11 / 14
第10夜
しおりを挟む
(黎夜!)
かなしばりにあったかのようにいまだ緋香梨の身体は動かない。
自由にならない身体にもどかしさを感じながら、心の中で待ち人の名前を呼ぶ。
「ひーちゃ……ん……?は………?ナニ、それ……お前、ひーちゃんを……。
俺の、ひーちゃんを、汚すなあああああ!」
薄暗い保健室で裸に剥かれた緋香梨に跨がった緑川―――吸血鬼の魔人種としての本性に露わにした姿―――を見て、黎夜はぴしりと固まるも、すぐに拳を握って向う。
「先生に手を挙げるなんて職員会議ものですよ?
というか、ボクのヴァンパイア姿を見てひるまないとはさすがですね。
ですが、ボクの宝条さんの味を損なうどころか、食事自体を邪魔するなんて論外ですよ」
長く伸びた亜麻色の髪をかきあげ、緑川は鋭く伸びた爪の指先を黎夜に向ける。
「――――Don't be a hero!
いい加減、邪魔なので、大人しくしてくださいよ!!」
「ぐ……ぁっ!」
怒気をこめるように緑川が叫べば、空気が大きく震え、圧縮される。
圧縮された空気は、指先の延長線上にいた黎夜に叩きつけられる。黎夜は背後に吹っ飛ぶ。
がしゃがしゃがしゃんと派手な音を立て、背中から薬棚に叩きつけられた黎夜が、ずり落ちる。衝撃に戸棚から薬等の医療道具が飛び出し、脊髄を打ちつけ唸る黎夜の頭の上に降り落ちる。
「ぃ……ぁっ」
黎夜のうめき声と衝撃音に、緋香梨は麻痺したように動かし辛い口元で、なんとか名前を呼ぼうとする。
眼球だけを動かして、黎夜が吹き飛ばされたほうを見る。緋香梨の言葉ならば普段はどんな囁きすらも聞き逃さない黎夜が、反応を示さない。衝撃でフードが脱げ去った黎夜は、俯き、何度か言葉にならない言葉を呟き、そのまま静かになった。
「大丈夫、ただの脳しんとうですよ。
黒崎君のことよりも、これからボクに血を吸われて死ぬ自分のことを心配したほうがいいですよ?宝条さん」
黎夜という邪魔者を排除した緑川はそう言って微笑む。
緋香梨の恐怖を煽るかのように、チョーカーを身につけた首筋を鋭く尖った爪先でなぞり、傷つける。
白い肌に、赤い線が走り、つうっと血が流れ。
芳醇な甘い血の香りが鼻をくすぐり、緑川は濁った金色の瞳を細めてうっとりする。
(やだ。いやだ、いやだ、いやだ!)
緑川のおぞましさに、緋香梨の身体がかたかたと震え始める。
ココア色の大きな瞳を涙の膜が覆い、決壊寸前になって。
黒と金の大きなかたまりが弾丸のように保健室に飛び込み、恐怖に満ちた雰囲気を蹴散らす。
「――――黒崎黎夜が魔人種かとアタリをつけていたが、あなたが魔人種でしたか、緑川先生!」
眩しいまでの金髪に、澄み渡る空のように青い瞳。
金と銀の交じり合った十字架の刺繍された黒いカソックを身につけた聖が保健室に転がり込むように乗り込み、その手にきつく握り締めた銀の十字架を掲げ、叫ぶ。
「【血と銀の盟約によって応えよ、我は断罪の鋼、汝とともに歩むものなり!】」
聖の言葉に呼応するように十字架が、金属の光沢だけではない光を自ら放ちだす。
聖の首にかかった白のステラがふわりと風圧に舞い上がり。
掲げられた十字架が聖の指の隙間から溶け出し、硬質なうつくしい長髪の女の形を取り、最後にステラがその膨らみを隠すように巻きついた。
「【我が魂を糧に、その威を天に知らしめたまえ。】アルギュロス、宝条さんを傷つけないようにその男を拘束しろ!ヴァンパイアはどれだけ痛めつけても構わない!」
「魔人種共存推進機関……!それに、そいつは精霊!純人種の犬に成り下がった我々魔人種の面汚しの力ですね……!?」
「―――その通りさ、Go、アルギュロス!」
声なき声をあげるようにしてアルギュロスと呼ばれた銀色の女―――精霊が、前に飛び出す。
緑川も黎夜のときのようにはいかないのか。
