家族に疎まれて、醜穢令嬢として名を馳せましたが、信用出来る執事がいるので大丈夫です

花野拓海

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二章  しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。

ぶっちゃけ目覚ましセットしても眠過ぎて二度寝するよね

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 2人だけのデートが始まった。
 生まれ育った街故に行く場所が無くなると心配する可能性もあるが、この街は存外広く、そしてレベッカが産まれてから街に出ることが非常に少なかったこともあり、行く場所には困らなかった。

 つい先日街全体が燃えたとはいえ、あれはたった一人の人間が起こした事件。そのため、見た目の割にそこまで燃えていなかったのだ。
 そのため、街はもう完全に復活していて、安全にデートすることが出来るのだ。

 遊園地や水族館といった、メジャーなデートスポットこそないものの、それなりに行く場所はある。

 そして現在2人はカフェにいた。

「落ち着く雰囲気のカフェだね………」

「はい。僕も久しぶりに来たのですが、変わっていなくてホッとしています」

 レベッカとアイトはゆったりと珈琲を飲んでいる。
 このカフェ、お客の人数こそ少ないが、珈琲も美味しく、ゆっくりと落ち着ける雰囲気になっている。仕事に忙しい人にはピッタリだ。

「このお店は軽食も美味しいのですよ。朝食、食べていないでしょうしレベッカもどうですか?」

 レベッカはそう言われて、手渡されたメニューを見る。
 パスタやサンドイッチなど、カフェにはよく見かける軽食が数点並んでいる。最も、レベッカはカフェには行ったことはないのだが。

「じゃあ、私はこれで」

 初めて来た店なので、おすすめのサンドイッチをレベッカは選んだ。
 アイトがレベッカの選んだメニューを確認すると、静かに手を上げ、店員がやってきた。

 注文を終えると、店員は奥へと行った。その一連の流れにレベッカは見惚れてしまった。

「どうしたんですか?レベッカ」

 固まって動けなくなっていたレベッカに、アイトが話しかけたことによってレベッカの時が動き出した。

「やっぱり、アイトってカッコイイね!」

「………いきなりどうしたんですか?」

「ううん。ちょっと、そう思っただけ」

 注文している時のアイトは、まさにデキる男というイメージだった。

「ねえアイト。お昼まではどこに行くの?」

「そうですね………折角なのでブティックなどどうでしょうか」

 ブティック。それは基本的にオシャレな服や小物なんかを置いてある店だ。

「え?でも、ブティックって高いんじゃ………」

「お金のことなら心配しないでください」

 アイトがそう言っても、レベッカの中では心配は残る。
 ただでさえレベッカに持ち合わせはなく、アイトに色々買ってもらってるというのに。

「僕は、レベッカが今日を笑顔で過ごせてくれたらそれで一番なんですから」

「………ずるいよ」

 アイトの言葉に続いたレベッカのその小さな呟きは、アイトには聞こえなかった。
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