赤ずきん姫、愛する騎士に守られてお婆様のお見舞いに行く。今夜もまた一人犠牲者に、人狼は誰?

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第7話 私は本当の事が知りたいのです!

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私達は馬車に積まれた野営用の薪に火を点けると、その周りに座りました。

「体の調子はどう?」

私は少年に訪ねました。

「傷は少し痛みますが、体の調子はかなり戻りました」

少年はガッツポーズをしました。

「君を疑って申し訳なかった」

ランスロットが少年に謝罪すると、少年が答えました。

「いえ、あの状況では疑われても仕方ないと思います」

その時、私は久しぶりに穏やかな気分を味わっていました、でも…

「ねえ、皆でお話ししましょう」

「姫様が望むなら。何を話しましょうか?」

「なぜ犯人は私ではなくメイドや使用人を襲ったのか…」

「今更それを考えても仕方ないのでは?」

ランスロットは嫌そうな顔をした。

「なんで?私は知りたいわ、どうしても」

「仕方ありませんね…」

「まずは…お継母様の狙いが私だけでなくお婆様も亡き者にする事だとしたら、渡された薬は偽物という事になるわよね」

「なぜ先代王妃様を?」

「何かの秘密…例えば…兄君の死も実はお継母様の仕業で、その証拠を握っているとか」

「証拠があるならなぜ秘密にする必要があるんですか?」

「だから例え話ですって。で、次ね…薬が偽物だった場合、私達の誰か一人でも城に戻ってそれをお父様に伝えれば、薬を用意したお継母様の立場が無くなるわよね」

「それだけの為に我々を皆殺しに?」

「あの人は、そういう人よ。あとは数の原理に従ったのでしょう…」

私の推理はこうです。最初の夜、私は自分だけが狙われていると思っていたので二人を見張りにして、メリイを一人にしてしまいました。だから彼女が襲われたのです。

二日目の夜、私とランスロットはバーに居た。ガストンは少年と一緒だったけど、少年は怪我を負って意識が朦朧としていました。だからガストンが襲われたのです。

三日目の夜、私は犯人の目的が皆殺しなら、怪我をしている少年が一番危ないと思っていました。しかし、犯人の目的は口封じだった、事情を知らない少年は犯人の狙いの対象とはならなかったのです。

「…では誰を狙うつもりだったのでしょうか?」

「それは姫様なのでは?」

「あなたもいると分かっているのに?それではこれまでの慎重な犯行と矛盾していませんか?
私ならまずランスロット様から狙います。あなたなら朝まで寝ずの番をするでしょうから、疲労で隙ができる明け方の一瞬を突くでしょう」

「それはあの猟師が余程焦っていたという事では?」

「あの猟師…本当にあの人が犯人なのでしょうか?実は味方で大切な事を伝えに来たとしたら…」

「大切な事とは?」

「薬が偽物だって事。それから、本物の薬を持ってきたって事」
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