指先を向けてなんらかの力を行使しようとするも、すぐに苛立ったように舌打ちし、片腕で霧を払うような仕草をした。
チリチリと黒い炎となって焦げついていたマントが、腕を払う仕草とともに大きくたなびく。
向かってくるアルギュロスをいなすかのように黒炎の壁が立ちはだかり、アルギュロスが怯えるように身体を反らす。空中で待機し、アルギュロスの凹んだ形の瞳と、緑川の濁った金色の瞳がぶつかり合う。聖は瞬きもせずにアルギュロスを見つめ、力を補給する。
先行したのはアルギュロスだった。
その細い腕を大きく広げ、身体を反らして仰ぐ。
コォォァァァァァアと人には出せない声を出して叫び、その身体から弾丸の雨の如く銀を降らす。
どひゅん、どひゅんと降り注ぎ、緑川から外れた銀が、保健室の床にめり込む。
暴力的な数の銀に、緑川の炎の壁の勢いが衰える。
「魔人種ですらない精霊に此処まで苦しめられるとは。つまらない純人種のフリがボクも長過ぎましたかね。―――ここいらで、パワーアップといきましょうか?ねえ、宝条さん」
(!)
「パワーアップだと……?まさか……!?」
額に汗を浮かべた緑川がニッコリ微笑み、片手で炎を維持したままで、緋香梨に覆い被さってきた。
そうして舌先で先ほど傷をつけ流した血を舐めとる。たったそれだけの血で、黒炎の威力が増し、アルギュロスの銀に対抗するように炎の弾丸となって彼女を襲う。
「アルギュロス!―――そうか、宝条さん……いや、宝条緋香梨、君は<黄金血>だったのか……!」
(黄金、血?)
炎の勢いに負け、優性だったアルギュロスがはじけ飛ぶ。
水銀のように形を失い、液体となって聖の足元に飛び散る。
「形勢の立て直しは認めませんよ」
ステラだけを床に残し、水銀が聖の手元の十字架に戻ろうとするのを、緑川は腕をしならせて、炎を鞭のように扱い十字架を弾き飛ばした。
からんからんと音を立てて十字架が床を滑り、廊下のほうに行って、壁にぶつかる。
「くぅっ」
一瞬の接触で、触れ合った部分のじゅぅっと聖の手の肉が焼ける。
整った聖の顔が痛みに歪み、悔しそうに緑川を睨みつける。
そして、十字架に還りかけていたアルギュロスの水銀は、十字架が聖の手から離れた瞬間に動きを止め、完全な水銀となり床の上で完全に静止した。
「ふふ、万事、休すってやつですねえ?MCPOの星宮君。
そして、That's right!大正解です。
そう、宝条さんはね、ボクら魔人種にとって最高の美食であり、簡単に存在を高めてくれる―――いわゆる<黄金血>なんですよ」
「クソ、サイアクだ……!だから、お前は病院や女たちを襲ったのか……!」
「もちろん。このハロウィンという最も魔人種の力が昂ぶる時期に、最高のご馳走を食べるため。
少し我慢できなくて健康診断で採取した宝条さんの血を病院に侵入して味見してして、そのことを隠蔽するためにマズイ血を漁ったりしてカモフラージュしていただだけです」
「MCPOの保護下にいない<黄金血>が、呑気に生きてるとは思わないさ……!」
「それはボクも同意しますよ、星宮君。
<黄金血>は下手したら生まれると同時に搾取される運命。
ここまで生きてること自体が奇跡ですからね」
悔しそうな聖の言葉に、緑川がしみじみと頷きながら、さきほど血を舐めた緋香梨の首筋を撫でた。
かなしばりにあったかのようにいまだ緋香梨の身体は動かない。
自由にならない身体にもどかしさを感じながら、心の中で待ち人の名前を呼ぶ。
「ひーちゃ……ん……?は………?ナニ、それ……お前、ひーちゃんを……。
俺の、ひーちゃんを、汚すなあああああ!」
薄暗い保健室で裸に剥かれた緋香梨に跨がった緑川―――吸血鬼の魔人種としての本性に露わにした姿―――を見て、黎夜はぴしりと固まるも、すぐに拳を握って向う。
「先生に手を挙げるなんて職員会議ものですよ?
