、ある映像を私に見せた。
隠し撮りされたものだろう。そこには、都心の超高級マンションのバルコニーで、シャンパングラスを片手に笑い合う一馬と凛の姿があった。
一馬は凛の腰を引き寄せ、彼女の項に深く顔を埋めている。凛は愉悦に身を震わせ、かつての私の親友とは思えない、淫らな表情で彼を受け入れていた。
「……あ、ああ……っ!」
心臓が早鐘を打つ。
私が冷たい海の底で死にかけていた時、彼らは私の遺産を使い、私の家で、こんなにも汚らわしい愛を貪っていたのか。
怒りで視界が真っ赤に染まり、心電図のモニターが激しいアラートを鳴らす。
「怒れ。その憎しみを、心臓の奥に種として植え付けておけ。花が開く時、それはあいつらを絞め殺す毒の蔦(つた)になる」
黒崎は私の胸元――包帯の隙間から覗く、傷跡の残る肌に指を滑り込ませた。
彼の指は冷たいはずなのに、触れられた場所が火がついたように熱くなる。
「……リハビリを始めるぞ。今日からは、寝ているだけの時間は終わりだ」
***
それからの三ヶ月間は、文字通りの地獄だった。
形成外科手術、歯科矯正、そして全身の筋肉を再構築するための過酷なトレーニング。
だが、肉体的な苦痛以上に私を追い詰めたのは、黒崎による「女の教育」だった。
「歩き方が甘い。獲物を狙う豹のように、しなやかに、かつ傲慢に歩け。男の視線を、自分の足首に釘付けにするつもりでな」
黒崎が用意した鏡張りのレッスンルーム。
私は15センチのハイヒールを履かされ、全裸に近い薄布一枚を纏って歩かされた。
形成手術によって、私の顔はかつての「水瀬紗良」の面影を完全に失っていた。
大きく、切れ長になった双眸(そうぼう)。
意志の強さを感じさせる高い鼻梁(びりょう)。
そして、わずかに厚みを持たせ、濡れたような光沢を放つ唇。
鏡に映るのは、絶世の美女。だが、その瞳には光がない。
それは、復讐というガソリンだけで動く、精巧な自動人形(オートマタ)だった。
「……黒崎、さん。……これで、いい……?」
私の声は、以前よりも低く、深く響くようになっていた。
黒崎は私の背後に立ち、その大きな手で私の細い腰を掴んだ。そのまま、私の耳元に唇を寄せる。
「……まだだ。君には、決定的なものが欠けている」
「……何、が……」
「……男を狂わせる、『毒』の味だ」
黒崎の手が、私の太ももの内側をゆっくりと這い上がる。
驚いて身を固くした私を、彼は逃がさなかった。鏡の中で、黒崎の鋭い視線が私を射抜く。
「一馬は、清純な妻に飽きたから、凛という刺激を選んだ。ならば、君が一馬の前に現れる時は、凛など霞んで見えるほどの、圧倒的な背徳感を纏っていなければならない。……男が抱きたくて堪らなくなるのは、自分を破滅させると分かっていても、抗えない魔力を持つ女だ」
黒崎の指先が、ガーターベルトのレースをなぞり、そのまま肌を強く圧迫する。
痛みと、初めて感じる強烈な熱。
私は黒崎の肩に爪を立て、呼吸を乱した。
「……っ、やめ、て……」
「拒絶するな。その嫌悪も、拒絶も、すべて誘惑の素材にしろ。……いいか、紗良。お前はもう、愛されるための女じゃない。……男を地獄へ誘う、夜の女神『シオン』だ」
黒崎の唇が、私の鎖骨にある消えかかった傷跡に深く押し当てられる。
吸い付くような、執拗な口づけ。
一馬に抱かれていた時とは違う、支配されることへの恐怖と、その裏側にある歪んだ昂揚感。
私は黒崎の腕の中で、自分が次第に「シオン」へと染まっていくのを感じていた。
かつての水瀬紗良は、もういない。
あの日、海に沈んだ瞬間に、彼女の「心」は死んだのだ。
今ここにいるのは、黒崎陸という彫刻家に削り出され、彼の欲望によって命を吹き込まれた、復讐の権身。
「……分かったわ。……黒崎、様」
私は自ら黒崎の首に腕を回し、彼の冷徹な瞳を見つめ返した。
私の唇から、甘く、毒を含んだ溜息が漏れる。
「私を、完成させて。……あの男が、私を失うことに恐怖して、のたうち回るほどに」
黒崎は初めて、わずかに口角を上げた。
それは、自分が作り上げた最高傑作に対する、狂おしいまでの賞賛の色だった。
***
半年後。
都内の一等地にある、隠れ家のような高級ブティック。
私は、黒崎が用意した真紅のイブニングドレスに身を包んでいた。
背中が大きく開き、歩くたびに深いスリットから黒いレースのストッキングが覗く。
「……完璧だ。これなら、誰もお前が『水瀬紗良』だとは気づかない」
黒崎が私の前に、漆黒のベルベットの箱を差し出した。
中には、深紅のルビーが散りばめられたチョーカーが入っている。
彼はそれを私の首に巻き、カチリと錠を下ろすような音を立てて留めた。
「これは、俺の所有物である証だ。……忘れるな、シオン。お前の命も、その美しい体も、すべては俺のものだ」
黒崎の手が、チョーカーのルビーをなぞり、そのまま私の顎を持ち上げる。
彼の瞳には、協力者としての顔の裏側に、一人の男としての「飢え」が見えた。
だが、今の私にはそれさえも心地よい。
「……分かっていますわ。……旦那様」
私は、わざとらしく優雅な所作で膝を折り、彼の手に唇を寄せた。
今夜は、一馬が主催する新事業の記念パーティーがある。
私の遺産を食い潰し、不倫相手の凛を副社長に据えて、意気揚々と開く凱旋パレードだ。
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(一馬……。待っていてね。……あなたの愛した妻は、死んだわ。……でも、あなたを地獄へ連れていく『私』が、今から会いに行くから)
私は黒崎の差し出した腕を取り、漆黒のロールスロイスへと乗り込んだ。
バージンロードは、まだ始まったばかり。
その終着点は、真っ白な教会ではなく、血の色に染まった復讐の祭壇だ。
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