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夜空にバサッ、と風を切る音が響く。背中から蝙蝠の羽を生やしたソラがとりあえず休憩、とホテルから離れたビルの屋上に降り立つと、どことなく上機嫌な諒真が大きな白い狼の背に乗ったまま同じように降り立った。
「ちょっとオニーサン、地面についたなら一旦人間の方に戻ってくんね?」
腕の中の貴斗が“狼”の姿に怯えて、激しく震えている。華生はそれを一瞥して大人しく元に戻った。
「んで、どうすんだ。あの社長んとこ戻るのか?」
「……、あんた達だけ戻ってよ」
言われて諒真がチラ、と視線を向けた先で貴斗はソラに縋ったまま震え続けている。確かに戻った所で会話になるとは思えないし、あの息子が色々世話を焼きたがるかもしれない。落ち着くのを待った方が懸命だ。
それに、と諒真は目を細めた。
(気配が変わってる)
何も感じないただの人間、だった筈の彼から微弱ながらも浄化の気配を感じる。
(……若干手遅れか)
しかし魂を破壊されなかっただけマシだ。
「一族の襲撃がないとは限らないしな。そっちはばあちゃん達を守って」
「……それは構わないけど、逆に僕達が側にいない方が安全なんじゃないか?」
「離れてて人質にされる方がめんどい」
「そっちはどうすんだ」
「俺のねぐらはバレてないと思うし、一旦そっちに行く」
恐らく貴斗の部屋は張られている。今は見つかっていないとはいえ、春海の家もやがて見つかるだろう。ソラの住居もいずれは見つかってしまうだろうが、少しの間なら暁の一族からも闇の一族からも隠れられる。
「何かあれば連絡しろ」
「え、やだ何この仲良しみたいな空気!やめてよねー、気持ち悪い」
「ふざけんな!お前の為に言ってるわけじゃねぇよボケ!!」
「もう、喧嘩しないするなって……。とりあえず、落ち着いたら一度春海さんに電話した方がいいと思うぞ」
「はいはぁい」
ソラがひら、と手を振って貴斗を抱え直すと夜空に浮かび上がった。
「追っ手は来てるだろうから精々気を付けなよー」
「てめぇこそ俺が殺す前に死ぬんじゃねぇぞ」
「うっわー、いらねー。こんな独占欲」
何だかんだで似た者同士の二人が軽口を叩きあって彼らはそのビルを後にした。
※ ※ ※ ※
玄関を開けて電気を点けた途端、緊張の糸が切れたのか腕の中から嗚咽が聞こえてきた。
「ひ……、う……っ」
「……貴斗……」
堰を切ったように泣き出した貴斗の震え続ける身体をソファーに降ろして抱き締め、宥めるように撫でてやる。暫くそのまま撫で続けて、泣き声からしゃくりあげる声に変わるまで待ったソラがポツリと言った。
「ごめんね……」
そこで漸く貴斗が泣き腫らした顔を上げ、何を謝られているのかわからないと言いたげな顔でソラを見つめた。
「守るって言ったのに……ごめん……」
「ち、違……、ソラの、せいじゃ……」
合間にしゃくりあげながら貴斗が慌てたように首を振る。
「だって、俺が……勝手に、家出た……から」
だからソラのせいじゃない、とまたポロポロ涙を溢す。
「俺のせいで、ソラが、死んだかと思……っ」
貴斗はそう言ってギュッと強くしがみついた。そうだ、この子が見た筈の最後の光景は自分が撃たれた所だった、と思い出して抱き締める腕に力を込める。
「大丈夫、ちゃんと生きてるよ」
「うん……っ」
「……怖い思いさせて……ごめん……。すぐに助けてあげられなくて、ごめん」
「ソラは無事だったし、それにあの……、ホテルの事は……殆ど……覚えてない、から……平気。助けてくれて、ありがと……」
そう言ってしゃくりあげながらも微笑んでみせた姿に胸が締め付けられ、ソラは泣きそうになった。
使われた薬は強力だった。薬が効いている間の記憶は酷く曖昧で、何より初めから命よりは失ってもマシだと思っていた物。確かにショックは大きかったけど。
そう思って泣きそうなソラを見上げる。
「ホントに、大丈夫……だから」
でもその身体はまだ微かに震えていて、多少の強がりが混ざっているのは確実だ。せめて少しでも気分を変えさせようと思った時、
(そういえばまだ裸のまま……っ!)
今の貴斗がシーツを巻き付けただけだったのを思い出した途端何故か酷く動揺して立ち上がる。
「ちょっとお風呂沸かすから待っててね」
「あ……っ」
いつも通りに聞こえるように明るく言ったソラの腕を貴斗が掴んだ。
「……ひ、一人……ヤダ……っ!」
「……、わかった」
やっぱり訂正。大部分が強がりじゃん、と俯く頭を撫で、抱き上げて移動し脱衣場に降ろす。姿が見えなくならないようにドアを開けたままざっと浴槽を洗い、湯を出しながら振り返った。
「俺、ここにいるからゆっくり入っておいで。湯は適当なとこで止めてくれたらいいよ」
ここ、と浴室の入口を指差すと貴斗は困ったように眉を寄せた。
「どした」
「……」
貴斗の口が何か言いたげにモゴモゴと動く。開いては閉じて、を何度も繰り返した後辛抱強く待っていたソラの服の裾をチョイ、っと指先で掴んだ。
そこで俯いてまた考え込むような間。
「……貴斗?」
あ、もしかしてドアの前とか変態くさかった?と思ったソラがリビングで待ってるからと言い直しかけた時。
「……一緒に、入って……もらっても、いいですか」
耳が腐って都合のいい幻聴が聞こえたかと思って、一度無意味に耳を引っ張った。引っ張った所で何が起きるわけでもない。本当に無意味だ。それから俯いたままの貴斗を見下ろす。
「え……、と……」
「へ、変な意味じゃなくて!……その、……」
裾を握る指先に力が籠ったのを感じながら、台詞の先を継いで訊く。
「……一人、嫌?」
こくり、と首が縦に動いておずおずと見上げてきた。
「……ダメ、ですか」
無茶を言っている、と自覚がある貴斗は敬語に戻っていたが、ソラはそれを咎める事はなかった。
(上目とか……っ上目とかぁぁっ!)
約400歳は激しく動揺していたからだ。萌えー!って叫んで床に拳を打ち付けたい衝動を耐えるのに必死だったからだ。ソラの方が背は高い。やや上目なのはいつもなのだが。
でも未だに少しだけ潤む瞳で、捨てられた子犬みたいな顔をして見上げられたら。その相手が憎からず思う相手、しかも裸にシーツだけで、お風呂一緒に入ろうよ(ハートマーク)なんて誘われたら!
やや言い方が違うしハートマークなんかついてなかったけれど、そこはソラの脳内変換だ。
「……あの、ごめん……」
その無言をどう解釈したか、しょぼんとして裾から離れた手を逆に掴んだ。
「背中流してあげるね!」
無駄に後光のさす笑顔が胡散臭い。
「え、いや、別にそこまでは……」
流石に貴斗も引いたが、もう撤回はできない。それに出来れば一人になりたくないのは事実だ。でも胡散臭い。
「まぁまぁ、いいからいいから」
あの無言の間は何だったんだろう、と首を傾げながら嬉々として服を脱ぐソラを見つめる。
(……そういえばソラの裸なんて初めて見るなぁ……)
温泉に行ったわけでもないのに日常生活で目撃するわけもないのだが。そういえば真夏の風呂上がり、貴斗がしばらく上半身裸で扇風機を陣取る事があってもソラが同じようにしているところすら見たことはない。
やん、裸で歩かないでよぉ~!!等と乙女風に言われてげんなりした記憶も甦ってちょっと笑ってしまった。
「え、何?」
微かな笑いが聞こえたのかソラが訝しげに振り返る。でもその内心は笑顔が出たことに安堵していた。
「……ソラがいてくれて良かったな、……と思って」
(何なの、これは俺への試練なの!?)