というか、ボクのヴァンパイア姿を見てひるまないとはさすがですね。
ですが、ボクの宝条さんの味を損なうどころか、食事自体を邪魔するなんて論外ですよ」
長く伸びた亜麻色の髪をかきあげ、緑川は鋭く伸びた爪の指先を黎夜に向ける。
「――――Don't be a hero!
いい加減、邪魔なので、大人しくしてくださいよ!!」
「ぐ……ぁっ!」
怒気をこめるように緑川が叫べば、空気が大きく震え、圧縮される。
圧縮された空気は、指先の延長線上にいた黎夜に叩きつけられる。黎夜は背後に吹っ飛ぶ。
がしゃがしゃがしゃんと派手な音を立て、背中から薬棚に叩きつけられた黎夜が、ずり落ちる。衝撃に戸棚から薬等の医療道具が飛び出し、脊髄を打ちつけ唸る黎夜の頭の上に降り落ちる。
「ぃ……ぁっ」
黎夜のうめき声と衝撃音に、緋香梨は麻痺したように動かし辛い口元で、なんとか名前を呼ぼうとする。
眼球だけを動かして、黎夜が吹き飛ばされたほうを見る。緋香梨の言葉ならば普段はどんな囁きすらも聞き逃さない黎夜が、反応を示さない。衝撃でフードが脱げ去った黎夜は、俯き、何度か言葉にならない言葉を呟き、そのまま静かになった。
「大丈夫、ただの脳しんとうですよ。
黒崎君のことよりも、これからボクに血を吸われて死ぬ自分のことを心配したほうがいいですよ?宝条さん」
黎夜という邪魔者を排除した緑川はそう言って微笑む。
緋香梨の恐怖を煽るかのように、チョーカーを身につけた首筋を鋭く尖った爪先でなぞり、傷つける。
白い肌に、赤い線が走り、つうっと血が流れ。
芳醇な甘い血の香りが鼻をくすぐり、緑川は濁った金色の瞳を細めてうっとりする。
(やだ。いやだ、いやだ、いやだ!)
緑川のおぞましさに、緋香梨の身体がかたかたと震え始める。
ココア色の大きな瞳を涙の膜が覆い、決壊寸前になって。
黒と金の大きなかたまりが弾丸のように保健室に飛び込み、恐怖に満ちた雰囲気を蹴散らす。
「――――黒崎黎夜が魔人種かとアタリをつけていたが、あなたが魔人種でしたか、緑川先生!」
眩しいまでの金髪に、澄み渡る空のように青い瞳。
金と銀の交じり合った十字架の刺繍された黒いカソックを身につけた聖が保健室に転がり込むように乗り込み、その手にきつく握り締めた銀の十字架を掲げ、叫ぶ。
「【血と銀の盟約によって応えよ、我は断罪の鋼、汝とともに歩むものなり!】」
聖の言葉に呼応するように十字架が、金属の光沢だけではない光を自ら放ちだす。
聖の首にかかった白のステラがふわりと風圧に舞い上がり。
掲げられた十字架が聖の指の隙間から溶け出し、硬質なうつくしい長髪の女の形を取り、最後にステラがその膨らみを隠すように巻きついた。
「【我が魂を糧に、その威を天に知らしめたまえ。】アルギュロス、宝条さんを傷つけないようにその男を拘束しろ!ヴァンパイアはどれだけ痛めつけても構わない!」
「魔人種共存推進機関……!それに、そいつは精霊!純人種の犬に成り下がった我々魔人種の面汚しの力ですね……!?」
「―――その通りさ、Go、アルギュロス!」
声なき声をあげるようにしてアルギュロスと呼ばれた銀色の女―――精霊が、前に飛び出す。
緑川も黎夜のときのようにはいかないのか。
指先を向けてなんらかの力を行使しようとするも、すぐに苛立ったように舌打ちし、片腕で霧を払うような仕草をした。
チリチリと黒い炎となって焦げついていたマントが、腕を払う仕草とともに大きくたなびく。
向かってくるアルギュロスをいなすかのように黒炎の壁が立ちはだかり、アルギュロスが怯えるように身体を反らす。空中で待機し、アルギュロスの凹んだ形の瞳と、緑川の濁った金色の瞳がぶつかり合う。聖は瞬きもせずにアルギュロスを見つめ、力を補給する。
先行したのはアルギュロスだった。
その細い腕を大きく広げ、身体を反らして仰ぐ。
コォォァァァァァアと人には出せない声を出して叫び、その身体から弾丸の雨の如く銀を降らす。
どひゅん、どひゅんと降り注ぎ、緑川から外れた銀が、保健室の床にめり込む。
暴力的な数の銀に、緑川の炎の壁の勢いが衰える。
「魔人種ですらない精霊に此処まで苦しめられるとは。つまらない純人種のフリがボクも長過ぎましたかね。―――ここいらで、パワーアップといきましょうか?ねえ、宝条さん」
(!)
「パワーアップだと……?まさか……!?」
額に汗を浮かべた緑川がニッコリ微笑み、片手で炎を維持したままで、緋香梨に覆い被さってきた。
