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死神の一歩
第1話 生の世界の終わり
しおりを挟む僕は、死崎伯人高校1年生。
1ー2クラス。クラスでの立ち位置は、可もなく不可もなくってところだ。
そして、
「おっす!伯人~」
元気に挨拶をして来たのは、僕の親友。
石取高虎だ。彼は、バスケ部に所属しており、
性格も運動神経もいい。典型的な陽キャだ。
だが、何故か僕に構ってくれる。
きっと、いい奴なんだろう。
このクラスは、全員で38人。
特にいじめなどもなく、いつも通りの毎日が始まる。
ーーー筈だった。
「オラァ!」
と、聞いたことの無い声と共に、教室のドアが破られる。
ババババババババババ!!!
銃声が響き渡る。
「テメェらは俺らの人質だぁ!大人しく金になりやがれ!ガキ共!」
なんの冗談だ?銃...つまり、僕達は殺されるかもしれない。怖い.....。震えが止まらない。だって俺達には未来があると、そう思っていた。
なんで....まだ、親にありがとうもロクに言えてない。
ここまで育ててもらっておいてこんな親不孝な死に方嫌だ!胸が痛くなる。締め付けられる。涙が出る。
僕は、かなり追い詰められていた。
「うぅ.....うぐっ」
周りを見ると、絶望して泣いているのは僕だけじゃないみたいだ。
「みんな!気を強く持って!きっと警察が来てくれる」
クラスの中心人物の1人、羽田通が言う。
だが、みんなはそうだよね!だとか、生きて帰れるって!とか、現実味のない希望を持つが、僕はそんな楽観的になれなかった。
警察が来ても、犯人が逆上して僕達を皆殺しにするかもしれないし、警察が教室の前までこれても犯人は僕達を道連れにしようとするかもしれない。
結局、僕達が生き残れる確率は10%未満といった所だ。
「何喋ってんだぁ!ガキ共ォ!!!ぶっ殺されてぇのか!あぁん!」
と、言って
ババババババババババ!と、また銃を天井に向かって打つ。不味いなこれ以上犯人を刺激すると殺されるかも知れない。
それから、30分が経過した。
ふと、思った。僕はさっきほど動揺していない。
あれ?何で僕こんなに冷静でいられるんだ?だって、クラスメイトが、今まで一緒に過ごしてきた仲間が殺されるかもしれないのに。何で!こんな冷静でいられるんだよ!おかしいだろ!
慣れてきてるのか.....?
この死と表裏一体の状況に。
一歩間違えれば、動かなくなり、考えられなくなり、冷たくなっていき、地球の養分にされるかもしれない場所に?
怖い...。怖いよ...。
このままじゃ、僕が僕じゃなくなる。
そんな気がした。
違う僕になってしまう。
死は、何ももたらさない。
ただ、終わらせるだけ。
人の愛も、未来も、つながりも、心も、体も、生きる資格も、当たり前も、日常も、思い出も、生きた証すらも奪って消して壊して砕いてそれが当たり前のように全てを無くしていく。死が通り過ぎた時、それはいつだって
死体の山がポツリとあるだけ。
ビギッと、急に右目が激痛に襲われた。
何だ......?右目が熱い。痛い。苦しい。何だよこれ!
「いだいよ....。ゆるじで....。死にたくないよ....。」
口から言葉が溢れる。
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で!!!!!
僕が!!僕達が!苦しまなきゃいけないんだよ!
おかしいのは!銃を当たり前のように撃ちまくるあいつ!あんなやつを育てた親!あんなやつを野放しにする世界!!僕達はそいつらのせいで当たり前を奪われるのか?そんな事許されない。死ぬのは、あいつらだ。
世界で最も強く歪んだ一種の正義のような殺気が放たれる。
他でもない、一般人の無力でいたぶられるだけのちっぽけな少年からーー。
絶対に、殺してやる。
少年は固く決意したのだったーー。
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