そんな可愛い顔して可愛い事言わないで欲しい。その裏に暁の一族に与えられた恐怖がなければ襲ってしまうところだ。
多分そこまで他意はないだろう無意識の煽り発言を年長のプライドと理性で意識の片隅に捩じ込んで、恐怖が甦るのかただ恥ずかしいのか、なかなかシーツを取ろうとしない貴斗をそのまま浴室に促す。
一通り身体を洗い終えて狭い湯船に二人で浸かる。その直前に一悶着あったが狭いからこういう風にしか入れない、というソラの熱弁と一緒に入ろうと言ったのは自分だから、という責任感で何とか収まった。
「何であの場所わかったんだ?」
ふと背後から抱き締める形で湯に浸かっているソラに話しかける。三日間場所を移動しなかったということは、彼らには見つからない自信があった筈だ。
微かに記憶に残るあれこれと、つい数時間前の狼男にされかけた事も同時に思い出して膝を抱える腕に力が籠る。
「……、あそこにいたのはね、あのハンター達のおかげ」
貴斗の様子を気にかけながら、その時の事を思い描いた。
「ちょっとオニーサン、地面についたなら一旦人間の方に戻ってくんね?」
腕の中の貴斗が“狼”の姿に怯えて、激しく震えている。華生はそれを一瞥して大人しく元に戻った。
「んで、どうすんだ。あの社長んとこ戻るのか?」
「……、あんた達だけ戻ってよ」
言われて諒真がチラ、と視線を向けた先で貴斗はソラに縋ったまま震え続けている。確かに戻った所で会話になるとは思えないし、あの息子が色々世話を焼きたがるかもしれない。落ち着くのを待った方が懸命だ。
それに、と諒真は目を細めた。
(気配が変わってる)
何も感じないただの人間、だった筈の彼から微弱ながらも浄化の気配を感じる。
(……若干手遅れか)
しかし魂を破壊されなかっただけマシだ。
「一族の襲撃がないとは限らないしな。そっちはばあちゃん達を守って」
「……それは構わないけど、逆に僕達が側にいない方が安全なんじゃないか?」
「離れてて人質にされる方がめんどい」
「そっちはどうすんだ」
「俺のねぐらはバレてないと思うし、一旦そっちに行く」
恐らく貴斗の部屋は張られている。今は見つかっていないとはいえ、春海の家もやがて見つかるだろう。ソラの住居もいずれは見つかってしまうだろうが、少しの間なら暁の一族からも闇の一族からも隠れられる。
「何かあれば連絡しろ」
「え、やだ何この仲良しみたいな空気!やめてよねー、気持ち悪い」
「ふざけんな!お前の為に言ってるわけじゃねぇよボケ!!」
「もう、喧嘩しないするなって……。とりあえず、落ち着いたら一度春海さんに電話した方がいいと思うぞ」
「はいはぁい」
ソラがひら、と手を振って貴斗を抱え直すと夜空に浮かび上がった。
「追っ手は来てるだろうから精々気を付けなよー」
「てめぇこそ俺が殺す前に死ぬんじゃねぇぞ」
「うっわー、いらねー。こんな独占欲」
何だかんだで似た者同士の二人が軽口を叩きあって彼らはそのビルを後にした。
※ ※ ※ ※
玄関を開けて電気を点けた途端、緊張の糸が切れたのか腕の中から嗚咽が聞こえてきた。
「ひ……、う……っ」
「……貴斗……」
堰を切ったように泣き出した貴斗の震え続ける身体をソファーに降ろして抱き締め、宥めるように撫でてやる。暫くそのまま撫で続けて、泣き声からしゃくりあげる声に変わるまで待ったソラがポツリと言った。
「ごめんね……」
そこで漸く貴斗が泣き腫らした顔を上げ、何を謝られているのかわからないと言いたげな顔でソラを見つめた。
「守るって言ったのに……ごめん……」
「ち、違……、ソラの、せいじゃ……」
合間にしゃくりあげながら貴斗が慌てたように首を振る。
「だって、俺が……勝手に、家出た……から」
だからソラのせいじゃない、とまたポロポロ涙を溢す。
「俺のせいで、ソラが、死んだかと思……っ」
貴斗はそう言ってギュッと強くしがみついた。そうだ、この子が見た筈の最後の光景は自分が撃たれた所だった、と思い出して抱き締める腕に力を込める。
「大丈夫、ちゃんと生きてるよ」
「うん……っ」
「……怖い思いさせて……ごめん……。すぐに助けてあげられなくて、ごめん」
「ソラは無事だったし、それにあの……、ホテルの事は……殆ど……覚えてない、から……平気。助けてくれて、ありがと……」
そう言ってしゃくりあげながらも微笑んでみせた姿に胸が締め付けられ、ソラは泣きそうになった。
使われた薬は強力だった。薬が効いている間の記憶は酷く曖昧で、何より初めから命よりは失ってもマシだと思っていた物。確かにショックは大きかったけど。
そう思って泣きそうなソラを見上げる。
「ホントに、大丈夫……だから」
でもその身体はまだ微かに震えていて、多少の強がりが混ざっているのは確実だ。せめて少しでも気分を変えさせようと思った時、
(そういえばまだ裸のまま……っ!)