そうして舌先で先ほど傷をつけ流した血を舐めとる。たったそれだけの血で、黒炎の威力が増し、アルギュロスの銀に対抗するように炎の弾丸となって彼女を襲う。
「アルギュロス!―――そうか、宝条さん……いや、宝条緋香梨、君は<黄金血>だったのか……!」
(黄金、血?)
炎の勢いに負け、優性だったアルギュロスがはじけ飛ぶ。
水銀のように形を失い、液体となって聖の足元に飛び散る。
「形勢の立て直しは認めませんよ」
ステラだけを床に残し、水銀が聖の手元の十字架に戻ろうとするのを、緑川は腕をしならせて、炎を鞭のように扱い十字架を弾き飛ばした。
からんからんと音を立てて十字架が床を滑り、廊下のほうに行って、壁にぶつかる。
「くぅっ」
一瞬の接触で、触れ合った部分のじゅぅっと聖の手の肉が焼ける。
整った聖の顔が痛みに歪み、悔しそうに緑川を睨みつける。
そして、十字架に還りかけていたアルギュロスの水銀は、十字架が聖の手から離れた瞬間に動きを止め、完全な水銀となり床の上で完全に静止した。
「ふふ、万事、休すってやつですねえ?MCPOの星宮君。
そして、That's right!大正解です。
そう、宝条さんはね、ボクら魔人種にとって最高の美食であり、簡単に存在を高めてくれる―――いわゆる<黄金血>なんですよ」
「クソ、サイアクだ……!だから、お前は病院や女たちを襲ったのか……!」
「もちろん。このハロウィンという最も魔人種の力が昂ぶる時期に、最高のご馳走を食べるため。
少し我慢できなくて健康診断で採取した宝条さんの血を病院に侵入して味見してして、そのことを隠蔽するためにマズイ血を漁ったりしてカモフラージュしていただだけです」
「MCPOの保護下にいない<黄金血>が、呑気に生きてるとは思わないさ……!」
「それはボクも同意しますよ、星宮君。
<黄金血>は下手したら生まれると同時に搾取される運命。
ここまで生きてること自体が奇跡ですからね」
悔しそうな聖の言葉に、緑川がしみじみと頷きながら、さきほど血を舐めた緋香梨の首筋を撫でた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果
景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。
ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。
「俺……ステラと離れたくない」
そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。
「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」
そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。
それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。
勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。
戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──?
誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。
身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~
ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。
彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。
――死んだはずの彼女が、生きている?
同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。
「今さら、逃げ道があると思うなよ」
瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。
秘された皇子と、選び直した愛。
三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?
* * *
後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる