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第8夜
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黎夜のパーカーが、グレーからいつもの黒に戻る。
緋香梨の通う十字高校のクラスメイトが襲われてから、事件は落ち着きを見せている。
放課後先生たちが持ち回りで見回りを行っているが、犯人が当初の予想通り魔人種なら逆に純人種の先生たちが見回りするほうが危ないのではないかとクラスメイトたちは話している。
意外なことに聖はあの日から黎夜を糾弾するどころか、学校にも登校していない。
MCPOのローブを羽織った聖が病院に出入りする姿が目撃されているくらい。
――――君と黒崎君はいとこでもなければ、血のつながりもない赤の他人だ。
黎夜にちょっかい出されないことを安堵するも、緋香梨の耳にはあのときの聖の言葉がこびりついて離れない。
ばかばかしいと一蹴してしまいたいのに、黎夜の―――黎夜の両親について深く考えるようにすればするほど頭が痛くなる。両親が死んだ自分を引き取って育ててくれたやさしい人たちのはずだった。海外を拠点に仕事しているので仕送りはしてくれているが、ほとんど会ったことはなくて。会ったことは、な、く、て……?
「……ッ」
「ひーちゃん。調子が悪いなら、今日の住吉と遊ぶの……やめて、家に、いよ?」
黒崎家のキッチンのテーブルで、向かい側に座る黎夜の琥珀色の瞳が心配げに垂れ下がっている。
今日の黎夜は黒のトレーナーにパーカーを羽織っている。家の中なのでフードは脱いでいる。休みの日なのでいつも以上に黒髪が無造作に跳ねていて、今日も緋香梨が朝起きてすぐにつけてあげたヘアピンが前髪についている。
気がつけば今日は31日。
緋香梨の誕生日。約束通り、日中はちさと遊ぶ。
「黎夜、ううん、大丈夫。平気。ちょっと寝不足なせいなだけだと思う」
「なら……いいけど……」
久しぶりにちさとふたり水入らずで遊べるのを楽しみにしていたのだ。
心配してくれる黎夜には悪いと思いながらも、急いで今日の朝食の食パンにかぶりつく。
体調が悪く見えるのだとしたら、黎夜について考えていたからで、それを本人に直接言うわけにもいかない。
納得していない顔をしてレタスをむしゃむしゃと食べる黎夜を盗み見しながら、緋香梨は一旦黎夜の両親について考えるのはよそうと思った。
夜は黎夜と過ごすのだ。帰ってきてから、誕生日ということに便乗して、思い出を振り返りながら両親の話を振ればいい。それから聖が黎夜が疑ってることを笑い話にして終わりだ。今日で魔人種が最も活性化する日が終わるので、聖も魔人種共存推進機関の仕事とやらが終わって転校していくのではないかと緋香梨は思っている。
「ほんとに……行くの……?だいじょうぶ……?やめよ……?住吉には、俺から、連絡いれる」
「行きます。大丈夫だから。黎夜こそ、今日はついてきちゃだめだからね?」
食事を終えて、着替えて準備をして。
玄関で、見送りに来た黎夜と行く行かないの攻防を繰り返す。
今日の緋香梨の服装は、いつも通り首にはチョーカー、そして黒髪をひとつにまとめて左側で結び、その上に白いもふっとした帽子を被っている。黒のシンプルなセーターに、グレーのチェックの膝丈スカート、それからもこもこの白いトートバックをさげている。
「うー……今日のひーちゃんかわいいから……俺、もっと心配」
「あ、ありがと」
子どもみたいに黎夜が唸り、行かないでというようにぎゅっと正面から抱きしめられる。
黎夜の大きな体に包み込まれながら、素直に褒められて緋香梨の体温が上がる。
「1時間毎に……連絡ちょうだい……」
「嫌。それ重いから。場所を移動したときくらいなら連絡するから、ね」
「うん………」
高校生になっても変わらず緋香梨に執着を見せる黎夜のブレなさに緋香梨は笑い、ぽんぽんと背中に回した手で黎夜を宥め、連絡回数を減らすことを納得させる。
「じゃあ行ってくるね」
「いって……らっしゃい……」
ひらひらと手を振る黎夜に見送られ、緋香梨は玄関を出た。
ハロウィンにも関わらず、この街には本当に魔人種が少ないなと思いながら、緋香梨は住宅街を抜けてバス停に向かう。
今朝時間がある時にスマホでニュースを見る限り、世間は魔人種のことでいっぱいだった。
お天気のニュースのキャスターの後ろの空では魔人種が普通に飛んでいたし、インタビュー受けている人の背後の街ゆく人々も仮装か魔人種か判断に困る感じだった。
バス停でひとり待っていると、定刻になりバスが来て、乗り込む。
乗客はいない。
空いた席に座って外の景色を眺めていると、隣りに人が座る気配がする。
ほかにも空いてるのになと緋香梨はちらりと隣を見る。
「あれ。緑川先生?」
「どうも、宝条さん。本当にひとりなんですね。これから住吉さんと遊ぶんでしたっけ?」
休日にも関わらず、緑川は白のタートルネックとジーンズに、白衣を着ていた。
「そうです。先生は見回りです。先生が見回りしても意味なんてないと思うんですけど、ほら、今日がハロウィンなので一応ね」
「なるほど」
ハロウィンだから仮装にも見えるのかなと考えながら、緋香梨は頷く。
会話が途切れる。
緑川と並んで、ふたりきりの静かな車内でぼーっと窓から見える景色を見つめる。
「……?ねえ、先生。なんか今日、人、少なくないですか?というか、いない……?」
バス停をいくつか通過するも人が乗り込む気配がない。
ノンストップで通過していく。
道路を走る車もなくて、道を歩く人も、いや、鳥の姿さえない。
昼間の青い空が、紫と橙を混ぜたような不気味な色に変化していることに気がつく。
「少なくないですね。普通ですよ。
―――だって宝条さん、今日はハロウィンで、キミの誕生日なんですよ?