今の貴斗がシーツを巻き付けただけだったのを思い出した途端何故か酷く動揺して立ち上がる。
「ちょっとお風呂沸かすから待っててね」
「あ……っ」
いつも通りに聞こえるように明るく言ったソラの腕を貴斗が掴んだ。
「……ひ、一人……ヤダ……っ!」
「……、わかった」
やっぱり訂正。大部分が強がりじゃん、と俯く頭を撫で、抱き上げて移動し脱衣場に降ろす。姿が見えなくならないようにドアを開けたままざっと浴槽を洗い、湯を出しながら振り返った。
「俺、ここにいるからゆっくり入っておいで。湯は適当なとこで止めてくれたらいいよ」
ここ、と浴室の入口を指差すと貴斗は困ったように眉を寄せた。
「どした」
「……」
貴斗の口が何か言いたげにモゴモゴと動く。開いては閉じて、を何度も繰り返した後辛抱強く待っていたソラの服の裾をチョイ、っと指先で掴んだ。
そこで俯いてまた考え込むような間。
「……貴斗?」
あ、もしかしてドアの前とか変態くさかった?と思ったソラがリビングで待ってるからと言い直しかけた時。
「……一緒に、入って……もらっても、いいですか」
耳が腐って都合のいい幻聴が聞こえたかと思って、一度無意味に耳を引っ張った。引っ張った所で何が起きるわけでもない。本当に無意味だ。それから俯いたままの貴斗を見下ろす。
「え……、と……」
「へ、変な意味じゃなくて!……その、……」
裾を握る指先に力が籠ったのを感じながら、台詞の先を継いで訊く。
「……一人、嫌?」
こくり、と首が縦に動いておずおずと見上げてきた。
「……ダメ、ですか」
無茶を言っている、と自覚がある貴斗は敬語に戻っていたが、ソラはそれを咎める事はなかった。
(上目とか……っ上目とかぁぁっ!)
約400歳は激しく動揺していたからだ。萌えー!って叫んで床に拳を打ち付けたい衝動を耐えるのに必死だったからだ。ソラの方が背は高い。やや上目なのはいつもなのだが。
でも未だに少しだけ潤む瞳で、捨てられた子犬みたいな顔をして見上げられたら。その相手が憎からず思う相手、しかも裸にシーツだけで、お風呂一緒に入ろうよ(ハートマーク)なんて誘われたら!
やや言い方が違うしハートマークなんかついてなかったけれど、そこはソラの脳内変換だ。
「……あの、ごめん……」
その無言をどう解釈したか、しょぼんとして裾から離れた手を逆に掴んだ。
「背中流してあげるね!」
無駄に後光のさす笑顔が胡散臭い。
「え、いや、別にそこまでは……」
流石に貴斗も引いたが、もう撤回はできない。それに出来れば一人になりたくないのは事実だ。でも胡散臭い。
「まぁまぁ、いいからいいから」
あの無言の間は何だったんだろう、と首を傾げながら嬉々として服を脱ぐソラを見つめる。
(……そういえばソラの裸なんて初めて見るなぁ……)
温泉に行ったわけでもないのに日常生活で目撃するわけもないのだが。そういえば真夏の風呂上がり、貴斗がしばらく上半身裸で扇風機を陣取る事があってもソラが同じようにしているところすら見たことはない。
やん、裸で歩かないでよぉ~!!等と乙女風に言われてげんなりした記憶も甦ってちょっと笑ってしまった。
「え、何?」
微かな笑いが聞こえたのかソラが訝しげに振り返る。でもその内心は笑顔が出たことに安堵していた。
「……ソラがいてくれて良かったな、……と思って」
(何なの、これは俺への試練なの!?)
そんな可愛い顔して可愛い事言わないで欲しい。その裏に暁の一族に与えられた恐怖がなければ襲ってしまうところだ。
多分そこまで他意はないだろう無意識の煽り発言を年長のプライドと理性で意識の片隅に捩じ込んで、恐怖が甦るのかただ恥ずかしいのか、なかなかシーツを取ろうとしない貴斗をそのまま浴室に促す。
一通り身体を洗い終えて狭い湯船に二人で浸かる。その直前に一悶着あったが狭いからこういう風にしか入れない、というソラの熱弁と一緒に入ろうと言ったのは自分だから、という責任感で何とか収まった。
「何であの場所わかったんだ?」
ふと背後から抱き締める形で湯に浸かっているソラに話しかける。三日間場所を移動しなかったということは、彼らには見つからない自信があった筈だ。
微かに記憶に残るあれこれと、つい数時間前の狼男にされかけた事も同時に思い出して膝を抱える腕に力が籠る。
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