家族に疎まれて、醜穢令嬢として名を馳せましたが、信用出来る執事がいるので大丈夫です

花野拓海

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二章　しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。

何事も恥ずかしがらずに前に進め。無理に進めとは言わないけど

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前書き

お久しぶりです。
アルファポリスで前書きを書くのは初めてですが、更新を無断で休んでいた理由をきちんと書こうと思いました
最近、更新を休んでいた理由としましては、毎日更新に疲れたので、少しだけ休暇期間を設けていました。
9月の間は週一更新を続け、10月からは毎日更新に戻りますので、よろしくお願いします

□■

　ナンパ。それは男が女に言い寄ることだとレベッカは認識していた。
　そしてレベッカは外の世界をあまり知らずに成長してきた。ということは、

（はじめての、ナンパ！？）

　レベッカの心は激しく動揺していた。
　そしてもちろん、経験のない、はじめてのナンパ相手に、レベッカが上手く対処できるはずもなかった。

「えっと、あの………」

　ナンパの対処法はアイトが教えてくれていた。
　サラッと流しつつ、やんわりと断りながらその場から離れる。

（で、でも、まだ綺麗だって言われただけ）

　アイト曰く、ナンパは相手を褒めてから遊びに誘うものだと聞いている。
　でも、レベッカはまだ褒められている段階。この段階で警戒するのはまだ早いとレベッカは自分の心を落ち着かせることにした。

　だが、落ち着かせる前にレベッカの様子を不審に思ったナイルはレベッカを心配して再度声を発した。

「すまないね。僕の不用意な言葉が君の心を害したようで………」

「いえ、そんなことは………」

　なかなか返事をしないレベッカに、ナイルはレベッカの気持ちを不快にさせてしまったと判断して、大人しく引き下がろうとする。

　ナイルが手を軽く挙げて、静かに去っていく。
　その哀愁漂う後ろ姿を見てレベッカは

「ま、待って」

　思わずその手を掴んでしまった。
　レベッカが手を掴んできたのが予想外だったのか、ナイルは驚愕しながらもレベッカを見てくる。

「えっと、ごめんなさい。私、自分の容姿を褒められたことがなくて………それで、返事に困ってたのを勘違いさせて………」

　申し訳なさそうな表情をするレベッカを見て、ナイルはクスッと笑いながら振り向いた。

「ごめんなさい。少し意地悪をしてみました」

　そのセリフに、キョトンとしたレベッカだったが、その言葉の意味をすぐに理解したレベッカは、顔を赤くした。

「あ、えっと、それって………」

「おや？予想はしてたけど、こういうのは慣れていないのですか？顔が真っ赤ですよ？」

　ナイルの言葉に、レベッカはますます顔を赤くする。

　今更だが、レベッカの知識は偏っている。知識の主な収入源はアイトか、アイトの持ってくる本だけである。

　アイトは質問すれば答えてくれはするものの、自分から教えてくれることはほとんどない。
　ならば、やはり本の知識にレベッカの知識は偏ることになる。
　そこでレベッカは読んだのだ。男の子は、好きな女の子に悪戯したくなるものだと。

　そう。その当てはまるようで当てはまらない知識によって、レベッカはナイルに惚れられているという、あまりにも自意識過剰な勘違いをしてしまっているのである。

「悪戯したお詫びです。僕と一緒に回りませんか？社交界は慣れていないみたいだし、僕も君みたいな綺麗な人と回れるとうれしいよ」

　最後のナイルのセリフを聞いて、レベッカは確信した。

（やっぱり、ナンパだ！）

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