ボクらはこの日を待っていたから、邪魔者はいないほうがステキでしょう?」
「……え?先生……、うっ」
優しいトーンで話す緑川の声が、急に平坦になる。
おかしなことを言い始め、びっくりして隣を見れば、緑川の新調された薄いレンズの向こう側の瞳は濁ったような金色になっていて。
認識した途端、緋香梨の視界がぐるぐる回り始める。
座っていられなくなり、意識が急激にすっと遠のいていく。
「宝条さん―――イエ、宝条緋香梨。
Happy birthday!!
今日という日まで、ボクたちのために美味しく育ってくれてありがとうございます!」
緑川が立ち上がり、両手を広げて芝居がかった口調で言う。
亜麻色のポニーテールが自然とほどけ、腰までの長さの髪が足首まで伸びる。
眼鏡が砂のように崩れ、緑だった瞳が濁った金色になり。
全身から黒い影が吹き出るようにして緑川を覆い、離れ、白衣が黒く染まり、裾がちりちりと黒い炎のように揺れる。
「ああ―――もう、我慢できなくなるかと思ったんですよ?先生、つまみ食いして今日までなんとか我慢しました」
にっと口角をあげるとその隙間から鋭く尖った犬歯がのぞく。
「安心して、その身を先生に食べさせてください?」
バスの座席に倒れ込む緋香梨の体を抱き上げ、顔色を失った緋香梨の頬に頬ずりをする。
白い帽子がバスの床に落ち、座席には鞄だけが残され、消えた。
緋香梨の通う十字高校のクラスメイトが襲われてから、事件は落ち着きを見せている。
放課後先生たちが持ち回りで見回りを行っているが、犯人が当初の予想通り魔人種なら逆に純人種の先生たちが見回りするほうが危ないのではないかとクラスメイトたちは話している。
意外なことに聖はあの日から黎夜を糾弾するどころか、学校にも登校していない。
MCPOのローブを羽織った聖が病院に出入りする姿が目撃されているくらい。
――――君と黒崎君はいとこでもなければ、血のつながりもない赤の他人だ。
黎夜にちょっかい出されないことを安堵するも、緋香梨の耳にはあのときの聖の言葉がこびりついて離れない。
ばかばかしいと一蹴してしまいたいのに、黎夜の―――黎夜の両親について深く考えるようにすればするほど頭が痛くなる。両親が死んだ自分を引き取って育ててくれたやさしい人たちのはずだった。海外を拠点に仕事しているので仕送りはしてくれているが、ほとんど会ったことはなくて。会ったことは、な、く、て……?
