裏切りのバージンロード
結婚記念日の夜。豪華客船のデッキで夫・伊能一馬に抱きしめられた水瀬紗良は、幸せの絶頂にいた。
「……お前、邪魔なんだよ。愛人(あいつ)と一緒に暮らすから、死んでくれ」
囁かれた冷酷な言葉と共に、紗良は冷たい冬の海へと突き落とされる。
水中で意識が遠のく中、見上げたデッキで夫と親友がシャンパングラスを掲げて笑う姿が、網膜に焼き付いた。
奇跡的に救い上げられた紗良を待っていたのは、地獄のようなリハビリと、夫の最大の宿敵である冷徹な投資家・黒崎陸との「悪魔の契約」だった。
「お前の顔も、名前も、過去もすべて捨てろ。俺が、あいつを地獄へ叩き落とす最強の毒婦に作り替えてやる」
半年後。整形と過酷な教育を経て、妖艶な美女『シオン』として生まれ変わった紗良は、黒崎の「偽装妻」として一馬の前に現れる。
自分を殺した男は、正体に気づかぬままシオンに溺れ、破滅へと足を踏み入れる。
しかし、復讐に協力する黒崎の瞳には、契約を超えた異常な独占欲が宿り始めていた――。
「……シオン、お前は俺の道具だ。……だが、俺以外の男に触れられることは、万死に値する」
嘘の誓い、奪われた財産、そして暴かれる警察をも巻き込んだ巨大な陰謀。
愛と憎しみが交錯する、10万文字の復讐サスペンス、開幕。
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