「……ッ」
「ひーちゃん。調子が悪いなら、今日の住吉と遊ぶの……やめて、家に、いよ?」
黒崎家のキッチンのテーブルで、向かい側に座る黎夜の琥珀色の瞳が心配げに垂れ下がっている。
今日の黎夜は黒のトレーナーにパーカーを羽織っている。家の中なのでフードは脱いでいる。休みの日なのでいつも以上に黒髪が無造作に跳ねていて、今日も緋香梨が朝起きてすぐにつけてあげたヘアピンが前髪についている。
気がつけば今日は31日。
緋香梨の誕生日。約束通り、日中はちさと遊ぶ。
「黎夜、ううん、大丈夫。平気。ちょっと寝不足なせいなだけだと思う」
「なら……いいけど……」
久しぶりにちさとふたり水入らずで遊べるのを楽しみにしていたのだ。
心配してくれる黎夜には悪いと思いながらも、急いで今日の朝食の食パンにかぶりつく。
体調が悪く見えるのだとしたら、黎夜について考えていたからで、それを本人に直接言うわけにもいかない。
納得していない顔をしてレタスをむしゃむしゃと食べる黎夜を盗み見しながら、緋香梨は一旦黎夜の両親について考えるのはよそうと思った。
夜は黎夜と過ごすのだ。帰ってきてから、誕生日ということに便乗して、思い出を振り返りながら両親の話を振ればいい。それから聖が黎夜が疑ってることを笑い話にして終わりだ。今日で魔人種が最も活性化する日が終わるので、聖も魔人種共存推進機関の仕事とやらが終わって転校していくのではないかと緋香梨は思っている。
「ほんとに……行くの……?だいじょうぶ……?やめよ……?住吉には、俺から、連絡いれる」
「行きます。大丈夫だから。黎夜こそ、今日はついてきちゃだめだからね?」
食事を終えて、着替えて準備をして。
玄関で、見送りに来た黎夜と行く行かないの攻防を繰り返す。
今日の緋香梨の服装は、いつも通り首にはチョーカー、そして黒髪をひとつにまとめて左側で結び、その上に白いもふっとした帽子を被っている。黒のシンプルなセーターに、グレーのチェックの膝丈スカート、それからもこもこの白いトートバックをさげている。
「うー……今日のひーちゃんかわいいから……俺、もっと心配」
「あ、ありがと」
子どもみたいに黎夜が唸り、行かないでというようにぎゅっと正面から抱きしめられる。
黎夜の大きな体に包み込まれながら、素直に褒められて緋香梨の体温が上がる。
「1時間毎に……連絡ちょうだい……」
「嫌。それ重いから。場所を移動したときくらいなら連絡するから、ね」
「うん………」
高校生になっても変わらず緋香梨に執着を見せる黎夜のブレなさに緋香梨は笑い、ぽんぽんと背中に回した手で黎夜を宥め、連絡回数を減らすことを納得させる。
「じゃあ行ってくるね」
「いって……らっしゃい……」
ひらひらと手を振る黎夜に見送られ、緋香梨は玄関を出た。
ハロウィンにも関わらず、この街には本当に魔人種が少ないなと思いながら、緋香梨は住宅街を抜けてバス停に向かう。
今朝時間がある時にスマホでニュースを見る限り、世間は魔人種のことでいっぱいだった。
お天気のニュースのキャスターの後ろの空では魔人種が普通に飛んでいたし、インタビュー受けている人の背後の街ゆく人々も仮装か魔人種か判断に困る感じだった。
バス停でひとり待っていると、定刻になりバスが来て、乗り込む。
乗客はいない。
空いた席に座って外の景色を眺めていると、隣りに人が座る気配がする。
ほかにも空いてるのになと緋香梨はちらりと隣を見る。
「あれ。緑川先生?」
「どうも、宝条さん。本当にひとりなんですね。これから住吉さんと遊ぶんでしたっけ?」
休日にも関わらず、緑川は白のタートルネックとジーンズに、白衣を着ていた。
「そうです。先生は見回りです。先生が見回りしても意味なんてないと思うんですけど、ほら、今日がハロウィンなので一応ね」
「なるほど」
ハロウィンだから仮装にも見えるのかなと考えながら、緋香梨は頷く。
会話が途切れる。
緑川と並んで、ふたりきりの静かな車内でぼーっと窓から見える景色を見つめる。
「……?ねえ、先生。なんか今日、人、少なくないですか?というか、いない……?」
バス停をいくつか通過するも人が乗り込む気配がない。
ノンストップで通過していく。
道路を走る車もなくて、道を歩く人も、いや、鳥の姿さえない。
昼間の青い空が、紫と橙を混ぜたような不気味な色に変化していることに気がつく。
「少なくないですね。普通ですよ。
―――だって宝条さん、今日はハロウィンで、キミの誕生日なんですよ?
ボクらはこの日を待っていたから、邪魔者はいないほうがステキでしょう?」
「……え?先生……、うっ」
優しいトーンで話す緑川の声が、急に平坦になる。
おかしなことを言い始め、びっくりして隣を見れば、緑川の新調された薄いレンズの向こう側の瞳は濁ったような金色になっていて。
認識した途端、緋香梨の視界がぐるぐる回り始める。
座っていられなくなり、意識が急激にすっと遠のいていく。
「宝条さん―――イエ、宝条緋香梨。
Happy birthday!!
今日という日まで、ボクたちのために美味しく育ってくれてありがとうございます!」
緑川が立ち上がり、両手を広げて芝居がかった口調で言う。
亜麻色のポニーテールが自然とほどけ、腰までの長さの髪が足首まで伸びる。
眼鏡が砂のように崩れ、緑だった瞳が濁った金色になり。
全身から黒い影が吹き出るようにして緑川を覆い、離れ、白衣が黒く染まり、裾がちりちりと黒い炎のように揺れる。
「ああ―――もう、我慢できなくなるかと思ったんですよ?先生、つまみ食いして今日までなんとか我慢しました」
にっと口角をあげるとその隙間から鋭く尖った犬歯がのぞく。
「安心して、その身を先生に食べさせてください?」
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